あなたの職場にはパワハラ上司はいませんか?
あなたはこれまで職場でパワハラが起きている所を目撃したことがありますか?
近年、パワハラに関する相談件数は年々増加しています。
しかし、どこの範囲からパワハラにあたるのか、これくらいは我慢するべきなのではないかと思い、
自分の中で我慢する人も多数いることでしょう。
また、上司の立場であれば「これくらいは指導の一部」だと思い、周囲からパワハラ上司と思われているかもしれません。
今回は、パワハラの定義や近年のパワハラ事情やパワハラ上司の事例を紹介します。
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パワハラの定義や事情。あなたの周りにパワハラ上司はいますか?
パワハラの定義、近年のパワハラの実態を紹介していきます。
この定義を知ったとき、あなたはパワハラを受けている、もしくはあなた自身がパワハラ上司になっていることに気づくかもしれません。
パワハラの定義
パワーハラスメントには以下のような定義があります。
「パワーハラスメントとは、職権などのパワーを背景にして、本来業務の適正な範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を侵害する言動を行い、就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与える」
「職場において、地位や人間関係で弱い立場の労働者に対して、精神的又は身体的な苦痛を与えることにより、結果として労働者の働く権利を侵害し、職場環境を悪化させる行為」
引用:Wikipedia
職場で強い立場(上司、先輩)が弱い立場(部下、後輩)に対し、精神的または身体的苦痛を与えることで働きにくくすることを指します。
パワハラの典型例
また、厚生労働省は2012年1月に典型例として以下を示しています。
- 暴行・傷害(身体的な攻撃)
- 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
- 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
- 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
- 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
- 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
引用:厚生労働省
一般的にパワハラ上司と言えば、人前でも構わず怒鳴ったり、直接手を出したりというイメージが強いかもしれませんが、
定義から考えると、精神的、身体的な苦痛を直接与えることだけではなく、絶対できない仕事を与えたり、逆にまともに仕事を与えなかったり、プライベートに過剰に関わってくることもパワハラになるのです。
あくまで強い立場から弱い立場に行うものである為、例えば部下から上司、後輩から先輩に対してなど弱い立場から無視などをしても、それはパワハラにはなりません。
パワハラか指導か
パワハラか、そうではないかということで最も難しいのは、それが指導なのかどうかという面です。
暴力行為が行われるとわかりやすいですが、仕事をする上で必要な指導といったものは、その判断が難しい場合が多いです。
指導や注意をされると、労働者は不満を感じるかもしれませんが、上位の立場として業務遂行上で必要とされる時には、行うこともでてきます。
パワハラかそうではないかという判断は、業務の適正な範囲であるかどうかということが焦点になります。
近年のパワハラ事情
近年のパワハラ事情を見ていきましょう。
パワハラは減っていない
労働局へのパワハラに関する相談件数は、以下のグラフからもわかるように年々増加しています。
25年度にはなんと「いじめ・いやがらせ」などの相談割合が全相談件数のおよそ4分の1を占めているという結果になっています。
パワハラという言葉が浸透してきたということも増えている要因といえるでしょう。
パワハラ上司は自分がパワハラしていることに気づいていない
パワハラの経験有無を調査した結果は以下の通りです。
- パワハラを受けたことがある・・・25.3%
- 周囲でパワハラを見たことがある・・・28.3%
なんと4分の1の人がこれまでパワハラを受けたことがあるというのです。
一方で、パワハラをしたことがあるという人は7.3%。
大きく数字がかけ離れています。
パワハラをしている側の上司は、気づかずにパワハラしていることもあるのです。
ほとんどのパワハラ上司は自覚がないのです。
自覚があってもパワハラし続けるというのもひどいですが。
パワハラの内容は精神的な攻撃が1位
パワハラの6つの典型例のうち、パワハラを受けた人は以下のパワハラを受けたと回答しています。
精神的な攻撃が半数以上と多いですね。あなたの周りでも怒鳴ったりするパワハラ上司がいるのではないでしょうか。
身体的な攻撃に比べると、精神的な攻撃はする側、される側の双方ともパワハラと感じるラインが人によって大きく変わってきます。
上司にとっては、これくらいはパワハラではなくしつけだと考えてしまったり、別の人はこれくらい言ってもなんともなかったから、などと考え行った行為がパワハラと相手に認識されてしまうこともあります。
また、身体的攻撃は傷害として逮捕されやすいですが、精神的な攻撃は線引きが曖昧であり、逮捕にはなかなかつながらない為、行いやすいパワハラ行為になってしまっています。
しかし、忘れてはいけません。
精神的なパワハラは心への傷害行為であり、重症化してしまうことが多いということを。
もしあなたがパワハラを受けているのであれば、じっと我慢せずに誰かに相談するなどしなくてはいけません。
解決できないのであれば、会社を辞めて転職してしまうほうが幸せです。
これをするならパワハラ上司!事例を紹介
こんな行為はパワハラになってしまいます。いくつかパワハラの事例を紹介しましょう。
精神的な攻撃のパワハラ事例
最も多い「精神的な攻撃」のパワハラ事例です。
- 他の人の前で、大声で怒鳴り、叱責する。
- 人格否定、名誉毀損、侮辱の発言(存在がめざわり、給料泥棒、頭が悪い、病気だろ等)
