派遣社員として働くときは派遣会社に登録して、担当者に希望に合う企業を紹介してもらいますが、その登録してくれた方々と企業のために働く、派遣会社の営業職のことを知っているでしょうか。

派遣会社でよく担当者やアドバイザーなどと言われるポジションは人材派遣営業といい、派遣社員として働きたい方と企業の間を取り持つ大事な役割を担っています。

多くの企業でなくてはならない人材派遣営業は、採用の需要も高まっており転職のチャンスも増えてきています。

ですが、派遣スタッフに最も近いところで働いている割に、普段は派遣会社の評判に注目が集まり、人材派遣営業はあまり注目されないことが多いです。

そこで、人材派遣営業はどんな仕事なのか、楽しさややりがいなど総合的に解説します。

人材派遣営業はどんな仕事? 平均年収も併せてチェック!

人材派遣営業は、派遣社員として働きたい方と派遣社員を雇いたい企業を取り持つ仕事で、簡単に言うと派遣限定・民間版のハローワークのようなものです。

とはいえ、具体的にはどんなことをしているのか知らない方もいることでしょう。

詳しい仕事内容と年収も併せて解説していきます。

人材派遣営業はどんな仕事をしているのか

人材派遣営業は、人材派遣会社に就職し営業マンとして働きます。

派遣スタッフに条件がマッチする企業を紹介するほかに、採用を考えている企業のニーズに合う派遣スタッフを提案することもあります。

例えば、「こんなスキルを持つ方がいますが、御社の派遣スタッフにいかがですか」といったようにおすすめするのです。

人材派遣営業には、大まかに3つの業務があります。

  • 新規開拓
  • ルートセールス
  • アドバイザー

新規開拓業務は、新規顧客を得るためにサービスの提案や見積りなどを行い、派遣制度の導入や派遣紹介の契約を目指します。

ルートセールスはすでに取引のある企業を対象に、サービスの提案や見積りなどを行います。

アドバイザーは、派遣スタッフのニーズをヒアリングして条件がマッチする企業を紹介する業務を行います。

人材派遣営業は、これらの3つの業務のうちいずれかを担当し、始めはアドバイザーからスタートすることが多いです。

気になる平均年収はいくら?

人材派遣営業の平均年収は企業規模によって差があり、業界最大手のリクルートホールディングスでは社員の平均年齢が37.7歳で、平均年収は962万ほどになります。

売上げの約半分が人材派遣事業というパソナグループを見ると40.4歳で596万円、エン転職などを運営するエン・ジャパンは29.8歳で500万円の平均年収です。

企業の規模により平均年収には差があり一概に業界を平均することは難しいのですが、トップを除くと大半の企業が400~500万円台の平均年収となっています。

そのため、30~40代前半で400~500万円台が平均年収であるといえます。

人材派遣業の平均年収
企業名平均年収平均年齢
(株)リクルートホールディングス962万円37.7歳
(株)パソナ596万円40.4歳
エン・ジャパン(株)500万円29.8歳
(株)アルバイトタイムズ494万円37.3歳
(株)インターワークス470万円33.1歳

(株)リクルートホールディングス【6098】:企業情報・会社概要・決算情報 – Yahoo!ファイナンス

(株)パソナグループ【2168】:企業情報・会社概要・決算情報 – Yahoo!ファイナンス

エン・ジャパン(株)【4849】:企業情報・会社概要・決算情報 – Yahoo!ファイナンス

(株)アルバイトタイムス【2341】:企業情報・会社概要・決算情報 – Yahoo!ファイナンス

(株)インターワークス【6032】:企業情報・会社概要・決算情報 – Yahoo!ファイナンス

人材派遣営業の楽しさと魅力・やりがい

多くの企業が派遣制度を導入しているため、今や企業になくてはならない存在となっている人材派遣営業ですが、営業マンである以上、業務の楽しさや魅力・やりがいを感じる以外にきつく辛いこともあるはずです。

