大卒の新卒入社3年以内の離職率はおよそ3割。とりあえず3年、最低でも3年という言葉があるにも関わらず、これだけ多くの人が3年を待たずに退職、そして転職に踏み切っています。
その転職に対して、実際に転職した人はどういった感想を持っているのでしょうか。
入社3年以内の人を対象にした第二新卒者の需要が増え転職しやすくなったとは言え、実際に転職してみると思うことは様々。良かったと思うこともあれば後悔することもあるでしょう。
そこで今回は入社して1年半で転職した人の転職の感想を紹介します。
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新卒で入社してから退職までの1年半
私が新卒で入社した会社を退職したのは入社してから1年半、2年目の10月でした。
就職活動はそれなりに頑張ったつもり。自己分析に時間をかけ、複数の会社にインターンシップをし、OB訪問もたくさんしました。
そうやって見つけた会社。そこそこの大手で海外に行くチャンスもあり入社する前はそれなりの希望を持っていました。まさかすぐに辞めることになるなんてつゆとも思わず。
そんな私が入社した会社を辞めたいと感じるようになったのは入社して半年後のことでした。
最初の2ヶ月は同期と一緒の研修で毎日楽しく過ごし、配属後の4ヶ月くらいはただ仕事を覚えること、その職場に馴染むことに必死だったのであまり転職することを意識したことはなかったです。
しかし入社して半年たったくらいから、自分が思い描いていた仕事と現実のギャップを感じるようになってきてしまいました。新入社員によくあるやつですね。
完全に決められている仕事の流れ、新たなことや創造的なことにチャレンジする気配はなし、求められるのは自分の手を動かすことよりも如何に発注先や関連会社を動かすか。
そうした仕事にはどうしてもやりがいを感じることができず、徐々に仕事に対するモチベーションを持つことができませんでした。
そこから1年は悩み続ける一方。仕事を辞めたい、転職したい。だけどさすがに早すぎる。そうした葛藤を抱え続けて過ごす日々でした。
当然仕事に身は入らず、その1年で同期にはみるみるうちに差をつけられてしまいましたね。積極的に仕事に取り組んでいく予定が何でも受け身になり最低限の仕事しかしない。
上司との面談ではもう少し仕事にやる気を出してほしいということをやんわり言われてしまいましたね。
結局2年目になったタイミングで今のままではまずいと思い転職活動をしてみることを決意。早いのは重々承知でしたが、今のまま過ごすくらいならさっさと転職してしまった方が良いのではないかと思った為です。
第二新卒としての転職活動は成功した
私の第二新卒としての転職活動は割と上手くいった方だと思います。
前の会社よりも大手で平均年収も高い会社、一応ホワイト企業と言われる会社に転職することができましたから。
転職活動も2ヶ月で終わりましたし、4社受けただけでした。
個人的な感想になってしまいますが就職活動よりもかなり簡単だったという印象。
働いた経験が有る分、アピールする内容は絞りだす必要がなかったし、対策もしやすい。就職活動を経験したことも活かせますしね。
また就職活動だと何から何までやっていたことも転職エージェント(doda)を利用したことでかなりやることを絞ることができ、アドバイスを貰うことができたのも大きな理由かなと思います。
転職をしてみて感じること
仕事が嫌になって転職、その転職ではそれなりに良い会社に転職することができ、一応は成功したと言えます。
ただ転職後に私が感じたことは決して良いことばかりではありませんでした。
逃げた部分がなかったわけではない
前の会社を退職するまで、私はその会社で働き続けるべきではない理由ばかりを考えていました。
嫌なことばかりを挙げ、働き続けるにはどうすれば良いのかを考えることはしなかったのです。
退職したからこそわかりましたが、私の退職には確実に逃げがありました。
前向きな意思がなかったわけではありませんが、全てがそれではなかったのです。
後悔したこともある
退職したこと、そして転職したことに対して後悔が全くなかったというと決してそんなことはありません。
むしろ後悔したことだらけです。
もっと仕事に向き合えば良かった、真剣に仕事に取り組めば良かった、辞めなければ気づいたことがあったかもしれない。色々なことを考えてます。
転職した理由が会社に原因があったわけではなく自分に原因があったからこそ、ああすればよかったということは本当に多いです。
転職して良かったかはまだわからない
転職した会社では今のところ仕事は楽しいです。
