転職コネクションの作り方・探し方。誰でも簡単に実践できる方法と実践する際の注意点3つ

転職活動をうまく進めるには、コネクションを作り活用することが大切です。実際、日本の多くの企業が同族企業となっていて、ヘッドハンティングなどの引き抜きも多く行われています。

ただ、転職に役立つコネクションの作り方や探し方と言われても、「どうやってコネクションなんて作るのか?」「そもそもコネクションを探すのは可能なのか?」と分からない点が多いでしょう。

しかし、実はコネクションは全くない状態からでも作る方法があるのです。

そこで今回は、転職に役立つコネクションの作り方・探し方を解説します。誰でも簡単に実践できる具体的な方法もお伝えするので、ぜひ参考にして転職活動に役立ててみてください。

コネクションを使った転職はあるのか?

コネクションを使った転職はあるのか?

噂話でしか耳にしないようなコネクションを使った転職ですが、実は多くの企業でコネクション転職が行われています。

そもそもコネクション転職とは、会社の社長や役員と知り合いだったり、父親が働いている会社だったりして、働き口を紹介してもらう方法になります。

つまり、同じ家系の人が社長や重役を務めていれば、コネクション入社・転職が多くなるのです。

そして日本の有名企業の多くが、同じ家系の人が社長・重役を務める同族企業となっています。具体的な同族企業を見てみましょう。

  • トヨタ自動車(自動車関連)
  • キヤノン(カメラ・ビデオ等)
  • タカラトミー(おもちゃ)
  • 森ビル(不動産)
  • 竹中工務店(建築)
  • スルガ銀行(金融)
  • 講談社(出版)
  • 朝日新聞(出版)
  • 伊藤園(飲料)
  • 森永製菓(お菓子)
  • 山崎製パン(食品)
  • 小林製薬(医薬品)
  • イオン(小売)
  • ヤマダ電機(小売)

このように、日本人なら誰もが一度は耳にした経験があるような有名企業の多くが同族企業です。

同じ家系の人が就職や転職の決定にかかわる立場にあるこれらの企業では、当然コネクションを使った就職・転職が行われています。

また、近年では「コネ入社」という言葉ではなく、「ヘッドハンティング」と呼ばれる引き抜きも、実は実務能力による採用よりも、「知り合いからの紹介」といった気軽なものが多くなっています。

