役員からの転職はポイントを押さえないと中々難しいってホント!?

転職を検討するのは、新人や中堅ばかりではなく、ある程度勤続年数が長くても現在の会社で定年まで働いていくことに疑念を抱くということもあります。

役職のついている方でも転職を検討する出来事が起こることはおかしくないですが、役員からの転職は難しいと考えられています。

役員が転職を検討するきっかけにはどんなことがあり、どういう点が難しいとされているのか、転職する際に気をつけるポイントとともにチェックしていきましょう。

役員でも転職する理由とは?

役員でも転職する理由とは?

役職がつくということは、現在の会社で時間と経験を積み、貢献をしたという努力の結果ではありますが、どのようなことがきっかけで転職を検討することにつながっていくのでしょう。

ここから先のキャリアアップが見えない

役員クラスになると、新たな仕事に挑戦するというよりも、ルーティン化した仕事を毎日こなしていくなど、仕事の内容が安定してくることが増えます。

しかし、「新しいことを学ぶのが好き」という方や「常にチャレンジしていたい」と思っている方にとっては、毎日同じ「作業」をしているように感じてしまったり、仕事が物足りなくなってしまったりということもあります。

役員クラスになると、自分が中心となって企画を進めたり、与えられた業務を遂行するプレイヤーではなく、業務を与える側や業務や成果を評価することや環境を整える管理者の立場になるということが多くなります。

プレイヤーとしてどんどんキャリアアップしていた頃の方が自分は輝いていたと思ってしまうことや、実務では成果を発揮することができても、管理をすることに向いていないということも考えられます。

これくらいの役職に就いてしまうと、もうこの会社で新たに挑戦することはできないと達観してしまう、キャリアアップが終わってしまったと感じて、より挑戦し続けられる環境に身を置きたいと考え、転職を検討する方がいます。

自分の目指すビジョンやプライベートでの状況が変わった

自分の目指すビジョンやプライベートでの状況の変化によって、転職を検討する方もいます。

就職を考えるときに「この会社でこんなことをしたい」と考えていたことができていたとしても、「管理職になってからは」と考えることはなかなか難しく、ずっとやりたいことを続けてこられたという方は、役職に就いてからの仕事に違和感を覚えてしまうこともあるでしょう。

今までやりたいことができていたのに、年を重ねるにつれて自分のやりたいことが変わってしまったという状況になると、今の会社で働き続けていいのだろうかと不安を抱いてしまう方もいます。

仕事内容だけではなく、ライフステージの変化によっても、働き方を変える必要が出てくることもあります。

今までは家族のために安定した職に就くことを大事にしていたけれど、子どもたちが巣立ったことで自分主体のキャリアを形成したいという考え方や、親の介護をする必要が生じたため、柔軟に仕事ができる会社で働きたいという方など、プライベートに変化が訪れることも出てくるでしょう。

会社の状況や仕事内容とともに、自身のプライベートの状況が変わったことがきっかけで、転職を検討する方も多いです。

責任の大きさと給料が見合っていない

役職に就いていたとしても、給与が働きに見合うようなものでない場合は、このまま現在の会社で働き続けるということに不安を抱きやすいです。

役員クラスの役職に就くと、部下がミスをした責任を取らなくてはいけないなど、自分だけではなく、会社側のたちがとしての責任も重くなっていきます。

それにもかかわらず、役員になる前と給料があまり変わらなかったり、役職の大変さに給料が見合っていないと感じてしまった場合、責任の重さに対して「これではやっていられない」と不満を覚えることも多いでしょう。

年功序列型の企業であったり、実力主義を取り入れない傾向の強い日本企業では、まだそのような事態が起きてしまうことがあるのも現状です。

役員からの転職が難しいのはなぜ?

役員からの転職が難しいのはなぜ?

