人には誰にも適正というものがあり、仕事においてもそれは例外ではありません。
もしも適正がない仕事を続けていた場合、ストレスが常に溜まることになってしまいます。
向いていない仕事でストレスが溜まると出る症状7つ
ストレスが溜まることでさまざまな症状が発生するものですが、その症状を把握しない限りは、ストレスが原因と気づきにくいものです。
まずは、ストレスが溜まった場合に発生するマイナスの状態について解説します。
すぐに疲れる
ストレスが溜まると肉体的に常に力が入った状態になってしまいます。
そのため、普段はそうそう疲れないような業務内容をこなした場合でも、すぐに疲れるようになってしまいます。
すぐに疲れてしまうのは体調が悪いのではなく、ストレスで全身が緊張してしまっているからという可能性があることを覚えておきましょう。
疲れているのに眠れない
仕事で強いストレスを抱えているとすぐに疲れてしまうというのはすでに紹介しましたが、ここで重要なのはストレスで肉体的にも精神的にも緊張していると、常に落ち着かない状態だということです。
「へとへとになって家に帰ってきたというのにいざ寝るとなるなるとあまり眠れない」というのは、家に着いて落ち着いたことで目が覚めてきたということもありますが、家に着いても緊張が解けていないということもあります。
この場合は「明日も早いのだから眠らないといけない」という緊張も付与されることでいっそう眠れない可能性が出てきます。
しっかり睡眠を取ったのに疲れている
大塚製薬によると、成人男性が一日に必要な睡眠時間は以下のようになっています。
夜間の睡眠時間は10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間と、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなるということが報告されています。よく加齢によって昔ほど長時間眠れなくなったという悩みを聞きますが、実は加齢に伴い必要とする睡眠時間が少なくなっているというのが事実のようです。成人の場合、個人差はあるものの6~7時間前後の睡眠時間が目安です。
引用元url:大塚製薬睡眠リズムラボ「最適な睡眠時間って何時間?」
このように、成人男性が一日に必要な睡眠時間は最低6時間となっています。
もしもこの時間よりも少ない時間を眠っているのであれば、疲労が溜まっていても仕方のないことですが、それよりも長い時間を眠っていても疲れが取れないとなると、別の問題を検討する必要が出てきます。
睡眠の質が悪くなる
夜中に度々、目が覚めてしまうという場合や、予定よりも早い時間に目が覚めてしまうという場合は、ストレスで睡眠のクオリティが低くなっている可能性があります。
眠るのには副交感神経が活発になっている必要があります。しかしながら、ストレスによって常に緊張していると眠るのに不要な交感神経が活発なままになってしまうのです。
交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかなくなると、そのまま自律神経のバランスが乱れていることになり、寝付きが悪くなったり眠りの質が下がったりします。
頭がボーッとする
ストレスが溜まると、常に強い倦怠感を抱くようになります。思考が上手くまとまらないようになってボンヤリとした感じといえば分かりやすいでしょう。
頭がぼーっとするだけでなく喜びや興味という感情が薄れていき、何事にも無感動な状態が続いていってしまいます。
これが続くとせっかくの休日になってもずっと部屋で何もせずに横になっているか、何かしようにもやる気が出ずに布団から起き上がれないということがあります。
動悸や息切れが激しくなるなどの肉体的異常
強いストレスを抱えることで心臓に血液や栄養を供給する冠動脈が一時的に痙攣し、動悸や息切れを起こすことがあります。
他にも、自律神経の異常によって体の機能がおかしくなるという場合や、過度の緊張が継続することでパニック障害などの症状が出ていることで動悸・息切れ・めまいなどに繋がっている可能性があります。
その他にも、頭痛・肩こり・首周りの疲れ・下痢・便秘・多汗などの肉体的症状が強いストレスによって発生します。
ミスが多くなる
心身に強いストレスがかかると精神面でも肉体面でもさまざまなマイナスの症状が発生します。
これによってスムーズに仕事を行うことが難しくなり、仕事においてのミスが増えていくことがあります。
何度気をつけてもミスが消えないという場合は、仕事への適性不足から来るストレスが原因というのを疑いましょう。
向いていない仕事だとストレスが溜まる理由4つ
それでは、向いていない仕事をすることでどうして強いストレスを抱えるようになってしまうのかという原因も解説します。
理想と現実のギャップ
新卒の方なら特にですが、働き始めの頃は「これから自分はどんな凄いことをするか」、「理想の自分にどう近づいていくか」を夢見ているものです。
しかし、実際にその仕事をしてみると多かれ少なかれ「思ったのと違う」という要素がでてきます。
その理想と現実のギャップが大きければ大きいほどストレスが溜まりやすく、仕事をしていく上でのストレスが溜まっていきます。
自分に自信が持てない
仕事を続けるのに実務能力は必要ですが、同じように「自分は仕事をちゃんとできるという」自信も必要です。
心のどこかで、自分の能力と仕事で必要な能力が合っていないと感じていて自信が持てないとなると、なにをするにも迷いが出てしまいますし、ミスをしてしまった場合のダメージも大きくなります。
自分はこの仕事に適性があるという確信が持てないとしても、「自分はこの仕事ができる」という自信は持っておくとストレスを抱えにくくなります。
無目的に生きてしまう
適性が無い仕事だとしても将来の目標が無い場合は、その仕事を続けるということも考えてしまいます。
しかし、適正がない仕事を続けていると自分の中で「このままで良いのか」という不安が膨れがちです。
