29歳で3回目の転職をしても気にすることはない? 転職回数が多くても成功させる2つのポイント転職をしたいけれどすでに何度か転職をしているからもう採用されないのではないか、と転職をあきらめていませんか?

今回は29歳で3回目の転職をする場合においての転職回数が多い場合のデメリットやメリット、そして転職を成功させるためのポイントなどを紹介していきます。

転職回数が多いことで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

転職回数の平均

転職回数の平均

転職をしたにも関わらず、新しい職場も自分に合わないなど再び転職をするか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

転職回数が多いと再就職が難しくなるという意見や、更には年齢が上がるにつれ以前よりも採用されにくくなるとも言われます。

実際のところどうなのか、年代別に転職回数の平均を確認してみましょう。

世代別平均転職回数

enミドルの転職が行なった調査をもとに紹介します。

年代平均転職回数
20代0.97回
30代1.95回
40代2.55回
50代2.57回
60代2.36回

全年代の平均転職回数は2.35回となっています。

参照サイト:enミドルの転職「第98回 アンケート集計結果『退職』について(2014年版)」より

一番若い世代の20代は1回未満ですが、30代は2回近くにアップしており、40代以降は2回半程度となっています。つまり30代以降は転職が2回なら多いとは言えません

29歳で転職3回は多いのか?

29歳で転職3回は多いのか?

転職は30代以降にすると採用率が低くなるので、20代のうちにすると良いという意見があります。現在は雇用対策法が改正され年齢を理由に採用を制限することが禁止されました。しかし求人に対し応募が複数あった場合、若いほうが有利である事実は変わりません。

一方で転職回数が多いと、せっかく採用してもすぐに辞めてしまうのではないかと採用担当に思われる可能性があります

20代最後の29歳で転職回数3回は多いと言えるのでしょうか?

平均回数との比較

20代の平均転職回数は0.97回なので3回はそれと比較するとやや多い数字です。

平均だけでは20代の転職状況を把握しづらいので、さらに詳しい状況を確認してみましょう。

20代の転職回数の割合

今度は20代で転職をした人の割合を回数別で比較してみましょう。

20代の転職回数割合
1回39%
2回13%
3回8%
4回2%
5回以上1%
なし37%

※調査機関は2014年1月31日~2014年2月27日、有効回答率は2,713名です。また「5回以上」は5回として計算しています。

参照サイト:enミドルの転職「第98回 アンケート集計結果『退職』について(2014年版)」より

20代で一番多いのが転職回数1回で4割近くになります。

しかし、2回は13%と一気に下がり、問題の3回は8%、4回以上も加えても11%です。

転職をしたことがない20代は37%とわずかですが1回よりも少なく、意外にも20代ですでに6割以上は転職を経験しています。

企業が多いと感じる転職回数

転職回数が多いか少ないかを判断するのは企業です。

転職回数が3回でも採用されたい企業が気にしなければ問題はありませんが、1回でも気にする場合は大きなマイナスになってしまいます。

転職回数と転職回数を気にする企業の割合

enミドル転職の調査、「ミドル人材の転職回数と転職成功の可能性」によると企業が多いと感じる転職回数は以下のようになります。

転職回数気になる企業の割合
1回2%
2回11%
3回40%
4回32%
5回以上14%
転職回数は気にしない1%

※ミドル人材とは、30~40代のことを指す場合が多いです。

※採用コンサルタントを対象にアンケートを実施。実施期間は2017年5月9日~2017年5月19日で、有効回答数は127名です。

アンケートの結果から、転職回数が3回から気になると答えた採用コンサルタントは40%ですが、1~2回も加えると合計で53%になります。

つまり転職を3回していると半数の企業はマイナスイメージを持つ可能性があるのです。

参照サイト:enミドル転職「第42回『ミドル人材の転職回数と転職成功の可能性』について(2017年版)

ミドル人材で3回の転職は多いと感じている企業コンサルタントが半数以上いることから、ミドルより若い29歳も多いと思われる可能性は高いといえます。

転職回数が多いことで生じるデメリット

転職回数が多いことで生じるデメリット

採用コンサルタントを対象にしたアンケートの結果から、29歳で転職回数3回は多いと判断される可能性が高いことが分りました。

では転職回数が多いとどのようなデメリットが生じるのでしょうか?

