2017年任天堂の新しいゲーム機『Nintendo SWITCH』は、今まで『Wii』や『DS』のようにテレビに接続するタイプと携帯できるタイプに分かれていましたが、「いつでも、どこでも、誰とでも。」をコンセプトにどちらにも対応したゲーム機として登場しました。
常に進化し続ける任天堂ですが就職した場合、給料はどうなのでしょうか?
今回は任天堂の平均給与が日本人の平均年収や同業他社に比べてどれぐらい差があるか、年代による違い、さらには任天堂の歴史も踏まえてまとめてみました。
日本人の平均年収はいくら? 中央値、年代・性別でも確認
自分の年収は多いと思いますか? それとも少ないと感じていますか? スマホゲームが主流となる中で専用のゲーム機『Nintendo Switch』をヒットさせている任天堂は、平均収入が高いと話題になっています。
今回は任天堂の年収を年代別、性別などで分析していきますが、まず日本人の年収がどれくらいかを国税庁の『平成30年分民間給与実態統計調査』を基に確認してみましょう。
以下、調査対象者の条件に関して国税庁ホームページからの引用です。
調査の対象
この調査は、平成30年12月31日現在の源泉徴収義務者(民間の事業所に限る)に勤務している給与所得者(所得税の納税の有無を問わない。)を対象としている(下図網掛け部分)
■引用元:国税庁
国税庁は毎年給与実態調査を公開しています。
そのデータを元に年収を確認してみましょう。
2018年度日本人の平均年収
・平均年収 441万円
平均値だけではその特質上日本人の収入の実態が見えづらいので『年収中央値』も確認しましょう。
2018年度日本人の年収中央値
・年収中央値 423万円
平均年収のほうが中央値より18万円高い結果になりました。ここで平均年収と年収中央値の違いを確認しておきます。
平均年収・年収中央値とは
平均年収とは調査対象となる年収データすべてを足し合わせて、そのデータの個数で割って出された値です。
それに対して、年収中央値とは年収データを低い順、または高い順に並べ、真ん中に来る金額となります。
データの数(n)が奇数なら(n+1)/2番目の値、偶数ならばn/2番目とn/2+1番目の値の平均値で表します。
収入に大きな格差がある場合、平均すると実際にはもらっている人数が極端に少ない数値になってしまう可能性があります。
それに対し、年収中央値なら少なすぎる金額や多すぎる金額が含まれていても、真ん中のデータを採用するためデータの個数が変わらなければ数値に影響はありません。
次に平均年収が男女ではどのような違いがあるか調べてみましょう。
2018年度日本の男女別平均年収
性別 | 平均年収 |
男性 | 545万円 |
女性 | 293万円 |
男女間で252万円もの差があります。労働時間、雇用形態などの影響も考えられますが、それも含めて職場や給与などにおける性差の問題が見て取れます。
2018年度の年代別平均年収
年代 | 平均年収 |
19歳以下 | 137万円 |
20~24 | 267万円 |
25~29 | 370万円 |
30~34 | 410万円 |
35~39 | 448万円 |
40~44 | 476万円 |
45~49 | 502万円 |
50~54 | 523万円 |
55~59 | 520万円 |
60~64 | 416万円 |
65~69 | 325万円 |
70歳以上 | 305万円 |
年代別で確認すると100万円以上の差があるのが19歳以下と20代前半、そして20代後半です。
大きな原因は19歳以下と20代前半は非正規の割合が多いのと学歴が低い人数が多いとされ、50代前半は平均収入のピークはとなっており、60代から大幅に下降。こちらは退職し再雇用される割合が増えているのが一因と判断できます。
2018年度における日本人の平均年収を確認すると女性よりも男性のほうがかなり高く、年代では50代が最も高いことがわかりました。
任天堂の平均年収は高い? 年代・性別でも確認
任天堂がどのような企業かわかったところで、いよいよ平均年収を年代、男女、役職の有無ごとに確認します。
2018年度任天堂の年間平均給与
・平均給与912万6千円
また有価証券報告書に記載されている役員報酬は任天堂代表取締役社長の古川俊太郎氏2億1,100万円、任天堂株式会社代表取締役フェロー宮本茂氏1億7,100万円です。
参照サイト 任天堂
日本の平均年収に対する男女別・年代別の比率を簡単にですが任天堂の平均年収に当てはめて、それぞれの平均年収を算出します。
※以下の表は推定であるのであらかじめご了承ください。
2018年度任天堂の男女別平均年収
性別 | 平均年収 |
男性 | 1,127万8千円 |
女性 | 606万3千円 |
日本人の男性平均年収が545万円なので差が582万8千円と2倍以上高いと考えられます。
女性に関しても平均年収293万円のため差は313万3千円とやはり2倍以上高いです。
2018年度任天堂の年代別平均年収
