セクハラ、パワハラから始まり現在は数多くのハラスメントが問題になっています。

今回は以前から問題になっているものから最近話題にあがる新しいハラスメントまで41種類をまとめてみました。

「代表的なハラスメント」「セクハラ系ハラスメント」「職場で行なわれるパワハラ系ハラスメント」「職場外でのパワハラ系ハラスメント」「マタハラ恋愛系ハラスメント」「飲食系ハラスメント」「その他のハラスメント」の7つに分類しているので、無意識のうちに自分がハラスメントをしていないか、ハラスメントを受けていないかチェックしていきましょう。

ハラスメントは増え続けている

セクハラやパワハラ、そしてモラハラなど様々なハラスメントが職場だけでなく家庭や学校など至る所で行われ、大きな社会問題となっています。

まずはそもそも「ハラスメント」とは何かを確認しておきましょう。

ハラスメントとは

ハラスメント(Harassment)とは、「嫌がらせ」と「いじめ」を意味します。

誰かに対する発言や行動などが本人の意図とは関係なく、相手の尊厳を傷付けたり、不利益を与えたり、脅威を与えたり、不快にさせることが該当します。

職場での多くのハラスメントは、民法上では民法七百九条の不法行為となり、賠償を受けられる可能性があります。

参照サイト:あかるい職場応援団 厚生労働省(2015)「ハラスメントの定義」

職場で行なわれる代表的なハラスメント

1989年、セクハラが訴えられ初めて裁判が行なわれました。それ以来パワハラやモラハラなど職場でのハラスメントが次々に問題になりました。

ここでは代表的なハラスメント4種を紹介します。

セクシャルハラスメント(セクハラ)

職場で労働者の意に反する性的な言動により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されたりするハラスメントとなります。

対価型と環境型の2種類があり、対価型は労働者がセクハラに対して反抗すると解雇や降格など労働条件で不利益を被るもので、環境型はセクハラによって労働環境が悪くなり就業意欲が低下するようなものです。

セクハラの例

許可も無く身体に触れたり、地位を利用して性的関係を迫ったりすることが該当。また、性的言動を繰り返すこともセクハラになります。

セクハラに関連する法律

男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)第十一条などがあります。

現在はセクハラから発生するセカンドハラスメントも問題となっています。

参照サイト:e-Gov(2017)「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」

パワーハラスメント(パワハラ)

職場の労働者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為です。

パワハラの例

パワハラのパターンは大きく分けて下記の6通りがあります。

  1. 身体的な攻撃
  2. 精神的な攻撃
  3. 人間関係からの切り離し
  4. 過大な要求
  5. 過小な要求
  6. 個の侵害

身体的な攻撃(暴力)や精神的な攻撃(不当に行われる罵倒など)はパワハラの例としてわかりやすい部類ですが、不当に他の同僚と隔離をしたり仕事に対する要求が以上に高いなど、相手のことを全く考慮しないような行動や施策はパワハラに該当する可能性が高くなります。

パワハラに関連する法律

2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

パワハラの裁判例は様々なものが存在します。

参照サイト:e-Gov(2017)「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」

パワハラは関係者の力関係に差がある時に発生するため、「上司・部下」「会社・従業員」という形での事例が多くを占めます。

マタニティハラスメント(マタハラ)

妊娠中や出産した女性社員に対し、育児休暇や就業制限により業務に支障がでるという理由で嫌がらせを行なう行為です。

マタハラの例

上司や同僚から「仕事が忙しいのに育休をとれていいね」などと皮肉を言われたり、嫌がらせを受けたりすることが該当します。

マタハラに関連する法律

男女雇用機会均等法の第九条や第十一条の二から第十三条が関連します。

裁判例としては、差し戻しになっているものの、平成26年10月23日の最高裁判所での判決では、妊娠による降格が男女雇用機会均等法に反しているとしています。

モラルハラスメント(モラハラ)

