今の環境をがらりと変え、地方移住をして転職をしたい。
毎日満員電車に揺られながら通勤する中で、そんな思いを抱いたことはありませんか。
都会で忙しく働いていると、時間が過ぎるのも早く感じてリフレッシュする暇がないのではないでしょうか。
また人口が多いにも関わらず、人間関係は軽薄なので悩みを相談できる相手もいない、という方が意外に多いのが実情です。
それに対して田舎では、満員電車で通勤する必要がない上、豊かな自然に加えて周囲の人が親切であるなど、都会での暮らしで疲れた気持ちを安らげることができる環境が整っています。
年収は下がる可能性があっても、精神的な余裕を選びたいと考えた結果、地方移住して転職しようと希望する方が多いのも事実です。
そこで今回は、地方移住して転職しようと考えているあなたに向けて、メリットやデメリットを解説します。
また、都市部と地方の転職活動の違いや移住と転職活動はどっちから始めれば良いのかについてもまとめてみました。
都市部と地方の転職活動で異なる点
都市部と地方の転職活動には、大まかに分けて3つの違いがあります。
何も知らずに地方で転職活動を始めると、失敗する恐れもあります。まずは、都市部と地方の転職活動の違いについて理解しておきましょう。
違い1.移動手段
初めに都市部と地方の転職活動で大きく異なることは、移動手段でしょう。
都市部なら、大半の移動手段は電車やバスといった公共交通機関になります。
そのため、お金や交通系ICカードさえ持っていれば家から遠い会社であっても転職活動に支障はありません。
しかし地方では次に解説するとおり、公共交通機関が発達していないところも存在しており、電車やバスだと移動できない可能性が高くなります。
つまり、地方での転職活動には車が必須という訳です。
この事実を知らないまま、車を持っていないのに地方移住して転職活動を始めると、「会社までの移動手段がない」といったトラブルに見舞われる可能性があります。
地方では、交通の便に大きな違いがあるという点をしっかりと理解しておきましょう。
違い2.時間調整
面接時間に遅刻をしない、ということは社会人にとって当たり前のマナーです。
地方は車社会であると述べましたが、それに関連して地方での転職活動をする際は、時間調整に対してより一層気を配る必要があります。
都市部だと、電車の駅の数やバスの停留所の数は非常に多くなっています。
また、運行本数も5分おきに電車がくるといった利便性の高さがあるので、細かく時間調整しなくても問題ありません。
仮に、電車を1本乗り過ごしても、面接などの予定時刻に遅れるといったケースは少ないでしょう。
しかし、地方だと電車の数が非常に少なくなっているのです。
1時間に1~2本というのは珍しくなく、万が一1本電車を乗り過ごすと面接などの時刻に間に合わない、なんてこともあるかもしれません。
電車やバスといった公共交通機関が発達していないからこそ、時間調整には気を配る必要があるのです。
あらかじめ時刻表などを確認して当日面接に向かうのか、それとも車を手配して向かうのか、予定を立てるようにしてください。
面接までの日数に余裕がある場合は、下調べをするとより安心です。
違い3.求人の細分化の有無
移動手段などライフスタイルの差異について述べてきましたが、転職における大きな違いは求人の細かさについてであるといえます。
都市部には、社員数が数百人を超える大企業がたくさん存在します。
そのような企業だと、社外に出る営業職と社内でサポートする事務職など職種を細分化しているケースが多く、求人なども仕事内容に沿って細かく分けられているものです。
皆さんも普段転職サイトを見る中で、同じ会社でも複数の職種で募集している求人を見かけることは多いのではないでしょうか。
しかし地方企業の場合は社員数が少ない企業が多いため、1人の社員が外回りも内勤も担当していたり、または内勤であっても常に複数の業務を担当していたりといったケースが多く存在します。
加えて求人内容も細分化されていないので、事務職で採用されたのに事務職以外の仕事も担当になる可能性もあります。
面接の際に、自身がどの業務を管轄するのか質問することで懸念点を潰していきましょう。
地方の転職活動・移住のメリット・デメリット
