小中高と一貫して非常に人気のスポーツがサッカーです。ずっとやってきたサッカーが好きだから仕事にしたいけれども、どのような仕事に就くべきなのかわからない方は多いことでしょう。

また、サッカー経験者ではないけれどもサッカーというスポーツが好きだから仕事として関わりたいという方も当然います。

そこで、サッカー関係の仕事に就くにはどうればいいのか、どのようなものがあるのかについて解説していきます。

 

サッカー関係の仕事の種類

サッカー関係の仕事の種類

サッカーに関係する仕事といっても具体的にはどのようなものがあるのかをそれぞれ解説していきます。

 

サッカー選手

やはりサッカー関連の仕事において最もメジャーなものは選手です。JリーグやJFLリーグの一部の選手がプロ契約するプロ選手になり、それ以外の大半がアマチュア選手に分類されます。

サッカー選手になるにはクラブのスカウトを受ける他にも、クラブのユースからの昇格や、リーグやクラブが開く選考会に参加して合格するというものがあります。

他には、クラブが実施するセレクションや入団テストに参加したり、練習に参加したりするというのが主なアマチュア選手からプロになる進路もあります。

今は男子サッカー選手だけでなく女子サッカー選手でもプロ契約をするケースがあり、さまざまな進路からサッカー選手になることが可能となっています。

サッカーコーチ

サッカー選手と同じくらいに多様な働き方があるのがサッカーコーチです。

子どもたちや地域にサッカーの楽しさを伝えるアマチュアコーチが身近ですが、プロのサッカーコーチになる道もあります。学校と契約して部活の子供たちにサッカーを教えるスクールコーチ、トップクラスのサッカーチームでプレイできるように子供を高レベルで鍛えるアカデミーコーチ、チームを強化するのがメイン目的のチームコーチがあります。

サッカーコーチとしてのキャリアを積むにはスクールコーチやアカデミーコーチから始める必要があります。日本サッカー協会指導者ライセンスのD級から位を上げていき、S級を目指していくことになります。

なお、個人スクールを経営してサッカーを教えるという道もあることは覚えておきましょう。

サッカートレーナー

負傷した選手の応急処置と怪我の診断、医師の診断を受けてのリハビリメニューの作成もします。身体面・精神面で選手を支え、怪我の予防もするのがサッカートレーナーの重要な役割です。

トレーナーの多くははり師・灸師の資格を持っているので、それらの資格の勉強をするのがおすすめです。サッカートレーナーはクラブそのものに就職・契約していることもありますが、トレーナー契約を結んでいる治療院・整骨院・ジムなどがあるので、そちらに就職するというのも手です。

サッカートレーナーとしてのキャリアを積むには、資格勉強以外にサッカーの現場で経験を積んだりするのも重要です。

スカウト・強化担当

国内外の学校・地域リーグ・アマチュアリーグを問わず有望な選手を発掘してチームに迎え入れるのがスカウト・強化担当の仕事です。

選手・監督・コーチなどと話をしながら自チームの力になる選手を探すので、コミュニケーション能力が非常に重要になります。選手の家族や監督陣・スカウト陣との交渉もすることになるので、交渉力の高さが必要とされます。

スカウトは一般募集による採用はほぼなく、選手経験や指導経験が重視される一方、強化担当はクラブスタッフからの異動でなるケースがあります。常にあちこちを飛び回って有望な選手を発掘するのが仕事なので、コミュニケーション能力と体力が必須の職業と言えるでしょう。

チームマネージャー

チームマネージャーは、どのサッカー関連の仕事よりも業務内容が多種多様です。用具の準備・サッカー用品の管理・トレーニングマッチの調整・遠征の調整・練習場やバス、食事の手配・試合時の控室設営など、その仕事は非常に多くあります。