言葉や態度等による精神的な嫌がらせ行為。

パワハラとの違いは、精神的な攻撃が基本となるものの、上下関係に関わりなく行われるものであることです。

モラハラの例

職場で他の人から無視されるなどがあり、上司であっても部下から行われる場合があります。

また、モラハラは直接的ではありませんが、労働契約法第五条などが関連します。

 e-Gov(2018)「労働契約法」

会社での立場に関係なく行なわれる可能性があるのがモラハラの大きな特徴です。

代表的な4種のハラスメントを紹介しました。

セクハラの裁判が初めて行なわれてからすでに30年以上が経っていますが、未だに無くすことができていません。

それどころか次々に新たなハラスメントが生まれているのです。

セクハラ系ハラスメント

ハラスメントの代表でもあるセクハラですが女性ばかりではなく、男性なども対象になるハラスメントが存在します。

ここでは5種のハラスメントを紹介するので、無意識のうちに自分がしていないか確認してみてください。

セカンドハラスメント(セカハラ)

セクハラの二次被害のことを指します。

具体的な例としては、セクハラの相談をしたら「自意識過剰」などと言われ精神的なダメージを負う事などがあげられます。

セカハラに関連する法律

男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)第十一条などがあります。

セクハラの被害者に対し傷口に塩を塗るような卑劣極まりない行為と言えます。

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

心理的・社会的な性別における役割を強制する行為。

ジェンハラの例

男性だから力仕事をさせられる、女性だからお茶くみをさせられるというものから、性別によって採用や配置で差別を受けることが上げられます。

ジェンハラに関連する法律

男女雇用機会均等法の第五条から第七条、第十一条などがあります。

かつてはレディファーストが紳士のたしなみとして考えられていましたが、この考えも相手の感じ方によってはジェンハラになる可能性があるのです。

テクスチュアルハラスメント(テクハラ)

テクスチュアルハラスメントとは文章上の性的な嫌がらせを行なう行為。

テクハラの例

「男のくせに女みたいな言葉遣いだ」「女にこんな仕事はできない」という発言が該当します。

テクハラに関連する法律

男女雇用機会均等法の第十一条などが関連します。

また、テクノロジーハラスメントというハラスメントもあり、こちらも略してテクハラと呼ばれることがあります。

テクノロジーハラスメントについては後ほど解説いたします。

ソジハラスメント(ソジハラ)

性的マイノリティの人に対する嫌がらせを意味します。

ソジハラの例

「同性愛者は何か足りない」「同性愛って気色悪い」というような事を言うことが該当します。

ソジハラに関連する法律

男女雇用機会均等法などが関連します。

「Sexual Orientation(性的指向)」と「Gender Identity(性自認)」の頭文字をとって「SOGI(ソジ)」となるのがソジハラの名前の由来です。

チェリーハラスメント

性経験がない人を誹謗中傷したり偏見を持って接したりする行為。

チェリーハラスメントの例

「この年まで経験したことがないって本当なの?」などと中傷する行為が該当します。

チェリーハラスメントに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

異性に対してだけでなく同性にも性的な発言は注意しなければなりません。

セクハラ系ハラスメント5種を紹介してきました。

セクハラというと男性が女性に対して行なう行為と思われがちですが、実は性別に関係なく存在します。

そもそも男性と女性に分けることからハラスメントが始まっているとも言え、非常にデリケートで難しい問題となっています。

職場で行なわれるパワハラ系ハラスメント

職場ではパワハラ系のハラスメントが多く見られます。ここでは11種のハラスメントを見ていきましょう。

リストラハラスメント(リスハラ)

社員をリストラに追い込むことです。

リスハラの例

望まない部署への配置転換や無理難題を押し付けるなどして、会社に居づらくして辞めさせるなどがリスハラです。

リスハラに関連する法律

直接的ではないものの労働契約法第五条などが該当します。

リスハラについては裁判例が、いくつもあり、有名なものとしては、昭和55年に下関商業高校の教諭が退職を強要されて精神的苦痛を受けたとして違法性が認められました。(下関商教諭退職勧奨損害賠償請求事件)