続いては、地方の転職活動と移住のメリット・デメリットについて解説します。
相反する視点から考えることは、転職活動の実現に向けて動く際に大切なことです。
地方転職のメリット
まずは、地方の転職活動と移住のメリットについて確認していきましょう。
メリット1.生活費が安い
地方の転職活動と移住のメリット1つ目は、生活費が安いという点です。
都市部なら、ワンルームマンションでも月7~8万円程度の家賃がかかります。
また、車を持っていると駐車場代だけでも月々2~3万円はかかるでしょう。
それに対して、地方では月7万円もあれば駐車場付きのファミリータイプのマンションに住むことができます。
また、戸建て住宅やマンションの購入費用も格安になっているケースが多いのです。
若いうちからマイホームを手に入れるという夢も実現可能なので、この点は大きなメリットとなるでしょう。
空き家バンクを使用する場合、かなりの低価格で一軒家を購入することが可能です。
加えて地方移住をすることで、国からの補助金を受け取ることができる可能性もあります。
地方都市によって異なりますが、世帯の場合は100万円以内・単身の場合は60万円以内での補助金を受給できます。
気になる方は、内閣府地方創生のHPを覗いてみてください。
メリット2.通勤ラッシュがない
地方の転職活動と移住のメリット2つ目は、通勤ラッシュがないという点です。
都市部では、満員電車を避けて通勤する方が困難でしょう。
満員電車が当たり前である都市部では、「仕事における1番の苦痛が満員電車」という方までいるほどです。
しかし、地方に移住すれば電車が混むケースが少ないので、満員電車に揺られる必要がなくなるでしょう。
また、車通勤を認める会社も多いので通勤ラッシュとは無縁だ、という方も存在します。
通勤ラッシュから解放されるだけでも精神的な負担が軽くなり、より仕事に身が入るようになるでしょう。
メリット3.子育てしやすい環境が整っている
地方の転職活動と移住のメリット3つ目は、子育てがしやすい環境が整っているという点です。
都市部では、子供を保育園に入れることが出来ず、仕事復帰をしたいのに出来ないといったことが近年問題となっています。
そのうえ、ご近所付き合いも薄いため、知り合いの家で預かってもらうといったことも難しいことが実情なのです。
その点、地方に移住すれば都市部よりも格段に保育園に入りやすく、安心して子供を預けて仕事に専念することができます。
ご近所付き合いもしっかり機能しているので、ちょっとした用事の時にご近所さんに預かってもらうといった方法も利用できるでしょう。
メリット4.自然が豊富でリフレッシュできる
地方の転職活動と移住のメリット4つ目は、自然が豊富でリフレッシュできるという点です。
都市部は人口が多く、休日などは特に外出したものの常に人混みの中で疲れてしまうこともあるのではないでしょうか。
そして人と人との距離が近いだけでも強いストレスを感じるのに、リフレッシュできるだけの自然はほとんどありません。
結果としてお金をかけてジムに通ったり、買い物をしたりしてリフレッシュするしかないのが実情でしょう。
しかし、地方に移住すれば自然豊かな環境が整っているので、ゆったりとした気持ちで日々過ごせます。
空気や水も綺麗なうえに四季の移り変わりも感じられるので、リラックスしながら仕事に取り組めるでしょう。
デメリット3つ
続いては、地方の転職活動と移住のデメリットについて確認していきましょう。
デメリット1.地方の転職は年収が下がるケースが多い
地方の転職活動と移住のデメリット1つ目は地方の転職は年収が下がるケースが多いという点です。
職種によって違うものの、地方に移住すると年収が約3~4割程度減るとされています。
実際、都道府県別に賃金を比較してみても、都市部と地方では年収に大きく差があると分かるのです。
【賃金が高い地域】
東京都 | 380.4 |
神奈川県 | 339.1 |
大阪府 | 329.1 |
愛知県 | 322.4 |
【賃金が安い地域】
宮崎県 | 235.1 |
秋田県 | 240.1 |
青森県 | 241.2 |
山形県 | 244.0 |
*参考:厚生労働省「平成 30 年賃金構造基本統計調査の概況」
このように、都市部と比べると地方はかなり賃金が安いと分かります。
