あなたはIT営業の年収がいくらぐらいなのか気になっていませんか?
確かに、IT営業の年収について調べると、男性の平均年収は496万円と比較的高い印象です。
しかし、本当にみんながこの年収をもらっているのかと問われると疑問が残ります。
中には、もっと多い方や少ない方もいるはずなので、具体的に年収がいくらなのか気になるでしょう。
そこで今回は、IT営業の年収について解説します。年代別・男女別・他業種の営業など、様々な視点から年収を見ていくので、ぜひ参考にしてみてください。
IT営業とは?
IT営業とは、ITシステムやITサービスを売る仕事です。
つまり、モノとして形がある商品ではなく、無形商材を取り扱う仕事となっています。
具体的な仕事内容としては、情報システムの開発からソフトウェアの導入、WEBコンテンツ制作・マーケティングなど幅広く対応しているのです。
また、販売するITシステムには以下のようなものがあります。
- 物理サーバ
- ネットワーク
- 貸与PC
- 仮想環境
- データベース
- アプリケーション
- 社用携帯電話
そして、ITサービスには以下のようなものがあるのです。
- 月額制の人事管理システム
- 月額制の音楽配信システム
- 社用携帯のサポート契約
- 使用量に応じた課金システムのインフラサービス
これらのシステムやサービスを、企業などを対象に販売するのがIT営業の仕事となります。
IT営業に求められる4つのスキル
前述の通り、IT営業ではシステムやサービスを顧客に販売する必要があります。そのため、以下の4つのスキルが必要とされているのです。
✔ 数字に強いこと
✔ 論理的な思考力
✔ マーケティング思考
✔ エンジニア思考
やはり、数字に強いのは必須で、その他にも論理的な思考やマーケティング的思考が必要となっています。もちろん、エンジニアとしての思考もなければ販売する商材の特徴を理解して伝えられません。
中には、もともとエンジニアとして活躍していた方が、営業に異動するというケースもあります。
プログラミングなどはできなかったとしても、専門用語を習得するといった勉強は必須でしょう。
IT営業の平均年収は?年代・男女別の年収を紹介
ここでは、IT営業の平均年収を年代別と男女別に分けて解説します。
今回は大手転職サイト「doda」が発表した「平均年収ランキング 最新版【職種別】」を参考に確認していきましょう。
年代別IT営業の平均年収
まずは年代別のIT営業の平均年収について解説します。
IT営業の年代別平均年収 | |
20代 | 383万円 |
30代 | 518万円 |
40代 | 663万円 |
50代 | 813万円 |
このように、年齢別で見てみると年代が上がるにつれて年収が上がる傾向にあるのが分かります。
では、他の業種と比べてIT営業の平均年収は高いのでしょうか安いのでしょうか?
以下に業種を問わない年代別の平均年収を掲載してみました。
業種を問わない年代別の平均年収 | |
20代 | 346万円 |
30代 | 452万円 |
40代 | 528万円 |
50代 | 645万円 |
業種を問わずに年代別の平均年収を確認すると、20代では大きな差はありません。
しかし、既にIT営業の方が少し年収は高いという結果です。
そして、年代が上がるにつれて差は開いていき、50代になると168万円もIT営業の方が高いという結果となりました。
やはり、IT営業は比較的年収が高いと言えるでしょう。
男女別IT営業の平均年収
続いては、男女別のIT営業の平均年収について解説します。
IT営業の男女別平均年収 | |
男性 | 496万円 |
女性 | 403万円 |
年代別で見てみると、やはり男性の方が高い傾向にあるようです。
では、男女別でも業種を問わない平均年収を比較してみましょう。
業種を問わない男女別平均年収 | |
男性 | 522万円 |
女性 | 380万円 |
このように、業種を問わない場合、男性はIT営業の平均年収よりも高いという結果となりました。反対に、女性はIT営業の平均年収の方が高いという結果です。
男性の方は、投信/投資顧問や戦略/経営コンサルタントなど、平均年収を大幅に上げている業種・職種が含まれているため、IT営業よりも全業種の平均年収の方が高くなったと考えられます。
女性に関しては、IT営業の平均年収よりも低い年収の業種が多くあるため、全業種の方が平均年収は低くなったのです。
どちらにしても、IT営業の年収は平均と比べると、少し高いということが理解できたでしょう。
IT営業は他業種の営業と比べて年収は高いのか?
ここでは、IT営業と他業種の営業の平均年収を比較して、どちらの方が高いのか確認していきましょう。
まずはIT営業の平均年収を解説します。今回は生涯賃金も併せてみてみましょう。
IT営業の平均年収&生涯賃金 | |
平均年収 | 470万円 |
生涯賃金 | 2億7,953万円 |
この年収は、全世代の性別を問わない平均年収です。
次に、その他の営業の平均年収と生涯賃金を確認してみましょう。
電子部品メーカー | 平均年収:525 万円 生涯賃金:2億8,543万円 |
証券 | 平均年収:498 万円 生涯賃金:3億3,553万円 |
機械/電機メーカー | 平均年収:491 万円 生涯賃金:2億7,143万円 |
不動産金融 | 平均年収:486 万円 生涯賃金:2億6,117万円 |
総合商社 | 平均年収:474 万円 生涯賃金:3億940万円 |
銀行 | 平均年収:452 万円 生涯賃金:2億8,059万円 |
化学/素材メーカー | 平均年収:450 万円 生涯賃金:2億4,385万円 |
食品/消費財メーカー | 平均年収:435 万円 生涯賃金:2億3,356万円 |
建設/不動産 | 平均年収:430 万円 生涯賃金:2億2,732万円 |
インターネット/広告/メディア | 平均年収:430 万円 生涯賃金:2億3,726万円 |
医療機器卸 | 平均年収:424 万円 生涯賃金:2億2,962万円 |
住宅設備/建材メーカー | 平均年収:418 万円 生涯賃金:2億1,341万円 |
信用金庫/組合 | 平均年収:397 万円 生涯賃金:2億3,509万円 |
家具/インテリア/生活雑貨 | 平均年収:397 万円 生涯賃金:2億517万円 |
サービス | 平均年収:397 万円 生涯賃金:2億471万円 |
福祉/介護関連 | 平均年収:356 万円 生涯賃金:1億6,493万円 |
このように各業種における営業の平均年収を確認してみると、一番高いのは電子部品メーカーの525万円だと分かります。
反対に一番低いのは福祉/介護関連の356万円という結果でした。
そして、IT営業と比較すると、総合商社の474万円の次にIT営業の470万円が来るという形になります。
営業職全体で見てみると、IT営業は一番年収が高い訳ではないものの、比較的上位に位置することが確認できたでしょう。
IT営業で年収を伸ばすために必要なスキルとは?