このように、繰り返し、執拗に半強制的な退職の勧めをすることは違法です。

テクノロジーハラスメント(テクハラ)

パワーハラスメントの一種で、パソコンやスマートフォンなどのハイテクノロジー技術に詳しい人が、そうでない人に対して行なう嫌がらせです。

テクハラの例

パソコンが苦手な人にトラブルを解決する方法を教えるのにわざと専門用語などを使って分りづらくしたり、「こんな簡単なこともできないの?」などというプレッシャーを与えたりすることが該当します。

テクハラに関連する法律

2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

略称が「テクハラ」ですが、テクスチュアルハラスメントと同じになるため、使用する際はどちらか分るように注意しましょう。

パーソナルハラスメント(パーハラ)

パワーハラスメントの一種。クセや容姿、そして趣向など個人的(パーソナル)な事柄を批判したりいじめたりする行為のことを言います。

パーハラの例

容貌の悪口を言ったり、個性的な性格の人物を変人のレッテルを貼ったりして不当に扱うことです。

パーハラに関連する法律

2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

パーソナルは変えようがないものがほとんどです。それを揶揄するのは卑劣な行為と言えます。

レイシャルハラスメント(レイハラ)

パワーハラスメントの一種で、外国人やハーフに行なわれる差別や嫌がらせを意味増します。

アメリカではセクハラと並ぶ代表的なハラスメントです。

最近では日本でも外国人労働者の人口は増えていますので、レイハラに該当する事例が増加していくと推測されます。

レイハラの例

在日の方を不当に扱ったり、「〇〇人だから」というような言動をとったりすることがレイハラになります。

レイハラに関連する法律

関連するのは2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

レイハラは人種差別であるため、日本国憲法第十四条や人種差別撤廃条約にも反しています。

時短ハラスメント(ジタハラ)

働き方改革により生まれた新しいハラスメントです。

残業や休日出勤を認められない、もしくは残業代や休日出勤の賃金を支払いがされない状況が該当します。

ジタハラの例

会社側や上司から残業が認められず、仕事を自宅に持ち帰ったり無給で早朝出勤したりするように追い込まれます。

ジタハラに関連する法律

パワーハラスメントの一種であり、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

裁判例としては、部下の残業時間を減らすために仕事を家に持ち帰るなどして過労自殺をし、そのご労災が認定され、民事訴訟から和解に至ったケースなどがあげられます。

テープハラスメント(テプハラ)

ハラスメント対策などで部下が録音していないのかを、上司がいちいち確認して嫌がらせをするハラスメントです。

テプハラの例

2019年に起こった吉本芸人による闇営業問題で、吉本興業の岡本社長に呼出された雨上がり決死隊の宮迫氏が「お前ら、テープ回してないやろな」とすごまれたことなどが該当します。

テプハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

テープハラスメントの「テープ」とは録音機器のカセットテープやマイクロカセットテープの事です。

エイジハラスメント(エイハラ)

パワーハラスメントの一種で中高年の社員に年齢に対して行なう嫌がらせと、介護施設の高齢者や家庭内での父親に対する差別や嫌がらせがエイハラに当たります。

エイハラの例

役職に就いていない中高年の社員に対し「あの年で」と言ったり、「若くないんだから無理しないで」と言ったりすることがエイハラになる場合があります。

また、特に必然性もなく「30歳まで」といった年齢制限を設けて求人をするのもエイハラです。

エイハラに関連する法律

2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

日本人は海外に比べ年齢を気にしすぎると言われます。

年齢に対する固定観念を変えるのは容易ではありませんが、女性に対してだけでなく男性に対しても年齢のことは言わないように心がけましょう。

ケアハラスメント(ケアハラ)

