朝礼が苦痛なら拒否できる? パワハラ認定の境界線や苦手なスピーチを楽にするコツ朝礼は、学校朝礼は教育現場でも行われており、日本のおよそ90%以上の企業が取り入れているものです。

毎朝、当たり前のように行われる朝礼は、企業によって数人または代表者がスピーチをすることが良くあります。

朝礼を少々面倒に感じている社員にとっては、このスピーチが何よりも面倒に感じることでしょう。

スピーチが苦手な方にとっては自分がスピーチすることが苦痛そのものです。

もし、スピーチを拒否できるならずっと拒否し続けたいことでしょう。

ですが、実際に朝礼でのスピーチは拒否できるのでしょうか。

もし、拒否できずに強要された場合はパワハラになるのかも気になるところです。

それでは、朝礼がなぜ行われるのか、拒否できるのかなど詳しく解説していきます。

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ほとんどの会社で朝礼を行うのはなぜ?

ほとんどの会社で朝礼を行うのはなぜ?多くの企業で取り入れられている朝礼は、そもそもなぜ行うのか知っていますか?

朝礼といえば、社長や司会進行役が社員に気合を入れるような発言をする元気な朝礼や、全体的にダラダラと「早く終わればいいのに」という雰囲気が漂う朝礼などが浮かびます。

小学校では週に1回程度の頻度で校庭に全校生徒が整列し、朝礼台に立つ校長先生のお話を聞いて、学校によってはその後にラジオ体操や校歌斉唱などを行います。

みんなが集まってリーダー的存在の人物の話を聞くことは共通していますが、朝礼は本来、大切な役割を担うものです。

学校・工場などで、朝の始業前に全員が集まり、挨拶(あいさつ)をかわしたり、連絡・報告をしたりする会。朝会。

引用元:朝礼(ちょうれい)とは – 朝礼の読み方 Weblio辞書(最終確認2020/08/27)

企業の朝礼に限っていえば、今日1日社員全員で良い仕事をするために行うもので、士気を高める意味合いもあります。また、一般的には次のような役割も担っており、3つ全てまたは一部を取り入れて朝礼を行う企業がほとんどです。

