社会人として会社で働いていく中で何もストレスを感じない方は少なく、多少なりとも不平不満を抱えながら働いている方がほとんどではないでしょうか。
そんな中で多くの社員はある程度の我慢をしていて、不平不満を口に出さずに働いています。
人間関係もあり、社内では社員同士で不満を言い合うようなことはあまりないのではないでしょうか。
しかし中には職場にいながら不平不満を口にして、その場の雰囲気を乱す方もいます。
不平不満を口に出すのは同僚はもちろん上司や後輩のケースもあるでしょう。複数人の愚痴を毎日のように聞かされるのは、ストレスの上乗せ以外の何物でもありません。
ここではそんな不平不満が多い人について、心理や特徴、そして対処法を解説していきます。
うちの職場にもいる! 職場で不平不満が多い人の心理って?
職場に対する不満は、どの会社でも多かれ少なかれあるものです。
口ばかりの上司や、言われたことしかしない部下など、挙げればきりがないほどです。
多少の不満は誰かに愚痴をこぼすことで気分転換になり「気を取り直してがんばろう! 」と思えるようになりますが、中には不平不満を言っても言っても言い足りない方もいます。
毎日が不平不満しかないのかと思うほど、次から次へと不満が出てくる人は職場では困った存在です。
周囲の社員の仕事やモチベーションに影響してくることもあるでしょう。
そんな不平不満が多い人はどんな心理なのか探っていきましょう。
自分が優位に立ちたい・周囲の人間に勝って1番になりたい
職場で不平不満が多い人は良くいえば負けず嫌いな人が多く、周囲よりも自分が優位でありたい、周囲の人間に勝って1番になりたいという気持ちが強い傾向があります。
もしくは、自分が正しいとアピールしたい、自分が正しくなければ気が済まないといった自分本位な傾向も見られます。
目立ちたいとまではいかなくとも、一目置かれたい、存在感を示したいといった心理も働いているケースがあります。
他人との比較で自分を評価して満足している
本来自分への評価というのは周囲の人がするものですが、そういった方は自分自身への評価を他人と比較することで行う傾向があります。
例えば同僚の売り上げは100万円、自分は150万円だとすると、自分は同僚よりも上という評価を自分の中で下すイメージです。
自分自身の満足度というよりは、周囲との比較で優劣を決めてしまう心理が働き、すべてにおいて自分が優れているわけではないために不平不満が多くなるのです。
自分を理解してもらいたい承認欲求が強い
人は自分ががんばっているのに認めてもらえない場合、徐々にモチベーションを保てなくなっていきます。
自分ががんばったことが認めてもらえて初めて、苦労が報われる思いで満たされるものです。
しかし、このがんばりや苦労を周囲が評価しなかったり、分かってもらえなかったりすると「誰もわかってくれない」という思いが高まり不平不満を漏らしやすくなります。
自分のがんばった思いと周囲の評価の「ものさし」は必ずしも同じではないため、思うように評価されないときにももっとわかってほしい、認めてもらいたいという思いが強まります。
理解や承認への対応が自分の満足に至らない場合、不平不満を周囲に漏らすようになります。
不平不満が多い人の特徴を知ろう
職場で不平不満が多い人は、自分のストレスに対して自分で解決しようとはせずに、誰かに愚痴を言うことで発散する傾向があります。
また、自分のストレス以外のトラブルに対しても自分で解決できないことが多いです。
そのため、周囲の人に頼り不平不満を言うという行為に出てしまうのですが、こうした自己解決力がない人は共通した特徴があります。
ここでは不平不満が多い人の特徴について詳しく見ていきましょう。
常に自分が正しい思考が強く他人を見下す
自分が不平不満が多い方は、いつも自分が正しくて周囲が違うという考え方をする特徴があります。
自分が間違っているかもしれないという思考は一切ないため、周囲の人よりも自分が優れているように感じています。
また、自分の思う通りに動かない人間に対して「こんなことも出来ない人、この程度の人」といったように見下すことも特徴的です。
そしてプライドが高いことから、周囲と同じ目線になって見たり考えたりできず、しまいにはすべてが劣っていると感じます。その結果、周囲への不平不満が噴き出してしまうのです。