家族の介護をする社員に対して嫌がらせをしたり、介護休暇の取得を邪魔したりする行為です。

ケアハラの例

介護休暇を認める代わりに降格されることなどが該当します。

ケアハラに関連する法律

育児介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)第十六条の五~第十六条の七が関連します。

ケアハラは高齢化社会において、これから一層深刻さを増すハラスメントと考えられます。

コミュニケーションハラスメント(コミュハラ)

コミュニケーション障害を持つ人にコミュニケーションを強要するハラスメントです。

コミュハラの例

コミュニケーション障害の人に「何とか言えよ」「思っていることを話せ」といった言葉をぶつけることが該当します。

コミュハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

「大人しい」と言っただけでハラスメントなのかと思われるかもしれませんが、コミュニケーション障害の方にとっては話さなければならないと言うプレッシャーが恐怖となり、より話せなくなってしまうのです。

エンジョイハラスメント(エンハラ)

自分が楽しいと思うことを他人にも強要するハラスメントです。

エンハラの例

「この仕事は楽しいよな」というようなことを部下に言って無理に同意させます。

エンハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

新型パワーハラスメント(新型パワハラ)

ジタハラにも似ていますが、上司が部下の意欲を活かせない状況に追い込む行為です。

新型パワハラの例

営業目標を達成するために業務改善を訴える部下に「やってもムダだ」と言って対応しないようなことが該当します。

新型パワハラに関連する法律

パワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

ノルマ達成のためにブラック企業となるのはいけませんが、社員の意欲を尊重しないのも問題があります。

職場で行なわれるパワハラ系ハラスメント11種類を紹介してきました。

ハラスメントには明らかに悪意を持って行なわれる物と無意識に行なわれる物があります。

リスハラやケアハラなどは明らかに悪意を持って行なわれますし、レイハラやパーハラは無意識に行なわれている場合もあり、啓蒙の徹底が求められます。

職場外でのパワハラ系ハラスメント

職場でのハラスメントは時として職場の外に出ても継続されます。

カラオケハラスメント(カラハラ)

パワーハラスメントの一種で、職場での立場を利用してカラオケをしたくない人に強制的に歌わせる行為です。

カラハラの例

カラオケをしたくない人に無理やり歌わせたり、デュエットを強要したりする事が該当します。

カラハラに関連する法律

2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。たかが歌ぐらいと思わず、相手の気持ちを尊重しましょう。

ソーシャルハラスメント(ソーハラ)

パワーハラスメントの一種で、ソーシャルネットワークとソーシャルメディアに関するハラスメントです。

LINEやTwitterなどのSNSにまで職場の上下関係が持ち込まれることが原因でトラブルやストレスになります。

ソーハラの例

自分の投稿に「いいね!」を強要したり、職場の部下に友達申請を迫ったりすることが該当します。

ソーハラに関連する法律

2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

職場の人間のプライベートに踏込みすぎるのはやめましょう。

職場の外で行なわれる2つのハラスメントを紹介しました。

部下の立場からしてみれば、職務時間が終わっても上司に気を使うのは負担になってしまいます。

特にSNSなどはスマホで利用できるため、常に上司に監視されているようで正直息苦しいです。また、のど自慢の方はともかく歌が苦手な方もいます。歌いたくないなら、無理強いはやめましょう。

マタハラ恋愛系ハラスメント

恋愛、結婚、出産、そして育児、いずれもプライベートなことで誰にも口出しして欲しくはありません。

だからこそ色々なハラスメントが生まれています。

マリッジハラスメント(マリハラ)

パワーハラスメントの一種。結婚の英語 “marriage” が名前のもととなっており、結婚を持ち出して嫌がらせをしたり圧力をかけたりする行為がマリハラです。

マリハラの例

未婚者に「結婚に興味ないの?」としつこく尋ねたり、「だから結婚できないんだ」と言ったりすることがマリハラになります。

マリハラに関連する法律

職場で被害に遭った場合、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

結婚するかしないかは個人の自由で、最もプライベートな事柄の1つです。他人が口を挟むことはやめましょう。

パタニティハラスメント(パタハラ)

