できれば働きたくない。そう考えてしまうのは普通
働くということは、自分の意志を飲み込んだり、意見を通すために戦ったり、仕事に関係ない人間関係に悩まされたりと、肉体的にも精神的にも疲労が伴います。働かずに生活ができるならどんなにいいかと一度も考えないという方は少ないでしょう。
働くことが好きという方や仕事自体が楽しくて自分の生きる活力になっているという場合以外は、生活のため、収入のために働いているということがほとんどです。
令和3年の内閣府が行った国民生活に関する世論調査で「働く目的は何か」という問いに対し、1番多かったのが「お金を得るために働く」が61.1%、次いで「生きがいを見つけるために働く」が13.9%、「社会の一員として務めを果たすために働く」が12.1%、「自分の才能や能力を発揮するために働く」が7.2%と続いています。
回答に対する割合を年齢で見ていきましょう。
| お金を得るために働く | 生きがいを見つけるために働く | 社会の一員として務めを果たすために働く | 自分の才能や能力を発揮するために働く | 無回答 |
18~29歳 | 75.4% | 9.4% | 4.9% | 7.9% | 2.5% |
30~39歳 | 73.7% | 3.8% | 11.5% | 7.7% | 3.3% |
40~49歳 | 75.8% | 5.9% | 10.5% | 7.2% | 0.7% |
50~59歳 | 73.9% | 7.8% | 12.6% | 3.9% | 1.8% |
60~69歳 | 59.3% | 15.4% | 10.9% | 9.9% | 4.5% |
70歳以上 | 35.2% | 27.1% | 16.4% | 7.1% | 14.3% |
お金を得るために働くという理由が70歳以上になると急激に落ちるのは、年金受給があり、給料以外の収入があるからだと予想できます。
年金で収入が得られる状態であれば、お金のためにストレスの多い仕事を行うよりも、生きがいを見つけるためや社会との繋がりを求めた働き方を選ぶという傾向が高くなることも納得がいきます。
参考:内閣府「国民生活に関する世論調査 調査結果の概要 働く目的は何か」
働きたくないけどお金が欲しい。それは実現可能?
なるべく働きたくないけれど、それで生活をしていくことができるのかどうかは、「働く以外にお金を得る方法がある」ということが必要になります。
働かずに得るお金のことを不労所得と言いますが、不労所得を得るためには一部の恵まれた環境にいる人か、不労所得を得るまでに相当の努力が必要になることがほとんどです。
恵まれた環境
お金持ちの家系
家に財産がある資産家や経営をしている家系であれば、生まれながらにして運用できるお金があるため、自らせかせかと働かなくてもお金が入ってくる環境にあり、余裕のある生活が送れます。両親からお小遣いをもらえたり、経営に携わったりすることができたりします。
地主
代々受け継いでいる土地があれば、その土地を活用して資産を増やすことや切り売りしながら生活をすることができます。
不動産を複数所有している
土地だけではなく、マンションや駐車場、賃貸物件などの不動産資産を複数所有していることで、維持をする大変さはあるものの、自分が働くことなく家賃収入を得ることができます。
宝くじで1等を当てる
生まれながらの環境ではありませんが、宝くじで高額当選を果たすことでお金持ちとなることもあります。特に一等などの億単位のくじが当たることで、収入のために働くのではなく、やりがいのある仕事などを選んで働くこともできます。
自ら不労所得を作る
運任せの宝くじに当たるか、土地や物件などの不動産や資産を生まれながらにして手に入れている環境にいない限り、不労所得を得るには、一般的な仕事で働くよりもかなりの努力が必要となります。
このような場合は、どんなところに注目をして行動を起こせばいいのかについて確認していきましょう。
会社を経営する
受け継いだ事業などがない場合、自分で起業し、軌道に乗せることで不労所得にするという方法があります。しかし、必ず成功するとは限らず、安心して人に任せることができるようになるまではハードな生活や戦略を練って会社を育てていく能力が必要となっていきます。
需要のある事業とは何か、運用をどう上向きにするか、常に考えて行動に起こすことが大切になります。
ブログやウェブサイト、SNSなどで広告収入を得る
ブログやウェブサイト、SNSなどで広告収入を得る仕組みを作ることができれば、不労所得を得ることのできる可能性があります。しかし、働かなくてもいいほどにブログなどを成功させるには企画力や分析力などの深い分析力や研究が必要となるため、簡単なことではありません。
資産運用を行う
株式やFX、不動産投資、仮想通貨などの投資で資産を作るということも不労所得の方法になります。
ローリスクローリターンのものもあれば、ハイリスクハイリターンの投資もあり、ローリスクのものは少ない資金や危険性を少なく始めることができますが、資産を増やすために長い時間がかかることが多いです。
ハイリスクのものは短期間でお金を増やせる可能性も高くなりますが、逆に損をしてしまうという可能性も否めません。資産運用を行うためにはある程度の初期費用がかかるということもあり、働かなくてもいいほどにお金を得るには投資できる運用資金を多めに用意することや大きなリスクを負う必要となるでしょう。
働かないでお金を得ることは難しい
世論調査の結果で働く理由がお金を得るためという回答が1位に上がることからも、大多数の方が働かずに得ることのできるお金があれば生活が変わる、変えたいと考えているということが推測できます。
