スタートアップ企業は、まだまだこれから発展する可能性を秘めた会社なので、非常にやりがいがあり成果を実感しやすい環境でもあります。
しかし、その一方で仕事の割り振りが明確にされていなかったり、将来性に不安を感じたりといったデメリットがあります。
では、結局のところスタートアップ企業に転職するメリットとは何なのでしょうか?
また、どのようなデメリットがあるのかも把握しておきたいものでしょう。
本記事では、スタートアップ企業に転職するメリットについて解説します。
スタートアップ企業に転職するデメリットはもちろん、自分に合う会社の見極め方もお話するので、あなたがスタートアップ企業への転職を検討している場合は、本記事を読んでからどうすべきか決めてください。
スタートアップ企業とは
スタートアップ企業とは、新しいビジネスモデルに挑戦するために立ち上げられた会社を意味します。
また、短期間で成し遂げようとする人たちが集まっているため、急成長する可能性を秘めた企業でもあります。
よく、ベンチャー企業と同じだと考える方がいますが、ベンチャー企業とスタートアップ企業は別物です。
ベンチャー企業は、会社としては立ち上げたばかりで若いという点は同じですが、ビジネスモデルは既存ものなので、スタートアップ企業のように今までなかったビジネスモデルではありません。
ちなみに、設立したばかりのスタートアップ企業やベンチャー企業は、フェーズによって段階別けされています。
- 創業期(シード・アーリーステージ):従業員1~20名、売上げ1憶未満
- 拡大期(ミドル):従業員20~50名、売上げ1~10億
- 成長期(レイター):従業員50~150名、売上げ10~30億
- 安定期(メガベンチャー):従業員150名以上、売上げ30億以上
安定期は、上場後のフェーズになります。
近年では、「ラクスル」や「メルカリ」などの企業がメガベンチャーと呼ばれています。
もし、あなたがスタートアップ企業に転職を考えているなら、その企業がどのフェーズにいるのか確認しておくと良いでしょう。
スタートアップ企業に転職する5つのメリット
この項目では、スタートアップ企業に転職するメリットについて解説します。
一般企業に比べて圧倒的に幅広い仕事を任せてもらえる
1つ目のスタートアップ企業に転職するメリットは、一般企業に比べて圧倒的に幅広い仕事を任せてもらえるという点です。
大手企業では、社員ひとり一人がやるべき作業が分けられて振り分けられます。
そのため、いつも同じ作業の繰り返しになってしまうのです。
しかし、スタートアップ企業のように社員が少ない会社では、人手が足りていないためメイン業務以外の仕事も担当するケースが多くなっています。
幅広い仕事を任せてもらえるので、いつも同じ仕事ばかりで退屈と感じる方には魅力的な環境と言えるでしょう。
早く昇進できる可能性がある
2つ目のスタートアップ企業に転職するメリットは、早く昇進できる可能性があるという点です。
スタートアップ企業のように若い会社は、大手企業のような年功序列がないため、あなたの頑張り次第でどんどん昇進していけます。
20代でも役職を与えられるケースが多いので、「年功序列は嫌」という方や「若い内から責任ある仕事がしたい」という方にはピッタリの環境でしょう。
部門や社員の壁が低く風通しが良いため経営陣との距離が近い
3つ目のスタートアップ企業に転職するメリットは、部門や社員の壁が低く風通しが良いため経営陣との距離が近いという点です。
大手企業だと、社長などの経営陣と会う機会はほとんどありません。
中には、社長が社員ひとり一人の顔を知らないケースもあるでしょう。
しかし、スタートアップ企業のように小さい会社は、社長などの経営陣と距離が近く、直接話ができる機会も多くあります。
会社によっては、社長が同じフロアにいるケースもあるので、会社経営の方法や流れを目の前で学べます。
将来的に独立したいと考えている方にとっては、これ以上ない学びの場となるでしょう。
新しい技術やビジネスモデルに取り組める
4つ目のスタートアップ企業に転職するメリットは、新しい技術やビジネスモデルに取り組めるという点です。
そもそもスタートアップ企業とは、今までになかったビジネスモデルに挑戦する会社なので、当然、スタートアップ企業に転職すれば新しいビジネスモデルにチャレンジできます。
また、新しい分野に挑戦しようとする会社なので、あなたに新しいアイデアがあれば、それを積極的に取り入れてくれる可能性があります。
あなたが今まで経験してこなかった仕事ができるので、新しいチャレンジが好きな方には最適な環境です。
企業の成長に伴う収入アップ
5つ目のスタートアップ企業に転職するメリットは、企業の成長に伴う収入アップという点です。
スタートアップ企業は、事業が軌道に乗るまでは収入が安定しません。また、倒産するリスクも一般企業より高くなっています。
しかし、事業が軌道に乗り始めると一気に収益は上がるので、それに伴ってあなたの給料もどんどん上がっていくでしょう。
特に設立したばかりで社員数が少ないと、ひとり一人に振り分けられる給料が多くなので、他の会社ではもらえないような賃金になるケースもあります。
スタートアップ企業に転職する4つのデメリット
続いては、スタートアップ企業に転職するデメリットについて解説します。
仕事量が圧倒的に多い、相談できる人が少ない
1つ目のスタートアップ企業に転職するデメリットは、仕事量が圧倒的に多い、相談できる人が少ないという点です。
スタートアップ企業では、仕事の振り分けが一般企業のように明確にされていません。そのため、メイン業務以外の雑務なども担当する必要があります。
当然、メイン業務以外の仕事も担当するので作業量は多くなります。
