公務員みたいな仕事と呼ばれる準公務員とは?公務員との違いや職種一覧を紹介

公務員みたいな仕事とは?

公務員ではないけれど、公務員のように公共性や公益性の高い仕事に従事する職を、みなし公務員、または準公務員と呼びます。

では準公務員とはどのような働き方なのか、どんなメリットがあるのかという詳細を確認していきましょう。

公務員と準公務員の違いについて

公務員と準公務員の違いについて

公共交通機関や電力会社、郵便局の職員、銀行員などの生活する上で欠かすことのできない仕事には、かつては国営だったものが民営化によって民間企業の職業となっていることが多く、そのようなインフラ事業に就いている職員のことを一般的には準公務員と呼びます。

国や地方自治体で勤務する公務員とは違い、準公務員は民間企業に勤めることになりますが、公務に従事しているとみなされるため、一般的な民間企業とは異なる規則が設けられており、ストライキを行うことや接待、手土産などの贈収賄が禁止され、副業も認められていない場合があります。

公共性の高い仕事であるため、一般的な企業とは違って会社がつぶれるという心配が基本的にはありません。

職業は安定しているといえますが、公務員のような身分の保障はなく、入ることの難しい企業から比較的簡単になれる職業まで幅広く存在します。

準公務員の職種7選

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準公務員と呼ばれる仕事には、どのような職種があるのか、代表的なものを挙げ、詳細を確認していきましょう。

①郵便局員

郵便局員は日本郵政グループに勤める職員のことを指し、日本郵便だけではなく、ゆうちょ銀行、かんぽ生命といった3つの部署に分かれています。入社後は、郵便物の集荷や配達、郵便に必要なものの販売を行う「郵便業務」、口座の管理や窓口の「銀行業務」、保険商品や資産運用を行う「保険業務」のいずれかの部署で、専門的な業務を行うことになります。

入社するには新卒採用やグループ各社が行っている中途採用を受けることが必要であり、様々なインターンシップやアルバイトの募集も行われています。

②公共図書館職員

地方自治体が運営している図書館は、民間企業が運営している場合も増えており、公務員の図書館司書以外にも司書の資格がない職員も採用されるようになってきています。

正社員としての登用はほとんどなく、契約社員やアルバイト、パートでの求人が多いですが、本の貸出・返却業務、本を予約するリクエストサービスをはじめとして、利用者が求めている資料を検索するレファレンスサービスや図書館内でイベントを開催するなどの専門性の必要となる業務まで、幅広い仕事内容であり、返却された本を書棚へ戻すなど体力が必要な仕事でもあります。

③銀行員

銀行員の中でも財務省の管轄である日本銀行や日本政策投資銀行のような政府が行っている金融機関で働いている銀行員は、公共性の高い仕事をしており、日本銀行法第30条にも「法令により公務に従事する職員とみなす」と準公務員であることが定められています。

日本の財務を担っている中央銀行である日本銀行の主な業務内容は、通貨や紙幣の発行、銀行への資金貸出、国債の売買、資金管理、物価安定の調整などとなっており、独自の入社試験を受験する必要があります。

通常は総合職、特定職(業務分野特定コース)、特定職(専門分野特定コース)、一般職の4つのコースで求人を募集していることが多く、どれも専門性が高い仕事で、新卒での採用がほとんどですが、中途採用を行っていることもあります。

就いているコースによっては国内外問わず転勤を行っていることもあり、課長など役職がつくと年収は1,000万円を超える高い年収になります。

④ガス会社職員

導管からガスを運ぶ都市ガスとボンベでガスを運ぶLPガスの2種類があり、ガスの製造と家庭・企業への供給、新規顧客開拓の営業、ガス料金の管理を行っているガス会社は、2017年にガスの自由化によってさまざまな会社が取り扱うようになり競争が激しくなりました。しかしながら、国民の生活を支えているインフラ事業であるため、安定性のある職業です。

営業や事務、企画など会社を運営していく事務的な職種と、ガスの製造や管理などのエンジニア、開発などの技術職があり、福利厚生がしっかりしている会社が多く、安心して働くことができます。

⑤電気会社職員

発電、電力の流通、配電、電気料金の管理などを行っている電力会社は、2016年から始まった電力自由化によって大手電力会社の独占販売が崩れ、市場競争が広がっています。しかし、こちらも生活に必要なインフラ事業であるため、安定した職業であるといえます。

会社の運営に関わる事務職と発電など電力に直接関わる技術職に分かれているのが一般的で、技術職は専門性の高い業務に携わることになるため、会社によっては関連業務に応じた学科を卒業していることが採用条件になっている場合もあります。

福利厚生がしっかりした会社も多いですが、大きなトラブルなどが発生した場合は給料がカットされる可能性も考えられます。

⑥通信会社職員

通信会社とはNTTグループやKDDIグループ、ソフトバンクグループなどの電話回線を提供する会社や、ケーブルテレビなどの自社設備で通信に関するサービス事業を展開する企業のことを指し、今や生活に欠かすことのできない電話回線やインターネット回線に携わるインフラ事業です。

通信会社は他のインフラ事業に比べて競争が激しい職業で、マーケティングなどの営業や総務などの事務職とシステムや技術開発、通信環境の整備などの技術職に分かれており、常に技術刷新やトレンドを追求していく仕事です。

⑦国立大学法人職員

以前は公務員であった国立大学の職員は、2016年に独立行政法人化したことで準公務員となり、総務や学生支援、研究協力などの事務職と、教育や施設管理などの技術職に分かれています。

国立大学法人等が合同で行う一次試験である統一試験と、各大学が実施する二次試験を受けるという他に、大学独自で職員採用試験を設けている場合もあり、契約社員から内部試験を受けて正社員として勤務するという方法もあります。