3つのデメリットが考えられます。

デメリット1. 早期退職リスクを避けるため書類選考で落とされる可能性がある

転職回数が多いと定着率が低いとみなされてしまう可能性が高いです。

企業側は人材を採用する為にかなりの費用をつぎ込んでおり、さらに採用した後には教育もするため、すぐに辞められてしまうとその採用は「失敗」とみなされます。

そのため転職回数が多いと書類選考で不採用にされてしまうリスクがあるのです。

デメリット2. 性格的な問題があるのではないかという懸念がされやすい

ストレス耐性がないのではないか対人能力に何か問題があるのではないかなど、マイナスイメージを抱く採用担当者もいます。

デメリット3. どの経験も中途半端で戦力にならないのではないかという不安をもたれる場合がある

一つの職場で長く同じことをしているわけではないので、専門性が磨かれていないと判断される可能性があります。

そのため中途採用のメリットである即戦力にならないと判断される恐れがあるのです。

転職回数が多いと、定着率が低い、内面に問題がある、能力が低いなどと判断されてしまい不採用になる可能性があります。

書類審査で落とされる場合もあり、マイナス面は少なくありません。

転職回数が多いことで生じるメリット

転職回数が多いことで生じるメリット

転職回数が多いことは何もデメリットばかりではありません。

転職回数が多いからこそ生まれるメリットもあります。

どんなメリットなのか確認してみましょう。

メリット1. 経験を積んでいる

同じ業種の中で転職をしている場合でも異なった方法やアプローチを学んでいるので広い視野を持つことができ、状況に合わせて柔軟な対応ができるようになっている可能性が高いです。

メリット2. 適応力が高い

知らない職場や人間関係を一から作り上げる経験を何度もしているため適応力が高い人材が多いです。

メリット3. 自発的に行動できる

転職回数が多いという時点で自身の判断で行動をしています。

そのため指示待ち人間になる可能性が少なく、また自発的に目的を持って仕事をする人が多いです。

転職が多いことで幅広い経験をしており、様々な職場で働くことで適応力を上げていると考えられます。

また転職をすること自体が大きなエネルギーを消費するので、それを何度も行っているということは行動力があるということの表れです。

このように転職回数が多いことにもメリットは存在します。面接ではこういった点をアピールすることが大切です。

3回目以降の転職のコツ

3回目以降の転職のコツ

転職回数が3回以上ある場合はどのような戦略で転職活動をすればいいのでしょうか? 転職回数が多いことを気にする企業が多いのは事実です。

一方で転職回数が多いことでメリットがあることも間違いありません。

企業側の懸念点をクリアできれば転職を成功させる可能性をあげられます。

転職回数が多い人に抱く企業側の懸念点

まず企業側が持つ懸念点はどんなことかを把握しましょう。

懸念1)すぐに退職してしまうのではないか

転職回数が多いということは自分たちの会社もすぐに辞めるのではないかという懸念になります。

懸念2)ストレス耐性がないのではないか

人間関係、給与の額、仕事の内容など辞める理由は様々でも職場に何らかの不満があるから転職をしています。

つまり、その不満から来るストレスに耐えられなかったとも考えられるのです。

新しい職場でもストレスが溜まれば辞めてしまうのではないかという懸念を企業側は抱きます。

懸念3)対人能力に何か問題があるのではないか

コミュニケーション能力はどの職場でも必要になります。

今までの退職理由が対人関係によるものだとすると雇っても職場になじめずすぐに辞めてしまうのではないかという懸念につながるのです。

上記のような懸念を転職回数が多いと持たれる恐れがあります。

これらの懸念点をクリアしてもらうためにはどのようなコツがあるのでしょうか?

