今の職場に対し、「給料が安い」「残業が多い」など待遇が悪いことを理由に転職を検討する方は意外と多いです。
働くからには見合う給料が欲しいし、ワークライフバランスの取りやすい環境も重要な要素です。
待遇が悪いから転職したいと考えるのは決して間違いではありません。
ただ、待遇が悪い=転職という考え方では失敗するリスクもあります。
今より待遇が良い会社に転職するためには、ポイントを押さえた転職活動が必要です。
今回は、待遇が悪いというだけで転職するリスク、転職を成功させるためのポイントにスポットを当てて解説していきます。
待遇が悪い会社の特徴
待遇が悪い会社は社員を大切にしない傾向があり、特に給与に関することや職場環境においては社員からの不満が多いです。
場合によっては離職者が多くていつも人手不足などのように、働きにくさが伝わる会社もあります。
人により感じ方には違いがありますが、できることなら自分が納得できる待遇の会社で働きたいものです。
はじめに、待遇が悪い会社の主な特徴から見ていきましょう。
給料が低い
待遇が悪い会社のほとんどは給料が低いことが多いです。中には昇給しない・昇給したとしてもわずかな金額で、給料が上がった実感がないケースもあります。
毎月、定期的に給料が入れば良い、やりたいことができれば給料の高さはあまり関係ないと考える人もいますが、生活する上で給料の高さはある程度重要なものです。
また、業務内容や仕事に対する責任の重さと、給料が見合っていないと感じるならモチベーションの維持は難しくなりやってられないと思う人もいます。
今の給料で現状の生活レベルを考えたとき、生活できるだけの給料をもらっているとしても、けがや病気などを含む急な出費に備えた貯金はできているでしょうか。
現状の生活だけを考えるのではなく、万が一の事態への備えや将来の生活を考えると、貯金ができるゆとりある給料は必要です。
給料は生活に直結するだけに、待遇面を考える際の重要なポイントになるでしょう。
給料が低くて労働時間に見合っていない会社や、給与やボーナスのカットがある会社は待遇が悪いといえます。
福利厚生が不十分/利用率が悪い
会社で働く上で福利厚生の充実度や利用率は非常に重要なポイントになります。
福利厚生は、普段の業務にはこれといって影響がないように感じますが、家族や自分の急病などで休みたいときに休ませてもらえないなど、自身と家族の生活に直結するケースが多いです。
そもそも福利厚生は、従業員とその家族が健康かつ幸せに暮らすための制度です。
急病などやむを得ない状況でも休みが取れない会社は、待遇が悪いことはもちろん、長く働き続けることは難しいでしょう。
従業員のワークライフバランスを重視した福利厚生制度があるとしても、それを利用し辛い環境となっているなら意味がありません。
福利厚生の利用率が低い会社は、福利厚生の充実度が低い会社と同じく待遇が悪いといえます。
毎日遅くまで残業がある
会社により繁忙期がある場合は、集中的に残業が多い時期が発生します。
ですが、年間を通して慢性的にほぼ毎日残業が続く会社は、待遇が悪い会社の特徴に当てはまります。
定時で帰りたくても、周囲が残業しているために帰りにくい雰囲気がある場合や、残業代が出ないまたはカットされる場合も待遇が悪いといえるでしょう。
残業が多いとプライベートの時間が減ってしまいます。その分、ストレスが溜まり心身への負担も大きくなるでしょう。
慢性的に月30~40時間もの残業がある会社に勤めている方は、心身の疲れが溜まる前になんらかの対策を打つことを考えてみてください。
待遇が悪いという理由だけで転職してはいけない理由
待遇が悪い会社は給与・福利厚生・残業など、どの角度から見ても長期的に働き続けることが難しいです。
今より待遇が良い会社に転職したいと思う人も多く、在籍中から求人をチェックするなど転職活動に着手する人もいます。
待遇の悪さを理由に転職することは悪いことではありませんが、待遇の悪さだけで転職することは意外な落とし穴があるので注意が必要です。
次の転職先も合わない可能性がある
待遇の良さを中心に企業を選ぶことは、転職する上でも大切なことです。給与や年間休日数、各種手当てや平均残業時間などは必ずチェックしておきたい項目です。
ただ、待遇の良さだけでなく、職場環境や仕事内容も含めた企業選びをしないと、せっかく転職したのに自分に合わないと感じるケースもあるでしょう。
例えば、待遇は良いけど職場の雰囲気が自分に合わない、仕事内容が苦手分野で辛いなどの状況になった場合、再度転職を検討することになります。
転職先企業を探す際は、待遇をはじめとする総合的な判断が必要です。事前にしっかりと企業研究をしておきましょう。
面接での印象が良くない
転職先との面接では、前職の退職理由を聞かれることがほとんどです。
その際に「待遇が悪かった」と伝えてしまうと、「この人は企業の待遇面しか見ていない人」というマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
正直に伝えることは大事でも、前職のどこが自分に合わなかったのかを具体的かつポジティブに言い換えて伝えなければなりません。
また、転職先企業のどこが自分に合っているのか、待遇面だけでなく業務内容や社風なども含めてどんな魅力を感じているかも伝えることが必要です。
転職活動を成功させるために押さえておくべき4点
待遇の悪い会社から転職する際は、この転職を成功させるために押さえておきたいポイントがあります。