業務内容は複数人で分担し、中にはスパイクの管理を専門的に行うホペイロというスタッフもいます。

常に変化するサッカーの現場において監督やコーチの意図を先読みし、すぐに行動に移ることを求められるので、チームマネージャーは先読み能力とフットワークの軽さ、そしてサッカー経験が求められます。

チームマネージャーとしてサッカークラブやアマチュアリーグの現場で経験を積むことで、Jリーグのチームマネージャーになれる可能性もあるでしょう。

加えて、指導者ライセンスやc級指導者ライセンスやキッズリーダーなどの資格を持っているとJリーグに採用されるチャンスが上がるのでおすすめです。

レフェリー

試合の行く末を左右するとも言える重要な役割がレフェリーです。フィールド内のすべてを常に把握する視野と臨機応変な判断力に加えて、選手についていけるくらいの体力が必要になるアスリート同然の業務です。

サッカー協会には審判ライセンスが1級〜4級まであり、Jリーグの試合や国際試合を担当できるのは1級の中から推薦を受けた人になります。

レフェリーになるには地域・都道府県の認定講習会に参加し、講義・実技講習を受けて筆記試験も通過する必要があります。そして、審判になってからキャリアを積んで継続的に審判の経験を重ねていくことで上級の認定講習会の推薦を受けることが可能になります。

レフェリーになるにはとにかく体力が必要です。日常的にアスリートクラスのトレーニングを行う必要があることを理解しましょう。

リーグ職員

Jリーグ・WEリーグ・JFL・なでしこリーグといった日本のサッカーリーグを運営する組織で働くのがリーグ職員です。試合開催・試合視察・審判派遣調整・各クラブの要望への対応や各種問い合わせなどが主な業務になります。

他にもリーグスポンサーの獲得に動いたり、リーグについてもっと知ってもらうための広報活動も重要な仕事です。所属クラブが経営難や試合の開始ができないなどの危機に陥った場合には救急措置を取ってサポートもできることから、非常に重要な役どころと言えるでしょう。

リーグ職員は不定期に求人の募集がされますが、基本は営業や広報であったり、サッカー業界でのキャリアを見込まれた中途採用です。

また、広告代理店・スポーツイベント会社からの転職というルートもあります。外国の人と話せると仕事がスムーズになりやすいので、英語・スペイン語・ポルトガル語などを覚えておくと役立ちます。

ショップ店員

サッカーの試合やチームなどに直接的に関わるのではなく、サッカー用品専門のショップで働くことで間接的にサッカー選手の活動に関わることができるのがショップ店員です。初心者からプロまで幅広い選手の相手をすることになるので、既製品からオーダーメイドまで幅広い商品の知識が必要になります。

日本代表・Jリーグ・海外チームなどの知識が必要であるとともに、ファンが普段から身につけたがるアパレル用品の知識も必要となります。購入の相談から購入後の使用方法のレクチャーまで、要求される知識は非常に深いことから、常にサッカーの現場を追っていく必要があるのがショップ店員です。

求人に応募して面接を受けるという通常の就職活動と同じ手順でショップ店員になることが出来ます。サッカー経験やサッカーの知識、興味をアピールすると有利です。

他にもさまざまなサッカー関連の仕事がある

サッカー関連の仕事というのは多岐にわたります。フィジカルコーチ、アナリストといったようにチームに貢献していく仕事もあれば、リーグ職員としてリーグ運営組織で働く道もあります。

他にも、スタジアムのスタッフとして働く道、サッカーの良さをメディアで伝えていく道もあります。

自分が向いていることやしたいことをよく考えて、進路を決めていくことが大切です。

サッカー関係の仕事は経験者の方が有利?

サッカー関係の仕事は経験者の方が有利?

