転職活動の悩みの1つが服装がです。

今までの仕事でスーツを着ていないからといってカジュアルな服装で面接には行けず、新卒や第二新卒と同じリクルートスーツではせっかく積んだ経験をアピールできません。

このように服装は色々気を使うのに、靴にはこだわっていない方、案外多いのではないでしょうか。

今回は転職活動向きの靴の選び方や反対に履いてはいけない靴、そして靴の手入れの仕方などを詳しく紹介します。

転職活動時の靴の選び方

「面接官は足下なんてそんなに気にしていないでしょ?」と思われるかもしれませんが、足下を見ればその人がわかると言われており、採用担当者は意外に靴をチェックしています。そのため靴の種類や状態によってはマイナスイメージを与えかねません。

そこで転職活動に相応しい靴の選び方について考えていきます。

革靴が基本

就職活動の面接においてスニーカーなどの履きやすさ重視の靴はNGです。基本は男女共に本革の靴で、落ち着いたものまたは重厚感のあるものを選びましょう。予算の関係で合成皮革の靴にしなければならない場合は、本革に近い質感の物など素材感を大切にしてみたください。

先端が尖りすぎている形は不可

シャープな形の靴は面接の場では誠実な印象を阻害する恐れがあるため、男女を問わず先端が尖りすぎていない形がおすすめです。

見た目を綺麗にする

スーツ同様、清潔感が大切になります。靴自体が汚れていたり傷んでいる場合はなるべく磨いたり、かかとがすり減っているなら補修をしておきましょう。修復が難しい場合は新品に買換える必要があります。

転職活動に使用する靴はブランドものでなくても構わないので、まずは見た目が綺麗であることが重要です。

転職活動で履くべき靴は本革か本革に見える合成皮革の靴で、先が尖りすぎておらず、きちんと手入をしてあることが大切です。

男性が選ぶ靴のポイント

男性が革靴を選ぶポイントは3つあります。

ポイント1. 基本は革か合成皮革の紐靴を選ぶ

ローファーなどの靴紐がないシューズはファッション性が高く、場合によっては軽い印象を与えてしまう恐れがあります。フォーマルな靴の形ではないため転職の面接ではふさわしくありません。そのため紐のある革靴を選びましょう。

ポイント2. 色の基本は黒かこげ茶色

色はスーツの色にもよりますが基本は黒かこげ茶色です。キャメル色などの明るい色は個性が強いので面接向きではありません。

スーツと靴の色組み合わせ一覧

スーツの色

革靴の色

黒のスーツ

黒の靴

紺のスーツ

黒の靴

こげ茶色の靴

グレーのスーツ

黒の靴

こげ茶色の靴

茶色のスーツ

こげ茶色の靴

ベージュのスーツ

こげ茶色の靴

表のような色の組み合わせが一般的に転職時の面接に相応しいとされます。

ポイント3. 装飾が少ない物を選ぶ

革靴のデザインはストレートチップ、Uチップ、そしてプレーンドゥはどれでも面接で履いていても問題ありません。しかしウィングチップは装飾が派手になるので避けましょう。

デザイン名

説明

◎プレーンドゥ

つま先に装飾がないデザイン。

◎ストレートチップ

つま先に横一文字のステッチ(ライン)が入ったデザイン。

◎Uチップ

つま先にU字型のステッチが入ったデザイン。

✕ウィングチップ

つま先に翼のような形のステッチが入ったデザイン。

靴のデザインも他の転職活動の注意点と同じくファッション性が高い物を選ばないのが基本です。

男性向けの靴下についても確認しておきます。

靴下は黒かスーツの色に合わせる

靴下は靴かスーツの色に合わせつつ、柄は無地かワンポイントで刺繍があるような落ち着いたデザインのものを選びましょう。赤や緑といった原色や柄物はたとえ好みであっても避けるようにしてください。

転職活動で面接をする際には落ち着いた雰囲気の靴下と革靴を履くことをおすすめします。

女性が選ぶ靴のポイント

女性が選ぶべき靴のポイントは4つあります。

ポイント1. 基本的にパンプス以外はNG

女性がスーツで面接を受ける場合、パンプスを履いて行くのが基本です。つま先が尖っておらず、シンプルな形なものを選びましょう。また、パンプスであってもヒールが細すぎるピンヒール、つま先が開いているオープントゥのような靴は不適切なので注意が必要です。