役員となるからには、勤務実績や実力が伴っているはずですが、役職に就いてからの転職は難しいと言われてしまう理由を確認しておくことで、注意する点はどこにあるのかを探っていきましょう。

前職よりも待遇やポジションが下がることが多いから

転職を検討する場合、一時的に現在よりも待遇やポジションが落ちるという覚悟が必要となります。

昇進を重ねて就いた役職とは違い、雇用するときに最初から役員として雇ってくれるということは少ないため、転職先でも今までのように役員として働くという期待はできず、ポジションが下がるという場合がほとんどです。

応募先の会社の方針や一定の研修期間が設けられているという場合、研修中はさらに待遇が下がることもあります。

求人募集において、役員クラスの募集は空きが少ないなど、同じ役員のポジションを狙って転職活動をすると、なかなか求人が見つからず、転職ができなかったり、転職に失敗して大きく年収が下がることなども考えられます。

今の職場の退職が難しいから

責任のあるポジションに就いている場合、転職先を見つけることができても、簡単に辞めることができないという可能性があります。

役員のように責任のある役職では、後任を自分で探して、長期間をかけて引き継ぎをする必要がある場合も多いため、若手社員のように、上司に相談するだけでは辞められないのが実情です。

引き継ぎをする人材が見つからない場合、次が決まっていても転職できないという状況に陥る可能性があるのです。

役員から転職するときに押さえておきたいポイント

役員から転職するときに押さえておきたいポイント

役員になってから転職を検討する場合、ポイントを抑えて転職活動を進めていく必要があります。

どのような点に気をつけると、転職を成功させることができるのかを確認しておきましょう。

役職の有無を気にしない

役職の有無を気にしないということを念頭において転職活動を始めることで、自分のやりたいことのできる会社に出会える可能性があります。

現在と同じポジションを求めて転職を行うと、受けられる会社がさらに絞られてしまい、却って自分の可能性を狭めてしまったり、本当に自分に合う会社と巡り合うチャンスを逃してしまうことが考えられます。

転職を成功させるには広い視野を持つことが大切で、自分のやりたいことに合っているか、条件に合っているかということを重視して、役職の有無にこだわることなく応募先を探していくことがおすすめです。

今まで役員として活躍をしていた経験によって、役職のないところから再スタートを切っても、転職先の会社で実績を伸ばすことや、会社の人事に仕事ぶりを認められるような成果を出すことができるでしょう。

面接では、学ぶ姿勢があることを示す

人事と直接に会話をしてお互いを見極める面接では、その会社で学び直す意欲があるということを示すことが大切です。

管理職として活躍してきた経験があると、これまでの自分の成功体験を元に、自分流でやってしまったり、この方がいいと周りに押しつけてしまう人もいるため、面接官側はそれを懸念している場合があります。

そのため、面接ではこれまでの経歴や有能さをアピールしつつも、企業によって文化や手法が異なることを理解し、1から学ぶ姿勢であるということが伝わるようにしましょう。

円満退社を心がける

転職先が決まったら円満退社できるように計画を立てることが重要です。

役職に就いている以上、「次が決まったから、辞めよう」というわけにはいかないため、退職する時期や退職することを伝える時期に注意しなければ、トラブルや現場の混乱を招きかねません。

退職する会社であっても、役員の任期中に退職してしまうことで、不都合が生じることも多いため、退職の時期は、任期が終わるタイミングや年度末、自分の担当している業務が一区切りついたときなど、タイミングを見計らうようにしましょう。

退職の意向を伝える時期に関しても、注意が必要です。

普通の社員であれば1ヶ月~3ヶ月前に会社に伝えるようにと定められていることも多いですが、役員に就いている場合、後任を探すことや引き継ぐ仕事も簡単なことではありません。