周囲からのアドバイスを素直に聞かない
不平不満が多い人は、周囲にこれでもかと愚痴を吐きだすことが多いです。
その上、周囲から多くのアドバイスをもらったとしても、1つも実行しません。
必ずといっていいほど「でも」や「だって」といった言い訳のための言葉を使い、自分にはアドバイスを実行する必要がないことをアピールします。
本来なら、人に愚痴をこぼしアドバイスをもらったのであれば、1つくらいは取り入れて実行してみるの努力をすることでしょう。
ですがこうした方は愚痴をこぼしている時点からアドバイスをもらった後まで、人の話を素直に受け入れることができないことが特徴的です。
自分の常識は世界共通だと思っている
不平不満が多い人は自分の考えが最も正しいと思っているので、自分と異なる考えの方を受け入れたり認めたりできません。
そのため、自分が常識だと思っていることは世界共通であり、周囲が間違っていると思う傾向があります。
本来なら常識というのは一般的な範囲こそありますが、人がこれまで生きてきた環境でも変化します。
世の中が白か黒かの二極のみではなく、白と黒が半分ずつ混ざったグレーがあるように歩み寄る考え方ができないため、自分の考えと違うことに不満が膨らんでしまうのです。
不平不満が多い人による職場への影響
どんな職場でも多少の不満が付きものですが、だからといって不平不満ばかり言う人がいるとやりにくいものです。仕事へのモチベーションも維持しにくくなり、やってられない思いに駆られます。
毎日のように不平不満ばかりを言う人が職場内にいると、どんな影響が出るのか解説していきます。
職場の雰囲気が悪くなる
不平不満ばかり言う人がいると、その職場は重苦しく悪い雰囲気になります。中には苛立ちをぐっと我慢している方もいることでしょう。
不平不満を対面して聞く場合を含めて、ネガティブな話題や空気を好む人は少ないのが一般的です。
ましてや職場や自分たちのチームに対するマイナスの評価や、悪口とも受け取れる不満を聞かされるのでは、職場全体の雰囲気が悪くなるでしょう。
不平不満を言わない人の仕事量が増える可能性
自分がもし会社の上司なら、不平不満が多い人には仕事を頼もうとはしません。
むしろ、頼みやすい人や不平不満を言わずに仕事をしてくれる人に頼むことでしょう。
このように、このような状態が続いていると不平不満を言わない人の仕事量が増える可能性が出てきます。
頼む仕事がちょっとした内容だったとしても、度重なれば仕事量が増えたと感じることもあります。
本来なら社員にある程度均等に振り分けられる仕事が、不平不満を言わない人に偏ってしまうのは別な形のストレスを生み出す原因になるでしょう。
職場の雰囲気の悪さから離職率が高まる
仕事をする上での人間関係は、仕事内容と同じくらい大切なものです。仕事内容や上司に不満がなくても、不平不満を言う同僚からのストレスが原因で転職を考える方もいます。
「今の職場には不満がないけど、あの人がいるから嫌なんだよね」という気持ちがその職場の離職率を高める可能性があるのです。
社内の異動で済めば良いでしょうが、転職するきっかけとなった場合は会社にも損害を与えかねません。
実践したい不平不満が多い人への対処法5つ
職場に不平不満が多い社員がいても、都合よく異動したり、自発的に退職したりすることは稀なことです。
また、本人が愚痴をこぼさないように気を付けることも期待できないので、周囲の方が対策を取ることが有効です。
仕事上、どうしても不平不満が多い人と一緒に働かなければならないとき、職場で使える対処法を紹介していきます。
親身にならず右から左へ聞き流す
不平不満ばかりの人は、話を聞いてあげてもアドバイスをしても、それらを受け入れることはありません。
むしろ、親身になって対応するだけ時間の無駄であり聞いている方が疲れてしまいます。
とはいえ、距離を置こうとしても同じ職場ではなかなか難しいものがあるので、話は一応聞き、右から左へと聞き流すことがおすすめです。
聞いているので何を言っているかは一応把握できますし、無視しているわけでもありません。
相槌も「そうなんだ」といった一般的な範囲で返しておけば、会話としても悪い状態にはなりません。
