会社に勤めて数年が過ぎると、徐々に昇進し中には管理職になる方もいます。
管理職とは、労働基準法でいう労働監督者のことで、一般的な企業では課長以上の役職に就く方を指します。
皆さんのなかには、管理職に対して「ある程度の部下と決裁権を持ち、年収が高い地位」といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ですが、一部では管理職になって年収がダウンしたという声もあり、管理職に昇進したすべての方の年収が上がるわけではないのが現実です。
なぜ、管理職の年収はアップ・ダウンがあるのでしょうか。
具体的にどのような場合に年収がアップ・ダウンするのか、企業の規模なども考えながら平均年収について詳しく解説していきます。
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管理職になると年収はアップする? ダウンする?
企業には入社したからには昇進を目標にする方も多く、年収がアップするのを前提に、自らの人生設計を立てている方もいることでしょう。
一般社員でもある程度の年収は期待できますが、役職に就いたり部下を持ったりすることに憧れる方も多いです。
近いうちに管理職への昇進のチャンスがあり、年収がどれくらいアップするのか、ダウンしないだろうかと不安と期待が入り混じった気持ちでいる方も少なくありません。
そこで、管理職になり年収がアップするケースとダウンするケースについて紹介します。
管理職になると諸手当が付かなくなり実質的な年収がダウンすることがある
管理職になると、労働基準法では労働監督者となり、労働時間・残業・休日出勤・休憩・休日などが労働基準法の規定から外れることを知っていますか。
簡単に言えば、残業や休日出勤をしてもその分の手当てがもらえなくなるのです。
毎日のように残業があり月間の残業時間が多めの企業の場合、その分の手当てが一切なくなるため、管理職に昇進しても変わらず残業をしている方は実質的に年収がダウンすることがあります。
また、年収は上がらないのに仕事量や責任は増えていくことに悩む管理職の方も多いです。
これまでと同じくらい残業をしても年収がダウンして、おまけに仕事量や責任まで増えるなら管理職にならない方が良いのでは?と思う方もいることでしょう。
ですが、これはあくまでも残業が多い企業の話です。
残業がさほど多くない企業では、管理職になったタイミングで年収が増える方ももちろんいます。
諸手当がつかなくても年収がアップする管理職がほとんど
管理職になると基本給やボーナスがアップして、役職手当が付くため年収がアップすることが一般的です。
一般社員の手当ては残業や休日出勤をしなければもらえませんが、役職手当は残業をしてもしなくても毎月もらうことができます。一般社員のときのように、残業や休日出勤などの観点から見れば手当がなくなりますが、管理職には役職ごとの役職手当が付きます。
企業によって役職手当の金額は異なるものの、基本給とボーナスの合計で比べると管理職の方が年収はアップすることが多いのです。
権限なし部下なしの名ばかり管理職の年収はどうなる?
管理職(管理監督者)には、部下と決裁権が与えられるのが一般的で、部署を統括するリーダー的な立場やその他の権限も持つようになります。
<例>
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管理職の中には、これらの立場や権限を持たない名ばかり管理職が存在し、その場合の年収は本来の管理職よりもぐっと低くなります。
日本ではこのような名ばかり管理職が多く、残業代や休日出勤の手当てを支払わずに済む社員として扱われることもあります。
管理職(管理監督者)と名ばかり管理職の違い | ||
管理職(管理監督者) | 名ばかり管理職 | |
出退勤 勤務時間 | 自分で自由に決めることができる | すでに決められていて自分では変更できない |
責任 権限 | 会社の経営方針に関係する会議内で 意思決定に関する発言が可能 役職によっては社員を採用できる権限がある | 経営方針に関係する会議にすら出席できない 自分の意思決定で社員を採用できない |
待遇 | 一般社員より多い金額の給与をもらう (役職手当など) | 一般社員と変わらないか、役職手当が付いたとしても数万円程度 |
管理職になって年収アップを目指すには? 必要なスキルを3つを解説!