IT営業の年収を様々な角度から確認してきました。しかし、あなたのスキル次第では年収アップを狙うのも無理ではありません。
では、どのぐらいのスキルがあれば、いくらぐらいの年収アップが見込めるのでしょうか。
まずは、厚生労働省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」を基に確認してみましょう。
各レベルのスキルについては以下の通りとなっています。
レベル1 | 新人・初級者レベル/仕事に慣れ始めたレベル |
レベル2 | 上位者の指導のもとに仕事ができる若手人材レベル |
レベル3 | 独立して仕事ができる中堅人材レベル |
レベル4 | 部下を指導できるチームリーダーレベル |
レベル5 | 社内での指導者・幹部レベル |
レベル6 | 国内で著名なレベル |
レベル7 | 国際的に著名なレベル |
出典元:厚生労働省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」
そして、IT営業の平均年収は470万円だったので、レベル2だと平均的な収入が得られるという訳です。それ以上のレベルになってくれば平均よりも高い所得が狙えます。
また、レベル1~3までは年収の推移が緩やかに上昇していて、それ以降になると急激に年収が上がっているのが確認できるでしょう。
さすがにレベル6や7になると、ほんの一握りの人材しか到達できない領域かもしれませんが、レベル4くらいなら、あなたの努力次第で実現できるレベルと言えるでしょう。
加えて、レベル6や7まで達してなくても年収が1,000万円を超えるIT営業の方はいるので、努力する価値は十分にあります。
IT営業に必要なスキル
では、IT営業で年収アップを目指すには、具体的にどのようなスキルが必要なのでしょうか確認してみましょう。
プレゼンテーション能力
IT営業の年収アップに必要なスキル1つ目はプレゼンテーション能力です。
プレゼンテーション能力とは、顧客に対して自社のサービスやシステムがどのように優れているのかアピールする能力になります。相手の理解度に合わせて話を組み立てるスキルが必要です。
また、一方的に話すのではなく、シミュレーションやデモンストレーションなどを交えながら分かりやすく解説する力も必要とされています。
ヒアリング力
IT営業の年収アップに必要なスキル2つ目はヒアリング力です。
交渉や取引を成立させるには、顧客が抱える問題点・悩み・希望を引き出すヒアリング力が大切になります。顧客の立場に立って、何が必要なのか考えるという視点を持つ必要がある訳です。
サービスの説明力
IT営業の年収アップに必要なスキル3つ目はサービスの説明力です。
顧客の問題点や悩みを解決して、希望する未来を手に入れてもらうためには、サービスの説明力が必要となってきます。自社の商品をどのように生かせば、あなたの悩みを解決して明るい未来が手に入れられるのか、具体的にイメージさせてあげることが必要です。
問題・課題の解決力
IT営業の年収アップに必要なスキル4つ目は問題・課題の解決力です。
顧客から「こんな機能はないの?」や「こんな作業はできるのか?」といった要望はよくあります。
そのため、IT営業では、顧客から出た問題や課題を自社の開発部に伝えて、改善ができるのか連携を図る必要があるのです。IT営業が顧客と開発者の架け橋になっていることを理解しておく必要があります。
IT営業の適正について
IT営業には上記の4つのスキルに加えて、重要な適性が備わっている必要があります。その適正というのが、「システム的な考え方や方法論」です。
というのも、どんなに技術が発達しても論理的に矛盾したシステムは作れません。
そのため、顧客の曖昧な要望や理不尽な希望を安請け合いする訳にはいかないのです。
この要望は論理的に設計可能なのか、話を聞いてその場で考えて判断しなければなりません。そうしなければ、顧客とトラブルになるだけでなく開発スタッフともトラブルに発展する可能性があるのです。
常にシステム的な考え方と方法論を持って、どこまでが実現可能な要望なのか考える必要があります。
これができない場合は、IT営業の適性がないと考えた方が良いかもしれません。
まとめ
今回はIT営業の年収について解説しました。
男女別や年代別で平均年収を確認した結果、男女別では男性が496万円で女性が403万円、年代別では20代が383万円、30代が518万円、40代が663万円、50代が813万円という年収でした。
また、他業種の営業とも比較してみると、IT営業よりも高い業種こそあるものの、営業職の中では比較的高い年収だと理解できたでしょう。
そして、スキルアップをすれば、さらに年収を上げることも可能だと確認できました。それには、プレゼンテーション能力やヒアリング力、サービスの説明力、問題・課題の解決力などが必要なので、スキルを身に付けて年収アップを狙ってみてください。