また、不平不満を言う人は、会話の上で自分を気持ち良くさせてくれない相手に対しつまらないと感じる傾向があるので、何度か聞き流すうちに不平不満を言う人の方から徐々に離れていってくれるでしょう。
距離を置いて関わらないようにする
同じ職場の中で距離を置くことはなかなか難しいことです。
しかし、仕事以外のことでは関わらないようにすることができます。
例えば、休憩中や昼休みなど、行動を共にしないことが挙げられます。
仕事上、業務を遂行するために必要なやり取りは行っても、それ以外の時間は理由を付けて別行動をすることである程度の距離は保つことができます。
仕事以外の話を聞いてくれない人は、不平不満を言う人にとってつまらない人や冷たい人と受け取られるため、やはりこの場合も徐々に離れていってくれるでしょう。
とにかく褒めて機嫌を取る
不平不満を言う人は、自分の話に付き合ってくれる人や、自分を楽しませてくれる人を欲しています。
そのため、一時的ではあるもののその欲求を満たしてあげることが有効です。
距離を取ったり離れてもらったりする方法と反対の対策のように感じますが、実際は不平不満を相手にしないやり方です。
通常の会話は、共感することや意見の交換などにより成り立ちますが、そういったことは一切気にせずに褒めることに徹しましょう。
<褒めちぎる場合の例>
- 〇〇さんはそういうところが優秀だね
- 細かいところまでよく気が付くね
- 〇〇さんはすごいね
- 最高だね!
どんな話に対しても自分を褒められることは、不満を言いたい人にとっては全然話を聞いていない人として認識されます。
しかも、悪気を一切感じない笑顔で褒められると、これ以上愚痴をこぼせなくなるものです。
少し過剰と思えるくらいに褒めちぎることで、不平不満を言う人の方からうざい人だと認識されるようになります。
面倒な人とは関わりたくないため、不平不満を言わなくなるか離れていってくれるといった期待が持てます。
自分の話をひたすら被せ続ける
不平不満を言う場合、自分の不満を最優先に言いたいものです。周囲や相手の気持ちなどは関係なくどんどん話してきます。
いつまでも言われっぱなしでは疲れてしまうので、その不平不満が始まったらすぐにこちらから話を被せてしまいましょう。
愚痴が始まったら「実は私もこういうことが嫌なんだよね」などのように、愚痴を被せて話してみてください。多少強引な方が効果が期待できます。
相手が愚痴を割り込んできても、すぐさま更なる愚痴を被せて主導権がこちら側にあることを示しましょう。
普段からいいたいことを言えずに、不平不満を山ほど聞かされていることを相手にも思い知らせることができます。
最悪 上司や人事に相談する
不平不満を言う人にいくつかの対処法を試してみてもまだまとわりついてくるときは、自力で何とかできる範囲を超えていると判断できます。
そのため、どうしようもなく不平不満が止まらず、仕事にも影響がでるようなときは上司や人事部に相談してみると良いでしょう。
ここまで社員に決意させる状況なら、上司も多少は気になっているはずです。
長く悩み続けるよりも上司に判断してもらうのもおすすめです。
うまく対処できたとき職場はどう変化するのか
不平不満を言う人にうまく対処できた場合、職場はどう変化するでしょうか。
最も愚痴が多い人が毎日言わなくなったり、以前の10分の1程度しか言わなくなったとしたら、職場全体の雰囲気が少しずつ良くなっていきます。
また、全体的に不平不満を言う人が減り、仕事がはかどるようになり職場が活気づいてくるでしょう。
何より解決できたとき自分の器が大きく感じられ、次に同じようなことが発生しても動じずに対処できるようになります。
不平不満が多い状況を解消できないときは思い切って転職しよう
不平不満が多い状況は、不満の対象ではない関係ない社員にも悪影響を及ぼします。職場の雰囲気は悪くなり、毎日のように不平不満が続けば他の社員にもストレスが貯まります。
いくつか対処法を試してみても、解決できないときは思い切って転職することも考えてみましょう。
仕事は適性も大切ですがフィーリングも大切です。上司や仕事内容に問題がなくても、不平不満を言う人によって心身のバランスを崩すほどの影響があるときは転職する方が良いでしょう。