ミドル転職ならではの強みとは?伝え方のポイントや会社側が求めている能力について

ミドル転職は、高い専門性を持っていたり社会人としてのマナーが備わっていたりと強みが多く、実は多くの企業が求める人材なのです。ただし、注意点もあるので事前に確認して、正しい方向性でアピールするのが成功のカギとなります。

あなた自身、ミドル転職でどのような強みをアピールすれば良いのか悩んでいませんか。

たしかにミドル転職は、年齢が高いというだけで転職のハードルが高くなるので、どのようなアピールをすれば良いのか迷ってしまうでしょう。

しかし、ミドル転職には長年の経験から様々な強みがあるのです。その点をしっかりアピールできれば、十分に転職を成功へと導けるでしょう。

そこで今回は、ミドル転職ならではの強みについて解説していきます。

ミドル転職とは?

ミドル転職とは?

ミドル転職とは、35歳以上のミドル世代と呼ばれる方による転職活動です。

ひと昔前まで、転職活動は35歳が限界と言われていました。一定の年齢を超えると待遇面で大幅な妥協が必要になるからです。

しかし、近年は団塊世代の定年によって多くの企業で人材不足となっています。また、自由な働き方を推奨する時代へと変化した結果、35歳以上のミドル転職が増えつつあるのです。

以前は、企業も35歳以上と聞くと敬遠する傾向にありましたが、最近では積極的ミドル世代を採用する会社が増えている実情があります。

ミドル転職者が求められていること

ミドル転職者が求められていること

ミドル転職者は、専門性の高い知識や経験を活かして即戦力になってもらうことなどが求められています。

というのもミドル転職者の強みは、すでに長年経験を積んで培ったスキルや知識・ノウハウです。そのため、採用側もすでに持つ専門性を求めて採用活動をしています。

以下のデータは、厚生労働省が発表した「平成27年転職者実態調査の概況」によるものです。転職者がいる事業所の採用理由を職種ごとに調査した内容になります。

【管理的な仕事】
「経験を活かし即戦力になるから」:64.4%
「専門知識・能力があるから」:43.0%

【専門的・技術的な仕事】
「経験を活かし即戦力になるから」:64.8%
「専門知識・能力があるから」:55.0%

参考:厚生労働省「平成27年転職者実態調査の概況」

このように、実に半数近くの事業所が“経験による即戦力”もしくは“専門知識・能力”を求めて採用しているという結果です。

また、専門的・技術的な仕事の中でも事業規模が1,000人以上のところだけに絞ると、専門知識・能力があるから」と回答したのが84.5%、「経験を活かし即戦力になるから」と回答したのが82.0%と、実に8割以上が経験・知識・能力を求めて採用したと回答しています。

以上のように、職種に関わらずミドル転職者に対しては、すでにある知識や経験などを求めていると分かりました。

ミドル転職者がアピールすべき強み

ミドル転職者がアピールすべき強み

ミドル転職者がどのような能力を求められているか分かったところで、続いてはアピールすべき強みについて解説します。

強み1.マネジメント能力

あなたに人材を管理・育成した経験があるなら、それは大きな強みとなります。というのも、管理や育成といった経験は、通常20~30代の転職者にはないのが大半だからです。特に、会社の仕組みを理解して、全体を把握しながら部下を統率するスキルは、採用側から見ても、「自社の理念・方針・経営戦略を理解したうえでマネジメントしてくれるのでは」と期待されるでしょう。

強み2.コミュニケーション能力

社会人経験が長い=様々な年齢・バックグラウンドの人と関わるケースが多くなるので、その経験で培ってきたコミュニケーション能力は強みとなるでしょう。また、コミュニケーション能力はどの会社においても必要とされる能力であるので積極的にアピールしてみてください。

強み3.長年働いてきたからこその社会人経験

社会人経験の中で、様々な困難をくぐり抜けた力やストレス耐性は若手にはない強みです。また、基本的なビジネスマナーも備わっているので、その点もアピールできる部分でしょう。

自分の強みの見つけ方やプロセス

自分の強みの見つけ方やプロセス

自分の強みを見つけるプロセスは以下の3つになります。

1.自分のキャリア・業務を書き出す

これまでに経験した業務内容や成果を全て書き出してみましょう。この段階では箇条書きでOKなので、とにかくたくさんの情報を洗い出すのが重要です。

2.その仕事に必要な能力を分析

1で洗い出した業務内容や成果を基に、その仕事をするにはどのような能力が必要だったのか考えてみましょう。

3.それぞれに自分の感情や考えを付け足す

1と2で洗い出した内容に、自分の感情や考えを付けてしてみましょう。この作業によって、あなたのオリジナリティを加えられるのです。ただし、あくまでもベースとなるのは1と2なので、キャリアや業務内容をしっかりと伝えたうえで、考え方などのオリジナリティを付け加えましょう。

以上のプロセスで、あなたの強みが見つけられます。もしも、上手に書けない場合は、次の項目で解説する方法を試してみてください。

強みが見つけられない場合

あなたの強みが見つけられない場合は、家族や上司・同僚・友人などに協力を求め、客観的な意見を聞いてみましょう。

家族や友人はだけではなく、もしも可能であれば、仕事をしているあなたを見続けていた上司や同僚に協力を仰いでください。

というのも転職でアピールすべきは仕事の内容だからです。

あなたの家族や友人は、仕事をしているあなたを見ていないので、転職のアピールとしては少し弱くなる可能性があります。可能であれば上司や同僚に話を聞いてもらいましょう。