また、会社自体ができたばかりだと、その会社で長く働いている社員がいないため、仕事の悩みや分からないところを相談できる人がいないのです。
自分で解決する力や、仲間と一緒に試行錯誤しながら解決できる力がないと続けるのは難しいでしょう。
組織が整っておらず福利厚生も期待できない
2つ目のスタートアップ企業に転職するデメリットは、組織が整っておらず福利厚生も期待できないという点です。
スタートアップ企業は、社長などの経営陣ですら経験が浅く、会社経営のノウハウやテクニックを熟知しているわけではないため、色々と試しながらルールを作り上げていきます。
そのため、組織としてのルールやマニュアルが整っていません。当然、福利厚生などの設備も一般企業に劣っています。
福利厚生などが整っていて安定した職場で働きたい方にとって、スタートアップ企業は不向きの環境と言えるでしょう。
戦略がよく変更になる
3つ目のスタートアップ企業に転職するデメリットは、戦略がよく変更になるという点です。
組織の体制が整っていない点からも分かる通り、スタートアップ企業は試行錯誤しながらルールなどを作り上げていきます。
そのため、経営戦略は頻繁に変更されます。
色々と試せて楽しいと考える方なら問題ないでしょう。
しかし、「頻繁にルールが変わると付いていけない」という方にとっては、働きにくい環境だと感じるはずです。
大手企業からの転職で年収が下がる恐れがある
4つ目のスタートアップ企業に転職するデメリットは、大手企業からの転職で年収が下がる恐れがあるという点です。
スタートアップ企業は、これから成長する企業なので、すでに大きな利益を上げている大手企業より給料が安い傾向にあります。
そのため大手企業から転職すると、年収が大幅にダウンする恐れがあります。
場合によっては数百万円も年収が下がるケースもあるので、大手企業からスタートアップ企業に転職する際は、どのくらい年収が下がるのか計算するようにしてください。
自分に合うスタートアップ企業の見極め方
自分に合うスタートアップ企業かどうか見極めたい場合は、以下のステップを踏む必要があります。
1. 企業研究 2. 面接 3. 内定後の面談 |
これら3つのステップを踏んで初めて、そのスタートアップ企業が自分に合っているのか分かります。
では、それぞれのステップでどのような点に注目すべきか詳しく見ていきましょう。
企業研究
企業研究の段階では、求人票や企業のホームページ、メディアに掲載された記事、SNS、ブログといった様々な方面から調べます。
その際に重要視すべきなのが「企業理念」です。
企業理念と聞くと建前のイメージが強いかもしれませんが、スタートアップ企業のように設立したばかりの企業は会社のこだわりが色濃く出ています。
たくさんのスタートアップ企業の企業理念を見て比較すると、それぞれの強みや個性が明確に分かるようになるでしょう。
また、企業名や社長名で検索をかけると、インタビュー記事やSNS、ブログ記事なども見つかるはずなので調べてみてください。
公式サイトなどからは分からない経営者の考えなどが垣間見えるはずです。
企業研究は、スタートアップ企業選びの最初の段階なので、手を抜かず徹底的に行うようにしてください。
面接
企業研究で会社の考え方やビジョンを調べても、社長の思いが現場の人間にまで浸透していない企業は存在するので、必ずしも会社の全てが分かるわけではありません。
特に、拡大期や成長期に入っているスタートアップ企業になると、経営陣と一般社員の間に意識の乖離が生まれ始めるものです。
そのような状態になっているスタートアップ企業でも、面接で働く人に触れて話を聞ければ、その会社の本当の考え方やビジョンが見えてきます。
また、スタートアップ企業のような小さな会社の場合は、一緒に働く人の話を聞きたいという要望も受け入れてもらえる可能性があります。
面接は、企業側があなたの能力や人物像を知るための場です。しかし、あなたが企業の考え方を知る場でもあるので、有効活用して自分との相性を確認してみてください。
内定後の面談
大手企業であれば、新入社員を受け入れる際の給与テーブルや待遇条件などが設定されています。
しかし、スタートアップ企業のような小さな会社は、社長や役員が新入社員ひとり一人と面談して、給与や待遇条件を決めていきます。
また、事業が軌道に乗っていないスタートアップ企業の場合、転職するとガクッと年収が下がる可能性があります。
その一方で事業が成長していくに連れて、一気に昇給や昇進が実現する可能性もあるのです。
内定後の面談では、給与やその他の待遇についても話ができるので、その場を借りてあなたとスタートアップ企業の相性を確認するようにしてください。
内定後とはいっても、まだ転職が決定しているわけではないので、じっくり話を聞いて転職すべきかどうか判断するようにしましょう。
スタートアップは大手にはない楽しさがある
スタートアップ企業は、設立して間もない会社なので、将来的に上手くいくのか失敗するのか分かりません。
実際、数年後には倒産してしまうスタートアップ企業は数多くあります。
しかし、事業内容は大手がやらない新ビジネスモデルなので、他の企業では経験できない仕事を任せてもらえます。
また、社員数が少ないスタートアップ企業なら、企業が成長していく姿を目の前で見られます。
あなたの頑張りが会社の成長に直結しているという事実も実感できるので、会社への貢献が仕事のやりがいだという方にはピッタリの環境でしょう。
加えてスタートアップ企業なら、あなたの学歴や実績などよりも会社との相性などを重要視してくれます。
安定よりもやりがいなどを求める方は、ぜひスタートアップ企業への転職を検討してみてください。