業界選択の重要性
仕事をする上で、仕事内容や職場の環境が自分に向いているかということや、待遇などが重要視されがちですが、仕事を続けていく上ではその業界がこれからも成長していく分野かどうかということも非常に重要になります。
自分にどれだけ合っている企業だとしても、衰退業界に就職してしまったことで、先行きが不安になったり、突然の解雇などの懸念が生まれてしまうという懸念が生まれます。
たとえどんなに給料がよくても、仕事が楽しくても、会社が倒産してしまったり、人員削減によって解雇されてしまったりしては、元も子もありません。
日本においては、終身雇用という考え方が根強く、一度入社した企業とは10年以上の長い単位で付き合い続けることが多いというのが現状です。
雇用に対する不安を抱かずに仕事に集中して取り込んでいくためには、長い目で見て成長している業界か、これから成長していく産業かどうかを見極める必要があります。
成長業界の見極め方
目に入ってくることの多い企業のほかにも、日常の暮らしの中では意識されづらい業界などがあります。
成長している、またはこれから成長していく業界かどうかというのは、どのように調べることができるのかを確認していきましょう。
ニュースや株価からニーズを見極める
ニュースや株価は、成長産業を見極めるうえで非常に重要な要素の一つです。
ニュースや情報番組に取り上げられていたり、特集が汲まれていたりする業界であれば、注目されているということがわかります。また、ニュースや株価をチェックすることで、最近のトレンドを把握し、現在の需要や伸びている業界に注目してみましょう。
過去数年の株価を調べることで、これまでの業績だけではなく、今後伸びていくかどうかを判断する材料にすることができます。
現代は流行や需要が変わっていく流れが速くなっていますが、成長産業に入社したいのであれば、情報に敏感になり、些細なデータでもキャッチアップしていくことが大切です。
多くの企業が新たに参入しているかどうか
成長産業の特徴として、多くの企業が参入していることが挙げられます。
成長途上にある業界で優位性を獲得するには、初期から参入することが重要となるため、まだ発展途上であったとしても、どのような企業が参入しているかをチェックしましょう。
大手企業や、トレンドに敏感なインフルエンサーなどは広報力に優れているため、世間の話題に上り、さらに成長していく可能性が高いです。
ベンチャー企業は少数精鋭で意思決定が速い傾向にあるため、特にベンチャー企業の動向を追っておくということもおすすめです。
自分で成長している業界を見極めるのが難しいという方は、企業やインフルエンサー、ベンチャー企業の動きからヒントを得るようにするといいでしょう。
求人が多いかどうか
求人が多いかどうかというように、人材育成への力の入れぐらいを調べてみることも成長業界を見極める指標になります。
需要が多いと、生産を増やすために、よりたくさんの人を雇おうとしたり、これからのことを見通して人材を育成させておくために求人が増えていきます。
反対に、求人が少なかったり雇用をストップしたりしているという場合は、業界が衰退している可能性もあるため、求人の動向にも注意が必要です。
サイトから求人情報を検索した際に出てくる件数や、企業のホームページに載っている採用人数実績などで、求人の推移を確認してみるようにしましょう。
求人が多いからといって必ずしも成長業界であるとは言えないことには注意が必要です。
求人が多い理由として、ブラック企業であるために離職率が高く、いつも人材を募集しているという可能性も否定できないため、他の成長業界の条件も併せて、総合的に判断することが大切です。
これから伸びると言われている業界の特徴
DXの波に乗っている業界
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」のことで、デジタル技術を利用して、新しい仕事や価値を提供したり、既存のシステムからの脱却や変革によって、企業の成長を促す活動のことです。
つまりは、デジタル化の促進によって、人々の生活をより豊かで便利にしようということを指しています。
2021年に経済産業省によって政府のDX推進の施策について提示されたレポートによると、企業でDXが進んでいない根幹や進め方について書かれており、高い需要が見込まれる業界となっています。
AIに取って代わられる可能性の低い業界
近年、AIの発達はすさまじく、人間と会話しているようなやりとりまで再現することができるため、ホテルの受付や接客、レストランの配膳など、これまでは人が必要であったポジションをAIが行っているという場面が増えてきました。
AIに仕事を奪われるということもニュースの話題にのぼりますが、人間でなくてはできない仕事というものが必ずあるため、それを見極めることで成長していく業界を見つけることもできるでしょう。
豊かで自由な発想や柔軟な考え方の必要なクリエイティブな業界や、カウンセラーなどの人の心を理解することが必要なもの、繊細な機微が必要とされる医療関係などは、AIが人に取って代わるということはないと考えられます。
AIに得意なことと人が得意なことを考えて、AIが実現することが難しい仕事や人にしかできない仕事を扱っている業界を見極めることが大切です。
高齢者をターゲットにした業界
日本では少子高齢化社会が進み、今後も高齢者は増加する一方でありながら、出生率が上がるという見込みもありません。
したがって、母数の大きい高齢者をターゲットにした業界であれば、必然的に市場規模が大きくなるため、今後も需要が増え、伸びていく業界と予想されます。