全てが理想通りなんてことはありませんが、それでも前よりはやりがいを感じることができているし、自発的に仕事に取り組むことができています。
ただそれでもまだ転職して良かったと心から思ってはいません。そう思うようにはしてますが。
まだ転職して1年ですから、その答えは数年後です。
それでもこの決断を間違いだとは思わない
逃げの部分があった転職。そして転職後に後悔したことも多い。
ただ私の中で転職したことは決して間違いだったとは一切思っていません。
前の会社を退職したからこそ自分のことに対して色々なことに気づくことができましたが、もしあのまま働き続けていれば気づくことはなかったと思うし、だらだら仕事を続けて単にお金を稼ぐ為だけに会社に行く日々を送っていたと思うからです。
逃げたという自覚も後悔の念も、そこに気づくことができたのは私にとってメリットです。そこに気づくことができたからこそ今の仕事への向き合い方ができるようになりました。
入社1年半以内でも転職する価値は大いにある
入社1年半以内で転職するのは勇気がいるし、周囲からどんな目で見られるか気になります。
ですが、転職する価値がないわけではありません。
3年は働かないとダメなんて言葉に縛られなくていい
3年以内の転職はするべきではないという意見があるのは事実。私自身、周りに言われたこともあります。
ただ、私としては今の会社が無理なら3年以内でもやってみることは十分に価値があることだと思います。
仮に、「3年は働かないとダメ」だとしても、3年後に会社の経営が傾くことだってあるだろうし、ストレスを抱えて働くうちに鬱になってしまうかもしれません。
いずれかの状態になったとき、「3年は働かないとダメだよ」といった人はあなたの人生に責任を取ってくれるでしょうか。
3年の定義はある意味無責任なもので、そのくらいは働かないと仕事を覚えられないよという戒めの言葉と考えるのが妥当でしょう。
自分の人生は自分のものであり、3年という言葉に縛られる必要はありません。
転職することが必ずしも良いことだとは思っていません。
今の仕事で模索していくことも大切だし、それによって得られることもあるでしょうから、まずはそっちの努力をすることは必要なことだと思います。
ただそれでも無理ならぜひやってみてください。
後悔することもあるでしょう。でもそれも自分にとっての財産になります。そのまま嫌々仕事を続けていくよりもずっと前進できるはずです。
ただ、短期退職を2回すると少し不利になることも
入社から1~2年の短期退職は悪いわけではありません。
ただ、2回連続すると不利になることがあります。
転職回数や在籍期間で採用が決まるわけではないものの、採用担当者にとって長く働いてもらうことは重視したい項目であることは確かです。
応募先の立場になって考えてみれば、また短期間で辞めるのではないかと不安視するのも無理はないでしょう。
事前に自己分析や準備をしっかり行い応募先を選定していれば問題ないことですが、転職理由を前向きに伝えることや応募先に貢献できるスキルを整理するなど、戦略を立てて臨まないと難しくなることもあります。
転職するか否かの判断基準は?
転職した方がいいと思うとき、本当に転職すべきか否かの判断は難しいですよね。
このタイミングで転職すべきか判断基準を紹介します。
新卒が転職を検討する主なきっかけは4つ
仕事へのギャップ
新卒で入社してから徐々に感じ始めるのが実際の仕事へのギャップです。
実際に働き始めてから気がついたギャップが大きすぎる場合、仕事を続けられないほど強いストレスを感じるようになるでしょう。
労働環境がキツイ
労働環境には精神的、肉体的、衛生面などさまざまな内容が含まれますが、ここでは労働時間や休日を中心に考えます。
労働時間が長い、休日が少ない、社員全体にやる気がなくて仕事の終わりが見えないなどがキツイ労働環境にあたります。
休日出勤などもある場合は想定よりも休めなくなるため、余計にキツイと感じさせるでしょう。
人間関係
職場の人間関係が悪いとかなり働きにくいです。
人を批判したり、なにかと上げ足をとったりと性格に問題がある社員が多いと、仕事にも影響を及ぼすようになります。
長く勤めると精神的負担が大きくなり鬱病を発症することもあることから、人間関係の悩みは転職理由の中でも上位にランクインしています。
給料の安さ
周りの同年代と比べて給料が安いか、業務と給料が見合わないと思うときは転職を検討するタイミングです。
給料が安い会社の中には、給料の安さに加えて残業代や出張費の未払いなど働いた分の賃金がもらえないケースもあります。
相場より給料がかなり低い場合は会社が倒産する可能性もあるため、例え新卒でも早め早めに転職に向けて動き出す人が多いです。
転職しても良い場合
