仕事においてどのようなことにストレスを感じますか?

「仕事量が多い」「責任ある仕事を任されている」「残業が多い」などの仕事に直接関わることや、人によっては「通勤時間が長い」「毎朝、満員電車に乗るのがつらい」など通勤に関してのストレスもあることでしょう。

このページでは、後者の「通勤」に焦点を当て、「平均的な通勤時間と理想の通勤時間について」また、「通勤時間と幸福度の関係」「通勤時間を有意義に過ごす方法」などを解説していきます。

通勤時間の平均は?

皆さんは通勤にどれくらいの時間をかけているでしょうか?

それぞれの通勤手段や居住地などよっても通勤時間は変わってきますが、総務省統計局の調査によると全国の通勤時間の平均は往復で1時間19分(片道約39分)といわれています。

また、県別にみてみると、平均通勤時間が長い県の上位は神奈川県・千葉県・埼玉県と東京都に近い3県となっており、平均通勤時間は1時間30分以上となっています。

 

平均通勤時間が長い県
1位:神奈川県1時間45分
2位:千葉県1時間42分
3位:埼玉県1時間36分

 

一方、通勤時間が短い県は、大分県・青森県・秋田県・島根県・鹿児島県と続き、どの県も平均通勤時間は1時間以内となっています。

平均通勤時間が短い県
1位:大分県57分
2位:青森県58分
3位:秋田県58分
4位:島根県58分
5位:鹿児島県58分

 

上記の県別の平均通勤時間をみると、関東圏の通勤時間が長めであることがわかります。

また、特に神奈川県・千葉県・埼玉県は電車などで首都圏に通勤できる距離にあるため、通勤時間が長くなると考えられます。

通勤時間の理想の長さ

では、平均通勤時間が1時間19分であるのに対し、理想とする通勤時間はどれくらいなのでしょうか。

一都三県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で賃貸で一人暮らしをしていて、電車で都内に通勤をしている20代から30代会社員を対象にした「電車通勤」の調査を例に挙げて見ていきましょう。

・現在の自宅から会社までの通勤時間の平均は47分

・通勤時間短縮のために引っ越しをしたいと考えている人は42.5%

・理想の通勤時間は29分

結果は以上でした。

このことから、理想の通勤時間は29分程度であり、できれば通勤時間が短い方がよいと考える人が多い傾向にあることがわかります。

通勤時間の長さ別メリット・デメリット

理想の通勤時間が約29分であることから、通勤時間は短い方がよいと考える人が多いことがわかりましたが、通勤時間が短い方が良い場合、自宅から会社まで10分、15分の方が理想なのではないでしょうか。

多くの人が自宅から会社まで約29分の距離が理想と考える背景を知るためにも、通勤時間が短い場合と長い場合のメリット・デメリットをみていきましょう。

通勤時間が短い場合のメリット

忘れ物や寝坊などの問題が起きたとしてもすぐに対応できる

通勤時間が短い場合、万が一忘れ物や寝坊をした場合に臨機応変に対応できるメリットがあります。

また、出勤中に体調不良になった際などにも自宅が近ければ、すぐに帰宅することができるため、何かトラブルがあった時のことを考えると通勤時間は短い方が安心といえるでしょう。

出張前に会社に立ち寄り準備することも可能

仕事で出張がある場合、一度職場によって最終確認や準備をしたいと思う方もいることでしょう。

自宅が会社の近くであると、出張の前に会社に立ち寄って必要な準備をすることができるメリットがあります。

朝や夜の時間を充実させることができる

通勤時間が短いと、朝出勤する前や帰宅後の夜に時間に余裕があるため、朝のランニングをしたり、夜に趣味を楽しんだりと、プライベートの時間を充実させることができます。

また、朝バタバタと準備して出社するよりも、余裕をもって朝食を摂り気持ちに余裕がある状態で出社する方がストレスが少なく、より集中して業務に取り組むことができるでしょう。

通勤時間が短い場合のデメリット

残業、休日出勤が増える場合がある

自宅が会社から近い場合、すぐに会社に行けるため、残業や休日出勤が増える可能性があります。

「〇〇さんは家が近いから残業できるよね」というような風潮が出来てしまうと、残業や休日出勤を頼まれる回数も増えてしまうことになりかねないため、自宅から会社まではある程度の距離があった方がよいでしょう。