2つのポイントを紹介します。

ポイント1. 転職回数が多い理由の答え方

面接で転職を繰り返している理由の答え方で大事な点2つを紹介します。

答え方1)ポジティブな内容であること

「人間関係に疲れた」「仕事が嫌になった」「業務内容に飽きた」といったネガティブな内容ではなく、「キャリアアップのため」「新しい目標ができたから」などポジティブな理由を答えることで転職回数が多いことのマイナスイメージを弱めます。

答え方2)要点を抑えて長すぎず短すぎず

ポジティブな答え方をするにしても要点を抑えた内容にして過不足なく答える必要があります。

短すぎると本当のことを話していないのかと疑われるかも知れませんしアピールにもなりません。

逆に長いとダラダラ話している印象を与えてしまいます。

何度も転職している理由を外的要因のせいにしてしまうと、まさに企業側が懸念している「ストレス耐性」「対人能力」などに問題があるのではないかという懸念を補強してしまう恐れがあるので避けるのがおすすめです。

ポイント2. 複数の企業を経験しているからこそのスキルや経験をアピールする

転職回数が多いことを逆に活かすことで他の転職者たちとの差別化が可能です。

複数企業を経験したからこその経験やスキル、さらにそれをどう活かすことができるのかを説明できるようにしておきましょう。

具体的にどんなアピールの仕方があるのかを紹介します。

アピール方法1)仕事に対する姿勢の一貫性

転職の回数が多くてもそれぞれの仕事に共通している姿勢をアピールすることで、仕事に一貫性を持って取り組んできたことを強調します。

アピール方法2)転職によるスキルアップを強調する

転職を繰り返したことでどんなスキルが身に付いたかを強調します。

目的があって必然的に転職をしなければならなかったと採用担当者に印象づけることができれば、転職回数が多いことのマイナスイメージを弱められます。

アピール方法3)能力をより活かすために転職することを印象づける

自分の能力をより活かせる場所を見つけたために転職したことをアピールします。

ただし採用してももっと良い企業があれば退職するのではないかという不安を面接官に与えないために、表現に注意する必要があります。

質問の答えを用意しておくだけでなく、面接の練習をしてしっかり答えられるようにしておくのがよいでしょう。

転職回数が多いことで生じる懸念点さえクリアできれば企業側はほとんど気にしません。

転職回数が多い場合の履歴書と職務経歴書の書き方

転職回数が多い場合の履歴書と職務経歴書の書き方

転職が多い場合のコツを確認してきましたが、まずは書類審査を通さなければなりません。

ここでは履歴書と職務経歴書の書き方を確認していきます。

転職回数が多い場合の履歴書の書き方

履歴書は正直に職歴を全て記入しなければなりません。そのため学歴・職歴の欄が足りなくなった場合は義務教育を省略したり、「株式会社 〇〇 入社(XX年XX月 退社)」と()を利用して入社と退社を1行にまとめたりします。

また「学歴・職歴」の欄が多く設けられている履歴書も販売されていますし、無料でダウンロードしプリントアウトすることも可能です。

転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方

求職者がどのようなスキルを持ち、どんな経験を積んできたのかを伝え、採用した場合にどのようなメリットがあるのかを企業が判断するために職務経歴書は提出を求められます。

転職回数が多い場合、職歴の年代順に1社ずつ書くと内容が分りにくくなりがちです。

そのため「営業」「製造」など自分で項目を作り、採用担当者が把握しやすいように書くのが良いでしょう。

職務経歴書は履歴書ほど形式が決まっていないため自由にレイアウトを決められます。

転職回数が多くなると履歴書と職務経歴書はどうしても記載する内容が多くなります。

余分なことはなるべく書かないようにして、どうすれば伝えたいこと、つまり自分のスキルや経験をアピールできるかを考える必要があります。

29歳で転職3回は少なくないがあきらめる必要もない

29歳で転職3回は少なくないがあきらめる必要もない

29歳で転職を3回していたら、半数以上の企業が気にする可能性が高いです。

しかし、見方を変えれば残り半数近くは気にしていないとも言えます。

転職回数が多いことにはデメリットもありますがメリットも存在し、面接や履歴書で企業側の懸念内容を払拭することができれば採用へのチャンスは十分にあります。

そのためにも転職理由はポジティブな答えを用意しておくことが重要です。

転職回数が多いことで次の転職に悩んでいるなら、まず自分のスキルを見直してどんな武器があるのかを整理してみましょう。

その上で新しい職場に挑戦するかを検討してみてください。