サッカー関連の仕事の関係者には、サッカーをやったことのある人の割合が多いです。

しかし、メディア・クラブチームの広報活動をするのにサッカー経験が必須というわけではありませんし、ショップ店員にもサッカー経験が無い方がいます。

スタジアムのスタッフなら常にサッカーにだけ関わるというわけではありませんし、クラブの運営サイドにも一定の未経験者がいます。

つまり経験は確かに大切なことですが、それよりも例え未経験であったとしても、知識やサッカーを盛り上げたい気持ち、やる気の方が周囲に良いイメージを与えるでしょう。

サッカー経験は確かに有利に働きますが、この仕事をどう思っているのか、どうしたいのかという前向きな姿勢が大切であり必須でないということです。

サッカー関係の仕事は新卒からできる?

サッカー関係の仕事は新卒からできる?

次は学歴についても解説します。

高卒

サッカー関連の仕事は主に熱意と知識が重視されるので、学歴不問傾向があります。

スタジアムのスタッフやショップの店員などは高卒の求人がメインになりますし、クラブの事業企画・営業関連の求人を見ても、社会人経験を求めたり、サッカー経験を重視したりする求人はあっても、学歴は不問の求人が多くあります。

ただし、学歴に相当するものが全く必要ないというわけではありません。サッカースクールのスタッフなどは語学スキルの持ち主を歓迎するという求人があり、さまざまな国の方と話をすることを求められることがわかります。英語はもちろんですが、スペイン語やイタリア語を覚えておくのがおすすめです。

大卒

大学・短大卒以上の学歴を要求される職種の代表がスクールコーチになります。生徒と関わるために、学歴が求められることが多いからです。他には、サッカーが強い実業団のある会社では、大学・短大卒以上の学歴を要求されることがあります。

学歴を求めないサッカー関連の職種は数多くあります。しかし、どの職種でも学ぶ姿勢は常に求められることは覚えておきましょう。

サッカー関係の仕事にうまく転職するためにはどうする?

サッカー関係の仕事にうまく転職するためには どうする?

上でも紹介しましたが、サッカー関連の仕事は学歴不問が多く、熱意を求める求人がほとんどになっています。そのため、サッカー関係の仕事にうまく転職するには、「熱意」を如何にアピールするかになります。

面接では積極的にサッカー経験やサッカーへの熱意を伝えて、自分がどれだけサッカーの仕事をしたいのかについて語りましょう。また、他の業界から転職をする場合、どうしてサッカー関係の仕事をしたいのか、ゆくゆくはどうなりたいのかについても語れる準備をしておくのがおすすめです。

海外でサッカーの仕事に就くという手も

国内だけでなく、海外でサッカーの仕事に就くことを選択するということもできます。スポーツビジネス系大学院で学術的にスポーツのことを学び、就職の道を作るというものです。

在学中にインターンシップを行うことができるので、自分に向いている仕事だったり、または自分を求める仕事だったりを探すことができるようになります。そこでキャリアを積み、本格的なサッカーの仕事に就けるようにするというのが主なルートと言えます。

英語は必須ですし、人脈を作る能力も非常に重要になるので、決して楽な道ではありませんが、国内ではなく海外でサッカーの仕事に就きたいという方は、検討してみましょう。

サッカー関係の仕事に転職したいと思ったら

サッカー関係の仕事に転職したいと思ったら

サッカー関連の仕事というと、サッカー経験者でなくては就けないイメージがありますが、実際はそうではありません。あくまでサッカー経験者が有利になるだけで、サッカー未経験者でも情熱や知識でサッカーの仕事に就くことは十分に可能です。

サッカーの仕事というのはメジャーなプロ選手以外にもマネージャー・レフェリー・ショップ店員などさまざまなものがあります。そういった仕事に就くにも学歴よりはサッカーの現場にどれだけ携わってきたのかが重要視されます。

一方で、語学が堪能だと就職に有利に働くことがありますので、サッカーへの情熱以外にもExcelやパワーポイントの知識など、広い分野で役に立つことは覚えておきましょう。

転職をしてサッカー関係の仕事に就く場合、重要なのは熱意を伝えることです。他業種からの転職の場合は動機を伝え、それからサッカーへの熱意をガンガンアピールしましょう。