部署を異動したい…そう思っている人は意外と多いものです。
新入社員として配属された部署が自分の希望した部署ではなかった、仕事をしていくうちに他の部署の仕事に興味を持った、キャリアアップのために違う部署も経験したくなったなど、異動を希望する理由は様々でしょう。
ただ、会社も色々なバランスを見て人員を配置していますので、全員の希望が通ることはありません。異動希望を出してもなかなか通らない人が多いのも事実です。
とはいえ、部署異動希望が通る人ももちろんいますので、諦める必要はありません。
今回は、部署異動希望が通る可能性に加え、希望を通してもらうために有効な手段をお伝えします。部署異動を希望する方は、ぜひ参考にしてみてください。
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部署異動の希望は通るの?
実際、部署異動の希望はどの程度通るのでしょうか。一緒に確認していきましょう。
異動希望を出しても通るのはかなり難しい
正直、部署異動希望を出しても通るのはかなり難しいです。
というのも、多くの企業では部署配属や人事異動を様々な事情を考慮したうえで行っており、「社員から要望があったから」という理由のみで異動を決めることがないのです。
また仮に、現在の部署で活躍している社員が部署を異動するとなると、その人の後任育成に莫大なコストがかかるので異動を許可しない場合が多いです。
役職によって異動のしやすさは異なる
異動希望が通りやすいか否かは、役職によって異なります。
それぞれ確認していきましょう。
新入社員の場合
新入社員である場合、異動希望が通ることはほとんどないと考えた方が良いでしょう。
もちろん「異動によって幅広い経験を積ませて、広い知識を持った人材を育成したい」という理由で希望を通すこともありますが、そういった場合は個人の希望ではなく、会社が指示した通りの部署に行くことになるだけの場合が多いです。
上司から「いずれ異動のチャンスはあるから、まずは今の仕事を頑張ってみて。」なんて言葉をかけられた方もいるかと思いますが、やはり異動希望は今の部署である程度の実績を積んでからの方が通りやすいと思います。
中間管理職の場合
中間管理職である場合、新入社員よりは部署異動希望が通りやすいでしょう。
中間管理職は、上司と部下の板ばさみで体力や精神力を消耗しやすい立場ですので、精神的にも身体的にも辛いことを理由に希望を出せば、会社側も多少の理解を示してくれるはずです。
しかし、給料が下がったり、周囲の目を気にすることが出てきたりといったリスクもあるので悩む人が多いです。
管理職の場合
管理職である場合、部署異動が通ることはかなり難しいでしょう。
管理職が抜けることによる穴は非常に大きいですし、後任を見つけることも難しいです。あなたが管理職を任されているのはかなりの信頼を得ているからですので、後任を探すためにもすぐに希望が通ることはないでしょう。
また中間管理職同様、給料が下がったり、周囲の目を気にすることが出てきたりといったリスクもあります。
異動希望が通りやすい会社ももちろんある
もちろん中には、異動希望が通りやすい会社もあります。
それは、個人のモチベーションを大切にしている場合です。
モチベーションが低下して生産性が落ちるくらいなら、たとえ一時は成果を出せなくなっても、将来を見据えて異動をさせるという考えの会社もあるのです。
しかし、その場合でも全員の希望を通すとまではいきません。
人気のある部署に人は偏りますし、さすがに全く関係ない部署への異動は難しいです。また、希望した人全員を異動させてしまうと、会社全体の成果に影響がでてしまうというリスクもありますからね。
異動希望を出すことのメリット・デメリット
