会社での不遇な扱いや厳しい労働条件が理由で転職を考えたり、早期退職制度を利用して定年前に退職し再就職することに決めたりと、中高年であっても違う会社に移ることを希望する人は多いかと思います。
ただ、転職において年齢はかなり大きな影響があり、年齢が高くなるにつれて厳しくなっていくということはよく言われていることです。
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中高年の再転職は本当に難しいのか
転職は、20代のほうがしやすく、40代、50代となると難しくなってくると言われていますがそれは事実なんでしょうか。
それがわかるデータとして、転職活動時の応募社数や転職活動にかかった期間を示した表を見ていきましょう。
まず応募社数は全年齢の平均が20.45社で、年齢別に見ると次の通りです。
- 20代男性：17.96社*
- 20代女性：20.13社*
- 41歳以上男性：23.35社
- 40歳以上女性：37.00社
*20代は「～25歳」と「26～30歳」の平均値を算出して掲載
このように、かなり差がひらいていることがわかります。
次に転職活動にかかった期間です。
20代だと3ヶ月以内に転職活動が終わった人が「42.9＋47.6＝90.5%」です。
それに対して、40代は「9.2＋49.6＝58.8%」で50代は「9.5＋21.1＝30.6%」となり、年齢が高くなるにつれて転職活動をする期間が延びているとわかります。
まとめると、中高年者の転職活動は若い世代に比べてたくさんの会社を受けなくてはならず時間もかかるため、やっぱり難しいと言えるでしょう。
ただ、それでも40代以降の人の半数は3ヶ月以内に転職に成功していますし、半数の人は応募社数が10社以内で転職を成功しているため過度に難しいというわけではなさそうです。
特に近年は、中高年層の転職も活発になっており、転職成功者のうち40歳以上の人の割合は2007年では2.5%だったのに今は15.1%にもなっています。
中高年の転職、再就職が難しい理由
昔に比べて転職、再就職しやすくなった中高年層ですが、20代に比べると転職が難しいことに変わりはありません。
そこには以下の理由が挙げられます。
そもそも求人が少ない
企業が中高年を採用する際、求めるスキルは専門性とマネジメント能力です。
そして、専門性とマネジメント能力を持つ人材確保には、ヘッドハンティング式の転職エージェントの利用が主流となっています。
そのため、一般的な求人サイトから会社を探しても、40代や50代といった中高年を対象とした求人を見つけるのは非常に難しいのが実情です。
また、そもそも中高年の人材を確保しようと考える企業が少ないため、求人が見つからず転職活動が難航する人が多くなっています。
厳しいマッチング、年齢相応のスキルを求められる
中高年の転職、再就職ではポテンシャルの高さは評価されずに、現時点で持っている年齢相応のスキル、そしてマッチングが重要視されます。
20代、30代にはない長い会社生活で培った汎用性、希少性の高い専門スキルを持っている上で、その能力を求められる会社に応募しなくてはなかなか受からない為、自然と難しくなってしまうのです。
普通に会社生活を送っていると、30代である程度無難に仕事をこなせるようになる為、成長が鈍化してしまっているという人も多数いて、企業が40代に求めている能力を持てていないという人が多いようです。
プライドの高さ
40代、50代ともなるとプライドも高くなってしまい、それが転職、再就職を阻害する要因となってしまっています。
大企業がいい、上場企業がいい、管理職がいい、年下にはへこへこしたくない。そんな高望みや甘えによって自らのクビを絞めてしまっているのです。
そんな考えを持っていては、20代だろうと30代だろうと転職は難しいものとなるでしょう。
プレイヤーから離れている
中高年の場合、管理職になってから長いという人も多いかもしれません。
管理職への転職では評価されるのですが、プレイヤーとして募集している企業にとっては、そのことが不利に働いてしまう可能性もあるのです。
管理職としての経験が長ければ長いほど、管理する側になってしまい現場での仕事の仕方を忘れてしまっていませんか？
適応力が低い
年齢が高くなるにつれて適応力が低くなってしまうのも企業が中高年層を嫌がる理由。
新たな会社で働くということは、当然仕事を覚えて、システムを覚えて、環境に慣れて、新たな人間関係を築かなくてはなりません。
年齢が高くても何の問題もないという人ももちろんいるのですが、平均的にみると若い世代に比べて時間がかかる傾向にあります。
給料が高い
中高年は、給与が高くなってしまうのも、企業が採用を敬遠する理由です。
たとえそこまでの給与をだす価値がなくても、会社の都合上、給与規定に従って年齢相応の給与をださなくてはならないという会社も多く、中高年を採用する際の採用基準がかなり高くなってしまっている場合も多いです。
もう一つのパターンとして、求職者側が提示する給与が高すぎるという場合もあります。
自分の実力を客観的に見ず、以前の会社並みの給与を望んで企業側と条件が合わないという場合が非常に多いです。
自分を知り、企業をよく知ることが転職を成功に導く
中高年者が転職する場合、大事なのは自分のことを客観的に知ること、そして現在の社会事情や企業の都合、要望をよく知ることが大切になります。
転職サイトは求人を探すだけではなく、自分の強みや市場価値の診断ができたり、スカウトサービスを使えば好条件の非公開求人からオファーを貰うことができたり、場合によっては書類選考や1次面接が免除となる場合もあります。
また、転職エージェントではキャリアの相談にのってくれたり、履歴書の作成補助、面接の練習といったものをしてくれますし、何より自分に合った仕事、自分が希望している仕事を多数紹介してくれます。
転職エージェントとの面談は土日でも可能である為、働きながら転職活動を進める場合であっても柔軟に対応してくれます。
中高年の人が転職、再就職しやすい業種
中高年の人でも、人材不足が叫ばれる業種であれば転職が可能です。
ここでは、中高年の人でも転職や再就職がしやすい業種をご紹介します。
営業職
1つ目の中高年の人でも転職や再就職がしやすい業種は営業職です。
営業職は、未経験者でも受け入れてくれる会社が多くなっています。
また、高いコミュニケーション能力を求められるため、長年社会人として活躍してきた中高年を求める企業が多いのです。
常に人材不足でもある業種なので、中高年で異業種からの転職でも成功する可能性が高いでしょう。
介護職
2つ目の中高年の人でも転職や再就職がしやすい業種は介護職です。
介護職も人材不足が叫ばれる業種なので、年齢、資格、経験を問わず採用してくれます。
また、特別な資格は必要なく未経験者でも始めやすい仕事なので、異業種からの転職も問題なくできます。
体力が必要となる仕事なので、自信がある方は検討してみてください。
事務職
3つ目の中高年の人でも転職や再就職がしやすい業種は事務職です。
デスクワークが中心の事務職なので、体力の落ちてきた中高年でも働きやすくなっています。
基本的なPCスキルやビジネスマナー、コミュニケーション能力を求められる業種なので、長年社会人として培ったスキルがあるなら活かせるでしょう。
人材不足という業界ではないものの、常に募集がある仕事なので、中高年の人でも十分に転職が可能です。
条件を落とさずに転職をするためには
若い時は転職する時に多少年収が下がってしまったとしても気にせず頑張れることもありますが、歳を取るとそんなわけには行いかないです。
転職をする際に年収は最低キープ、欲を言えばもっと年収を上げたいと考えている方は転職エージェントの利用を検討してみましょう。
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就職後のギャップが少ない方がその後の長く務められるので、できるだけ年収の交渉には妥協をしないようにしましょう。
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