「積極性がない」「打たれ弱い」「仕事ができない」など、何かとネガティブに捉えられがちなゆとり世代ですが、実際はどうなのでしょうか。

この記事ではゆとり世代が生まれた背景特徴や仕事観彼らならではの強み効果的な仕事の教え方を紹介します。

ゆとり世代を部下に抱える方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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そもそもゆとり世代とは?

ゆとり教育、ゆとり世代などと日常で耳でする機会はありますが、その定義を明確に理解できているでしょうか?まずは一緒に確認していきましょう。

ゆとり世代の年齢は?

「ゆとり世代」とは、小中学校を「ゆとり教育」で過ごしてきた世代のことです。

ゆとり教育は2002年度から2010年度にかけて行われていますので、1987〜2004年の間に生まれた人たちが当てはまります。

なかでも1995年生まれは、小中学校の12年間をずっとゆとり教育で過ごしてきたため、「フルゆとり世代」と呼ばれています。彼らが新社会人になる2018年には「フルゆとり世代の新入社員」と少し話題になりました。

ゆとり教育とは?

ゆとり教育とは、従来の暗記中心の詰め込み教育や偏差値重視の受験戦争を廃止し、ゆとりある学習環境で子供たちの自習能力や生きてゆく力の育成を目指して実施された教育のことです。

ゆとり教育の内容

  • 土曜授業を廃止し、週5日制(月曜〜金曜)の完全実施
  • 小中学校での学習内容を3割削減 ・授業時数の削減
  • 「総合的な学習の時間」の新設
  • 「相対評価」を廃止し、「絶対評価」の導入

しかし授業量と学習量を大幅に削減したこと、「絶対評価」を導入したことで学力低下競争意欲の低下が指摘され、現在では「脱ゆとり教育」へと変わっています。

ゆとり教育がもたらしたとされるもの

これまでの日本にはなかった教育理念に基づいて実施されたゆとり教育制度。

実施された期間は短いながらも、社会に与えた影響は大きなものでした。ここでは、ゆとり教育がもたらしたとされているものをいくつかご紹介します。

学力の低下

ゆとり教育がもたらしたものの代表として挙げられるのが学力の低下です。

これは、OECDが実施する生徒の学習到達達成度調査(PISA)における日本の順位が、ゆとり教育実施以降(2002年~)で下がってしまっていることからわかります。(2009年は「脱ゆとり教育」への移行期間、2012年は「脱ゆとり教育」実施期間であったので、順位が回復していると考えられます。)

こうした結果を招いた原因は、国語・算数といった基礎学力を養う授業が減少したことに加え、「全員が一番」「誰とも比べない」という絶対評価を導入したことにあるとされています。

客観的なデータとして学力の低下が指摘されたことで、ゆとり教育への批判が高まり、脱ゆとり教育への移行が叫ばれるようになりました。

学力の二極化

ゆとり教育は、学力の二極化をもたらし、格差を拡大したともいわれています。

ゆとり教育の大きな特徴である「学習内容・授業時間の削減」は、学校外で自主的に学習に取り組むことを見越して実施されたものです。生徒の学ぶ勉強範囲を絞る事でその負担を減らし、浮いた時間は生徒個人の自主的な勉強の時間にあてさせることで、生徒の学習意欲向上を狙ったのです。

しかしそれがもたらしたのは、自ら積極的に学習に取り組める子供とそうでない子供の学力の差。自由な時間が多い分、その時間を勉強にあてられる子はグングンと学力を伸ばし、そうでない子はどんどん学力を落としていってしまったのです。

未だに学歴社会である日本において、このように二極化が進むことは格差を拡大することにも繋がってしまいます。そのため、授業時間の追加を求める声が大きくなりました。

ゆとり世代の特徴と仕事観

仕事に向いてないと感じた際に確認。辞めたいと思うことは必ずしも甘えではない。

ゆとり世代はどのような特徴仕事観をもっているのでしょうか。

特徴的なものを紹介します。

1.メンタルが弱く、些細なことですぐに辞める 

ゆとり世代は、メンタルが弱く、些細なことですぐに会社を辞めてしまう傾向が強いです。

これは、彼らが親や先生などの周りの大人からあまり怒られずに育ったため、怒られることに対する耐性を持っていないからです。少し怒られただけでもかなり落ち込み、会社を休みがちになったり、辞めてしまったりします。