求人票では良い印象だと感じても、実際に働き始めたときのことを考えて転職先企業を選ぶことが重要です。
ここでは、待遇の悪い会社から転職する際に押さえておくべき4点のポイントを紹介していきます。
総合的に自分に合う企業かどうか考える
転職先企業を選ぶ際は、仕事内容をはじめ待遇・職場環境など多くの要素を総合的に見ることが必要です。
つい待遇に重きを置いてチェックしてしまいがちですが、長期的に働くことを踏まえて仕事内容なども併せてじっくり考えるようにしましょう。
自分が仕事をする上で、何を1番大切にしたいのか、どんなことにやりがいを感じるのかを紙に書き出してみてください。
その中でも譲れないものが、あなたが仕事をする上で重視しているものと考えて良いでしょう。
もちろん待遇は重要ですが、待遇がどんなに良くても企業自体と自分が合わなければ、転職後に辛い思いをするのはあなたです。
目先の待遇の良さや好感度といった感情に左右されるのではなく、今後訪れるであろうライフステージの変化にも対応できそうな企業かどうかも含めて考えてみてください。
中長期的に見て本当に自分に合う企業を見極めていきましょう。
将来性のある企業かどうか見極める
転職したい企業について、その企業にどれだけ将来性があるのか調べてみてください。
将来性がある企業は今後の成長が見込める会社であり、従業員の定着率も高めの傾向があります。
待遇面だけにこだわりすぎると、企業の将来性や社内の離職率・定着率に目が行かないこともあるので注意が必要です。
加えて、せっかく転職するのに先行きが見えない企業に転職したのでは本末転倒といえるでしょう。
時代の流れや社会のニーズ、これまでの企業の業績なども調べて、将来性ある会社か見極めることをおすすめします。
企業とはこの先10年、20年と長期的に付き合っていくことになります。転職する際は、あなたも長期的な目線で見ることが大切です。
福利厚生の利用率も確認する
転職検討先の企業には、福利厚生制度があるかどうかを確認してください。
福利厚生には、各種保険関係が中心の法定福利厚生と、会社が任意で導入する法定外福利厚生があります。
法定外福利厚生には交通費や住宅手当などの各種手当て、健康診断、短時間勤務や社内託児所設置、資格取得援助、財形貯蓄制度などさまざまな種類があります。
グループ会社が手掛ける宿泊施設の割引補助などを導入している企業もあり、一見するととても魅力的に映る部分です。
しかし、福利厚生制度があるだけで安心してはいけません。制度が存在するだけで使われていない、使いにくい雰囲気があるなら、それは名ばかりの福利厚生制度です。
待遇が悪い企業と変わらないといっても過言ではないでしょう。
今の会社の待遇に不満があって転職する場合は特に、福利厚生制度を確認するときは利用率も必ずチェックしてください。
退職理由をポジティブなものに置き換える
待遇が悪いと感じて転職することは悪いことではありません。
ただ、転職活動において「前職は待遇が悪かった」とそのままの退職理由を伝えてしまうことは避けてください。
正直に伝える事が大事でも、面接ではできる限りポジティブに言い換えることが重要です。
例えば、残業が多かった場合の言い換えなら「労働時間が長く効率性と生産性を削がれてしまっていたため、より効率性を重視して働ける仕事に就きたいと思いました」などの言い換えが可能です。
給料が低かった場合なら「自分の能力を適切に評価して、報酬につなげてくれる企業が合っていると考えました」などと伝えるのも良いでしょう。
前職のネガティブな一面を言い換えて伝えると同時に、自分にはどういった環境が合っているかも併せて伝えると、より一層ポジティブな印象づけができます。
転職活動をはじめるなら、転職エージェントの利用がおすすめ
待遇の悪い企業は、企業規模に関わらず長期的に働きにくい環境となっていることが多く、転職を検討する人は少なくありません。
給与や福利厚生、残業時間など待遇の良し悪しを判断できる要素から見ても、従業員が1人で改善できることではないため、あまりにも待遇が悪いと判断するなら転職することをおすすめします。
転職活動をする際は、待遇だけにこだわらず業務内容や年間休日数、福利厚生の有無や利用率、年間平均残業時間、離職率などの項目を必ずチェックして、転職後に後悔しないようしっかり準備することが必要です。
ただ、在籍中からこれだけの項目を1人でチェックするのは大変なため、転職のプロである転職エージェントに相談しながら転職活動をすることをおすすめします。
転職エージェントは、あなたの希望・要望に合う企業を紹介してくれるだけでなく、採用選考に必要な対策のサポートも行っています。
あなたの強みや得意分野を活かせる仕事かどうか、中長期的に見て将来性ある会社かの判断も任せられるので安心です。
今、とにかく待遇の良い会社に転職したい一心で、転職先企業について何も調べずに後先考えずに転職することは危険です。
これまでたくさんの求職者の転職を支えてきたエージェントなら、あなたの特色や価値観を理解したサポートをしてくれるでしょう。
また、内定後は企業に対し入社後の給与や待遇、入社日などの細かいスケジュール調整や交渉もしてくれます。
自分が希望する待遇でマッチ度の高い企業に転職したい、という方は転職エージェントの利用がおすすめです。
加えて、ほとんどの転職エージェントは利用料が一切かからないので安心であり、待遇に重きを置いて転職したい方には心強い味方となるでしょう。