各大学によって差はありますが、平均年収は約600万円となっており、福利厚生はしっかりしているため、安定して働くことができます。

準公務員で働くメリット・デメリット

準公務員で働く メリット・デメリット

準公務員は、公務員という立場とも一般的な企業の社員とも異なる点がある職業となっていますが、どのような点にメリットとデメリットがあるのでしょうか。

4つのメリット

安定性がある

準公務員は公務員とは違い、国や地方自治体の身分の保障などはありません。しかし、多くは人々の生活に欠かすことのできないインフラ事業に関わっていることが多いため、一般的な企業よりも倒産するなどの心配が少なく、福利厚生がしっかりしていることが多いです。

安定した雇用を保っていることが多く、社会的な信用も高いため、住宅ローンが組みやすかったり、カードの審査に通りやすいなど生活にプラスになることもあります。

やりがいを感じる仕事が多い

電力やガス、銀行など、国民の生活を支える仕事を普段から行っていますが、時には国家プロジェクトのような大規模な事業に携わることもあります。そのため、社会に貢献していることを感じやすい業務を行っているということから、充実した仕事であったりやりがいを感じたりすることが多い職業です。

給与面が安定している

インフラ事業として人々の生活に必要不可欠な仕事を行っているため、社会情勢に給与が左右されることはあっても、基本的には安定しています。ほとんどの会社でボーナスが支給され、出福利厚生が整っていて困らないという勤務先もほとんどであるため、安心して長く働くことのできる職場が多いでしょう。

女性が働きやすい

準公務員は福利厚生がしっかりしていることが多く、産休や育休の長期間取得や、こどもがある程度大きくなるまでの短時間勤務制度など、産後に職場復帰をした後も仕事と家庭の両立をしやすい環境が整っているため、他の民間企業より女性もライフプランを立てて定年まで働くことをイメージしやすい職場であるといえます。

3つのデメリット

行動に制限がある

公務員ではなく民間企業に勤めている準公務員ですが、公共性の高い仕事であるため、社会的影響や社会に混乱をきたすことがないように、行動が制限される部分があることに注意が必要です。

業務内容が国民の生活にかかわることが多く、仕事で得た情報を外部に漏らすことが禁止された守秘義務が厳守されます。

業務が滞ってしまうことで生活が支えられなくなってしまうためストライキは禁止のほか、社会的信用を乱す可能性もあり、守秘義務に違反する危険性があることから副業が禁止されている場合がほとんどです。

接待や贈答の禁止

民間企業であれば、取引先に手土産や差し入れを持っていくということは気遣いや礼儀としてよくある慣習ですが、準公務員の場合はたとえ些細なものでも手土産が賄賂とみなされ、刑事罰の対象となってしまうことがあります。

取引先との会食では、取引先が食事代を負担してくれたり自分たちが支払った場合には接待となり、贈収賄と判断され、3年以下の懲役または250万円以下の罰金刑に処される可能性があるため、気をつける必要があります。

公務員と同じ刑法が適用される

準公務員はみなし公務員として、公務員と同じ行動制限が課せられていることがありますが、公務員のように法律で守られることはなく、身分保障などもされていないにも関わらず、違反した場合には公務員と同じ刑法が適用されます。

公共性の高い仕事であるため社会的影響の大きさを考えて、他の民間企業よりも罰則が厳しくなっていることがほとんどです。守秘義務などに違反した場合などは懲戒処分などの厳しい処分を受けたり、最悪の場合懲役や罰金刑を受けることもあります。

準公務員で働く方法

準公務員で働く方法

公務員として働くためには、公務員採用試験を受ける必要がありますが、準公務員は本当の意味で公務員という立場にはないので、国や各自治体が行う公務員採用試験を受ける必要はありません。

準公務員は各企業が雇い主となるため、それぞれの会社で実施している採用試験を受けることになり、新卒採用の他にも中途採用を行っている場合があります。

準公務員に向いている人の特徴3つ

準公務員に向いている人の特徴3つ

①安定性のある仕事に就きたい方

国民の生活に必要不可欠な仕事を行っている準公務員は、会社が倒産するなどの不安が少なく、福利厚生がしっかりしていることも多いため、転換期の多い女性でも定年まで勤め上げることをイメージすることのできる職業です。そのため、安定した職場で働きたいという方に向いている仕事です。

②やりがいのある仕事をしたい方

インフラ事業や文化を支える仕事は人々の生活を支えているという実感を得やすく、専門的な職業によっては大規模なプロジェクトを行うこともあるため、やりがいや充実感をもって働くことができる仕事をしたい方に向いているといえます。

③目的意識を持っている方

安定性のある職場でやりがいのある仕事を行うことのできる準公務員は、公務員のように国や地方自治体に奉仕する仕事ではありませんが、国民の生活を支える重要な職業であるため、「なぜこの仕事を行うのか」という目的意識を持つことが重要です。

そのため、目的を持って働きたい方に向いている仕事と言えるでしょう。

準公務員は安心して働ける職業

公務員ではないのに公務員のように厳しい規定が設けられている準公務員ですが、生活に不可欠な仕事であることで倒産などの心配は少なく、給与や手厚い福利厚生で安定して働くことができます。

人々の生活になくてはならない職務に従事しているというやりがいを持って働くことができるので、仕事を人々の生活のため、国の経済のためと思える方に向いているでしょう。

ただその分、副業の禁止、守秘義務などがあるので誘惑や個人のSMSには気を付けなければなりません。

いずれにせよ、自分が関わっている仕事とはどんなものなのかをしっかりと認識して、行動することが大切になるでしょう。