これから人材派遣営業の仕事を目指す方には、興味深いところではないでしょうか。

では、人材派遣営業の魅力から紹介していきます。

マッチングを成功させたときの達成感が魅力

人材派遣営業では、物を売るのではなく1人ひとりの派遣スタッフを最適な職場に紹介することが大切な仕事です。

そのため、自分のスキルや特性を活かして働きたい派遣スタッフと、仕事内容にマッチする人材が欲しい企業の両方のニーズを満たせることが最大の魅力です。

お互いのニーズを満たせることでどちらにも満足してもらうことができ、そして誰も損をしないこともメリットでしょう。

自分が担当する派遣スタッフの派遣先が決まったときは、人材派遣営業の仕事が最も楽しい瞬間です。企業のニーズにマッチすると思って自分から提案した派遣スタッフなら喜びもひとしおでしょう。

また、派遣スタッフのキャリア形成やライフスタイルに寄り添えることも魅力の1つで、細部までしっかりサポートすることで良い結果を導くことができます。

派遣先が決まったときは、一生懸命サポートしてきて良かった! と人材派遣営業の楽しさも実感できます。

派遣スタッフの人生の一部に携わる責任とやりがい

人材派遣営業の仕事は、少し大げさに言うと、派遣スタッフの人生の一部に携わる責任重大な仕事をしているともいえるでしょう。

生きていく上でなくてはならない仕事は、人生の多くの時間を使って取り組むものです。

その仕事が辛いと、毎日「仕事を辞めようかな」と思いながら過ごさなければなりません。毎日、辞めよう、辞めたい、もう嫌だと思いながら働くことは大きな負担になるでしょう。

そんな現状の仕事に不満がある方に対して、人材派遣営業は他の仕事を提案することで好転のきっかけを作ることができます。

最終的に決めるのは派遣スタッフでも、選択のきっかけを提供しているのは人材派遣の営業マンです。

責任重大な部分もありますが、適切な提案ができることはやりがいを感じられる部分だといえます。

 

また適切な提案をするためには、前もって派遣スタッフへの丁寧なヒアリングを行うことやそのスタッフのスキルや技術を見極めることも必要です。

加えて、スタッフが仕事に求めていることなども汲み取るといった、目に見えない部分で努力を重ねることもやりがいへとつながるでしょう。

さまざまな人とたくさん出会えることが楽しい

派遣会社にはさまざまな方が派遣スタッフとして登録するほか、派遣スタッフを雇用したいさまざまな業種のクライアント企業が存在します。

業種や立場の垣根を超えた出会いは刺激となりいろいろな話ができることもこの仕事の楽しい部分です。

各派遣スタッフ・クライアントの事情に合わせて対応するように心がければ、出会いを楽しみながら自分自身を成長させることもできます。

人材派遣営業できついこと・辛いことはある?

人材派遣営業は営業マンであることから、楽しくやりがいを感じる部分だけではありません。

時には辛いこともあり、辞めたくなることもあります。どんなことが辛くなるのかチェックしていきましょう。

評価制度が辛い! 成績によって目に見える差が付く

人材派遣営業の仕事はさまざまなキャリアを持つ派遣スタッフ、豊富な業種のクライアント企業を相手にする仕事です。

人材派遣の需要が増えて業務拡大する派遣会社もあり、積極的に新しい人材を採用すると同時に歩合制を導入する派遣会社が増えています。

歩合制を導入している派遣会社では、新人もベテランも関係なくすべての人材派遣営業の成績が可視化されます。

こうなると、実績を上げられなければやりがいを感じられず、一般的に昇格ペースが速いと言われる人材派遣業界でも自分だけ昇格できないなど、目に見えて差が付くため居辛くなってしまうこともあります。

