定年退職時にまとめて大きな金額を貰える退職金。

中途退職であっても、それなりの金額を支給してくれるところもあります。

そのため退職から転職までの生活費に当てたり、転職による引っ越し代に当てたりしようと考えている方もいるのではないでしょうか。

ただ、入社して4年目、5年目だと予想以上に退職金が少ない可能性も。

さらに2021年、税制改正の中に退職金の問題点が取り上げられ、退職金事情はじわじわと変化しつつあります。

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入社4年目、5年目で貰える人、貰えない人

入社4年目、5年目だから退職金が貰えるかというと、必ずしもそうではありません。

まずはあなたが退職金を貰える条件に当てはまるかを確認していきましょう。

退職金制度がある会社に勤めている

はじめに知っておかねばならないのは、退職金制度は法律で義務づけられているものではないことです。

会社によって退職金の有無はまちまちで、何年働こうが定年まで働こうが、退職金の支給がない場合もあります。

退職金制度があるかないかは就業規則に書かれているので、入社時点で渡される労働条件通知書を確認してみましょう。

退職金支給条件をクリアしている

退職金の有無だけでなく、支給条件も会社によって変わってきます。

一般的には、正社員雇用で勤続3年以上になると支払い条件をクリアすることになります。

なので4年目、5年目の人は支払われることがほとんどです。

ただ3年未満で貰える会社も3割ほどある一方で、5年以上で始めて貰えるところもあるため、こちらも就業規則で確認しておく必要があります。

懲戒解雇扱いにならない

自ら退職を申し出る自己都合の退職、リストラ等による会社都合の退職であれば支払われますが、懲戒解雇の場合は一般的に退職金が支払われません。

転職するつもりで退職を検討しているなら心配ないとは思いますが、どうせ退職だからと無断欠勤を繰り返したり、退職手続きをせずバックれたりすると懲戒解雇扱いになるので注意してください。

入社4年目、5年目の平均は?中小企業・大企業でこんなに違う

では、もし退職金制度があり支給条件をクリアしている場合、実際の退職金はどの程度になるでしょうか。

中小企業・大企業の比較をしながら確認していきましょう。

そもそも退職金の計算方法とは?

退職金の計算方法は主に3種類あります。計算式の例も参考にしてみてください。

1.定額制

基本給や貢献度に関係なく、勤続年数のみをもとに支給額が決定される方法です。

勤続年数4年:20万、5年:25万、6年:30万

2.基本給連動性

勤続年数に加えて基本給と退職理由が関係し、下記のような計算式で算出されます。

退職時の基本給 × 給付率(勤続年数で変動)×退職事由係数=退職金

基本給25万×給付率(2.0)×退職理由係数(0.5)= 25万

給付率は勤続年数により変動、退職事由係数は自己都合で辞める場合、退職事由係数を1未満にすることで退職金を減額する仕組みとなっています。

入社4年目、5年目で自己都合退職の場合だと給付率の低い会社が多く、だいたい2.0~3.0程度が相場です。

3.ポイント制

ポイント制は勤続年数や役職、保有資格などの要素をポイント化し、合算して支給額を出す方法です。

(勤続年数ポイント+役職ポイント+資格ポイントetc)×ポイント単価×退職事由係数=退職金

(勤続年数ポイント20+役職ポイント10)× ポイント単価(10,000円) × 退職事由係数(0.8)= 24万円

ちなみにポイントの単価は、企業全体の48.4%が「10,000円」に設定しています。

 

これだけでも複雑で計算が億劫ですよね。

でも会社側に額を誤魔化されることがないように(そんなケースは少ないと思いますが)、どの制度を利用しているか、経理や総務に確認しておくことをおすすめします。

中小企業・大企業の平均退職金額

1年ごとの細かい統計は取られていないため、勤続3年、5年の退職金の相場を確認していきましょう。

大企業の退職金

勤続年数総合職一般職
自己都合会社都合自己都合会社都合
3年32万円72万円32万円57万円
5年62万円124万円54万円96万円

中小企業の退職金

勤続年数自己都合会社都合
3年24万円38万円
5年44万円64万円

グラフからもわかるように、大企業・中小企業の差は勤続年数が長くなるほど開いていきます。

自己都合のケースを例に取ると、大企業4年目なら約45万円程度、5年目なら54~62万円。

中小企業4年目なら約34万円程度と予測でき、5年目なら44万円になります。

会社の数だけ計算方法がある

上記の金額はあくまで平均であり、会社の規定によってかなり差があることも理解しておかねばなりません。

1年目でも退職金が貰える会社から、4年目でも50万円以上貰うことができる会社、逆に10万円程度しか貰えない会社もあります。

それは中小企業・大企業どちらにも当てはまることで、「大企業だから途中退職でもそこそこ貰えるはず」と思っていても、意外と少なかったりするわけです。

また勤続年数が短いと給付率を著しく下げてくる企業もあり、筆者の知人で高給の大企業に勤めていた人は、6年目の退職金が30万円だったという例もあります。

税金はどれくらい取られる?

退職金の知識として1つ覚えておいて欲しいのが、税金に関することです。

退職所得には勤続年数に応じて控除額が設定されています。

  • 20年以下…40万円×勤続年数
  • 20年超え…800万円+70万円×(勤続年数-20年)

参考:国税庁 令和2年「退職金にかかる税金」

20年を超えると一気に計算式がややこしくなってきますが、4年目なら160万円、5年目なら200万円となるわけです。

さすがにこれ以上の金額を貰う人はほぼいないでしょうから、基本的には全額控除となり税金はかからないことになります。

ただ、退職金が支給される際には一旦源泉徴収として引かれている場合あるので注意してください。

確定申告をしっかりと行えば支払った税金が戻ってくるので、忘れないように気をつけてくださいね。

退職金の支給タイミング

退職金を生活費や転職時の引っ越し代に当てようと考えている人にとって、支給のタイミングも気になるところ。

一般的には退職月の翌月、もしくは翌々月に給与支払い口座に振り込まれます。

しかし会社によっては3ヶ月後~半年後になる可能性もあるので、こちらも退職前に必ず確認しておくようにしましょう。

退職金制度は無くなる?

そもそも退職金は、長期雇用型の日本特有のシステムであることを知っていましたか?

終身雇用制度が崩壊している今、退職金という制度自体が見直されてきています。

4つに1つの会社は退職金制度がない

厚生労働省の調査では、退職金制度を導入している企業は全体の約80%。

「あれ、意外と多い」と感じるかもしれませんが、ここ20年間で平均退職金額は1000万円以上減少しているという事実もあります。

また中小企業ほど制度がない傾向にあり、全体平均が80%であるのに対して70%代にまで落ち込みます。

今後予測されるのは、退職金制度のある企業は年々減り続けていくこと、計算方法が勤続年数より成果主義メインになっていくこと。

長い目で見れば、完全に廃止される時代もやってくるかもしれません。

【2021年税制改正】退職金が当てにできない時代になってくる

最後に今後の退職金の行方を左右するであろう、日本経済新聞のニュースを紹介します。


—2021年度の税制改正で、給与を少なくする代わりに退職金を多くして節税に利用することが問題として取り上げられた。

転職者が多い外資系企業を中心に、勤続5年以内など早期退社で高額な退職金をもらう場合、一定額を超えると税負担を軽減しない方針だ。


詳細はまだ不明ですが、これから退職金課税制度が見直されることは確実なので、やはり先行きは暗くなりつつあります。

これからの時代、退職金は当てにできないものとなってくるでしょう。

転職期間の生活費や老後に向けて、普段からコツコツと貯金をしていくことが上手く生きるための業となりつつあるようです。

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