マイナビが2023年卒の学生に行ったアンケートによると、企業を選択するポイントとして1位に「安定した会社」、2位に「自分のやりたい仕事のできる会社」、3位に給料のいい会社という結果になっています。
参考:サポネット「2023年卒学生に調査!企業選びの本音に迫る 学生にとっての「安心・安定」「成長環境」とは?」
新卒採用で入社した会社で一通りの仕事が理解できるようになった頃、会社の待遇や環境に大きな問題がなくても、もっと自分の腕を試したいと感じ始める方もいるでしょう。
今よりもレベルの高い職場に転職をした場合に考えられるメリットとデメリットを通して、詳細を確認していきましょう。
レベルの高い職場に行きたいけれど不安になる理由
仕事を覚えてくると、現在の仕事は「単純作業で変化がない」「求められるレベルが低くて、自分には物足りない」と感じることはおかしなことではありません。
しかし、転職をしてレベルの高い職場で働きたいけれども、その職場について行けるかどうかが不安と、葛藤してしまう方も多いでしょう。
自分にとって簡単と感じる仕事をしていると、今の自分がどれぐらいのスキルを身につけているのか、転職先の仕事内容はどの程度のレベルなのかがわからない、自分の能力を生かせるのかわからない、といったことが理由で、転職に対して尻込みしてしまうことがあります。
転職への不安を取り除くためには、入社前に情報収集をしっかりと行い、入社してから「こんなはずじゃなかった」という想像とのギャップを感じないようにすることが大切です。
レベルの高い職場で働くことにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを確認し、新しい職場に適応するコツを押さえて、できる限り不安を取り除いていきましょう。
レベルの高い職場で働く懸念点
レベルの高い職場で働くということは、仕事にやりがいを求めるためのひとつの手段となりますが、注意しなければならないリスクを見ていきましょう。
自分に劣等感を感じてしまう
レベルの高い職場で働くことで、同僚や上司のレベルについていけない、自分だけミスをしてしまう状況に劣等感を感じてしまうという懸念があります。
最初から全てを完璧に行うことができる人などほとんどいないにも関わらず、周囲に追いつこうと自分を追い込んでしまうことで、最終的には仕事だけではなく、全てにおいて自信がなくなってしまうということが考えられます。
焦ってしまうことで、自責的な思考ではミスを誘発することにもつながり、何度も続いてしまうと、周囲からも「お荷物社員」と扱われて、悪循環に陥ってしまいます。
このような事態を避けるためには、転職を検討している企業が自分の強みや価値観とマッチしているかを調べておくことが重要です。
仕事が楽しくなくなる
想定以上にレベルが高くてついていけない、上手くいかないということが続いてしまうと、仕事が楽しくなくなってしまうということが懸念されます。
仕事は週に5日は出勤し、1日の大半を過ごす場所になります。
楽しめることがなければ辛く感じてしまい、仕事に行くことが嫌になってしまうということも当然考えられます。
今までは優秀な成績を収めていたという方でも、レベルの高い職場では考えていたような成果が出せないというギャップを感じることもあるでしょう。
自分のステータスを重視して職場を選んでしまうと、職場のレベルに現在の自分の能力が追いつかず、仕事自体が嫌になってしまう事態に陥ってしまいます。
転職の際には、転職先のレベルよりも、自分の仕事を「楽しい」と感じられることを重要視して選ぶことを肝に銘じておくことがおすすめです。
昇進・昇給しにくくなる
レベルの高い職場では、当然働いている人のレベルも高くなるため、昇進や昇給もしにくくなることが考えられます。
今までは簡単に昇進できていたのに、この職場では頑張ってもなかなか評価されないと空しさを感じてしまうこともあるでしょう。
もちろん年功序列制を導入している企業であれば、年次が上がるとともに昇進や昇給を期待できる可能性もありますが、どんな会社も昇進が決まるには仕事内での評価が加味されることも事実です。
レベルの高い職場への転職を考えている方は、年収が足踏みしてしまうという可能性も想定しておく必要があります。
レベルの高い職場で働くメリット
レベルの高い職場で働くときの懸念すべき点も頭の片隅に置いておきながら、メリットについても見ていきましょう。
自身の市場価値が高まる
会社のレベルが高いと、高いスキルを身につけることや経歴に箔を付けることができるため、自分の市場価値を高めることにもつながります。
市場価値が高まることで、信用性を高めることができます。
キャリアアップのために、さらに転職をしようと考えたときに、あまり知られていない企業でどれぐらいのスキルを持っているのかよくわからない人と、レベルの高い会社で働いていた経歴を持ち、高いスキルを身につけた人では、他に選考ポイントがない限り、後者のほうを採用しようと考えることが多いでしょう。
個人で事業を始める際にも、レベルの高い職場で働いていたという経歴によって、取引先の信頼を得ることにもつながります。
将来さらなるキャリアアップを目指したいと考えている方にとって、レベルの高い会社での業務実績は、自分のスキルの高さを示す名刺代わりになるというメリットがあります。
向上心が育つ
同僚や上司もレベルが高い人が集まっていることが多いため、目指すべき存在やロールモデルとする人を見つけるなど、向上心を高めることができます。
自分よりもレベルの高い社員を見て、「あの人のようになりたい」「追いつきたい」という気持ちが抱くことで、スキルをどんどん磨いていき、新しい学びに興味を抱くことができると考えられます。