異動希望を出すことにはある程度のリスクが伴いますが、もちろんメリットも沢山あります。
それぞれ確認していきましょう。
異動希望を出すことのメリット
まず、メリットから紹介します。
会社を変えなくて済むので、ストレスを抱えにくい
今の仕事内容や部署が嫌で辞めたいと思っている人は、転職を視野に入れている場合も多いです。
しかし転職をすると会社が変わるので、今まで慣れてきた職場環境や仕事内容への理解がまたゼロに戻ることになります。
部署異動であれば風土や大部分の環境に関して大きなギャップは生まれず、転職と比べてストレスを抑えることができます。
他業種へのキャリアプランを作りやすい
例えば「営業として働いているけど将来は人事の仕事に携わりたい」と考えている人は、部署異動によって実現できる可能性があります。
転職をして未経験職へチャレンジするのも一つの方法ですが、30代以降は未経験採用のハードルも上がっていきます。
将来的には転職をするつもりだとしても、まずは今の会社で実務経験を少しでも積む、という選択肢を頭に入れておきましょう。
人事評価自体は継続される
異動願いが通った場合、部署が変わったとしても、それまでの自分の実績や成績などは継続されます。
部署が変わればまたその部署での評価となりますが、部署異動するまでの評価も含めての人事評価となるので、転職をしてゼロから評価を積み上げていくよりはアドバンテージがあります。
デメリット
続いては、デメリットを一緒に確認していきましょう。
異動希望を出すことにはリスクを伴う
会社や上司次第ですが、異動願いを出すことがマイナスイメージにつながることもありえます。
異動願いを出すことによって仕事に対して不満がある、嫌々やっていると思われてしまい、そのせいで上司に嫌われたり、仕事で成果をあげていても評価を下げられてしまったりすることがあるのです。
また、もし異動が叶ったとしても、異動先で疎外感を感じたり、成果をあげられずに評価が下がってしまったりといったこともあります。
リスクばかり挙げていてもきりがないですが、こういったリスクがあることを把握しておくことは大切でしょう。
異動希望の出し方は?
ここでは、異動希望の出し方を紹介します。
書面で異動希望を出す予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
封筒に入れた方が良いの?
異動願いを出す際は、郵便番号を記載する欄のない無地の白の封筒を選ぶと良いでしょう。
封筒のサイズは縦235mm、横120mmの「長形3号」、中身に関してはA4サイズの用紙を利用することをおすすめします。
茶封筒でも良いのでは?と考える方もいるかと思いますが、公式な書類である「異動願い」は白無地の封筒が無難です。
また封筒への記載については、表に「異動願い」と記入して、裏面に所属している部署と課、自分の名前を記載します。
シンプル過ぎるくらいの書き方ですが、誰が出した異動願いで、所属がどこなのかがすぐに分かることが大切なので、これがベストでしょう。
どのような書き方をすべき?
異動希望の内容に関しては、公的な文章の書き方をすればOKです。
紙面の1番上の左に提出する上司の名前を記載して、1番上の右には異動願いを提出する日付を記入します。
日付の下あたりに、自分の所属している部署と名前、印鑑を押印します。
その下には、中央に配置して「異動願い」と記載して、その下部に「この度、以下の通り異動を希望しておりますので、ご配慮して頂けますようよろしくお願いいたします。」と記入します。
この文章の下には、所属部署・期間、異動希望先、異動を希望する時期、異動希望理由を記載します。
異動希望理由は、異動することでより幅広い知識や経験を積みたいといった前向きな理由が良いでしょう。
パワハラやうつなどはをストレートに書いた方が良いのか?