会社に近すぎるとオン・オフの切り替えがしにくくなる

会社が近いと、家を出てから時間が少ないため、オン・オフの切り替えがしにくくなるデメリットがあります。

ある程度の通勤時間があると、通勤している時に気持ちを仕事モードに切り替えることができるので、職場から自宅までは、近すぎず通すぎずの距離が理想といえるでしょう。

通勤時間が長い場合のメリット

通勤時間に仕事モードへ切り替えることができる

通勤時間が長いと、通勤の間に仕事の予習をしたり、自己啓発の本を読んだりなど、仕事モードに切り替える時間を確保することができます。

特に休日明けなどはオン・オフの切り替えがしにくい傾向にあるため、通勤時間に切り替えができることは大きなメリットといえるでしょう。

通勤時間を自分のスキルアップに充てることができる

通勤時間が長いことの大きなメリットは、通勤時間に勉強や読書など、自分のスキルアップなどに時間を充てることができる点です。

また、帰宅時にはスマホで映画をみたり、ゲームをしたりなどリラックスする時間にすることもできるため、通勤時間が長い方は、その時間の過ごし方が重要となるでしょう。

通勤時間が長い場合のデメリット

睡眠時間が短くなる

通勤時間が長く残業などがあると、睡眠時間が短くなるおそれがあります。

そのため、通勤時間が睡眠時間となってしまう方もいるのではないでしょうか。

もちろん通勤時間を睡眠時間に充てるのもよいですが、やはりしっかりと自宅で睡眠時間を確保することが心身の健康のためにもよいでしょう。

帰宅した後の余暇などのプライベートの時間が切迫する

通勤時間が長いと仕事後のプライベートな時間も短くなります。

プライベートの時間が少なくなると、気持ちがリラックスできる時間も同様に短くなるので、ストレスがたまりやすくなってしまいます。

仕事とプライベートを充実させたい方は、通勤時間を短くすることを考えた方が、仕事も趣味も充実させることができ、精神的なストレスも減らすことができるでしょう。

職場は近すぎず遠すぎない距離がおすすめ

前述で紹介した通勤時間が短い場合と長い場合のメリット・デメリットを踏まえると、職場から近すぎず遠すぎない距離に自宅があり、通勤時間は30分以内が理想であるといえます。

そのため、これから引っ越しを考えている方や仕事を探している方などは、通勤時間の長さにおけるメリット・デメリットを頭に入れた上で、自宅や職場の選択をすることをおすすめします。

通勤時間とストレス、幸福度の関係

毎日当たり前のように過ぎていく通勤時間ですが、その時間はその人の幸福感やストレス度にかかわる程大切な時間でもあります。

しかし、すでに「毎日満員電車に乗っていくことがストレス」「通勤時間が長くて心身の疲れがとれない」などの悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

実際に、この通勤時間と電車の混雑度はストレスや疲労に大きく関わっていることが健康学的な研究によって証明されているので、それらの研究結果を元に、通勤時間や混雑度とストレスの関わりについて解説していきます。

乗車時間が長いと慢性疲労化しやすい

国土交通省が2005年に実施した調査「交通の健康学的影響に関する研究」によると、乗車時間が長くなると、血中アシルカルニチン濃度が低下し、慢性疲労化しやすいことが証明されています。

このことから、電車の乗車時間と混雑度はストレスや疲労に大きく関わることがわかります。

参考:国土交通省 「交通の健康学的影響に関する研究」

通勤時間が短いほど自己肯定感が高い傾向にある

ザイマックス総研の調査によると、「職場で上司と同僚とよい人間関係を築けている」「勤務先の利益に貢献していると感じる」などの項目では、通勤時間の長い人たちよりも短い人たちの方が回答数が大きく上回っていました。

このことからも、通勤時間の短い人たちの方が自己肯定感や自己効力感が高い傾向にあることがわかります。

参考:ザイマックス総研「首都圏オフィスワーカー調査2019」

通勤時間が長い人ほど幸福度が低い傾向にある

アメリカの世論調査会社ギャロップの調査では、通勤時間が長い人ほど幸福度が下がることが証明されています。

通勤時間に比例して不安やうつが増長する

富士大学の研究では、通勤時間と身体的な症状・不安・うつ症状には相関関係があることが証明されています。

通勤時間と身体的症状・不安・うつとの間には、それぞれ正の相関が出ており、これは通勤時間が長くなればなるほど、身体的不調・不安・うつが増長するといえる。

(通勤時間(分)をみると、身体・不安・うつの項目との間に、それぞれr=0.197・r=0.204・r=0.249の相関がある)