「天下り」と呼ばれる入社も、広い意味ではコネクションを使った転職です。

友人や家族から紹介されて働き始めるというのもコネクションを使った就職・転職と考えると、意外に多く行われているのが分かるのではないでしょうか。

企業がコネクション採用する理由

企業がコネクション採用する理由

続いては、企業がコネクション採用する理由について解説します。

採用コストを削減できるから

1つ目の理由は採用コストが削減できるからです。

もし、企業が人材確保のために採用活動すると、以下のような費用がかかります。

新卒採用

72.6万円

中途採用

84.8万円

*出典:就職みらい研究所「就職白書2019」

転職エージェントなどを利用して募集をかけると、100万円単位の費用が必要です。しかも、求人を出したとしても応募があるかどうか分かりません。

しかし、コネクション採用なら高額な採用コストは不要です。極端な話をすると、ほぼ0円で人材確保ができます。

おまけに入社まで話が進みやすいため、企業にとっては多くのメリットがあるというわけです。

信頼できる人材確保が容易だから

2つ目の理由は信頼できる人材確保が容易だからです。

通常、求人サイトから人材確保すると書類選考と複数の面接を実施して、入念に応募者をふるいにかけます。

具体的には、「募集しているポジションに対して必要なスキルを持っているのか?」や「社風に合っているのか?」など細かく確認する必要があるのです。

この作業は非常に大変で、どんなに綿密に実施しても完璧にできることはありません。当然、求める人材にマッチしていないケースもあります。

しかし、自社企業で働いている人からの紹介であれば、これらのチェックを細かくしなくても自社の求める人材が容易に確保できます。

当然、入社してすぐに辞めるというリスクも低くなるので、多くの企業はコネクション採用しているのです。

コネクションを使って転職するメリット

コネクションを使って転職するメリット

ここでは、コネクションを使って転職するメリットについて解説します。

会社の事情を把握したうえで転職できる

1つ目のコネクションを使った転職のメリットは、会社の事情を把握したうえで転職できるという点です。

普通の転職活動なら、自分で企業のホームページを隅から隅までチェックしたり、口コミサイトなどで情報収集したりする必要があります。

しかし、どんなに頑張って調べても限界があるでしょう。

その点コネクションを使って転職すれば、会社の内情を知った人から直接話を聞けるため、自分で調べるよりもリアルな会社事情が分かります。

例えば、求人サイトでは掲載していないような「毎月の残業時間」「休日出勤の有無」「社内の人間関係」なども詳細に知ることが可能です。

転職する側にとっては、安心感が高まるので良いでしょう。

書類選考なしで面接に進める

2つ目のコネクションを使った転職のメリットは、書類選考なしで面接に進めるという点です。

通常の企業は、まず書類選考を実施して応募者を減らしていきます。しかし、書類選考だけでは人物像などが正しく把握できないため、最初から面接なら内定をもらえていた可能性がある方が書類選考で落とされる可能性は十分にあるのです。

その点、コネクションを使った転職なら知人の後ろ盾があるため、書類選考を飛ばして面接に進める可能性が高まります。

いつも書類選考で落とされていたという方にとっては、自分を正しくアピールできる数少ない場なので、非常に魅力的と言えるでしょう。

また、面倒な書類作成も不要なので、その点もメリットです。

あなたの実力などが伝わっているので面接で話が弾みやすい

3つ目のコネクションを使った転職のメリットは、あなたの実力などが伝わっているため面接で話が弾みやすいという点です。

面接では、いかに話を盛り上げて自分をアピールするかが大切になります。

しかし、あなたにとっても企業側にとっても初対面なので、当然話は探り探りになってしまいます。場合によっては、うまく話がかみ合わずアピールができない可能性もあるでしょう。

その点、コネクションを使った転職なら企業側はあなたの情報を知っています。そのため、「今までどのような仕事を経験したのか」「どのようなスキルを持っているのか」という情報から、盛り上がる話ができます。

話が盛り上がるだけでも、あなたの印象は良くなって内定をもらえる可能性が高まるでしょう。

知人がいるため入社後に馴染みやすい

4つ目のコネクションを使った転職のメリットは、知人がいるため入社後に馴染みやすいという点です。

通常の中途採用だと、同期がいるわけでもないため孤独になりやすい傾向にあります。すでに仲の良いグループなどができていると、さらに馴染めず会社に行くのが嫌になる恐れすらあるでしょう。

中には、円滑な人間関係が築けないという理由で退職する人がいるほどです。

その点、コネクションを使った転職なら、すでに職場に知り合いがいる状態で働き始められます。また、周囲の社員も「〇〇さんの知り合い」という事実から話しかけてくれるので、職場に馴染みやすいのです。