ポイント2. 色はスーツに合わせる

靴の色は男性と同様、スーツの色に合わせるのが定番。ただし男性のように黒やこげ茶色だけでなく、ベージュや淡いピンクのようなペールカラーでも、スーツに合っていて全体に統一感があれば問題はありません。

ポイント3. ヒールの高さは5cm以下

パンプススタイルでは、ヒールは5cm以下が高さの目安となりますが、大切なのはいかに自分の脚をきれいに見せるかです。

背の高い人はこれ以上身長を高く見せたくないことから低めのヒールを履きがちですが、身長が低い人ほど低めのヒール、高い人ほど高めのヒールを履く方が脚は美しく見えます。

ポイント4. ヒールは太めが良い

ヒールが細い物はデザイン性が高く、歩きにくくて転んでしまう可能性もあるため、太めのほうが良いとされています。

次にストッキングについても確認しておきましょう。

ストッキングの色はベージュ

パンプスを履く時はストッキングが必須、面接ではベージュのストッキングを選ぶのが無難です。

ベージュだからいって柄が入っていたり、網タイツにしたりすることはせず、ベーシックなタイプを選んでおきましょう。

 

パンプスの色は転職活動で身に付けるスーツの色に合わせ、高さは5cm以下を基準に実際に履いてみて自分の脚が1番美しく見える高さが適切といえます。

ローファーは面接では履いてはいけない?

ローファーとは靴紐のない革靴のことです。『男性が選ぶ靴のポイント』でも触れましたが、一般的に男性が面接を受ける際に履くのは紐のある革靴とされています。

ではどうしてローファーは履いてはいけないのでしょうか?

ローファーを面接時に履いてはいけない理由

紐がない分シンプルに見えるためローファーはフォーマルだと勘違いする方もいます。しかしビジネスの世界ではカジュアルな靴と考えられており、面接に履いていくとビジネスマナーを理解していないと判断され評価が下がる恐れがあるのです。

ただし例外もあるのでその場合は履いていってもOKです。

ローファーが面接で許容される場合

ローファーを履いてもいいのは私服可の面接です。

私服が指定されているカジュアルな面接はフォーマルな靴を履いてしまうと靴だけ浮いてしまうため、紐靴よりもローファーのほうが好印象を採用担当者に与える場合があります。

内定後は企業の方針に従う

内定後面談や内定者懇談会、そして内定者研修はスーツ着用の場合なら紐靴のほうが良いですが、カジュアルな服装で行く場合はローファーで問題ありません。

 

このようにローファーはカジュアル寄りなので転職活動をするなら靴紐のある革靴を用意しておきましょう。

面接前にする靴の準備

面接に履いて行くべきなのはどのような靴が良いかを確認してきました。靴を選んだら次に必要なのは面接本番に向けた靴の手入れです。

傷や汚れのチェック

ヒールはすり切れていないか、革靴に傷はないか、汚れていないかなどを確認します。

特に革靴には汚れや傷などが付きやすく、きれいにしていない靴を履いているとだらしない印象を採用担当者に与える恐れがあります。また保管状態が良くないと本革はカビが生えるので、必ずチェックをしておきましょう。

面接前には靴磨きを

面接にはピカピカの靴で臨みたいですよね。そのためには面接前の靴磨きを怠ってはいけません。プロに頼むのがベストですが、転職の面接が一度で済むとは限りませんし、その度に靴磨きをするとお金も掛かってしまいます。

そこでおすすめしたいのは道具をそろえて自分で磨くことです。面接が終わった後も自分で手入れをすれば革靴を長持ちさせることもできます。

靴磨きの道具

それでは靴を磨くために必要な道具を確認します。

道具1. 専用ブラシ

革靴磨き用のブラシには馬毛を使用した物と豚毛を使用した物があります。ホコリを落とすのは毛先が柔らかく表面を傷付けにくい馬毛のブラシを、仕上げには硬めの豚毛ブラシを使います。

道具2. 柔らかい布

クリーナーを塗るために柔らかい布が必要です。専用のクロスも販売されていますが、自宅にある布でも代用できます。

道具3. クリーナー

革靴の汚れを落とすための専用クリーナーです。

一口にクリームと言っても、色落ちしにくいもの、傷がつきにくいものなど種類によって効果が違うので、用途に併せて選ぶようにしましょう。

道具4. クリーム

革靴の表面にツヤと水分を与えます。

革は時間が経つにつれて乾燥が進み色あせやひび割れを起こしやすくなるので、それを防ぐためにクリームを塗ります。

道具5. シューキーパー

シューキーパーとは、木やプラスチックで作られた靴にはめこむ道具です。革靴の中に入れると手入れをしやすく、履かないときに入れておけば型崩れを防げます。

 