もちろん、賃金が安い分生活費もかからないので、生活が苦しくなる訳ではありません。
しかし、年収にこだわっている方にとっては大きなデメリットと感じるでしょう。
デメリット2.住居費以外の費用が増加する可能性が高い
地方移住を考えるうえで、生活費を抑えることができることが大きな理由になる方もいるかもしれません。
もちろん家賃などを比べると、都市部よりも地方の方が安くなっています。
しかし、地方ならではの費用が発生する可能性があるのです。
例えば、公共交通機関が充実しておらず車に乗る機会が増えると、ガソリン・駐車場・車検・自動車保険・消耗品などかかってきます。
また、北海道をはじめとする寒い地域に住むと、暖房を使う機会が増えて光熱費が今まで以上にかかる可能性があるのです。
このように、場合によっては生活費が今まで以上にかかるケースもあり、移住を考える上ではその点を理解する必要があります。
デメリット3.地域交流などが活発な可能性が高い
また、メリットが人によってはデメリットになることもあります。
それは、地方は都市部よりも交流に重きを置いているという点です。
都市部だと地域交流があまりないので、面倒な人付き合いも気にする必要がありません。
しかし、地方に住むと首都圏と比べて地域の行事への参加が増えるでしょう。
地域の清掃やお祭りといった行事では、役員や当番などの役回りを任される可能性があります。
もちろん、こうした行事に参加することで交流を深めるきっかけとなり、大変な時に助けてもらえることもあります。
人付き合いを苦に感じない方にとっては、様々な年代の方と交流することで都市部にいた頃よりも大きく成長できるかもしれません。
このように地方では、行事だけでなく近所の方との交流も親密になりやすいので、これらの点は理解したうえで移住を検討してください。
移住と転職活動はどちらが先がベター?
それでは、地方に移住してから転職活動を始めるのか、職を決めてから移住するのかどちらが良いのでしょうか。
結論を言ってしまうと、まずは転職先を決めてから移住してください。
また、移住後に急いで転職活動を行い妥協した結果、あまり満足できない可能性もあります。
おまけに、地方だと仕事は都心より少ないため、辞めてしまうと次の仕事が見つかりにくいリスクも考えられます。まずは時間をかけて転職先を見つけた方が良いでしょう。
地方移住・転職で気を付けると良いポイント
最後に、地方に移住して転職する際に気を付けるべきポイントは何なのかについて解説します。
移住したい理由を明確にする
国が都市部からの移住を推奨していることもあり、地方転職は歓迎される場合が大半でしょう。
地方転職での重要なポイントは、なぜ自分がこの土地で仕事をしたいのかについて明確な理由を持つことです。
明確な理由を持つことは、面接での受け答えに加えて、この先新天地で生活していく上でも重要になってくるでしょう。
採用担当者の方によっては、「わざわざ都会から引っ越してきたのは何か悪い理由があるのでは?」や「またすぐ別の地域に引っ越すのではないか」と思われる可能性があります。
つまり、単純に仕事の面だけで評価してもらえないケースもあり、転職活動では「なぜ移住したいのか」という点について、相手が納得できるように説明する必要があるのです。
生活エリアもきちんとリサーチしておく
もし移住を先に済ませた場合、住居を決めるときに部屋の条件と会社の距離だけで決定してしまうかもしれませんが、しっかりとリサーチすることは大切です。
リサーチしなかった場合、以下のような不便を感じる恐れがあります。
✖ 買い物できる店が近くにない
✖ 街灯がなくて夜道が危険
✖ 将来子供ができても保育園がない
これらの面で困るリスクを回避するためにも、都市部にいる今からリサーチをするべきです。
そんな失敗をしないためにも、職場との距離だけでなく生活面などの周辺の環境も考慮しながら住まいを探すように心がけてください。
このように地方ならではの注意点があるので、地方の良い部分ばかりではなく、悪い部分や不便な部分にもしっかりと目を向けたうえで転職活動と移住を計画しましょう。
せっかく新天地で頑張る気持ちを持っているのであれば、下調べをしっかりと行ったうえで後悔のない転職にしましょう。