管理職は一般社員と違って、業務を遂行することのほかに様々なスキルを求められます。
中でも重要なのが部下を育成することと、組織のマネジメントをすることで、職位により求められる内容が異なります。
これらの必須スキルの解説には、1955年にハーバード大学でロバート・カッツ教授が発表した「カッツ理論」が良く用いられるので、ここでは管理職に必要な人材スキルもカッツモデルを参考に解説していきます。
テクニカルスキル
テクニカルスキルは、業務を遂行するのに必要不可欠な知識や技術に関する能力・熟練度のことをいいます。
毎日の業務の中で、現場に近い管理職ほどテクニカルスキルを求められる傾向が強く、業種や職種によって求められるテクニカルスキルは異なります。
代表的なテクニカルスキル
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勤める企業や担当する業務単位で必要なレベルに達しているかを問われます。
社内研修が多い企業では、自社のレベルに達するよう定期的または入社時から教育し、独自の試験を行うことでテクニカルスキルを評価することがあります。
テクニカルスキルを高める方法
テクニカルスキルは管理職が自分のために利用するのではなく、部下の人事査定を適正に評価するためのものです。
部下の能力を適正に評価することは、それぞれの長所や短所を踏まえた業務の遂行・組織運営を行うことにつながります。
では、このテクニカルスキルを高めるにはどうすれば良いのでしょうか。
その有効な手段として一番に挙げられるのが、トレーニングを行うことです。
職場内なら「OJT(On the Job Training)」という職場内訓練や企業内教育などと呼ばれる、業務に精通するベテラン社員からの指導が有効です。これらはマンツーマンで行われることもあり、比較的取り組みやすいでしょう。
また、管理職は実務以外のテクニカルスキルも取り入れると良いので、職場の外で行われるトレーニングも受けることもおすすめです。
職場外または他社の「Off-JT(Off-the-Job Training)」を学ぶことで、部署内への汎用性や専門性を見出すことにも役立つでしょう。
業務に追われて時間がない方や、自分のペースで進めたい方には、eラーニングが有効です。
スマホやiPadに対応するものもあるので、自社でeラーニングを導入しているならどんどん活用するのが良いでしょう。
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルは、円滑に業務を遂行するために部下1人ひとりを観察・分析し、個々に合わせた働きかけをする能力を指します。
- コミュニケーションスキル
- 調整力
- 理論的思考力(理論立てて整理して説明する力)
- コーチングスキル(目標達成手法)
- リーダーシップ(率先して見本になる力)
- プレゼンテーション力(考えを正確に伝える力)
- 交渉力
- 向上心
- ファシリテーションスキル(スムーズに業務や会議を進行する能力)
職場では部下との会話がスムーズならそれで良いのではなく、部下一人一人の話に耳を傾け、本音を聞き出すことが大切です。言葉で話すコミュニケーションスキルに加えて、最近はテレワークやメールのみのやり取りが増えているので、文章を書くときの言葉の選び方や文面から本心を読み取る力も必要でしょう。
また、部下の中には価値観が異なる部下もいるため、意見の対立が生じたときは調整する能力も必要になります。管理職として単に対立を鎮めるのとは異なり、両者の本音を聞き出して部署や企業にとって最善の方向に導くことが重要です。
部下が多い管理職の方には論理的思考(ロジカルシンキング)が役立ちます。人は集団になると感情的になりやすく、正しい判断ができなくなる傾向にあります。そういったときほど、状況を客観的に見ながら分析する能力が必要なのです。
コーチングスキルは、指示や知識を一方的に与えるのではなく、部下が自発的に目標を達成できるように働きかけるスキルのことをいいます。部下の考えに寄り添いつつモチベーションを維持できるようサポートするスキルです。
リーダーシップというとグループや組織をまとめるイメージがありますが、管理職で言うリーダーシップは少しニュアンスが異なります。管理職自らの言動が部下の良い手本となることや、重大な決断が必要なときに的確な判断ができることを目的としています。
さらに、プレゼンテーション力は、自分の考えをわかりやすく伝える能力を指し、部下にプロジェクトの方針を伝えるだけではなく、経営陣に現場の状況を伝えるときにも必要です。
また、管理職には、どんな相手にも自分の考えを正確に伝えることが求められます。
これからの管理職が目指すべき姿
これらのヒューマンスキルは、日本経済の変化と共に注目を集めています。
これからますます個人の価値観が多様化していくことを考慮すると、今後の管理職には個人を尊重しながら達成できるようなマネジメントが求められるでしょう。
終身雇用が中心だったころと比べて、人間力が試される時代へと変わりつつあります。
企業の利益を向上させるために人材育成が必要不可欠な昨今、1人ひとりの人柄を知りそれを受け入れた組織作りが欠かせないのです。
ヒューマンスキルを高める方法
ヒューマンスキルは、人柄や特性を理解するスキルのため研修などのトレーニングでは高めることが難しいスキルです。