靴磨きをするにはこのような道具が必要になります。シューキーパーについては無くても大丈夫ですがあると便利です。

靴磨きの手順

靴磨きの道具を確認したところで今度は具体的な靴磨きの手順を紹介します。

手順1. ブラシでホコリを落とす

始めに靴の表面に付いたホコリを馬毛ブラシで落とします。

手順2. クリーナーで汚れを落とす

クリーナーと布を使って汚れを落としていきます。革の奥の汚れまで落とすため数回繰り返してください。革に傷を付けないよう軽い力で汚れを落とします。

手順3. クリームを塗る

革靴のツヤを出すためにクリームを塗ります。クリームは米粒2つか3つ分程度の量を取り、つま先やかかとから全体に伸ばしていきます。

しわになっている部分にも塗り忘れがないように注意しましょう。この際に使用するのはブラシでも布でも構いません。

手順4. 靴全体にブラシをかける

豚毛のブラシを使用して強めに靴全体をなでます。こうすることでクリームの塗りムラが消え、仕上がりが良くなります。

 

この手順で面接前に靴磨きをしておきましょう。面接が終わってしばらく使わないのなら、しまう前にホコリと汚れは落としておくと次に使うときに手入れがしやすいです。

すり減っていたら修理に出す

革靴のかかとやパンプスのヒールなどがすり減っている場合は早めに修理に出しておきましょう。いくらキレイに磨いても底がすり減っていてはみすぼらしく見えてしまいます。

 

面接で足下をチェックしている採用担当者は多いと言われるので、靴のチェックとメンテナンスはしっかりとしておくのがマナーとなっています。細かいところですが面接での失点を減らしていきましょう。

歩き方のマナー

それではピカピカにした革靴やパンプスを履いたらどのように歩けば良いのでしょうか。面接会場での歩き方について注意点をお伝えします

注意点1. 背筋を伸ばす

面接時の基本の歩き方は背筋をピンと伸ばすことです。さらに、歩き出す前に面接官や面接会場に案内してくれる人に顔を向けて視線を合わせることで、歩き出す前から良い印象を与えることができます。

注意点2. 歩幅の目安

面接会場に案内してくれる方の歩幅に合わせましょう。案内してくれる方はその会社で働いているのでお手本になります。

注意点3. 足音

会社によっては面接専用の部屋を用意せずに仕事場で行なうところもあります。特に静かな職場では足音が大きいと仕事の邪魔になる恐れがあるため気を付けましょう。

パンプスは特に注意が必要

女性の場合、ヒール部分と床との接触面が男性より狭くなってしまうため、ヒール部分に問題がなくても歩く時にカツカツと音がしやすいです。

ヒール部分のすり減りを修理せずに靴の内側にある固い素材が表に出た状態で歩いてしまうと、より音が出てしまいます。またサイズが合っていないことで靴と足のすき間が生まれ音が出ることもあります。そのため靴はサイズが合う物を履いて行きましょう。

靴のサイズを合わせるコツ

革靴を選ぶときは自分の足の大きさのプラス5mmくらいを目安にしましょう。足のサイズが左右で違う場合は、大きい足にサイズを合わせて小さい足のほうにインソール(中敷)を入れて調整します。

歩幅を広くしすぎない

緊張すると人の歩幅は広くなりがちで、そうすると足は高く上がってしまうため接地の際に音が大きく出やすいです。正しい歩幅は自分の肩幅が目安となり、肩幅より大きくならないように歩くと音が立ちにくくなります。

気を付けないといけないのが歩幅や音を気にしすぎてしまうと、目線が下に向いてしまうことです。うつむいていると自信なさげで暗く見えてしまいます。

そうならないために目線は正面を見た位置で歩くよう心がけましょう。

靴を見ればその人がわかる

転職活動では新卒の時のフレッシュな気持ちを忘れ、服装やマナーを軽視する傾向があります。もちろん社会人として経験を積んでいるため、全く同じであってはいけません。しかし服装やマナーも社会人として大切な物なので重視する必要があります。

特に靴は採用担当者がチェックしている可能性が高いのでスーツ同様キレイにしておかなければなりません。もちろんかかとやヒールが減っていたら修理をしておき、痛みがひどければ買換える必要があります。靴には使用者の性格が出る物です。

実績や年齢を重ねても、面接では靴や小物を含めた見た目がチェックされていることを忘れないようにしましょう。