また、彼らは終身雇用制度の崩壊や裁量労働制の導入などといった社会情勢の変化を目の当たりにしてきた世代でもあるので、上の世代と比べ転職することを厭わない傾向にあります。彼らの中では、嫌なことがあったならさっさと転職して、より良い職に就くべきという考え方が主流なのです。

2.自主性がなく、仕事の指示待ちが多い

任された仕事以外はやらないというタイプの人々を揶揄する言葉として、以前から「指示待ち人間」という表現がありましたが、ゆとり世代の場合はこれが顕著だといえます。

彼らは基本的に自主性がないので、あらかじめ与えられた仕事はきちんとこなしても、それ以外の仕事に自ら進んで取り組もうとはしません。それに加えて失敗を恐れる傾向も強いので、「指示された仕事以外のことをして、失敗して怒られたくない」という思いを抱えがちです。そのため、言われたことしかやらない「指示待ち人間」になってしまうのです。

また、マニュアルどおりの動きはできても、臨機応変に対応することは苦手なので、想定外の事態が起きた際にパニックを起こすことが多いのも彼らの特徴です。

3.プライベートを重視するので、付き合いが悪い

マイペースとされるゆとり世代の人たちは、なるべく仕事よりも自分のプライベートを優先したいと考えます。

そのため残業はもちろんのこと、親睦会や忘年会などといった飲み会をあまりよく思っておらず、上司からの誘いであっても断る人が多いです。

「貴重なアフター5くらい自分の好きなように過ごしたい」「業務時間外にわざわざお金を払って職場の人達の愚痴や自慢話を聞きたくない」というのが彼らの本音のようですが、上司から付き合いが悪いという不満を抱かれてしまいがちです。

4.デジタル機器の扱いが得意で、ITに強い

デジタル機器の扱いが得意でITに強いのもゆとり世代の大きな特徴です。彼らは、学生時代からパソコンがあるのが当たり前として育ってきたので、上の世代に比べ高いITスキルを持っています。

しかし、SNS上でコミュニティケーションを取る機会が圧倒的に多かったので、対人での繋がりや会話を苦手とする傾向が強く、コミュニケーション能力が低い報・連・相がうまく出来ていないといったマイナス評価を下されてしまうことも多いです。

知られていない「ゆとりの本当」

これまで述べてきた主な特徴から何かとネガティブに捉えられがちなゆとり世代ですが、果たしてそれは正しいのでしょうか。

先述した「積極性がなく、仕事の指示待ちが多い」「プライベートを重視するので、付き合いが悪い」などの特徴から「ゆとり世代=仕事ができない」といったイメージを抱えている方も多いでしょう。

しかしこのイメージは、以下のように彼らの特徴の捉え方を変えることで、プラスなものに変わっていくはずです。

  • 積極性がなく、仕事の指示待ちが多い→与えられた仕事を正確にこなす能力が高い
  • プライベートを重視するので、付き合いが悪い→愛社精神を重んじ、残業を美徳とする固定概念に縛られていない、現在の働き方を変えられる力を持っている

これだけでも、彼らは「仕事を正確にこなし、固定概念に縛られていない」のだから、「仕事ができない」わけではないとわかるでしょう。

他の特徴も捉え方次第でいくらでも良いものに変えられますので、ぜひ試してみてください。

自分の世代と違う特徴を「悪」だと思い込まず、良いイメージに転換することを心がけていきましょう。

ゆとり世代の強みを活かすためには?