では、どうやって高めていくのかというと、日ごろから1人ひとりと向き合うことが有効です。
- 自分
- 他人
- 状況
- 人間
これら4つに重点を置いて考えることをおすすめします。
自分を理解することは、長所や短所のほか本心や行動の理解に繋がります。
他人からの指摘やアドバイスを受け入れて、自分を直していけるのか、またその姿勢があるのかも知ることができ、自分への課題発見のきっかけになるでしょう。
他人を理解することはコミュニケーションの基本であり、相手の言動から気持ちや考えを汲み取るのに必要不可欠な行為です。
これらを踏まえて状況を把握すれば、客観的な立ち位置で発言し、部下とアイディアや意見をすり合わせることも可能になるでしょう。
人間を理解するということは、1人ひとりの長所・短所を受け入れて異なる価値観を理解することにつながります。
1人ひとりの部下に適した現場に配置する、適した仕事の担当にするなど業務にも直結するところです。
これら4つの理解を意識しながら積極的に人と関わることで、ヒューマンスキルを高めることができます。
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルは、取り組む課題の最も重要な部分を見極めるスキルのことで、管理職の中でも経営陣に求められるスキルです。
- 理論的思考力(理論立てて整理して説明する力)
- 水平思考力(自由な発想力)
- 批判的思考力(物事を分析的にとらえる力)
- 多面的視野
- 柔軟性
- 受容性
- 応用力
- 洞察力
- 探求心
- 知的好奇心
- 直感力
- 俯瞰力(全体を見渡す力)
- 先見性
さまざまな能力が必要とされるものの、これらの能力は全体的に元々持っている能力を発揮することが多く、努力して高めることが難しい傾向にあります。
コンセプチュアルスキルを高める方法
コンセプチュアルスキルに必要な能力は多岐にわたり、一つひとつを高めることは難しいものがあります。
そこで、コンセプチュアルスキルに必要な能力を、この5つに分類して考えて、一つひとつ高めていくことを提案します。
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1度にすべてを高めるのは大変なので、1つずつ段階的に高めるのが良いでしょう。
もしも、社内にコンセプチュアルスキルを高められる研修がないときは、社外の外部研修を取り入れるのも良い方法です。
業界によって管理職の年収は違ってくるの?
管理職とひと口に言っても、業界が違えば年収にも差があることを知っていますか。
同じ課長でも、業界をまたぐと200~300万円も年収の差があり、差額300万円ともなれば一般社員1人の年収に近い金額です。
課長の年収を比較すると、最も高いのは外資系で、企業によっては年収が1500万円に達するところもあるようです。
次いでIT系・金融・保険・証券・医薬品では、外資系に比べてやや金額は落ちるものの高年収となっています。
最も年収が低いのは飲食業などのサービス業全般で、サービス業は全体的に景気や天候が売上げに影響しやすく、年収300万円台の課長もめずらしくありません。
外資系 | ~1,500万円 |
IT系・金融・保険・証券・医薬品 | 600万円~800万円 |
教育・製造・建設・運輸・飲食・接客 | 300万円~500万円 |
管理職の平均年収を調査! 大手企業と中小企業の違いについて
管理職の平均年収は企業の規模によっても異なり、国内企業の課長で比較してみると、279万円も差があります。
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また、大手企業で課長の年収が高いのは、下記のようになり、大手企業になると業界も金額もかなり違うことがわかります。
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中小企業の場合は下記の通りになります。
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大手と中小のコンサルティング業を比べると約300万円の差があることがわかります。
この課長の平均年収を見ると、管理職を目指すなら大手企業の方が良いと感じますが、大手企業で課長に昇進できるのはほとんど40代後半です。
対して中小企業では30代後半と約10歳若く・早く課長になれるので、中小企業の方が早く高年収を得られるメリットがあります。
管理職に昇進後も自身のスキルアップは必須!
管理職に昇進を果たし、増えた給与やボーナスに満足している方もいることでしょう。
管理職の職位は、5つにわけるとこのようになります。
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上の職位を目指すなら管理職に昇進した後も自分自身のスキルアップが必要です。
また、多岐にわたり求められるスキルの中でも特に力を入れたいのが、この3つです。
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管理職のスキルアップは、勤める企業や組織の業績アップにも直結するため、気を抜かずにしっかり取り組んでいきましょう。
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