転職先がブラック企業
転職先がブラック企業だった場合、早めに転職した方が良いでしょう。
ブラック企業とは、極端な長時間労働時間や過剰なノルマ、残業代や給料賃金不払い、ハラスメントが横行している企業全般を指します。
企業としてのコンプライアンスへの意識が低く、離職率が高く社員を使い捨てるように扱うところは早めの転職がおすすめです。
求人内容の条件と違う
転職前に求人で見た内容と実際の業務内容が違う会社は信用できません。
事務員として採用されたはずなのに毎日営業をやらされる、休日や給料などの条件が違うといった場合は転職を急ぐ方が良いでしょう。
自分がやりたい仕事がわかった
就職するときはこの仕事をやろうと思って入社したけれど、ほかにやりたい仕事が見つかったなら早い段階で転職することをおすすめします。
また、元々やりたい仕事があった人でやっぱり諦めきれないという場合も、やりたい仕事をしてみる方が良いでしょう。
やりたい仕事の内容によっては、年齢や需要などの関係でタイミングを逃すことも考えられます。
手遅れにならないようタイミングを逃さず転職しましょう。
仕事が合わない
実際に働いてみて自分には合わないと気付いた場合は、もう一度自己分析を行って合う仕事を探してみましょう。
プログラマーになりたいと思って就職したけれど理論的にコツコツ進める仕事が自分に合わないと気付いた、営業をやってみたいと思っていたけれど実際は心が折れまくって辛いなど、仕事が合わないとわかったときも転職のチャンスです。
上司や同僚パワハラ気味
職場の上司や同僚がパワハラ気味で、言いたいことが言えなかったりいつもダメ出しばかりされる、キツイことばかり言われるときは精神的に病む前に転職しましょう。
入社してすぐの段階でパワハラ気味だと感じる場合は、会社全体でパワハラを黙認しているかもしれません。
転職を検討する前にしておきたいこと
新卒で入社してから1年半も経つのに指導されなければ仕事ができない、人間関係が上手くいかないなど、自分に原因があって悩む場合は転職するよりも現状を乗り越えることが重要です。
転職しようか悩むときは、一旦自分のことを振り返って次の対処法を実践してみましょう。
スキルアップする
入社から1年半も経って仕事ができない人は、基本的な技術や知識、仕事に対するスキルが不足している可能性があります。
どうしたら仕事ができるようになるのか振り返り、講習やセミナー、資格取得などスキルアップをしてみましょう。
同僚や友人に相談してみる
悩む気持ちは心に溜めておくと辛くなるばかりです。
ときには愚痴をこぼしたり、思いを誰かに聞いてもらうことで心が軽くなることがあります。
また、同僚や友人に相談することで解決の糸口が見つかることもあるので信頼できる人に相談してみましょう。
部署変更を交渉してみる
今働いている部署の仕事が自分に合わないときは、部署変更の交渉をしてみることも1つの方法です。
仕事が合わない=転職した方が良いと考えてしまいますが、他の部署への異動が可能なら別の部署で活躍できる可能性もあるでしょう。
転職エージェントに相談してみる
転職しようか迷うとき、すべてを自分1人で判断しないで転職エージェントに相談してみましょう。
転職エージェントに相談することで、自分の市場価値や向いている職種、今の会社が自分に合っているかどうかなど知ることができます。
できれば、複数のエージェントに相談して総合的な判断をすることをおすすめします。
第二新卒の需要は高い、大手と専門性の高いサービスを使おう
第二新卒の需要は転職市場では高いため、「新卒の会社を何故辞めたのか」ということを矛盾なく伝えることができ、会社の仕事内容や雰囲気とマッチ度が高いと判断されたら、新卒入社後すぐ辞めた方でも転職は成功します。
この時、新卒の時の就職活動と転職活動は似て非なる部分があるので、できるだけ転職エージェントなどのサポート受けながら進めるのがおすすめです。
まずは登録されている企業数が多い大手サービスを選ぶのが無難ですが、第二新卒に特化して案件を揃えていたりサポートが充実しているサービスを利用してみましょう。
大手サービスだと必ずしも第二新卒だけの求人だけではないので、いざ応募をしたら会社側の希望する内容とマッチしないということが起きます。
ただ、第二新卒などに特化しているサービスは、そもそも登録している会社はそのような人材を欲しいという希望で登録しているため、上記のようなギャップが生まれにくいというメリットがあります。
自分のスタイルに合わせて転職エージェントを使い分けたりするのもおすすめです。
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