先述した特徴からも、特にビジネス面でマイナスイメージを持たれやすいゆとり世代ですが、彼らならではの強みを沢山もっていることも忘れてはなりません。あなたが彼らの強みをきちんと理解し、的確な対応をすることで、彼らを職場で輝かせることが出来るのです。

ここでは、その方法を紹介します。

目的を明確にし、具体的な指示を出す

先ほどもお話しした通り「言われたことしかしない」と揶揄されることの多い彼らですが、「言われたことを正確にこなす能力」は他世代よりも高いです。

ですから、彼らに仕事を頼む際には、業務の目的を共有し、具体的な指示を出す」ことを心がけましょう。指示以外のことをして失敗して怒られてしまうことを恐れている彼らにとって、「具体的な指示」ほどありがたいものはないのです。

何度も言うように、彼らは決して能力がないわけではありません。あなたが彼らに対し明確にやるべきことを示せば、正確にスピーディにこなしてくれるのです。

もし、彼らが指示に対して適切に対応できていなかった場合は、まず「自分の指示の出し方が正しかったか」、「わかりにくい点がなかったか」を振り返るようにすると良いでしょう。

怒るのでは無く、褒めて伸ばす

怒るのではなく褒めて伸ばし、個々の興味・関心事への取り組みを推奨されてきたのがゆとり世代です。そのため彼らは、自分がやりたいと思ったことに対しては、素晴らしく高い集中力を発揮します。

そんな彼らに対する指導は、「出来た部分を褒めて伸ばす」ことが効果的です。どんな些細なことでも良いことならば褒め続け、仕事に対するモチベーションをあげ、最終的に仕事を彼らの「やりたいこと」にするのです「やりたいこと」に対する彼らの集中力は凄まじいですので、きっと良い成果を残してくれることでしょう。

また彼らは、褒められ続けて自己肯定感が高まっていく中で「期待されているから頑張ろう」「自分はここで必要な存在なんだ」という思いを抱き、自分の力を最大限発揮するようにもなります。

良いところを伸ばす教育が生み出すメリットは大きいですので、ぜひ試してみてくださいね。

失敗を恐れずに挑戦しやすい環境を整えてあげる

多くの選択肢の中から自分の好きなものを選んで追求できるという恵まれた環境の中で育った彼らは、他世代よりもはるかに柔軟な発想力を持っています。ですので、従来の固定観念にとらわれず、上の世代の人たちでは思いもつかないようなアイデアを提案することが得意です。

しかし、彼らは失敗を非常に恐れるので「失敗するくらいなら無駄な挑戦はしない」という傾向が強く、その強みを活かしきれていないのが現状です。

そこで、大切なのが「失敗を恐れずに挑戦しやすい環境を整えてあげる」ことです。

彼らは失敗した経験が少なく、失敗に慣れていないので、失敗することはダメなこと、恥ずかしいことという認識を持っています。その認識を改めるために、失敗することは恥ずかしいことではない、むしろ今後に活かせる学びを沢山得られる良い機会であることをきちんと伝えましょう。

彼らが失敗を恐れずに挑戦するようになれば、彼らの柔軟な発想力によって会社全体が良い方向に向かっていくはずです。

あなたの理解でゆとりは輝く!

今回は、ゆとり世代の特徴や仕事観、彼らならではの強み、効果的な教育方法を紹介しました。

他世代とは異なる特徴を持っていることで、何かと誤解されやすいゆとり世代ですが、彼らには彼らの良いところが沢山あります。

そんな彼らを職場で輝かせるために必要なのは、あなたの理解です。彼らの特徴を理解し、強みを活かせるような教育やコミュニケーションを心がけていきましょう。

また、世代論で性格や人格を決めつけてしまったり、どちらが良い・悪いと優劣をつけたりせずに、「どうすればお互い気持ちよく働けるのか?」と考えながら協力し合うことも大切です。

「少子高齢化」「グローバル化」「AI化」など様々な時代の変化に対応できる企業にする為にも、ゆとり世代の働き方や考え方から得られるものは多いはず。もう少し彼らの声に耳を傾けてみるのも良いでしょう。

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