- ミスを笑う、馬鹿にする
- 物にあたる
よくあるのが、他の人がいてもお構いなしで怒鳴りつける上司です。感情が先走り、思わず怒鳴ってしまうのかもしれませんが、やられている側にとっては苦痛です。
周囲にも同時にわからせる為に、わざと人前で怒鳴る上司もいますが、される側の気持ちになってください。そこに効率の良さはいりません。
侮辱発言などは、わざとじゃない場合も多いかもしれません。その発言によりなんとも思わない人もいます。
ただ、業務を行う上での必要な指導ではなく、個人をただ馬鹿にしたり、次につながらないような発言は、パワハラ発言になりうるのです。
代表的な事例として、静岡労基署日研化学事件があります。
上司から、毎日暴言を吐かれ、最終的に精神疾患を発症し自殺に至ってしまっています。
他にも、精神的な攻撃により精神疾患を発症し、自殺に至った例も少なくありません。
過大な要求のパワハラ事例
過大な要求に関するパワハラ事例です。
- 絶対に一人では不可能な仕事を押し付ける
- 仕事をまったく教えずに、一人でやらせる
過大な要求とは言っても、どう考えても過大であると明確な場合もあれば、人による場合もあります。
後者の場合、なかなか判断が難しいです。
実際に、与えられている仕事が周囲の人よりも明らかに少ないにも関わらず、上手く仕事を進めることができずに、「なんで自分にばかり」と感じてしまっていたということが私の周囲でありました。
過大かどうかはその人の経験、能力によって変わってしまいますので、上司はその点をふまえ仕事を与えなければなりません。
人間関係からの切り離しのパワハラ事例
人間関係からの切り離しのパワハラ事例は以下の通りです。
- 挨拶をしても、話しかけても無視
- 飲み会に一人だけ誘われない
小学生、中学生のいじめでもあるようなことが、会社生活でもあります。
無視をするという行為は、悪意があります。
好き嫌いは人間なのであるかもしれませんが、行ってはいけない行為です。
個の侵害のパワハラ事例
個の侵害のパワハラ事例は以下の通りです。
- 無理に仕事帰りにのみに誘う
- お見合いを無理に進める
- 宗教などの否定、悪口
プライベートでも関わりを持ち、上手くコミュニケーションをとることが仕事をより円滑にすすめることに役立つと考えている人がいます。
しかし、そうはまったく思わない人もいます。
あくまで、会社の中での関係であり、過度に誘う行為はやめましょう。
過小な要求のパワハラ事例
過小な要求に関するパワハラ事例です。
- その人の能力に対し、明らかに程度の低い仕事しか与えない
- 雑務しかやらせない(コピーなど)
- 何も仕事を与えない
会社側が、リストラ対象社員を自己退職させる為に使う手だとよく言われています。
窓際社員なんかもそうです。
仕事がまったくないまま時間を過ごすというのも非常に苦痛な行為なのです。
職場内でよくあるパワハラ事例
では、具体的に職場であったパワハラ事例として、実際に起こった例を紹介していきましょう。
仕事をできないことを理由に馬鹿にされ続けた
私がある会社に勤めていた時、転職したばかりで仕事がわからなかった、そして人よりも仕事を覚えることが遅かったことが原因で、上司から毎日馬鹿にされました。
「仕事を覚えることが遅すぎる」、「こんな馬鹿な奴は始めてだ」、「給料泥棒」など、様々なことを言われました。
それはいずれ、他の社員にも伝染し、上司だけでなく、同僚にも似たようなことを言われるようになりました。
結果、精神的な理由により会社に行けなくなり、退職することになってしまいました。
名指しで批判する内容が書かれたメールを全社に送信
ある仕事でミスをした私は、上司に怒られてしまいました。
ミスをしたのは私の責任であり、それは仕方ないことです。
ただ、上司は直接怒った後、会社にいる社員全員の私の名前を隠すことなく、ミスした内容、批判した内容のメールを送信したのです。
告白を断ったら、あからさまに無視
ある会社に派遣社員として派遣された時、その職場の上司から告白をされました。
相手も奥さんのいる身ですし、私も夫のいる身であり、あり得ないことだと思い、当然断ったのですが、
断った直後から、それまでの態度が一変し、仕事を与えない、無視をするという行為をされました。
残りの契約期間はまだありましたが、派遣会社に相談し、すぐに辞めました。
太った容姿を馬鹿にされ続けた
上司が変わった時、その上司がデリカシーが全くなく、人の容姿を馬鹿にしてくる人でした。
その頃太っていた私は、特に目をつけられ、「椅子が壊れる」「太っているから仕事が遅い」というように、太っていることを常にバカにされ続けたのです。
仕事自体は好きな仕事で、やりがいを持ってやれていたのに、一人の上司によって、仕事は全くつまらないものに変わりました。
パワハラをなくすには
パワハラの定義や近年の事情、パワハラ事例を紹介してきましたが、こういった行為が行われている場を目撃したことがある人は多いことでしょう。
現在行われているという人もいるのではないでしょうか。
パワハラしているということに気づいた人は、今すぐその行為をやめてください。それがあなたの為にもなります。
部下、または同僚がパワハラを行っていることに気づいた人がいたら、パワハラしている人に気づかせてください。下からはなかなか言えません。
同僚がパワハラされていることに気づいた人がいたら、声をかけてあげてください。
そして、実際にパワハラされている人がいたら、誰かに相談してください。周囲にいなければ、各都道府県の相談窓口もあります。
パワハラ上司の撲滅は生産性、会社の評判など会社にとってもメリットが大きいことです。
みんなでなくしていかなければなりません。
どうにもならない場合には逃げることも
ただ、上司個人がパワハラを行っているような場合であればいいのですが、会社の風習として会社全体で行われているような会社も残念ながらあります。
そういった会社では、残念ながらなかなか逃れる術がないのが現実。唯一ある手段は会社を辞めてしまうということ。
無理をしてずっと耐えて心の病気になる前に、会社を退職し、転職する道を選びましょう。
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