年収500万円だと手取りは約400万円。想像以上に税金で減ってしまうので注意

年収500万円でも実際の手取り額はもっと少ない

年収500万円でも実際の手取り額はもっと少ない

年収が500万円あれば余裕のある生活ができるのか、具体的にはどんな生活となるのかと疑問を覚える方も多いでしょう。

ただ年収が500万円と言っても、そこから所得税や住民税、健康保険、雇用保険、年金などの税金や社会保険料が引かれます。

一般的に手取り額は額面の80%と言われているため、年収500万円の場合の手取り額はだいたい400万円程度ということになります。

住んでいる地域や生活様式によって金額は変わりますが、どのような項目でどれほど引かれているかをという詳細を確認し、ボーナスがない場合とある場合での手取り金額はどのようになるのかをチェックしておきましょう。

ボーナスなしの場合の月の手取り

500万円を12ヶ月で割った金額から税金が引かれた金額が手取り額となります。例として年収500万円でボーナスがなく、手取り額が80%となる場合で計算してみましょう。

500万円÷12ヶ月→41万6,666円

41万6,666円×0.8→ひと月の手取り額33万3,333円

ボーナスありの場合の月の手取り

ボーナスがある場合、ひと月に受け取る額面はボーナスなしの場合よりも減ることになりますが、例として年収500万円でボーナスが2ヶ月分含まれており、手取り額が80%となる場合で計算してみましょう。

500万円÷14ヶ月(ボーナス2ヶ月分を含む)→35万7,142円

35万7,142円×0.8→ひと月の手取り額28万5,714円

年収500万円に到達する人の平均年齢

年収500万円に到達する人の平均年齢

どれぐらいの年齢で年収500万円に達している方が多いのか、今の自分の年齢では年収はどれぐらいの金額が平均的であるのかということを確認しておきましょう。

年収500万円に到達するのは何歳ぐらいが多いのか

年収が500万円ぐらいあれば生活がもう少し楽になるのにと考える方は、どれぐらいの年齢の方が年収500万円を得ているのかを調べていきましょう。

年収500万円に到達する男性の平均年齢

国税庁による「令和2年度民間給与実態調査」の平均年収を見てみると、19歳以下が146万円、20~24歳が277万円、25~29歳が393万円、30~34歳が458万円、35~39歳が518万円、40~44歳が571万円、45~49歳が621万円、50~54歳が656万円、55~59歳が668万円、60~64歳が521万円、65~69歳が421万円、70歳以上が357万円となっています。

平均年収が500万円を超えるのは30代後半となっており、35歳より前に年収500万円に到達していたら、平均よりも早く年収500万円に到達しているということになります。

年収500万円に到達する女性の平均年齢

国税庁による「令和2年度民間給与実態調査」の平均年収を見てみると、19歳以下が115万円、20~24歳が242万円、25~29歳が319万円、30~34歳が309万円、35~39歳が311万円、40~44歳が317万円、45~49歳が321万円、50~54歳が319万円、55~59歳が311万円、60~64歳が257万円、65~69歳が208万円、70歳以上が191万円となっています。

女性は平均年収が500万円を超えることはないため、年収500万円を超えている場合、女性としては高い年収であるということがわかります。

参考:国税庁「令和2年度民間給与実態調査結果」

平均年齢を超えているのに、年収500万円に達してない場合

35歳以上なのに年収500万円を超えていないという場合、または先輩や上司の様子から35差異を超えても給与が500万円を超えそうにないという場合は、今の会社に居続けても年収が500万円に到達する可能性は低いということになります。

今の会社で500万円を超えないというのは、会社の業績がよくないということや自分のスキルに対して買いたたかれているという可能性があります。そのような場合は、転職をすることで正当な評価をしてもらい、年齢相応の年収を得ることができるようになるという可能性があります。

また、転職では給与交渉などもできるため、極端に年収の低い業界というわけでなければ、自分の年齢にふさわしい給料を要求することは、過分な要求というわけではありません。

給与の交渉で年齢に対する平均年収やスキルに見合った金額を提示することは、会社側も無碍に拒否することはしづらいことになるため、自分の年齢に対する平均年収よりも低い場合は、転職によって年収を上がる可能性が高いということになります。

年収500万円って実際どうなの?

年収500万円って実際どうなの?

漠然と年収500万円があれば生活が楽になりそうだと考えている方も多いですが、年収500万円を到達している給与所得者は全体のどれぐらいの割合で、実際の生活はどのようなものであるのかということを確認していきましょう。

年収500万円に達している人の割合

厚生労働省による「令和3年度賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、年収500万円以上550万円未満の方の割合は、全体の2.7%となっています。

それ以上の年収を見ても、550万円以上600万円未満では1.7%、600万円台では2.1%、700万円台では1.0%、800万円台では0.5%、900万円台では0.2%、1,000万円以上1,200万円未満では0.2%、1,200万円以上では0.2%となっており、年収500万円以上の給与所得者は、全体の8.6%と低い割合であることがわかります。

年収500万円の人の生活レベルとは

年収500万円の人はどのようなレベルの生活を送ることができるのかという具体例を確認していきましょう。

住んでいる地域や税率、家族の構成によって税金や手当額、控除額などが変わりますが、ボーナスがある場合の手取り額である約28万5,000円として、1人暮らしの場合と夫婦と子ども1人がいる3人暮らしの場合で計算してみました。

一人暮らしの場合

費目想定費用
家賃7万5,000円
食費5万円
水道光熱費1万円
雑費1万5,000円
通信費8,000円
保険・医療費7,000円
交際費2万円
娯楽費1万5,000円
貯金5万円
総額25万5,000円