父親であることをパタニティと言い、マタニティハラスメントの男性版。

パタハラの例

上司や同僚から「忙しいのに育休を取るのか?」など育児休暇を取るのを妨害されたり、皮肉や嫌がらせを受けたりすることが該当します。

パタハラに関連する法律

育児介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)第五条~第十条が関連します。

育児休業を事業主は基本的に拒むことはできません。

育児ハラスメント(イクハラ)

マタハラの一種で、育児休暇を取ろうとしたら非難されたり、退職を促されたりと嫌がらせや不当な扱いをされること。

イクハラの例

育休希望者に対し「子供のためにも会社を辞めて育児に専念したら」という事を言った場合は該当します。

イクハラに関連する法律

職場の場合は、男女雇用機会均等法の第九条や第十一条の二から第十三条 や育児介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)第五条~第十条などが関連します。

女性は育休を取るから雇いづらいという意見がありますが、逆で男性にも育休を与える社会にしなければなりません。育児は母親がするのではなく両親でするものです。

子なしハラスメント

子供のいない夫婦に対し、子供がいないことを批判し不愉快な思いをさせる行為です。

子なしハラスメントの例

「子どもはまだなの?」「ご両親に孫を早く抱かせてあげなさい」などと子供のいない夫婦に言うことが該当します。

子なしハラスメントに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

子なしハラスメントのうち女性に対するものを「ノンママハラスメント」と呼びます。

シングルハラスメント

独身者に対し、結婚に関した言葉で不快な思いをさせる行為を言います。

シングルハラスメントの例

「結婚が女の幸せ」「男は所帯を持って一人前」といった発言が該当します。

シングルハラスメントに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

結婚が幸せという価値観は、すでに通用しない時代になっています。結婚するもしないも個人の判断なのです。

妊活ハラスメント(ニンハラ)

妊活や妊娠のことを不必要に聞く行為です。

ニンハラの例

「結婚して1年になるけど子供は作らないの?」などと質問することが該当します。

ニンハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

特に男性が女性に対して、妊活や妊娠の質問をするとセクハラにもなるのでやめましょう。

2人目ハラスメント(フタハラ)

子供が1人の夫婦に対し、2人目はまだかと尋ねてプレッシャーを与える行為です。

フタハラの例

「やっと1人目のお子さんが生まれたんですか。じゃあ2人目はいつです?」などの発言がフタハラになります。

フタハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

子供を作るかどうかは夫婦の問題です。第三者が踏込むことはやめましょう。

ラブハラスメント(ラブハラ)

恋愛に関する話題で相手を不快にしたり精神的苦痛を与えたりするハラスメントです。

ラブハラの例

「カノジョくらい作れよ」「カレシいないの?」といった、恋愛に関する考え方を押し付けてプレッシャーを与える言動が該当します。

ラブハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連します。

ラブハラは、場合によっては男女雇用機会均等法などにも反する可能性があるハラスメントです。

8種のマタハラ恋愛系ハラスメントを紹介してきました。相手のことを心配して言っている事でもそれは迷惑に感じているかもしれません。

お互い大人なのでプライベートなことは相談を持ちかけられない限り触れることはやめましょう。

飲食系ハラスメント

実はハラスメントには飲食に関わる物も多いのです。ここでは5種のハラスメントを紹介します。

アルコールハラスメント(アルハラ)

飲酒に関する嫌がらせ行為になります。

アルハラの例

本人の体調や意思を無視して無理やり飲ませるなどがアルハラです。

アルハラに関連する法律

アルハラの行為によっては、刑法の強要罪や傷害罪、過失傷害や保護責任廃棄となる可能性があります。

かつては「おれの酒が飲めないのか?」という台詞をよく聞きましたが、もちろんこれはアルハラです。

グルメハラスメント(グルハラ)

