労働者はできるだけ長く一つの会社で働きたいと思い、会社はできるだけ長く同じ人材に働いてほしいと思うものです。
労働者側には「面倒な転職活動をしなくて済む」というメリット、会社側には「求人広告にお金をかけたり、新たな人材をまた一から育てたりしなくて済む」などといったメリットがありますので、双方にとって一人の社員が長く働き続けることが理想状態であるといえます。
しかし、実際はそう上手くいきませんよね。
入社してもすぐに人が辞めてしまったり、ある程度経験を積んだ社員がどんどん辞めてしまったりといったことが頻繁に起こっている会社も多くあります。
そういった会社はどのような特徴をもっているのでしょうか。一緒に確認していきましょう。
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辞める人が多い会社の特徴
まずは、辞める人が多い会社の特徴から紹介します。
どういった特徴を持った会社だと人が長続きしないのでしょうか。
仕事内容と待遇が一致していない
楽な仕事で待遇が良いのが理想ではありますが、さすがにそれは難しいです。
求められる仕事の難易度が高くなればなるほど待遇が良くなり、低くなればなるほど悪くなっていくのはもちろん、高い専門知識が必要な難しい仕事ほど給料が高く、誰でもできるような単純な仕事ほど給料は低くなるのは当然です。
しかし、たまに仕事内容とその待遇が一致していない、つまり仕事内容は難しいのに同業他社と比較して待遇が悪い場合があります。
人件費を抑えたいという会社の気持ちは分からなくもありませんが、能力相応の待遇を受けないと不満は溜まりますし、転職すれば待遇が良くなることが多いわけですから、辞めていくのもまあ当然のことですよね。
長時間労働の強制が常態化している
度を越えた長時間労働は体と精神を壊してしまうため、辞める人が多くなるのも当然です。
もちろん、時期によって残業があるのは仕方のないことですし、「残業 = ブラック」というのは極端な考えでしょう。
しかし、長時間労働が常態化しているのは決して良いことではありません。
長時間労働が当たり前になっている会社は、その仕組みに問題があります。
その仕組みを作ったのはその会社の経営者であり、残業をなくすためには、経営者の判断で仕組みを変えていく必要があるので、社員だけで残業を無くすのは難しいといえるでしょう。
本来ならば、以下のように経営者が判断すれば、長時間労働が当たり前の環境は変えられます。にもかかわらず、残業を常態化させている会社はこの状況を改善する気がないのです。
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残業が常態化している会社の経営者、特にサービス残業をさせる経営者は、短期的な利益や自分の利益しか考えていない人が多いと言えるでしょう。このような会社は辞めたくなって当然です。
パワハラ対策が不十分
パワハラはだめ。それは当たり前のことなのですが、しばしば起こってしまっているのが現実です。
また、パワハラをしている人の半数は、それがパワハラであると気づかずに「単なる教育の一環」として行っています。自覚なしに人を傷つけているというのは、何とも恐ろしいものですがこれも現実なのです。
そのため、このパワハラをなくすには、会社として総力を挙げてパワハラをなくす仕組みを作る必要があります。
「パワハラをしている人にパワハラをしている自覚を持たせる」「ひどい場合には処分を下す」「パワハラを受けている人を異動させる」「上の立場につく人に対してきちんと指導法をレクチャーする」といったように、会社全体で問題解決に向けて動き出すことが大切なのです。
パワハラ対策が不十分ですと、その会社からパワハラがなくなる日は来ませんし、パワハラを受けた人がどんどん辞めていってしまうのも当然です。
待遇が一向に良くならない
新入社員の頃は給料が低くても、仕事の経験を積み成果を上げることができるようになれば給料が上がっていくのは当たり前です。
しかし、長く働いても給料が上がっていかない、役職についても手当がほんのわずかしかないという会社も少なくはありません。
いくら一生懸命働いても待遇が一向に良くならないようでは、社員が辞めていってしまうのも無理はないでしょう。
特に、優秀な社員ほど20代後半から30代前半にかけて、いくら頑張ったところで目に見える形での報酬を受けることができないことに不満を感じて辞めていく傾向が強いです。
人が辞めることを重大な問題と捉えていない
人が辞めていっても何とも思わず、社員を「使い捨て」と捉えているような会社は、人がどんどん辞めていく傾向が強いです。
スキルや経験を重視するような仕事ではなく、単に体力勝負の仕事をさせて、その人が辞めたらまた違う人を使うだけ。
本来は人が辞めることは会社にとって不利益なことであるはずなのですが、こういった企業も一定数存在しています。
俗にいう「ブラック企業」がこれによく当てはまり、「すぐに辞めてもいいから~」と無茶苦茶な働き方を強いてくることが多いので注意が必要です。
評価体制が適正ではない
それぞれの仕事ぶりに応じて適切に評価を行うというのは、社員のモチベーションを維持する上で非常に大切なことなのですが、これができていない会社も多く存在します。
上司の個人的な感情でボーナスや昇進が決まってしまったり、学閥が影響して本当に優秀な人でも出世が遅れてしまったりなんていうことはよく聞く話です。
本当に優秀で成果もバンバン上げている人が、もしも理不尽な評価を受けてしまえば、その会社に見切りをつけて辞めていってしまうのは当然ですよね。
会社に将来性を感じられない
労働者にとってみれば「できることなら同じ会社で定年まで働き続けたい」と思うものですが、40代、50代になって会社がなくなって路頭に迷うなんてことがあったら最悪ですよね。
その最悪の事態を避けるために社員が気にするのが、その会社の将来性です。