例えば、介護などの福祉業界、医療業界、買い物代行などの高齢者向けサービスといった業界は注目すべき存在であると言えるでしょう。
ターゲットにできる存在の大きい業界や、この先の需要が見込める業界は成長産業になる可能性が高まります。
今の企業は衰退業界で不安。そんな時は転職も視野に入れよう
今後成長していく産業や伸びていく業界の特徴や見極め方を確認したことで、自分が現在働いている企業はどうなのかと不安になるということもあるでしょう。
特徴に当てはまらないからといって、一概に成長産業ではないと言うことはできませんが、もし衰退していることが明らかである場合は、今のまま静観してしまうことにリスクが潜んでいます。
肌で感じてしまうほど業界が衰退している時には、今後も長く現在の企業で働くことが難しいということが明らかであるため、早めに転職先を探すことをおすすめします。
成長していく業界も視野に入れて転職することで、長い目で見ても安心して働くことができるでしょう。
躊躇して、転職活動を先延ばしにしてしまうことで、転職先の候補が少なくなってしまったり、企業の求める人材像に対して、自分の条件が当てはまらなくなってしまうという可能性も考えられます。
転職活動をはじめるなら、転職エージェントの利用がおすすめ
転職をするためには、企業研究から採用試験を受けて内定を獲得せねばなりません。
働きながらの転職活動は、終業後に行うことになるため、日々の忙しさに紛れてしまってなかなか進まなかったり、モチベーションが下がってしまったりということが考えられます。
転職を始める際には、転職エージェントを賢く利用することで、効率よく内定までたどり着く可能性を上げることができます。
企業を紹介してくれるだけでなく、採用選考に必要な対策のサポートも行ってくれる
転職エージェントは、今までの経歴やスキル、転職に対する条件などを元に求人先の企業を紹介してくれるサービスが第一に浮かびますが、転職に関わること全体をサポートしてくれます。
どんなに魅力的な企業であっても、履歴書などの書類作成や面接などの採用選考を通らなければ内定を勝ち取ることはできませんが、転職エージェントでは人事からの視点を交えて、書類の添削や面接対策を行ってくれることで通過率を上げることができるでしょう。
書類が通らないという方や面接が苦手という方は、転職のプロの力を借りることで、採用試験への不安を軽減させることがおすすめです。
慌てて転職するのは危険
先行きが怪しい場合、早めに転職を決めてしまいたいと焦ってしまう気持ちを抱くのは当然ですが、成長業界であればいいというような甘い計画の転職を行うことにはリスクが伴います。
業界だけを見て決めてしまうと、これまで培ってきたスキルや自分の強みを生かすことができなかったり、自分に合っていない環境であったりといった失敗につながる恐れもあるでしょう。
業界や仕事内容はもちろん、ワークライフバランスやキャリアアップなど、中長期的に見て自分の希望に沿う会社かどうかということについて、キャリアドバイザーは冷静な視点で相談にのってくれます。
求職者の特色や価値観を理解してサポートしてくれる
キャリアアドバイザーは、転職を支援するプロであり、多くの企業と求職者をつなげてきたことで、採用側の人事の視点や求職者の持つ強みを引き出すスキルを培っています。
初めての転職で何をアピールしたらいいのかわからないという方や、なかなか選考に通らないという方は、キャリアアドバイザーとの面談を通して、自分でも気が付かなかった強みやアピールの仕方を見つけられる可能性があります。
転職という市場から見た成長業界のことや自分のスキルを生かせる成長産業のことも相談することができます。
内定後の交渉事も任せられる
転職エージェントを利用して応募した企業に内定が決まった場合、その後の交渉ごとはキャリアアドバイザーに任せてしまうことができます。
入社日のスケジュール調整はもちろん、自分では言いづらい入社後の給与や待遇についても表だって行う必要がないため、内定後の交渉で考えていた待遇にならなかったというズレを避けることができるでしょう。
また、退職したいのに引き留めにあってしまったという場合、キャリアアドバイザーが直接関与することはできませんが、どのように言ったらいいのかなどのアドバイスをもらうことができます。
転職エージェントを利用することで、マッチ度も上がる
成長産業を調べ、挑戦してみたいと感じたところで、異業種に挑戦することには大きな不安が伴います。
企業研究をしても実情がわからなかったり、転職してから自分の想像とのズレに落胆してしまうという可能性も考えられますが、転職エージェントを利用することで、事前に自分の認識と実情が合致しているかどうかを把握することができます。
転職エージェントを利用することで、企業の内情を聞くことができ、自分が快適に働くことのできる会社かどうかを判断しやすくなり、入社後のマッチ度が上がる可能性があります。
キャリアアドバイザーは、これまでの経歴やスキルを元に希望に沿った応募先企業を紹介してくれるため、自分では想像していなかった企業を紹介されることもあるかもしれません。
疑念を持つこともあるかもしれませんが、様々な企業を見ているキャリアアドバイザーは、求職者の適性や能力を生かせる職場と判断して紹介している可能性が高いため、最初から避けてしまうのではなく一度検討してみるといいでしょう。
ほとんどの転職エージェントは、登録にも利用にも料金が一切かからないため、2~3社の転職エージェントを併行して利用し、自分に合う成長産業を見つけましょう。