自分の食事の趣味を他人に強要する行為が該当します。

グルハラの例

「神戸教師いじめ事件」でカレーが苦手な教師に先輩教師が身体を押さえつけ、無理やり食べさせたのが該当します。

グルハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

ハラスメントとして分りやすくするために「神戸教師いじめ事件」を例にしましたが、この事件は実際には食べさせるだけでなく眼に入れるなど暴力を働いているため、ハラスメントと言うより傷害です。

メシハラスメント(メシハラ)

部下などに対して無理やり食べさせる行為があたります。

メシハラの例

「若いんだからもっと食えるだろ!」などと言って食べることを強要することが該当します。

メシハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

メシハラは「食事ハラスメント(食ハラ)」とも呼ばれます。

お菓子ハラスメント(オカハラ)

いただき物のお菓子を特定の人だけに配らないなどの嫌がらせをしたり、配られたお菓子を半ば強制的に食べさせたりすることが該当します。

オカハラの例

甘い物が苦手でお菓子を食べたくないと言っている人に、「せっかく買ってきたんだから」などと強引に食べさせるのもオカハラです。

オカハラに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は、2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

お菓子を食べたくない人に、食べなければ許されないような雰囲気を作って無理に食べさせるのもオカハラです。

スイーツハラスメント

ダイエット中や甘い物が苦手な人に差し入れをして、その場で食べないと行けない雰囲気を作る行為のことを言います。

スイーツハラスメントの例

ダイエット中という部下に「少しぐらい大丈夫だよ、せっかく買ってきたんだから」と無理に食べさせようとすると該当します。

スイーツハラスメントに関連する法律

場合によってはパワーハラスメントの一種となるため、関連する法律は2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)です。

良かれと思ってやった行動でもスイーツハラスメントになる恐れがあるので注意が必要です。

飲食系ハラスメント5つを紹介してきました。ダイエット中の人にお土産に勝ってきたお菓子を無理に食べさせるとオカハラとスイーツハラスメント、両方に該当すると考えられます。

一見すると飲食系ハラスメントはそれほど深刻に思われないかもしれません。しかし、現在はあまり聞かなくなったもののかつてはお酒の一気飲みで死者がでたこともありますし、アレルギーがある方にグルハラを行なうと命に関わる可能性があります。

飲食系のハラスメントは時に非常に危険です。

その他のハラスメント

スモハラ、ブラハラ、スメハラ、エアハラ、そしてカスハラの5種のハラスメントを紹介します。

スモークハラスメント(スモハラ)

喫煙者が非喫煙者に行う嫌がらせです。

スモハラの例

煙草の煙で非喫煙者に受動喫煙をさせたり、非喫煙者に煙草を吸うことを強要したりする行為がスモハラとなります。

喫煙者が勤務中に「一服」する時間が非喫煙者の休憩時間より長いこともスモハラとなる可能性があるのです。

スモハラに関連する法律

職場での喫煙の場合は健康増進法などが関連します。

喫煙は吸わない人にとっては非常に迷惑な行為です。

ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)

血液型が与える印象で、他人の性格などを決めつける行為です。

ブラハラの例

「血液型占い」の影響で、A型は几帳面、B型は自己中心的などと決めつけるのがブラハラです。

ブラハラに関連する法律

2020年4月から施行される労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)が関連し、場合によっては侮辱罪や名誉毀損罪となります。

周知の事実ですが血液型占いは日本にしか存在せず、何の科学的根拠もありません。

スメルハラスメント(スメハラ)

「臭いがする」の英語 “smell” が名前のもとになっており、臭いによって他人を不快な気持ちにさせる行為。

スメハラの例

一般的に口臭や体臭を対象として考えますが、強すぎる香水や柔軟剤の臭いもスメハラと考えられる場合もあります。

スメハラに関連する法律

直接的ではありませんが労働契約法第五条などが関連します。

エチケットとしても体臭や香水などには気を付けましょう。無意識のうちにハラスメントになっているかも知れません。

エアーハラスメント(エアハラ)

