転職を決めたとき親に伝えますか?
退職をすると言うことを就職活動中も支えてくれた親に切り出すのは勇気のいることです。
今回は退職を親に言いにくい理由やどのように言えば良いのか、そして言う必要はあるのかということを考えて行きます。
転職で今の職場を辞めることを親にどう伝えるか悩んでいる方は参考にしてください。
退職することは言いやすい? それとも言いにくい?
転職を考えていて退職するつもりという方は上司への報告はストレスになりませんか? 中には肝がすわっていてためらわずに伝えることができる人もいるでしょう。
しかし多くは言いづらいのではないでしょうか。
酒の席などで同僚に「あんな会社辞めてやる」とグチをこぼすことはできても、本気で辞めることを決めた場合はむしろ話せないものです。
また親に退職したことを知らせるのも心配を与えてしまうため、気が重くなります。
それ以前に会社に退職を伝えるということが、ひとつの山場。
どうして退職することは言いにくいのか、その理由をアンケート結果から考えてみましょう。
退職を言えない理由ランキング
マイナビ転職のアンケート調査によると退職を言えない理由は以下のようになりました。
※複数回答あり
1位:上司へ言い出しづらい
退職を言えない理由が「上司へ言い出しづらい」というのは答えになっていないと思われるかも知れませんが、実に38.0%の方がこの理由を答えています。
2位:同僚や会社に後ろめたい
27.2%がこの理由を答えています。
辞めてしまうとその負担が同僚に行ってしまいますし、会社には雇ってもらったという恩もあります。
そのため申し訳ないという思いが湧いてきてしまいます。
3位:職場で気まずくなってしまう
26.1%が退職日まで職場で気まずい思いをするのではないかと思っていました。
参照サイト:マイナビ転職「『仕事辞めたいけど言えない……』を脱却! 専門家&経験者が教える不安別対処法」
他にも「お金や生活に不安があった」「新しい仕事が決まっていなかった」「辞めたら後悔すると思った」「人手不足で引き止められると思った」という理由がありました。
「上司へ言いづらいは」を除けば、「会社や周囲の反応が不安」と「辞めた後の不安」とこの2つにまとめられます。
親に言えない・言いにくい理由
退職することを言いにくい理由についてアンケート結果をもとにして考えてきました。
今度は対象を親に絞って確認してみましょう。
親に言いにくい2つの理由
親に言いにくい理由は大きく分けて2つ考えられます。
言いにくい理由1. 親を失望させたくない
今まで親の期待に応えてきた方は、退職することで失望させたくないという思いが強いのではないでしょうか。
そのため仕事を辞めることを話しづらいということがよくあります。
言いにくい理由2. 親に反対されそうだから
親から反対されると関係も気まずくなってしまう可能性が高いので話せない方も多いです。
実際、反対されることはよくあります。
期待が大きければ大きいほどそれに反する行為は失望を生みます。
そのため親に期待されている人ほど会社を辞めるという話は切り出しにくくなるのです。
そういった期待があるからこそ親は退職に反対もするのでしょうが、転職すればより良い条件や環境で働ける可能性もあります。
なぜ親が退職に反対するのか、その理由についても考えてみましょう。
親が退職に反対する理由
親が退職を反対する理由も2つ考えられます。
反対理由1)世代の違いによる「働き方」の考えの違い
終身雇用と言われ生涯同じ会社で働くことが当たり前だった世代の親からすると転職は良くないという認識があります。そういった働き方に対する考えの違いから反対するのです。
反対理由2)転職の失敗を危惧する
転職が上手く行かずに無職の期間が長くならないか、今よりも条件の悪い企業に勤めることにならないかなど、転職のリスクを危惧して反対をします。
親が反対する理由も一理ありますが最終的に転職するのは自分です。置かれた状況を冷静に判断したうえで現在の職場を辞めるかどうかは自身で決めなければなりません。
「親に言い出しにくいから」という理由でいつまでも退職を引き伸ばしにしていると別の問題が発生する恐れもあります。
退職を引き伸ばすことの問題
退職をしないでいると別の問題が発生する可能性があります。
問題1)自分のストレスを増やすことになり、追い詰めてしまう
退職したいということは職場に何かしらの不満を持っていると言うことです。
それほどストレスにならない不満なら良いのですが、耐えがたいハラスメントや残業代の未払いなどが続いていると、精神的に追いつめられてしまいます。
また、残業や休日出勤が不法に続いているなら肉体的な悪影響も考えなければなりません。
問題2)後悔する可能性が高い
親に反対されそうと言う理由で転職をしないと職場で何かある度に「あの時転職しておけば良かった」と後悔したり、「親がいなければ転職していたのに」と親のせいにしてしまったりする可能性が高いです。
ヘッドハンティングで給料もアップするといった内容の転職なら比較的親にも話しやすいかも知れませんが、転職先も決まっていない状況ではなかなか言い出しにくいです。
しかしハラスメントや労働基準法に抵触するような状況の場合は、心身の健康にも関わってくるため退職を決断する必要があります。
親に反対されない・納得してもらう為のポイント
親に反対されそうと思ってなかなか退職する決断ができないと、状況次第では心身に悪影響が出て取り返しのつかない事になる恐れもあります。
そうなる前に行動が必要ですが、反対されないで辞める方法は無いのでしょうか?