多くの人が働かずにお金を得られたらと考える以上、甘えた想像だということはできませんが、現在の社会の仕組みでは、恵まれた環境や運任せたものでなければ、自分の力で叶えることは相当難しいことであると考えたほうがいいでしょう。
そもそも働きたくない理由は何か
働かないと生きていけない可能性が高い以上、働くことに対するモチベーションを上げていくことが大事です。「働きたくない」と考えに至るには、いくつかの理由が考えられます。
- 労働そのものが嫌い
- 人付き合いが嫌い
- 自分に合った会社や仕事がわからない、見つかっていない
自分が働きたくない理由はどれに当てはまるのか、そんなときは、どのような仕事があるのかを確認していきましょう。
労働そのものが嫌い
労働すること自体が嫌いなのであれば、労働しなくてもお金が入ってくる仕組みを作る必要があり、その仕組みが上手く回り始めるまで、労力を全力で注がなければなりません。
全く何もしなくていいというわけではありませんが、会社の経営や不動産のオーナーなど、個人で事業を立ち上げて、業務委託として人に任せることで自分が働かずに収入を得ることができます。
事業の内容によっては、現在働いている会社で身につけた知識やスキルを応用したり、会社員として培った人脈を利用することができますが、片手間に起業するということは難しく、上手く仕組みが出来上がるまで長い時間がかかることや、ダラダラと行うことで上手くいくまでに辞めてしまうということも考えられます。
人付き合いが嫌い
人付き合いが苦手で働きたくない方の場合、1人で作業できる仕事を選ぶことで働く上でのストレスを減らしたり、モチベーションを下げずに続けることができる可能性が高くなります。
工場勤務やドライバーなど肉体労働ではあるけれど黙々と行うことのできる仕事、漫画家やイラストレーターなどの印税収入のある仕事、YouTuberやブロガーなどの広告収入で稼ぐ、ハンドメイドの作品をネットで販売する、翻訳を請け負うなど、多種多様な仕事があります。
現代ではWEBライターや簡単なデータ入力などの事務仕事はクラウドソーシングとして在宅で受注のできる仕事や、プログラマーやSEなどのIT関係はフリーランスの募集も多いため、コミュニケーションを取る必要が少ない仕事を探すことは難しくありません。
金銭の発生する仕事である以上、全く人付き合いのない職業というのはほとんどありませんが、現代ではWEB上で完結できる仕事も多く、在宅や自由な場所、自分の働きたい時間で働くこともできます。
自分に合った会社や仕事がわからない
最初から働くことが嫌だったというわけではない場合、今の仕事が自分に合っていないということが考えられます。
自分に合った会社や仕事がわからないという方は、まずは自己分析をして、自分に合っているのはどんな働き方や職業なのか、どんな仕事を楽しいと思えるのかということを探ってみましょう。
自分一人で自己分析をしていると、どうしても同じ考えしか浮かばなかったり、新しいアイデアが浮かばなかったりする場合は、家族や知人などに自分の強みを聞いてみることで、自分では気付くことのなかった向いてる仕事を見つけることができるかもしれません。
もし聞く人がいない、アイデアが出てこないというときは、転職エージェントに登録をして、キャリアアドバイザーとキャリアの棚卸しを行うことで、思ってもみなかった強みを把握できることも可能になるでしょう。
働くことはストレスがある程度かかるのは当たり前。ストレスの少ない環境を探そう
ただでさえ、一日の半分近くを仕事で終えることになるため、疲れるのは当然であり、生きていくためのお金を得るためにやりたくない仕事をしていたり、ただ仕事に追われるだけの生活となってしまうのは仕事への意欲を下げることになってしまいます。
仕事の目的が生活のためのお金を稼ぐというものであったとしても、なるべくストレスがかからない仕事を選ぶことで、仕事への興味が湧きます。
仕事は割り切ってプライベートで楽しみを謳歌することでモチベーションを保つということにも繋がります。
ストレスのかからない仕事、ストレスがなるべく少ない仕事というのは人それぞれに違うので、自分自身で「これなら向いているかもしれない」という仕事を探すことが大事です。
生活を行うためには働かなければならないという方がほとんどですが、働く必要がある以上、少しでも自分に向いている仕事を選ぶことでストレスを減らすことができます。
仕事を行うことに対して強いストレスを抱えている場合、自分は仕事のどんなところが嫌になっているのかということを考えてみましょう。
自己分析をするには、転職エージェントの利用がおすすめ
自己分析によって自分の強みやどういうことに喜びを見出すのかということを確認することで、自分に合った仕事を見つける可能性が高くなります。自分に合った仕事を選んだはずなのにという場合、好きなことと、職業として行うのに向いている仕事が異なっている恐れがあり、好きなことは趣味や副業として行い、向いている仕事を見つける方が性に合っているというケースがあります。
向いている仕事が自己分析をしてもわからないという場合には、周囲の人に自分がどんな人物かを聞くか、転職エージェントを利用してみるのがおすすめです。
転職エージェントはほとんどが無料で利用することができ、キャリアカウンセリングを行うことで、第三者の視点から自分の経歴やスキル、強みを整理することができます。
人それぞれに向いている仕事は違うため、まずはじっくりと自分のことを見直して、ストレス負荷の低い仕事を見つけるようにしましょう。