平均離職率とその内訳、業界別の状況。自己都合で辞める人は意外に多い!

定年や転職、結婚や出産など様々な理由から会社を辞める人は多いです。

では日本では1年間にどれくらいの人が会社を辞めているのでしょうか。

新卒3年以内の離職率が高卒で5割、大卒3割ととても高い数字になっているというのはよくニュースでも取り上げられていますが、労働者全体に関しては知らない人も多いと思います。

そこで今回は労働者全体の1年間の離職率とその内訳。業界別に離職率の高さを見ていきましょう。

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1年間の平均離職率

離職率とは、一定期間内でどれくらいの人が仕事を辞めたかを示す値。新卒であれば3年以内が一つの期間として注目される場合が多いですね。

では労働者全体としての離職率はどの程度となるでしょう。

厚生労働省の「雇用動向調査結果」によると、1年間の離職者数は724万人。常用労働者数は4971万人の為、14.6%という結果になっています。

これを一般労働者に限ると11.3%、パート社員に限ると23.6%。

男女別にみると、男性が12.5%、女性が17.1%となっています。

平均して見ると100人いれば15人は辞めてしまうというのが、今の会社の状態なのです。

平均離職率の推移

過去10年間の平均離職率の推移は以下の通り。

  • 2018年・・・14.6%
  • 2017年・・・14.9%
  • 2016年・・・15.0%
  • 2015年・・・15.0%
  • 2014年・・・15.5%
  • 2013年・・・15.6%
  • 2012年・・・14.8%
  • 2011年・・・14.4%
  • 2010年・・・14.5%
  • 2009年・・・16.4%
  • 2008年・・・14.6%
  • 2007年・・・15.9%

過去10年見ても大きく変動しているわけではなく、毎年一定数の人が離職しているという結果になっています。

離職率の理由別内訳

会社を辞めることになる理由には色々なものがありますよね。

会社に対する不満等から転職する為に会社を辞める人もいますし、定年で辞める人ももちろんいます。他にも有期雇用者であれば契約期間の満了という場合もあれば、リストラなんてこともありえます。

ここではそれらの理由の内訳を紹介していきましょう。

全体

まずは離職者全体の結果から。

  • 契約期間の満了・・・13.9%
  • 経営上の都合・・・2.7%
  • 出向・・・3.1%
  • 出向元への復帰・・・1.5%
  • 定年・・・4.3%
  • 本人の責・・・0.7%
  • 結婚・・・1.6%
  • 出産、育児・・・1.3%
  • 介護、看護・・・1.2%
  • 転職等の個人的理由・・・67.6%
  • けが等・・・2.1%

定年になって辞める人の割合は少なく、転職等の理由で辞める人の割合がかなり多くなっています。

また全体の中には契約社員等の有期雇用者もいて、契約期間が満了したことで辞めることになったという人も一定数いることがわかります。

一般労働者(雇用期間なし)

では全体の中から契約社員等の有期雇用者を除いた場合ではどうでしょうか。

  • 契約期間の満了・・・0%
  • 経営上の都合・・・4.4%
  • 出向・・・6.7%
  • 出向元への復帰・・・3.1%
  • 定年・・・9.6%
  • 本人の責・・・1.1%
  • 結婚・・・2.8%
  • 出産、育児・・・1.4%
  • 介護、看護・・・1.1%
  • 転職等の個人的理由・・・66.4%
  • けが等・・・3.4%

一般労働者(雇用期間あり)

では次に契約社員等の有期雇用者に限った場合。

  • 契約期間の満了・・・45.7%
  • 経営上の都合・・・2.4%
  • 出向・・・0.8%
  • 出向元への復帰・・・0.8%
  • 定年・・・0.0%
  • 本人の責・・・0.1%
  • 結婚・・・1.7%
  • 出産、育児・・・0.7%
  • 介護、看護・・・1.0%
  • 転職等の個人的理由・・・45.6%
  • けが等・・・1.1%

有期雇用者だと契約が満了して退職となる人が多い気がするのですが、半数にも満たないんですね。

パートタイム労働者

では続いてパートタイム労働者の場合。

  • 契約期間の満了・・・15.8%
  • 経営上の都合・・・1.2%
  • 出向・・・0.5%
  • 出向元への復帰・・・0.2%
  • 定年・・・0.6%
  • 本人の責・・・0.5%
  • 結婚・・・0.5%
  • 出産、育児・・・1.5%
  • 介護、看護・・・1.3%
  • 転職等の個人的理由・・・76.8%
  • けが等・・・1.2%

業界別の1年間の離職率ランキング

では続いて業界別の離職率を見て行きましょう。

業界別離職率ランキングは以下の通りになっています。

  1. 宿泊業、飲食サービス業・・・30.0%
  2. 生活関連サービス業、娯楽業・・・20.3%
  3. 教育、学習支援業・・・15.0%
  4. 医療、福祉・・・14.8%
  5. 卸売業、小売業・・・14.0%
  6. 学術研究、専門・技術サービス業・・・13.4%
  7. 運輸業・・・12.3%
  8. 不動産業、物品賃貸業・・・11.5%
  9. 製造業・・・11.4%
  10. 情報通信業・・・10.2%

1位の宿泊業やサービス業だと3割、10人に3人は会社を辞めることになっています。

宿泊業なんかは元々転職してキャリアアップしていくという風習がある為、他の業種で働いている人に比べると転職に対する抵抗感が少ないというのも離職率の高い理由の一つ。

ただそれよりも大きいのは待遇面での悪さですね。

上位にある業界は他の業界に比べて年収が低く、休みが少なく、有給休暇取得率も低い傾向にあり、そういった不満から会社を辞めていく人が多くなっています。

転職時には離職率が高い企業を避ける為には

1年のうちに会社を辞める人は意外に多いことがわかりました。

ただそれもかなり会社によりますよね。

定年や結婚などのやむを得ない理由ではない限り全然辞める社員がいないという企業もあれば、離職率が脅威の50%越えなんて会社もあります。

もしあなたがこれから転職することを考えているならば、この離職率はブラック企業かどうかを判断する一つの指標ですからできる限り確認し、入社を避けなくてはなりません。

就職四季報を使えば、ある程度の規模の会社なら新卒3年以内の離職率は確認することができますね。

他にも社員の勤続年数や年齢構成といった点からも離職率を想定することが可能でしょう。

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