全く親に反対されないというのは難しいですが何とか納得してもらうためのポイントはあるので紹介します。
ポイント1. 少しずつ前振りをする
あらかじめ今の仕事に対する考えや思いを口に出したり辞めたいと話したりして、今の職場で働くことが限界であることをアピールしておきます。
小さな言い合いなどは起ることが想定されますが、親も心の準備ができ、納得しやすくなります。
ポイント2. 反対する親への回答を準備しておく
退職することを親に反対され、質問された時に親が退職を納得してくれる、あるいは反対されないような答えを用意しておきます。
親がよくする質問
- 仕事が見つかるまでの生活はどうするのか?
- そもそも新しい仕事は見つけられるのか?
- 転職先の業界・会社は将来性があるか?
転職先が確定してから親へ事後報告するのも1つの方法です。
そうすることで1と2の質問はなくなるため、3をしっかりと答えられれば親を納得させやすいです。
ただし言わないことのほうが気分を害する親もいます。自分の親の性格を考慮し対応することも忘れてはいけません。
ポイント3. 説得に必要な材料をそろえる
親が不安に思うであろうことや反対する要因になりそうなことをできる限りクリアしておきます。
例1)新しい仕事はすでに探している・見つけている
ポイント2でも触れましたが、すでに転職を終えたタイミングで親に伝えれば無職でいる期間の不安は払拭できます。
また見つかっていなくても就職活動を前向きにしていることを証明すれば(面接を受ける予定はいつか、職業訓練に通っているなど)不安をやわらげることは可能です。
例2)転職希望をしている業界のメリットを説明できるようにする
自分が転職を希望している業界だと現状と比較して何が変わりどんなメリットがあるかを親に分るように説明すれば、不安をやわらげることができます。
例3)具体的な転職・退職のプランを用意しておく
具体的にこれからどうするのかということをしっかり考えておき、それをきちんと伝えられれば親の不安を取り除いて納得してもらえる可能性が高くなります。
退職することを親に反対されないようにするには、反対される要素をできる限り少なくしておくことが重要となります。親が心配するのは次の仕事や生活費、そしてキャリアなどです。
転職先が決まってから退職したことを伝えれば少なくとも次の仕事と生活費の心配は無くなり、後は転職先の将来性や自分の立場を説明することで納得してもらえる可能性が高くなります。
また転職先が決まっていないなら、積極的に就職活動をしていることをアピールすることで反対を弱めるというのも1つの方法です。
ここで注意が必要なのは、性格は人それぞれなので自分の親の性格をまずは把握し、どのような説得が有効か、どのタイミングで言うのがベストかを判断する必要があると言うことです。
説得の仕方やタイミングを間違えると大ごとになってしまいます。
転職をするには勤めている会社を辞める必要があり、勤めながら転職先を探すのは時間的に大変です。
無職の期間は失業保険が出るので生活には困らないかも知れませんが、親に心配をかけたり、言っていなければバレて揉めたりする恐れもあります。そこでおすすめなのが転職エージェントの活用です。
転職エージェントなら親への対応も相談できる
転職エージェントとは人材紹介サービスです。無料で利用できるサービスでマイナビやリクルートなどの大手転職サイトでも運営しています。しかし通常の転職サイトとも異なるサービスです。
転職エージェントの特徴
転職エージェントには5つの特徴があります。
特徴1)自分に合った求人を探してくれる
最初に面談や電話などで要望や自分のキャリアを伝えます。
キャリアアドバイザーと呼ばれるスタッフがその情報をもとに最適と思われる求人を探してくれるのです。