今はまだ業績が良くても、その会社のサービス内容や最近の成長具合などから、将来性に不安を感じてしまえば、早めに見切りをつけて転職するのも納得です。
特に将来をしっかり見据えていて、転職しても通用するような優秀な社員ほどその傾向が強いです。
人が辞めていく職場の特徴
では続いて、人が辞めていく職場の特徴を紹介します。
大きな会社になればなるほど、会社として社員にできることが少なくなり、職場に対する依存度が高くなります。
上司が部下を単なるコマとしてみなしている
上司が単に部下をコマとしてみなしている場合は、人が辞めていってしまう傾向が非常に強いです。
自分の成果を上げるためだけに、部下に面倒な仕事を押し付けたり、成長を見据えない単純な仕事ばかりを命じたりしていれば、部下が不満を抱くとともに自分の将来に不安を感じるのは当然です。
単に上司が厳しいというだけなら上司が変わるまで頑張れば良いとも思えますが、コマとして何年も浪費された挙句、成長も見込めないなんて良くないことしかありませんからね。
ステップアップしていかない
仕事は、徐々に徐々にステップアップしていくべきです。
一つの仕事ができるようになったら、難易度の高い仕事を与えたり、もう少し責任の幅を広げたりすることで、人は成長していきますし、仕事に対して飽きることも少なくなります。
しかし、仕事を割り振る側の上司がそれを考慮せず、できる仕事だけを与え続けてしまうことがあり、これが不満となって辞めていく人も多いです。
同じ仕事だけをさせられていては、仕事に飽きてつまらないと感じるようになるのも、この会社にいてもキャリアアップできないと思ってしまうのも無理はないでしょう。
リーダーやベテラン社員の力が強い
会社という組織の中で上下関係があるのは当然のことですし、そこは尊重しなくてはいけない点です。
しかし、あまりに管理職や古株のベテラン層の力が強すぎると、度々問題が起こります。
古臭い経験から話も聞かずにだめと判断したり、理想論ばかりを語ったりで、実際の現場の声である若手層や中堅層の話を無視して反対意見を述べようものなら大惨事。
古臭くて間違っている意見がただ年齢が高いというだけで通ってしまうことに不満を感じ、もっと自由に自分の力を発揮できる職場で働きたいと思う優秀層が多いのも当たり前です。
新人・若い人がどんどん辞めていって定着率が悪い
年齢が若い層は、転職に対する抵抗感をあまり持っていないので「この会社やばいな」と感じたらすぐに転職を検討します。
若い人がどんどん辞めていって定着率が悪いと、結果として転職に踏みとどまれなかった一部と、今更転職をしても上手くいかなそうな年齢の人たちが残ってしまうことになります。
離職率の高い、問題のある職場を見抜くポイント
自分の職場が上記の特徴によく当てはまり、転職を検討し始めた方もいるのではないでしょうか?
そこで、次の転職先を探す際に確認すべきポイントを3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
転職先を探す際に確認すべきポイント
1.会社に対する否定的な「評判・口コミ」コメントが多数を占めていないか?
2.残業・長時間労働に対して肯定的、または無頓着な会社ではないか?
3.企業としての理念や理想が無い、または強すぎる会社ではないか?
「離職率の高さ」を確認するうえで、まず欠かせないのが「会社に対する評価・評判」の確認です。
その会社に知り合いがいる場合はその人に聞くのが確実ですが、それ以外にも企業の口コミサイトを参照したり、転職エージェントのキャリアアドバイザーに訊いたりなどして確認する方法もあります。
企業の口コミサイトは、求人票では拾いきれない企業の評判を事前に知ることができます。
対象の企業の現社員、または元社員によるメリット・デメリットを踏まえた「リアルな意見」を見られますので、参考にすると良いでしょう。
ただ、あくまで個人による評価なので、全てを鵜呑みにしてしまうのも危険です。
「残業時間」や「休日出勤の有無」などは客観的な数値として参考にできると考えられますが、中には会社に対する「個人的な不満」を書き込んでいる場合もあります。
匿名で記入ができる仕組みだからこそ、そこには「真実も嘘も両方あり得る」と考えておくべきなのです。
・複数のサイトで意見を比較する
・母数の少ない口コミは信憑性が低いと考える
・その投稿が「最新のものか」に注意する
上記に加えて、企業の離職率や定着率を転職エージェントから聞いてみるのも良いでしょう。
転職エージェントが企業の離職率を数値で把握していることはあまりありませんが、「離職率・定着率に課題のある会社かどうか」については一定の知見・見解を有している場合が多いです。
利用料は無料なので、ぜひ積極的に活用することをおすすめします。
ちなみに、離職率の高さというところでは業界や職種も比較検討してみると良いと思います。
特定の会社だけ悪いのではなく、業界全体として離職率が高い場合はいくら離職率が低い会社を選ぼうとしても割けるのが難しい場合があります。
本当にその職種や業界でチャレンジをしたいのなら飛び込めばいいと思いますが、もしなんとなくで選択肢に入れてるなら一度踏みとどまったほうが良いかもしれません。
人が辞めていく会社には何か問題がある
人が辞めていくことで残っている人への負担はどんどん増えていきますし、後輩や部下が育たないことで会社としての成長が期待できなくなります。
また、残った人に業務が集中しており、重要案件についてはその人しか対応方法知らなかったなどその人が急に辞めた時に一気に事業が傾くというケースも珍しくないです。
離職率が高くても維持できている会社もありますが、それはよっぽど体力のある会社なので中小企業で業績も良くないのであれば今後のことを考えて転職も検討していいかもしれません。
最近は転職支援サービスも充実していますので、ぜひ積極的に活用しましょう。
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