参考:「看護師のストレス要因とコーピングとの関連ー日本版GHQ30とコーピング尺度を用いてー」

満員電車で混雑度が高いとストレスを高め認知機能にも影響する

通勤時間は短い方がストレスが少ない傾向にありますが、例え通勤時間が短くても満員電車で混雑度が高い状態で通勤をしている場合は、日常のストレス度を高め、認知機能にも影響を及ぼしてしまうこともあります。

参考:国土交通省 「交通の健康学的影響に関する研究」

通勤時のストレスは健康を考えるなら無視できない

通勤時間が長くなりすぎるとストレスが増えていきますが、さらに通勤ラッシュのような混雑する時間の電車を利用することになるとストレスはかなり高くなります。

「我慢しなくちゃ」と考えてしまいますが、あまりにも毎回電車に乗るのが憂鬱になるなら会社に近い場所への引っ越しなども検討してみましょう。

通勤時間の理想の過ごし方

前述で、いくつかの研究結果を元に、通勤時間や混雑度がストレスや幸福度に影響することがわかりました。

また、通勤時間が短かく、空いている電車に乗ることが理想ではありますが、なかなか理想通りにはいかない、という方が多いことでしょう。

そのような場合は、通勤時間を有意義に過ごすことで通勤による過度のストレスを避けることができますので、次の項目では、通勤時間を有意義に過ごす5つのヒントを紹介していきます。

通勤時間を有意義に過ごす5つのヒント

1. しっかり休む時間にする

出社する前の通勤時間に少し寝て、脳を休ませることで頭がすっきりとし、仕事に気持ちよく取り組めるという方もいることでしょう。

寝過ごしてしまうことだけ気をつけていれば、通勤電車の中でゆっくりと休むことは仕事にプラスになるためおすすめです。

2. 自分の成長のための時間にする

通勤時間は日々ほとんど同じである方が多いのではないでしょうか。

通勤時間に勉強や読書などをすることは、毎日決まった時間に勉強・読書などをする習慣ができるので自分の成長につながりやすいメリットがあります。

例えば、片道1時間の通勤時間があり、月に20日出勤の場合、朝の通勤時間だけ勉強や読書をしたとしても月に合計20時間を自分の成長のための時間として使うことができます。

3. 趣味を楽しむ時間にする

通勤時間は自由時間です。スマホで映画をみたり、ゲームをしたりなど、自分を楽しませるために使うのもよい時間の使い方です。

その他にも、好きな音楽を聴いたり、本を読んだりなど、通勤時間にリフレッシュできることを取り入れると、通勤時間が長めでもストレスをさほど感じずに過ごすことができるでしょう。

4. 日記をつける時間にする

日記をつけることは気持ちの整理や自己成長に有効的です。

毎日の通勤時間に日記をつけることで、自分の性格や行動の傾向を知ることができるため、習慣改善などにもつなげることができるでしょう。

5. 仕事の準備をする時間にする

仕事に行く前に少しだけその日の仕事の準備をしたり、業務の段取りのイメージをするだけで、仕事モードに切り替わりスムーズに仕事に取り掛かることができます。

毎日の通勤時間はそのような仕事の事前準備や気持ちの切り替えに最適な時間といえるでしょう。

通勤は無理をしないように

毎日の通勤時間は、私たちの心身の健康やストレス、幸福度に影響します。

何気なく過ぎていく日々の通勤時間ですが、過ごし方一つで、とても充実した時間となります。

また、通勤時間は30分以内であると体力や時間に余裕が生まれ、仕事の効率化や良好な人間関係の構築などにつながりやすくなるため、これから引っ越しや転職・就職を控えている方は通勤時間の長さも考慮しておくとよいでしょう。

また、仕事の都合上、通勤時間が長い方は、通勤時間を有意義に過ごすことを心掛けて、自分を充実させる時間にしましょう。