特徴2)キャリアアドバイザーに相談ができる
転職に関する様々な相談にキャリアアドバイザーが応じてくれます。
もちろん親へ転職を話すタイミングやどのように言えば反対されにくいか、納得をさせやすいかもアドバイスを求めることが可能です。
転職については同僚には相談できませんし、職場以外の友人も詳しいとは限りません。
そのためキャリアアドバイザーに相談できることは大きなメリットと言えます。
特徴3)書類の書き方や面接のコツを教えてくれる
キャリアドバイザーは企業の情報を熟知しており、求められているスキルを効果的にアピールできる履歴書と職務経歴書の書き方を伝授してくれます。
模擬面接もしてくれるので、実際の面接でどのように自分の魅力を伝えるかも勉強可能です。
特徴4)応募書類の提出や面接のスケジュール調整、そして給与交渉までしてくれる
本人に代って履歴書や職務経歴書などの応募書類の提出はもちろん、面接のスケジュール調整までしてくれるので仕事を続けながら転職活動がしやすくなります。
また面接の場ではやりにくい給与交渉もしてくれるのも大きなポイントでしょう。
特徴5)非公開求人がある
転職エージェントには一般に非公開としている求人が多く存在します。
求人を出した企業は競合他社に知られたくないなどの理由から求人を非公開にしているのです。
転職エージェントを利用することには多くのメリットがありますが、特に書類の提出や面接日の調整をしてくれるので働きながら転職活動がしやすいです。また親の反対が予想される場合は心強い味方になってくれます。
親に退職することを話すべきか
ここまで退職することを親に話す前提で話を進めてきました。しかし親に退職を言うことはそもそも必要なのでしょうか?
自立しているのであれば話さなくても問題ない
もし退職をして収入が途絶えるようなことになっても親に頼らないというのであれば、退職を事前に相談しなくても問題はありません。
就職をしている時点ですでに社会人です。
社会人である以上自分のことは自分で責任を持たなければなりません。
それには当然退職や就職も含まれます。そのためいちいち親へ報告する必要は無いのです。
できれば話しておくと大ごとにはなりにくい
親の性格にもよりますが、辞めてから伝えた場合に「なぜ言わなかったのか?」と驚かれ大ごとになってしまう場合もあります。
そういう親の場合は前もって話しておくほうが無難です。
説得の仕方に迷ったら転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談するのも1つの方法です。
親によっては逆に話すことで大騒ぎになる可能性もあるので、そういった場合は転職先が決定してから話すほうがいいでしょう。
親に言ったほうが関係性は気まずくなることは少ないですが、自分の人生ですし、社会人なのだから親に言う必要はないのです。
そして大人である以上会社を辞めるかどうか、転職するかどうかも自分の意志で決めなければなりません。
大切なのは自分がどうしたいか、どうするのが良いのかということを冷静に判断することです。
会社を辞めることは必ずしも親に言わなくても良い
勤めている会社に何らかの不満があり転職を決めたとき、親へ今の会社を辞めることをどう切り出すかは悩みどころです。
自分の置かれた状況により異なりますが、経済的に独り立ちしているのなら特に言う必要はありません。
会社に勤めるのも辞めるのも自分の意志と責任で決めることなのです。
しかし親と同居している場合など言わないでいると後で大ごとになりそうなら、「少しずつ前振りをする」「反対する親への回答を準備しておく」「説得に必要な材料をそろえる」といった納得してもらうための準備をしておく必要があります。
繰り返しになりますが、親に話す、話さないも含めて最終的には自分で決めなければなりません。