特に、今までの職場のレベルに物足りなさを感じていた方にとっては、お手本となる社員がたくさんいることが仕事へのモチベーションにつながるでしょう。
向上心を高く持って仕事をしていけることは、大きなメリットとなります。
レベルの高い職場に適応するためのポイント
レベルの高い職場でやっていけるのか不安になってしまった場合、どのような姿勢でいれば適応していけるのかをチェックしてみましょう。
分からないことは迷わず質問する
仕事中に自分では判断できないことや、どう対応したらいいのかわからないことが出てきたときには、迷わず質問することが大事です。
「こんなこともわからないのかと思われそう」と質問することを躊躇してしまうと、却ってミスをしてしまったり、次の人が困ってしまう事態が発生してしまう可能性があります。
職場が変われば、やり方も仕事内容も変わるため、最初はわからないことが多いのは当然のことで、上司や指導してくれる立場の方も、勝手に進められるよりも、わからない点を聞いてくれた方が安心して仕事を任せることができます。
また、迷わず質問したり相談したりすることで、話をするきっかけにもなり、上司も状況や特性を理解したうえで仕事を振ってくれるようになるでしょう。
ロールモデルになる人を探す
ロールモデルになる人を探して、その人を目標にすることで、自分の進むべき方向性を明確にすることができます。
転職はできたけど、レベルの高さに圧倒されてどうしていけばいいのか分からないというときには、先輩たちに積極的に話を聞き、アドバイスをもらうことも大切です。
どんなにレベルが高く、仕事ができる人にでも、新人時代があったはずで、どのように成長していったのか、何を努力したのかなど、先輩たちの話を聞くことでヒントを得ることができるでしょう。
レベルの高さに追いつくために、自分がやるべきこと、進むべき道を具体的にイメージするということは非常に大切になります。
レベルの高い職場に転職したければ、転職エージェントを活用しよう
レベルの高い職場への転職に生じるメリットやデメリットを確認しましたが、決意したところで、そもそもレベル転職できるのかが不安という方もいることでしょう。
レベルの高い職場は、採用面接を受ける人のレベルや倍率が高いことも多いため、しっかりと選考の対策を立ててから臨むことが大切です。
1人で対策する自信がない方は、転職のプロである転職エージェントの利用を検討してみましょう。
企業の紹介だけでなく、採用選考に必要な対策のサポートも行ってくれる
転職エージェントは希望条件やスキルに合わせて転職先を紹介してくれるだけではなく、選考の対策もサポートしてくれます。
履歴書などの書類の添削や面接対策など、人事がどのようなポイントを見ているのかを抑えたアドバイスをしてもらうことができるため、なかなか書類審査が通らない、面談で緊張してしまうといった方は、不安を軽くすることができるでしょう。
後先考えずに転職するのは危険
「レベルが高ければどんな企業でもいい」といった「当たって砕けよ」の精神で転職をしてしまうと、入社後に想像とのギャップを抱いてしまうリスクがあります。
自分の強みや得意を活かせる仕事であるか、中長期的に見たときの働き方やキャリアアップが自分の望みに合っている会社かという視点も忘れてはいけません。
転職に失敗したと感じてしまった場合、再び転職活動を行う必要が出てきたり、前職で不満を感じていた点を解消できないといったリスクが生じてしまいます。
自分の特色や価値観を把握してサポートしてくれる
これまでたくさんの転職を支えてきたエージェントは、希望条件やスキルに当てはまるというだけではなく、希望者がどのような特色を持っていて、どのような価値観を持って働いているのかといったソフト面も理解した上で、企業を紹介してくれます。
そのため、自分では把握していなかった長所やスキルなどを見つけてくれたり、視野に入っていなかった転職先を紹介されるという可能性もあります。
最終的な判断は自分で行うことが重要ですが、意外な会社を紹介されたとき、信頼に値するエージェントからの紹介であった場合、すぐに拒否をするのではなく、どういう点において勧められたのかということを聞いてみるといいでしょう。
入社後の給与や待遇、入社日のスケジュール調整などの交渉事も行ってくれる
内定が決まると、入社後の条件や待遇、入社日のスケジュールなど、転職先と具体的な話を進めることになります。
希望通りの条件であればそのまま契約を行ってもいいですが、想定していたよりも年収が低かったり、納得のいかない待遇などがあった場合、根拠を提示しながら交渉を行うことになります。
これから働く職場に対して印象が悪くなってしまわないかと不安になったり、お金のことは言い出しにくいといった面がありますが、転職エージェントではそのような交渉ごとも代わりに行ってくれます。
転職エージェントを利用することで、マッチ度も上がる
転職希望者の伴走者となってくれるアドバイザーは、多くの企業を訪問したり、転職した方の実情などを見ています。
転職エージェントを利用することで、求人票からは見えない社内の実態や環境を把握したエージェントのアドバイスを受けることができるため、スキルや条件に合った企業というだけではなく、自分の挑戦したいレベルに合った会社かどうかということも相談することができます。
ほとんどの転職エージェントは、企業紹介もサポートも無料で利用することができるため、まずは2~3社の転職エージェントに登録をしてみることがおすすめです。
登録したから必ずエージェントを通して転職しなければいけないというわけでもないため、賢くプロの力を借りながら、今よりもレベルの高い職場に挑戦してみましょう。