エアコンの温度を過度に下げる・上げるなどする行為。

エアハラの例

節電を理由に猛暑日でもエアコンの使用を禁止したり、温度設定を30度以下にしなかったりすることが該当します。逆に寒がる同僚を無視して温度を極端に下げるのもエアハラです。

エアハラに関連する法律

労働安全衛生法の第七十一条の二などが関連します。

オフィスでどうしても暑いときは小型の扇風機などで工夫しましょう。

カスタマーハラスメント(カスハラ)

明確な定義はありませんが、一般的に店員やカスタマーセンターのオペレーターなどに対し行われる、悪質なクレームなどを指します。悪質なクレームとは、自己中心的で理不尽な要求です。

カスハラの例

「今すぐ家まで商品を持ってこい」「オレはヤクザの親分と知り合いなんだ金を返せ」など、顧客の立場を悪用した、暴言、恫喝、返金、支払い拒否、暴力などが該当します。

カスハラに関連する法律

カスタマーハラスメントの種類や程度にもよりますが強要罪などが関連します。

カスハラは一人で抱え込まず、社内の相談窓口や上司、状況によっては警察や弁護士に相談しましょう。

スモハラやスメハラ、そしてエアハラは無自覚にやりがちなので、避けるためには意識することが必要です。ブラハラもいつの間にか血液型に関する偏見がすり込まれている可能性があります。

繰り返して言いますが、血液型占いに科学的根拠はありません。

この中でカスハラだけは例外で社内の人間ではなく、社外の人間により行なわれます。

こちらに関しては一人で抱えずに相談すべき場所に相談しましょう。

ハラスメントの落とし穴

日本ではやっと多くのハラスメントが認識されるようになってきました。

そのせいかハラスメントに敏感になり過ぎる企業や上司もいます。

そこにつけ込むように現われたのが『ハラスメントハラスメント』です。

ハラスメントハラスメント(ハラハラ)

「ハラスメント」という言葉を濫用する社員が、経営者や上司を困らせる行為がハラハラです。

ハラハラの例

「お子さん、いくつになったの?」と部下に聞いたところ、その部下が私生活に踏み込まれたと社内の相談窓口に訴えました。さすがにこれはハラハラです。

参考サイト:「ハラ・ハラ社員」が会社を潰す 講談社+α新書

ハラハラの対策

数十年前の日本では男性の上司が部下の女性の身体に触っても、あまり問題視されませんでした。

しかし、現在は今まで見逃してきたハラスメントを認識し、改善する方向へ社会が動いています。

とは言えここで紹介したとおり、ハラスメントは40以上あり、これから新たなものが追加される可能性もあります。

これらすべてに対処しようとしても一朝一夕には行きません。そのためハラスメントかどうかハッキリ分らない部分がでてしまい、そこを一部の社員がハラハラとして利用します。

ハラハラを防ぐには、どのような言動がハラハラを含めたハラスメントになるかを、すべての社員に繰り返し周知することが第一です。

そしてハラスメントが起きた場合、どのような処分になるのかを明確にし、企業としてハラスメントを認めない態勢を築かなければなりません。

ハラスメントのない職場に

ハラスメント41種を紹介してきました。ハラスメントを無くすために重要なのは上司も部下も、すべての社員が相手の気持ちを思いやる心を持つことです。

ただし一方的に思っても自己満足に過ぎないため、ハラスメントが何かを学び続ける必要があります。

ハラスメントは社会の変化により新しいものが生まれます。例えば働き方改革で生まれたジタハラや、ハラスメントに対する意識の高まりで発生しているハラハラが該当します。

ハラスメントの職場にして維持するためには社員全員の不断の努力が必要です。