<朝礼の3つの役割>

  • 情報共有やコミュニケーションの促進により作業効率を上げる
  • 仕事への姿勢や人としての在り方を含む社員教育
  • 愛社精神や向上心を高める

朝礼の役割を見る限りスピーチは必要ないように感じられますが、実はスピーチは「伝える力」を鍛える目的が存在するのです。

それを裏付けるようにほとんどの朝礼のスピーチは順番制で一定の期間をかけて社員全員に回ることが多いです。

普段から人前で話し慣れていない方にとっては、例え伝える力を鍛える目的でも朝礼スピーチは歓迎しにくいものがあり、できれば避けたい時間となることでしょう。

朝礼スピーチに苦手意識が強い方は社内でのやりとりも得意ではない方が多く、報告・連絡・相談が上手くできないか、取引先にも伝わる説明ができない傾向が見られます。

そのため、朝のわずかな朝礼スピーチという時間を利用して、社内外で使える伝える力を育もうとしているのです。

朝礼スピーチは意外と深い意味があるものだとわかりましたが、スピーチを行う社員側では頭を悩ませる厄介なものと捉える方が多いです。

意外と朝礼のスピーチを苦痛に感じる方は多い

朝礼スピーチの時間は長くても3分程度、カップラーメンができるまでの待ち時間としてはあっという間でも話すとなると意外と長い時間です。

事前にネタを1~2つ用意しておけばなんとか話すことはできそうでも、極度に緊張しないで面白い話ができる自信がある方はほんの一握りの方でしょう。

朝礼スピーチは、得意な方よりも苦痛に感じる方が多く、朝礼の規模や内容によっては大きなプレッシャーとなる方もいます。

特に、朝礼スピーチに対して毎日社長が評価をする会社の場合、社員全員の前で何らかの評価を受けることになり、そうなればぐっとハードルも高める状態になってしまいます。

褒められれば良いですが、面白くないといったマイナス評価をされたときは、入る穴を探したくなる思いでしょう。

中には、朝礼スピーチで話すネタを考えて悩み、スピーチに対してマイナス評価をされてトラウマになる方もいます。

何日も前からネタを考えていたのに、冷たい目線で見られたりしらけた雰囲気になったりしたのでは、もう嫌で嫌でどうしようもなくなる方も少なくないのです。

もし、朝礼スピーチが業務でなければ拒否することができますが、朝礼スピーチはどんな位置取りなのでしょうか。

次では、朝礼スピーチを拒否できるかどうかを解説していきます。

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苦手なスピーチを拒否できる? 拒否する権利はあるのか

苦手なスピーチを拒否できる? 拒否する権利はあるのか避けられるならできる限り避けたい朝礼スピーチは、社員として拒否することはできるのでしょうか。

避けるなどの曖昧なものではなく、拒否となれば会社の要望を受け入れないという強い意味を持ちます。

拒否という言葉は、よく拒否権などといい権利の1つとして主張されることもあります。

もしも朝礼スピーチを拒否できるとしたらどのようなケースがあるのか、詳しく見ていきましょう。

朝礼スピーチは業務でなければ拒否できる

朝礼のスピーチの拒否が可能かどうかは、朝礼のスピーチが業務の範囲かどうかが大きく関係します。

例えば、朝礼スピーチが必須だと規則や契約で決められておらず、自主的な参加の場合は拒否することができます。

ですが、規則や契約などで決められている場合は拒否することはできません。

決められている場合に拒否してしまうと職務を怠っているとみなされることもあるので注意が必要です。

業務命令として朝礼スピーチをする場合は拒否できない

朝礼スピーチが業務命令の場合はスピーチを行うことが義務となります。

業務命令は、労働契約を結ぶと同時に従う義務が発生し、会社での生活全般に命令を出せるものだからです。

業務命令とは,労働契約の内容を実現するために,特定の行為を従業員に命ずることをいいます。したがって,業務命令権は,労働契約の範囲内で認められます。

3-1 業務命令権を有する使用者とは,どのような範囲の者か|労働相談Q&A – わーくわくネットひろしま | 広島県(最終確認2020/08/31)

業務命令は、就業規則の範囲や業務遂行に合理的な理由に基づく内容が基本となり、この命令の内容に責任と権限を持ち労働者を管理する立場の方が発することができるため、社長はもちろん自分よりも上の役職に就いている方が出せると思っていて良いでしょう。

もしも、業務命令として朝礼スピーチが必須となっているときに従わなかった場合は、就業規則に則って処分され内容によっては懲戒処分になる可能性もあります。

業務命令を軽く考えて従わないでいると、最悪仕事を失うことになりかねないので注意するようにしましょう。

また、いくら自主的な参加の場合でも社員のほとんどが朝礼スピーチを行っている場合、職務怠慢の扱いにはならなくとも周囲の社員からは冷たい目線で見られてしまう可能性もあります。

そう考えると条件によりある程度は拒否できるとしても、ずっと拒否し続けることは難しいでしょう。

参考:(46)業務命令権|雇用関係紛争判例集|労働政策研究・研修機構(JILPT)知っておきたい働くときのルールについてP7(最終確認2020/08/31)

朝礼のスピーチ強要はパワハラになるのか

朝礼のスピーチ強要はパワハラになるのか朝礼のスピーチに対して規則や契約がない状態で気になるのが、朝礼スピーチを強要されたときはパワハラになるのかどうかということです。

会社で就業規則などに含めていなければ拒否しても問題ありませんが、あまりにも上司から強要されるときはパワハラじゃないかと思う方もいることでしょう。

パワハラについては平成30年10月に雇用環境・均等局がパワハラの定義を発表しています。

<パワーハラスメントの定義>

  1. 優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
  2. 業務の適正な範囲を超えて行われること
  3. 身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること

これら3つの要素すべてを満たす状態になると、パワハラに該当する可能性が高くなります。

具体的には、労働者に対して抵抗や拒絶ができない可能性が高い関係性の中で精神的・肉体的な暴力や圧力を加える状況や、業務の範囲を超えて過剰な仕事を与えたり反対にその仕事から外したりすることなどがパワハラに該当します。

そのほか、人格を否定するような発言や行動も該当する可能性が高く、パワーハラスメントの定義と照らし合わせていくと朝礼スピーチはパワハラに該当する可能性が高いといえます。

しかし、現実的には朝礼スピーチの強要がパワハラと認定される可能性は低いと予測することもできます。

朝礼スピーチそのものを2つ目の定義の「業務の適正な範囲を超えて行われること」に該当しないとも言えるからです。

朝礼スピーチが長くても3分程度であることや朝礼の一環として行われることから、業務の適正な範囲として考えることができます。

ある一定期間で全社員にスピーチが回ってくることや、スピーチ時間の短さから考えると1人の社員だけの証言でパワハラに認定されることはなかなか難しいでしょう。

ただ、朝礼スピーチを毎日同じ社員が強要されるとなれば、判断は違ってくる可能性があります。

参考:パワーハラスメントの定義について(最終確認2020/08/31)

どうしても朝礼でスピーチするときのコツを紹介

どうしても朝礼でスピーチするときのコツを紹介勤めている会社の朝礼が就業規則に則っている場合、朝礼スピーチは拒否できず必ずスピーチしなければなりません。

どうしても朝礼スピーチをしなければならないと考えると、それだけで気が重くなる方もいると思いますが、乗り越えるためのコツをいくつか紹介します。

朝礼スピーチでは良く業務内容や目標などを声高々に発表するイメージがありますが、業務に関係した内容でなければならないことは一切ありません。

かといって全く関係ないのも良くないですが、必ずしも難しいテーマを選ばなくても良いものです。

ポイントは何を話すか要点を整理して、聞いている社員全員にわかりやすく話すよう意識することです。

例えば猛暑や大雪などの天候といった身近で共感しやすいネタをはじめに振っておくと、聞いている社員がスピーチのはじめから食いついてくれるので退屈な印象にはならないでしょう。

そして、スピーチの中ではじめに話したネタの対策や解決策を提供することで、話題の盛り上げを行うことができます。

そして最後は、簡単にまとめることで良い印象を与えます。

朝礼スピーチはついカッコ良いスピーチをしようと考えてしまいますが、共感しやすい身近な話題から入っていくなど、ラフな雰囲気で話すことが緊張せずにスピーチを上手く進めるコツといえるでしょう。