年代 | 平均年収 |
20~24 | 552万円 |
25~29 | 765万円 |
30~34 | 848万円 |
35~39 | 927万円 |
40~44 | 985万円 |
45~49 | 1038万円 |
50~54 | 1082万円 |
55~59 | 1076万円 |
60~64 | 860万円 |
65~69 | 672万円 |
70歳以上 | 631万円 |
男女別同様どの年代でも約2倍の金額が平均年収になっています。
この結果から2018年度の任天堂の平均給与は日本平均の約2倍ということが判断でき、そのことからも任天堂の給料は高いと言えます。今度は2018年以前の任天堂の平均給与も確認しその変化を調べてみましょう。
任天堂平均年収
年度 | 平均年収 |
2018年度 | 912万6千円 |
2017年度 | 903万3千円 |
2016年度 | 928万2千円 |
2015年度 | 891万2千円 |
2014年度 | 839万7千円 |
2013年度 | 868万5千円 |
2012年度 | 868万1千円 |
2011年度 | 905万3千円 |
2010年度 | 914万5千円 |
2009年度 | 893万1千円 |
2008年度 | 950万8千円 |
2007年度 | 981万7千円 |
2006年度 | 957万9千円 |
2005年度 | 899万4千円 |
2004年度 | 857万円 |
参考サイト 有価証券報告書|Nintendo
2004年から2007年の3年間で125万円近く金額が上がっていますが、要因として考えられるのが2004年の『ニンテンドーDS』と2006年の『Wii』の発売です。
2012年には『Wii U』が発売されていますが2014年までは特に上がっていません。しかし2014年「Newニンテンドー3DS」を発売し2016年までの2年間で約90万円上がっています。
任天堂の平均年収は2004年から2018年の間で最も低くて約840万円、最も高い時で約982万円と140万円以上差はありますが、それでも高い金額をキープしています。
では、同業他社と比較した場合はどうなるでしょうか。
参考サイト
同業他社との比較、任天堂の順位は?
日本人の平均年収と比較して任天堂社員の平均年収は約2倍であることがわかりました。それでは同業他社と比べるとどうでしょうか。5つの企業と比較します。
比較する5つの企業
1.ソニー
家庭用ゲーム機『PlayStation 4』や携帯用ゲーム機『PS Vita』などを販売。ゲーム関係以外にもオーディオ機器やカメラ、そしてスマートフォンなども幅広く製造しています。
2.バンダイナムコ
『パックマン』や『鉄拳』などのゲームソフトを主力にしていた『ナムコ』と『ガンダム』のプラモデルや『仮面ライダー』の変身ベルトなど玩具を幅広く扱っていた『バンダイ』が2005年に経営統合してできた企業。アニメ関連グッズなども手がけています。
3.コナミ
アーケード用メダルゲームやビデオゲームを制作していましたが、1985年にファミコン用ソフトを発売し家庭用ゲーム業界に参入。現在はモバイルゲームやサプリメントも制作しています。
4.ネクソン
『メイプルストーリー』、『アラド戦記』などのオンラインゲームを開発、配信、そして運用をしている企業です。
5.ミクシィ
2004年SNSサービスを開始。現在は『モンスターストライク』、『コトダマン』、『ファイトリーグ』といったモバイルゲームの制作、配信、運営もしています。
ではこの5つの企業に任天堂を加えた平均年収を比べてみましょう。
6つの企業の平均年収
企業 | 平均給与 |
バンダイナムコ | 1083万2千円 |
ソニー | 1050万9千円 |
任天堂 | 912万6千円 |
コナミ | 819万3千円 |
ミクシィ | 670万9千円 |
ネクソン | 547万円 |
※参照サイト
上記の表からバンダイナムコとソニーが1千万円台で任天堂を上回っているということと、この2社は任天堂よりも100万円以上平均年収が多いことがわかります。
そして今回比較した6社の中で任天堂は3位と中間の位置にいます。
同業他社と比べ3位という結果になりましたが、任天堂は4位のコナミより100万円近く年収が高く、ミクシィとは約240万円、ネクソンなら約366万円上回っています。そのため同業の中でも平均年収が高い企業と考えて問題ありません。
任天堂の平均年収は高い
任天堂の平均年収を年代ごとに確認し、日本人の平均年収や同業他社の年収と比較してきました。
その結果、業界トップではありませんでしたが、それでも日本人の平均と比較するとどの年代よりも2倍ほどあり平均年収が高い企業ということがわかりました。
多くの方が任天堂のゲーム機で遊んだ経験があるのではないでしょうか?夢を与えてくれたゲーム会社は給与の面でも夢のある企業です。
就職や転職を考えているなら後悔しないようにチャレンジしてみると良いでしょう。