パワハラやうつなどで精神的にも体力的にも耐えられない場合は、基本的にはストレートに記入した方が良いでしょう。
もし体調不良にまで状況が悪化している場合は、医師の診断書とともに「体調不良により異動を希望している」と記載するのが一般的です。
たしかに、この様なネガティブな内容の異動願いを提出した場合、他部署でも同じように体調不良を理由に異動希望を出すのではと会社側に懸念されてしまうというリスクもあります。
しかし、環境を変えて新しい仕事に取り組むことでストレスが軽減できる可能性があるというメリットは大きいので、そのリスクを負ってでも異動希望を出す価値はあると思います。
異動願いを出すタイミング
異動願いを出すタイミングは、少なくとも異動を希望する日の数カ月前には提出することが好ましいでしょう。また、会社が忙しい年末年始などは異動願いを提出するのは避けた方が無難です。
実際に異動できる場合でも、異動願いを出してから長い期間待つこともしばしばありますので、決心したら会社の状況も考慮した上でできるだけ早めに提出すると良いと思います。
また、異動願いは一般的に直属の上司に提出しますので、スムーズに提出するためにも上司の都合の良い日時をメールか口頭で確認しておきましょう。
異動希望を通してもらうために
部署異動で希望を通すことがかなり難しいことであるのは確かですが、希望が通ることが全くないというわけではありません。
ここでは、異動希望を通してもらうために大切なことを3つお伝えします。
現在の業務に真剣に取り組み、評価・実績をあげる
まず大切なのは、現在の業務に真剣に取り組み、評価・実績をあげることです。
今の仕事で成果を出していない人が、「他の部署に行ったら、一生懸命頑張ります!」と言っても信憑性がありませんので、希望する部署と違ってもまずは努力をして成果を出すようにしましょう。
成果を出して自分の能力を証明することで、希望の部署に行ける可能性が高まります。
また、まれに実績を残さずに部署異動する場合もありますが、望まない方向への異動であることが多いので、今の部署での実績は必要不可欠でしょう。
社内公募制度を積極的に活用する
社内公募制度を積極的に活用することも、希望部署への異動を叶えるのに非常に有効な方法です。
この制度は、「人材を求める部署が社内で募集をかけ、応募してきた社員の中から選抜する」という制度であり、自ら希望を出した部署に必ず配属されるというかなり大きなメリットを持ちます。
また、これは社内の異動ですので、今までとは異なる職種を希望してもこれまでの実績が評価されやすくなり、キャリアチェンジの可能性が高まるといったメリットもあります。
社外からの応募と同様、ESが必要であったり、面接が行われたりと少し大変ではありますが、メリットは大きいのでぜひ積極的に応募してみてください。
ほかにも、自分自身を積極的に売り込むことができる「社内FA制度」や従業員自身の希望を申告させる「自己申告制度」など様々な制度を設けている企業もありますので、改めて人事制度を詳しく確認してみてくださいね。
希望部署で必要とされるスキルや経験を身につける
自分が希望する部署で必要とされるスキルや経験を身につけておくことも大切でしょう。
その部署で必要なスキルや経験を事前に身に付け、「自分は〇〇といった経験があり、△△が得意なので即戦力になり得ます!」というアピールができれば、希望が通る可能性も上がります。
業務内容の理解や異動意欲のアピールが効率よくできますので、異動先で必要な資格やスキルをあらかじめ調べて身につけておくのは有効でしょう。
異動願いが通らなかったときの選択肢
もちろん異動希望が通ることが一番ですが、人事制度の特徴上、通らないことももちろんあります。
そんな時ただ落胆して諦めてしまうのではなく、こんな選択肢をとってみてはいかがでしょうか。
今の仕事を楽しむ
異動願いの希望が通らなかった場合には、今の仕事を楽しむ努力をしてみるのも良いでしょう。
やりたい仕事ではなかったとしても、些細なことでもやりがいを見つけ仕事を楽しむことができれば、会社生活を満足の行くものに変えられます。
また、楽しみながら仕事に取組むなかで成果をあげられれば、希望部署に異動できる可能性も上がります。
それでも今の仕事は嫌だ、なんとしても希望の仕事がしたいと考えているのであれば、転職を検討してみるのもいいかもしれません。
転職する
もしなんとしてもやりたい仕事があるならば、異動に期待するよりも転職するほうが良いと言えます。
異動できるかわからない状態で、淡い期待を抱いたまま働き続けてしまうと、モヤモヤが残り続けて自分を苦しめてしまうことになります。
特に未経験職を目指すなら若いに越したことはないので、後悔をしないためにも早めの決断が必要です。
異動希望が通らなかったら、転職も検討しよう
異動希望は、あくまでも「個人的な事情で現在の部署から異動を希望する」ものなので、必ずしも希望が通るわけではありません。
しかし、希望が通らないからといっていつまでも現在の部署で不満を抱えながら働き続けるのは、自分の可能性を狭めることにもなりえます。
そういった場合におすすめしたいのが、社外に活躍の場を見つけることです。
社内の部署異動が叶わなかったからといって、仕事を変えることを諦める必要はありません。転職で、自分の希望する部署(企業)や目指す形に近づける環境を探せばいいのです。
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