仕事を続けるか辞めるかという重要な決め手になる人間関係なので、それが最初から良好というのは大きなメリットと言えるでしょう。

転職に繋がるコネクションの作り方・探し方

転職に繋がるコネクションの作り方・探し方

続いては、転職に繋がるコネクションの作り方・探し方について解説します。

他の企業の社員が参加するセミナー・異業種交流会・勉強会・懇親会などに行く

1つ目のコネクションの作り方・探し方は、他の企業の社員が参加するセミナー・異業種交流会・勉強会・懇親会などに行く方法です。

世の中には、スキルアップや能力アップを目的としたセミナーなどが多く開催されています。

当然、そこには他の会社に勤める人々が集まります。中には、企業の社長や重役が参加しているケースもあるでしょう。

そのような場所に積極的に参加して、同じ参加者の人と話をすれば、転職に繋がるコネクションが作れる可能性があります。

大切なのは、以下の点です。

✔ セミナーや勉強会に積極的に参加する
✔ 他の参加者の方に積極的に話しかける
✔ 名刺を渡してそれっきりの関係にしない

この方法を使えば、全くコネクションがない方でも無理なくコネを作ったり探したりできるでしょう。

SNSを有効活用する

2つ目のコネクションの作り方・探し方はSNSを有効活用するという方法です。

近年は、SNSを使って転職活動する人が増えています。また、企業の代表や重役もFacebookやTwitterなどで情報発信しています。

また、学生時代の友人が出世してSNSで情報配信しているケースもあるはずです。

もし、Facebookなどでコネクションに繋がりそうな相手を見つけたら、こまめに「いいね」を押したりコメントしたりしましょう

仲良くなれるきっかけがあれば、そのチャンスを逃さないようにメッセージを送りなどしてアピールしてみてください。

SNSであれば会員登録さえすれば誰でも利用できるので、全くコネクションがない方でも無理なく実践できる作り方・探し方です。

挨拶状やお礼状を欠かさない

3つ目のコネクションの作り方・探し方は挨拶状やお礼状を欠かさないという方法です。

転職に繋がりそうな人に出会ったときは、別れた後のフォローがとても大切になってきます。必ずメールやSNSのメッセージで、挨拶状やお礼状を送ってください。

このような地道な作業がいつか素敵な出会いに繋がったり、良い転職に発展したりするものなので、面倒臭がらずに実践してください。

コネクションによる転職で失敗しないためのポイント3つ

コネクションによる転職で失敗しないためのポイント3つ

最後は、コネクションによる転職で失敗しないためのポイントについて解説します。

コネクションがあると慢心しない

1つ目のポイントはコネクションがあると慢心しないという点です。

コネクションがあると、ついつい慢心してしまいます。中には、「どうせ内定がもらえるだろう」「仕事も楽にできそう」などと考える方もいるでしょう。

しかし、このような姿勢では内定をもらえない可能性があります。また、転職が決まっても仕事が上手くいかずに結局退職する羽目になる恐れだってあるのです。

どんなに良いコネクションがあっても、「内定が確定したわけでない」「仕事はしっかりしなければならない」という点はしっかりと覚えておいてください。

面接対策を十分に行う

2つ目のポイントは面接対策を十分に行うという点です。

1つ目のポイントでも解説した通り、「コネクション=内定確定」ではありません。そのため、面接対策を行わずいい加減に採用試験に臨むと不採用になる可能性があります。

どんなに良いコネクションがあったとしても、面接対策は通常の転職活動と同様に徹底してください。

具体的には、以下の対策を行う必要があります。

✔ 自己分析
✔ 企業研究
✔ ビジネスマナー

これらの対策を綿密に実施して、通常の転職活動のつもりで面接に臨んでください。

コネクション先企業の職場事情を調査する

3つ目のポイントはコネクション先企業の職場事情を調査するという点です。

コネクションによる転職では、「知り合いがいるから大丈夫」と安直に考えず、徹底的に企業の職場事情を調査した方が良いでしょう。

なぜなら、知り合いが気にしない労働環境だからと言って、あなたも気にならないとは限らないからです。

例えば、知り合いは休日出勤を苦に思っていなくも、あなたは休日出勤したくないと考えている可能性があります。

このような細かい職場情報は、コネクションがあれば容易に知ることが可能なので、徹底的に調査して自分に合っている会社かどうか見極めてください。

このように、コネクションの作り方・探し方を実践して上手くいったとしても、それはあくまでもスタート地点に立っただけです。

コネクションの作り方・探し方によって得た繋がりを無駄にしないためにも、以上の3つのポイントを徹底してください。