その結果、とにかく不安なのに目標がないからふわふわした気分で向いていない仕事を続ける悪循環に陥ってしまいます。
責任感や重圧に耐えきれない
仕事をするというのは責任を負うことでもあります。
これは、仕事を続けていればいるほど重い責任を負うことになり、自分の能力に自信を持てない場合や、部下や関係者の人生にも責任を負うことになると、常に重圧を抱えて仕事をすることになります。
この責任やプレッシャーが、自分が許容できる責任・プレッシャーを上回る場合、仕事も責任も強いストレスとして心身を蝕むようになるでしょう。
向いていない仕事でストレスを感じた時の対処法3つ
自分が今の仕事に適性がないとわかった場合の対処法もチェックしましょう。
ビジョンやミッションを理解する
仕事に対してストレスを感じるのは、業務内容とやりがいが釣り合っていないと考えている可能性があります。
今やっている仕事にきちんと向き合い、自分が何をすべきで、目標を達成したらどんなことが起こるのかを把握すると、仕事への理解度が深まります。
仕事のビジョン、ミッションの重要性を理解することで、受け身の仕事ではなく主体的な仕事もできるようになります。
同僚や上司を頼る
仕事にストレスを抱えているとしても、それが自分だけとは限りません。
同じ職場で働いている肩が、同じような悩みを抱えている、または抱えていた可能性は十分にあります。
同僚に仕事の愚痴をこぼしたり、先輩に仕事のストレスについて相談したりしましょう。
目標を立てる
仕事にやりがいがなくてストレスばかりが大きくなるという方は「自分のこれから」についての明確な目標・夢を持ちましょう。
それによって今の仕事が「未来のために耐えなければいけない」のかがわかります。
また、目標があると、そこに繋がる仕事のビジョンが見えやすくなります。
今の仕事に向いているのか見極める
自分が今の仕事に適正があるのかどうかを見極めることで、自分が抱えているストレスが仕事から来るものなのか、そうではないのかについて判断することができます。
多少は主観的でも良いので、今の仕事に対して自分がどう思っているのかをひとつずつじっくり分析するのが重要です。
自分はどの仕事をしている時は楽しいのか
仕事に対してストレスを抱いているとしても、仕事の何もかもにストレスを感じているというのは考えにくいものです。
自分が日常的に行っている仕事を一つ一つ分解し、仕事のどこに楽しみを見出しているのかを分析して「この仕事において自分が気に入っている部分はどこか」を分析しましょう。
これによって自分が仕事のどこに楽しみや魅力を見出しているのかがわかります。
仕事をする上で優先度が高いものは何か
次に自分が仕事をする上で何を求めているのかも考えましょう。
お金・やりがい・キャリアのどれに重きを置いているのかを把握することで、今の仕事が自分の需要を満たせるのかを分析できます。
自分が苦手とする仕事はなにか
仕事というのは波があるのものですが、悪い波が来る状況というのはおおむね決まっているものです。
仕事において悪い状況になるのはどんな仕事をしているときか、これは能力面でもですが、モチベーションの面でも問題ありません。
自分が仕事においてどんな部分に苦手意識を持つのかを分析することで、今の仕事に向いているのかがわかります。
逆に自分が得意な仕事はなにか
逆に仕事において良い波が来るのはどのような時かというのも分析してみましょう。
良いことばかりが起こる仕事というのはありませんが、自分でなるべく良いことばかりが起こるようにするというのは可能です。
自分が仕事においてどんなことが得意で、どんなことに楽しみを見出すのかを分析し、今の仕事が自分にマッチしているのかを確かめましょう。
今の仕事以外に興味のある仕事はあるか
自分がどうやら今の仕事に適性がないとわかった場合は、他にも適正・興味のある仕事があるのかどうかを調べましょう。
自分が仕事に何を求め、何が得意で何が不得意かを自己分析し、それに見合う仕事を探しましょう。
あまりに他に興味のある仕事が同業他種では見つからないというケースは、異業種への転職も検討してみても良いでしょう。
それは現実的かどうか
今の仕事以上に自分にマッチし、興味を持てる仕事を見つけたという場合は、それが可能なのかどうかも検討しておく必要があります。
その仕事に就くのに必要なキャリアや資格、その仕事での収入はどれくらいか、その仕事でどのようなキャリアアップができるのかを確認しましょう。
その仕事をすでにしている人に話を聞いてみることが出来る場合はぜひともやってみましょう。
理想が高すぎると転職は難しくなるので、どう現実と合わせるのかというのも1つずつ検証していきましょう。
多少ストレスを感じても合わない仕事を続けるべきか?
仕事に対してストレスを感じ、他に興味の持てる仕事を見つけたとしても、今の仕事を本当に辞めるかどうかは検討する必要があります。
3年くらい続けても強いストレスを感じるようなら転職を考えた方が良い
目安として3年間、今の仕事を続ける方に考えてみましょう。
ただし、自分がこれから3年間に渡って現職を続けるのを想像して、極めて強いストレスが発生するのであれば、転職を検討してみましょう。
その上で3年間、継続して勤務した場合は転職先でも職歴としてアピールしやすいということは覚えておくのが重要です。
合わない仕事を続けてストレスを感じている状態は危険
仕事をしていくのは大事なことですが、それで心身を壊してしまったら元も子もありません。
無理に適正がない仕事を続けてやる気も体力も根っこからなくしてしまうのは避けたい状況です。
あくまで自分のための仕事ですので、自己分析してこの仕事をしても無意味と判断した場合は、潔く辞めましょう。
仕事が合わないという理由で転職するのは甘えではない
退職を決めて、その意思を上司に伝えると「合わないからと辞めるのは甘え」と言われる可能性があります。
しかし、時間は有限ですし、メンタルの傷は深刻な結果を招く危険があります。
「転職するのはメンタルと将来のため」というのを自覚し、上司や先輩に何を言われても気にしないようにしましょう。