また、ベテラン社員が成績を上げられず新人にあっさり負けてしまうこともあります。

成績を上げなければという焦り、新人に負けたという屈辱に駆られて退職する方も少なくありません。

一部を除き業界全体で給与が安い

人材派遣営業の給与は、トップ層の数社を除くと30代~40代でも400~500万円ほどの平均年収です。

残業代で給与を増やすしかないという派遣会社もあり、家族が多い方は生活自体が厳しくなることもあります。

トップ層を除く業界全体で給与が安いため、業務内容に対して割が合わないと感じる方もいます。

派遣スタッフからのクレームが多く管理に疲れてしまう

人材派遣営業の仕事のうちアドバイザーは、派遣スタッフからのクレームが多く対応に疲れてしまう方が多いです。

しかし派遣スタッフからのクレームのほとんどは、アドバイザーの責任ではなく派遣スタッフに非があるケースがほとんどです。それでも精一杯クレーム対応をしていると残業時間が増えてしまい、身も心も疲れきってしまうことがあります。

通常業務にプラスアルファで別の業務が増えると、しっかりマネジメントしていこうとするほどすべてに手が回らなくなってしまう傾向にあります。

自分が管理している派遣スタッフだけに注力したとしても、次々に起こる事態に疲れてしまい、本来の業務に支障をきたしてしまうこともあるのです。

明らかに派遣スタッフのモラルやスキル不足が原因のクレームの場合、自分の責任ではないと割り切ることができれば良いのですが、割り切れない方にとってはかなり深刻に悩んでしまうこともあります。

人材派遣営業でうまく仕事をこなすコツ

人材派遣営業への転職を検討している方の中には、どうやったらうまく仕事をこなせるか気になっている方もいるのではないでしょうか。

日々派遣スタッフのヒアリングを行い、マッチする企業を探す人材派遣営業はやりがいと忙しさが表裏一体の職業です。

派遣スタッフとのやり取りに役立ち、なおかつ自分の成績をアップさせるコツを紹介します。

派遣スタッフ・クライアントにスピーディーに認められる資格を取る

人材派遣営業の仕事には必須資格などは特にありませんが、派遣スタッフやクライアント企業とのやり取りの際に役立つ良い資格があります。

代表的なものでは国家資格のキャリアコンサルタントが挙げられ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課せられています。

キャリアコンサルタントはクライアントの適性や職業経験に合わせて職業設計を行い職業選択や能力開発を効率的に行う専門家として活躍できる資格です。

人材派遣営業の仕事を志望するなら持っている方が有益で、安心感や信頼を高める効果もあるでしょう。

また、現場で派遣スタッフとクライアント企業のそれぞれとの距離を縮め、認めてもらうまでのスピードアップが期待できます。

成績を上げるコツを解説

人材派遣営業の仕事で成績を上げる・一定以上の成績を保つには、派遣スタッフとクライアント企業のニーズをしっかりと把握することが重要です。

例えば、企業が派遣社員を雇用する動機には、業務の効率化や人件費の削減などが挙げられます。

この場合は、派遣制度の利用がどれだけ業務の効率化、コストダウンにつながるかを論理的に説明できると良いでしょう。

クライアント企業が納得できる内容、もしくはニーズに合致するような提案ができれば徐々に成績もアップしていきます。

また派遣スタッフの中にマッチする方がいるときは、どんどん売り込んでいくことも良い方法です。

商品を売る営業の場合でも、ニーズを掴むことはとても重要なポイントです。

派遣スタッフとクライアント企業、双方のニーズを満たせるような提案を心がけていきましょう。

働く方のサポートができることが醍醐味

人材派遣営業の仕事の醍醐味は、派遣社員として働きたい方をサポートできることにあるといえます。

人材派遣営業のやり方次第で、派遣スタッフの人生を左右するといっても過言ではなく、適切な提案をするための努力もまたやりがいを感じる部分です。

業界の需要が高まる今、採用のチャンスも多くなっていることも魅力の1つだといえます。

時にはクレームが入り辛くなることもありますが、理不尽なクレームの対処法を習得すれば、慣れてくるにつれてうまく解決できるようになるでしょう。

人材派遣営業の仕事をうまくこなすためにも、キャリアコンサルタントなどの資格を取得するのも良い方法です。

資格を取得しておけば、派遣スタッフとクライアント企業の双方に、国が認めたノウハウを活かしてサポートすることができます。併せて相手のニーズをしっかりと把握していけば、信頼関係が生まれ距離もぐっと縮まるはずです。

人材派遣営業への転職を考えている方は、この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。