どの業界にもブラック企業と呼ばれるようなひどい会社はありますが、業界によってホワイト企業が多い業界、ブラック企業が多い業界というのがありますよね。
そしてブラック企業が多い業界として最も有名なのが飲食業と小売業。業界自体がブラックだと言われています。
実際にその業界ではたいていて苦労している人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は飲食業にブラック企業が多い理由について紹介していきます。
飲食業にはブラックしかない?
ブラック企業ばかりだと言われている飲食業。飲食業=ブラックだと思っている人も少なくはないと思います。
それは事実なのでしょうか。
ブラックが多いのは事実
飲食業であっても、労働基準法を守り、労働時間も少なく働きやすいホワイト企業がないわけではありませんから、ブラックしかないというのは正しいことではありません。
ただ他の業界に比べるとブラック企業が多いのは事実。
残業ばかりで労働時間がとてつもなく長いのに残業代が全く出ず給料もかなり低い。上司からの圧力は物凄く強くパワハラと言われてもおかしくないレベル。それでいて精神論でなんとかしようろする風習がある。
そんなブラック企業が飲食業にはたくさんあります。
厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況によると、現在の新卒の3年以内離職率は高卒が39.5%、大卒が32.8%。
ただ飲食業だと高卒で64.2%、大卒が52.6%となっており、平均に比べてかなり高く、全業種で最も高い数値になっています。
また、残業時間についても32.6時間と残業が多い業種TOP10となっています。
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しかしこれらの数値は36協定を基に申請されているため、実態はより悪くなっていることが予想されます。
このことから、飲食店の勤務環境は残業が多く発生しやすく、新卒の離脱も非常に多い業界であるということが出来ます。
ブラックではなくても条件が悪い
労働条件に違反せずブラック企業であると言えないとしても、給料や労働条件で他の業界に比べるとかなり悪いという特徴もあります。
平均年収は全体で433万円であるのに対して飲食業は353万円。
平均年間休日数は全体で121.9日であるのに対して飲食業は96.0日。
年間休日が低い業種で2位と現在はなっています。
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有給消化日数は全体で9.1日であるのに対して飲食業は2.5日。
飲食店の店員はほとんど有給が取れていません。
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このようなことから飲食業界は全体として有給取得日数も休みも給料も少ないのが現状であるということがわかります。
働きやすい環境でもない
飲食業だと土日はお店が開いているし、夜遅くまで、店によっては明け方まで開いている場合もあります。
それ故に土日は出勤で休みは平日。勤務時間も深夜になる場合が少なくありません。
休みは少なく連休は取れない。勤務時間もばらばらで深夜になることも多い。そういった働き方だと働きやすい環境だとは言えませんよね。
飲食業にブラック企業が多い理由
ではなぜ飲食業にはブラック企業が多いのでしょうか。
それには以下の理由が挙げられます。
収益性が悪い
飲食業にブラック企業が多い最大の理由は収益性の悪さです。
ライバルが多いので価格競争となってしまうので原価率が高く利益がだしにくい、たとえ客があまりこなくても人員配置が必要なので人件費がかかるなどがその理由。
私の知人で飲食店の店長をしている友人がいて話を聞いたことがあるのですがが、そこそこ客が入っていると思っていたのに店自体は赤字。黒字にするのは相当厳しいみたいです。
収益性が悪いと、利益を出す為に行われるのが人件費の削減。
社員の給料を下げるだけでなく、アルバイトを減らして社員で対応。社員の労働時間が増えた分、労働時間は長くなり休みもなくなる。残業代も当然支払わない。こんなことになってしまうのですね。
労働基準法を知らない経営者が多い
労働基準法を知ってても会社の利益の為に守らない経営者も飲食業にかかわらず多いのですが、そもそも労働基準法を知らない経営者も多いです。
特に従業員数人の小さな会社の場合は知らないが多くいらっしゃいます。
知らないし知る気もなく、なぜか勝手に自分でルールをつくって従業員にそれを押し付ける。そんな経営者が少なくありません。
非正規社員が多い
飲食業ではアルバイトやパートといった非正規社員の割合が他の業種に比べて非常に高いです。
仕事自体が難しいわけではないし、人件費も低く抑えることができますからね。
ただ非正規社員が多いと、そのお店で働く社員への負担は高くなります。
急に休んでしまったり、連休などで大勢休んでしまったり、突然辞めてしまったり。そんなことは良くあることですが、それでお店を休むわけにはいきませんからそこを補填するのは社員になってしまいます。
こうなれば休みは少なくなるし、労働時間が長くなってしまうのは当たり前です。
飲食店がホワイト企業かを見分ける方法
実際問題飲食店にブラック企業は多いですが、実際にどのような点を注意して見分けていけばいいのでしょうか。
求人票に常に乗っていないかを確認
求人票に常に乗っている場合は、ブラック企業である可能性が高いです。
しかし、最近ではたとえホワイトな飲食店でも慢性的な人手不足に悩まされていて、これだけではブラック企業であると断定する要素にはなりません。
そのため、常に求人票に載っている企業に入社を検討している場合は、「ブラック企業かもしれない」ということを念頭に置きながら面接などを行いましょう。
営業時間が短いかどうか
営業時間が短いかどうかは非常に重要です。
特に24時間営業しているところや明け方まで営業している飲食店の場合は、早朝や深夜にシフトが入れられる可能性があるため注意が必要です。
また、アルバイトの場合はシフトを比較的自由に決めることが出来ますが、社員で入る場合はシフトを自由に決めることが出来ません。
これらのことから、社員で飲食店に入る場合は特に営業時間は注意が必要であることがわかります。
ブラックと噂されているグループでないか
行こうとしている飲食店がブラックと噂されているグループの一員であるかどうかは確認が必要です。
ブラック企業として有名な企業では、時間外労働だけでなくパワハラや厳しい売り上げ目標が立てられていることもよくあります。
その飲食店がブラックと噂されていないかは掲示板などを用いて入念に調べるようにしましょう。調べ不足で入ったら、その後に痛い目を見るかもしれません。
あまりにブラックな環境ならすぐに転職を
ブラック企業で働き続けることは決して良いことではありません。体を壊してしまう可能性も高いです。
忙しい中で転職活動はするのは大変ですし、未経験の仕事に転職するのも大変かもしれませんが、それでも抜け出さなくてはなりません。
現在はほとんどの業界で人手不足。未経験であっても転職するチャンスは大いにあるし、ただでさえ給料の低い飲食業です。
飲食店を今まで続けてきたバイタリティは営業や力仕事などで高く評価されます。
そのため、飲食店が嫌だと思うなら今すぐ転職しましょう。
業界を変えるだけで年収が大幅アップする可能性もあります。