また、どうしても強みが見つけられないなら、あなたの特長や得意なことを考えて、それを違った視点から見てみてください。

  • 優柔不断=注意深い・ミスが少ない
  • 几帳面=細部まで気が回る・仕事が丁寧
  • 負けず嫌い=諦めずに最後までやり遂げる

以上のように、どのような短所であっても言い方を変えてしまえば、長所に変えられるので、どうしてもあなたの強みが見つからない場合は、まずは短所と思われる個性を見つけて、その言い方を変えてみましょう。

ミドル転職のポイント・注意点

ミドル転職のポイント・注意点

ミドル転職をする場合のポイント・注意点について解説します。

ポイント・注意点1.傲慢な態度や偉そうな態度に気を付ける

1つ目のポイントは傲慢な態度や偉そうな態度に気を付けるという点です。

ミドル転職になると、どうしても知識や経験があるので上から目線になりがちでしょう。面接官が年下となるケースもあるので、その場合は傲慢な態度や偉そうな態度が出ないように注意してください。

どんなときでも謙虚な姿勢を心掛けましょう。周りの人の経験や年齢といった情報を気にしないことが大切です。

ポイント・注意点2.応募先の企業で活かせるスキルをアピール

2つ目は応募先の企業で活かせるスキルをアピールするという点です。

よくどの企業の面接でも、同じスキルや強みをアピールする方がいますが、これは間違いとなります。というのも、企業によって求めるスキル・強みが異なるので、各企業に合わせたアピールポイントを見つける必要があるのです。

例えば、1人で黙々と作業するような会社で、高いコミュニケーション能力をアピールしても弱いでしょう。反対にチームワークが問われる仕事で、個人の能力の高さばかり伝えると低評価となる可能性があります。

このように、その企業がどのようなスキル・強みを求めているのか調べて、それにマッチした内容のスキルや強みを伝えてください。

ポイント・注意点3.柔軟性をアピールを忘れない

3つ目のポイント・注意点は柔軟性のアピールを忘れないという点です。

ミドル世代の転職で、採用側が最も懸念するのが“偏った考え方“となります。長年他の会社で経験を積んでいると、その知識や考え方が正しいと思ってしまい、新しい環境でも考え方を変えないケースがよくあるのです。

しかし、各企業によって考えは違うので、高いスキルを持っているとアピールしながらも、柔軟性を持って新しいノウハウを吸収するといった姿勢を見せてください。

あなたの経験や知識を柔軟に生かして、予測不要な事態や課題に対して成功へ導けるといった点を伝えましょう。

ポイント・注意点4.企業研究の徹底を怠らない

4つ目のポイント・注意点は企業研究の徹底を怠らないという点です。

2つ目のポイントでお伝えした通り、あなたの強みやスキルは企業ごとに変える必要があります。そして、企業に合わせたアプローチをするには、その企業のことを知らなければなりません。

具体的には以下の6つについて徹底的に調べる必要があります。

1.企業概要を学ぶ

企業の基本情報は研究するうえでの基礎です。企業のホームページ・会社案内・就活サイトなどから、その企業の従業員数・事業所・事業内容・資本金・企業の沿革・理念などを押さえておきましょう。

2.企業の強みを知る

企業の強みを知れば、あなたがアピールすべき強みも分かります。その会社の主力商品・サービスはもちろんのこと、同業の他社と比較するなどして調べてみましょう。

3.企業の動向を調べる

会社の環境を取り巻くニュースなどがないかチェックしてください。また、業界全体のニュースや企業発表のプレスリリースなども調べると良いでしょう。

4.経営者の考えを理解する

会社全体の方向性を知るには、経営者の考え方を知るのが有効です。中でも、経営者のSNSやメディアでの発言、書籍といったタイムリーな情報を調べることで、最新の情報が手に入るようになるでしょう。

5.社風を確認する

社風を把握すれば、その企業があなたに合っているのか確認できます。会社が求める人物像や実際に活躍する社員も、社風を知るための参考になるのでチェックしておきましょう。

6.社員の生の声を聞く

キャリアプランや労働環境・社内の制度といった情報は、ホームページや会社説明会では意外に分からないものです。そこで役立つのが社員の生の声です。OB・OG訪問などをして社員からリアルな話を聞き出してみましょう。

 

まとめ

今回はミドル転職を成功に導くために重要な“強み”について解説しました。

近年は、35歳以上のミドル世代の転職が増えているため、多くの企業が積極的に採用をしていると分かりました。また、採用する企業の大半が「経験を活かし即戦力になるから」といった理由や「専門知識・能力があるから」といった理由で採用しているのも確認できたでしょう。

つまり、ミドル転職を成功に導くためには、あなたの強みを正しく洗い出して、各企業にマッチしたアピールをする必要があるというわけです。

闇雲に転職活動をしてもなかなか上手くいかないので、まずは強みの把握と企業研究を徹底して、その会社に合ったアピールをしてみてください。