一般的に家賃は収入の30%までに抑えることが理想と言われていますが、年収500万円かつ1人暮らしであれば、立地や間取りも駅から近い物件など、比較的住み心地のいい住居を選ぶことができるでしょう。

都市部では一番ボリュームが膨らむこともあり、節約しやすい固定費でもあるため、家賃を抑えることができれば他の費目に回すことができたり、貯金を貯めるということもできます。

1人暮らしでは食費や交際費などが高くなる傾向がありますが、切り詰めた節約を考えなくても貯金をすることができ、全体的に余裕のある生活を送ることができると言えるでしょう。

夫婦と子ども1人との3人暮らしの場合

家賃:9万円

費目想定費用
家賃9万円
食費6万円
水道光熱費1万5,000円
雑費1万円
通信費1万円
保険・医療費1万円
教育費1万円
娯楽・交際費(お小遣いを含む)5万円
貯金3万円
総額28万5,000円

3人暮らしの場合、ある程度の広さが必要となるため、都市部では特に住居費が高くなる傾向にあり、理想の30%以内に収まらないという可能性も高いです。

お小遣いを娯楽・交際費として、それぞれの予算の中で行い、外食も食費か娯楽費で賄うようにし、スマートフォンも安く使えるキャリアを利用するなどの工夫も必要となります。

子どもがいる場合、教育費が膨らんでくる可能性があるため、なるべく日々の生活の中で節約を心がけ、貯金や教育資金に回すということが必要となってきます。

固定費をなるべく切り詰めることが大事ですが、特に大きな出費となる住居費を減らすことが一番効率的であるため、郊外に住居を構えたり、会社の家賃補助や社宅などがあれば利用を検討することで、生活に余裕を持たせ、将来のための貯金や資産形成を行うことができます。

夫婦が共働きであれば生活に余裕を持たせるだけではなく、もっと貯金や教育費にお金をかけることができるので、未来のために堅実に資産を作っていくことができるでしょう。

年収を上げる方法3選

年収を上げる方法3選

年収500万円に到達したい場合、本業で出世や昇進を目指すというのは時間がかかり、会社の経営状態によってはいつまでも年収500万円に届かないという可能性もでてきます。

今の仕事を行う以外に、どのような方法で到達することができるのかということを確認しておきましょう。

副業を始める

年収500万円を超える平均年齢は35歳以上になるので、給与が毎年上がっていてもまだ届きそうにないという場合、副業で本業以外の収入を作ることで目指す年収に達成することに近付きます。

近年、政府が主導する働き方改革によって副業を行うことが推進されていますが、就業規則によって副業を禁止している会社もあるため、まずは副業が認められているかどうかを調べる必要があります。

副業にはアルバイトなどの他に、自分のスキルを販売することやハンドメイド作品を販売するなど、自分の好きなことや得意なことで稼げる可能性があります。

しかし、本業に差し障りのない程度に行うということが大事であり、睡眠時間や体調管理を疎かにしてしまうと本末転倒になりかねません。また、最近では副業に関するトラブルが増えているため、安易に手を出すことがないように気をつける必要があります。

投資をする

投資は副業には含まれないため、就業規則で副業が禁止されている場合でも行うことができる副収入になります。

今はポイント投資など、初心者でも投資体験を行うことができるサービスが増えており、少額投資などの始めやすいものもあります。しかし投資は必ず設けることのできるものではなく、市場の景気によっては大きな損となり得る可能性を忘れてはいけません。

NISAやiDeCoといった節税になる投資も検討しつつ、投資について学んだ上で、自分に合ったものを選択するといいでしょう。

転職する

一番年収アップに近道となり得るのが、転職によって給料を上げるということになります。

まずは自分の今働いている業界の賃金状況を調べ、今の自分の年齢やスキルでも上げることができるのかということを確認してみましょう。

転職で年収アップを目指すためには、企業との給与交渉が大切になるため、自分で交渉を行うことに自信がないという場合は、転職エージェントの利用を検討することがおすすめです。

転職エージェントでは、自分の経歴や希望を元に転職先を紹介してくれるだけではなく、履歴書などの書類や面接の練習ができたり、自己分析が足りていないというときにも第三者の視点から長所を見つけたりしてくれます。

転職エージェントのサービスには、内定後には年収や入社日の調整などの交渉も含まれ、自分では言いづらい金銭のことなども、間に立って交渉をしてくれるので、年収を上げる可能性を高めることができます。

年収500万円は手の届かないクラスじゃない

年収500万円は手の届かないクラスじゃない

35歳以上でようやく到達することの多い年収500万円という金額ですが、実際の手取り額で考えると400万円程度となり、意外と少ないと感じる金額でもあります。

手取り額で500万円を目指すのであれば、実際は年収500万円よりもさらに上の年収帯を目指す必要があるので、給与を少しでも上げたいのであれば、一番の近道は転職ということになります。

一般的には個人で行うことの多い転職活動ですが、転職エージェントを利用することで、自分でも知らなかった強みを見つけることができるほか、転職エージェントを利用しないと知らなかった非公開求人や1人での活動では考えてもみなかった企業に出会える可能性があります。

ほとんどの転職エージェントは無料で利用することができ、転職を迷っているという段階でも利用することができます。

キャリアカウンセリングでキャリアの棚卸しやキャリアプランなどの相談を行なえば、自分の年収が平均的に低いのかも分かります。もっと年収を上げることを目指したいという方は積極的に転職エージェントを利用して、年収500万円よりもさらに高い年収を目指してみるのがいいでしょう。