会社に迷惑をかけないように転職するためには、1年前や遅くとも半年前までには退職の意向があることを伝えはじめ、後任に引継ぎをする期間を設けることがおすすめです。

会社を辞めた後だとしても、トラブルが発生して後々自分が困ることがないように、役員の転職には辞める際にも細心の注意を払う必要があります。

転職には、転職エージェントの利用もおすすめ

転職には、転職エージェントの利用もおすすめ

転職活動を始めてはみたものの、なかなかいい求人が見つからないなど、長期化してしまうと何のために転職しようとしていたのか、何を重要視したらいいのかということがわからなくなってきてしまうということもあります。

転職活動は1人でも行うことができますが、プロの力を借りて行うという選択肢もあります。

転職のプロとして伴走してくれる転職エージェントは、どのように活用することができるのかを確認していきましょう。

企業紹介だけでなく、採用選考に必要な対策のサポートも行ってくれる

転職エージェントの主なサービスとして、転職を検討したときに、経験や条件を元に、希望に沿った企業を紹介してくれるというものがあります。

しかし転職エージェントは企業を紹介して終わりというわけではなく、履歴書や職務経歴書の書類の書き方や面談ではどのような点に注意すべきかなど、選考の対策についてもサポートを行ってくれます。

突発的な感情から、後先考えずに転職するのは危険

差し迫った事情などで、「とりあえず今すぐ転職したい」と焦っていたとしても、条件に合いそうだからここに決めてしまおうなどと進めてしまうことにはリスクが伴います。

役員をしていた時から収入が落ちたときに生活ができるのか、自分の強みや得意を生かすことのできる仕事かなど、中長期的に見たときに、これからの自分に合っている企業かどうかという視点も忘れてはいけません。

転職希望者の特色や価値観を理解してサポートしてくれる

プロのエージェントに頼むからこそ、個人の希望を汲み取りつつ、広い視野で転職に対してのアドバイスをもらうことができます。

例えば、同じ業界で転職先を探していたとしても、希望条件や個人の特色を生かすことのできるのであれば他の業界の企業を紹介したり、理想の転職を叶えるための方法を共に考えてくれるなど、多くの企業を知っているからこそのサポートを受けられる可能性があります。

また、転職エージェントは非公開求人という、ネットに公開されていない求人もあるため、条件や希望に合っている場合、調べても出てこなかった求人情報を紹介してもらえるという可能性もあります。

現職の円満退社の方法についてもアドバイスくれるかも

役員の退職は、普通の社員よりも難しいものとなりますが、その点についても相談することができます。

どのように会社に伝え、引継ぎを探していくか困ってしまったときや、引き留めにあったときなど、エージェントが直接介入することはできませんが、伝え方や動き方など、アドバイスをもらうことができます。

内定後の交渉事も行ってくれる

内定が決まると、入社後の給与や待遇などの詳細を決めることになります。

提示された内容に不安があっても、これから共に働く会社になかなか伝えにくいですが、転職エージェントを介して内定が決まった際は、それらの交渉ごとを代わりに行ってもらうことができます。

役員にとっては引継ぎなどの関係で退職日を自分の都合で決めることが難しいという可能性もありますが、入社日のスケジュール調整などもエージェントを介して行うことができます。

転職エージェントの利用で、マッチ度も上がる

転職エージェントを利用することで、一人で会社を探すよりも企業とのマッチ度が上がる可能性があります。

求人に載っている条件が合っていたとしても、企業の体質が自分と合っていなかったり、自分の能力を十分に発揮できそうでも転職後の年収の下がり方が著しくて生活が厳しくなってしまうなど、始める前に優先順位を決めていたとしても、企業選びは難しいという点があります。

転職エージェントでは企業を訪問することで、企業の内情を把握しており、それを加味して企業を紹介してくれます。

そのため、条件を見て希望に沿っていると感じても、特色を生かせないといったアドバイスをされることがあるでしょう。

役員からの転職では、年収を一時的に下げてでも転職をするのか、同じポジションを希望して転職をするのかなど、希望条件によっては、そもそものマッチングが少ないという場合もあります。

第三者の冷静な視点が入ることで、ポイントごとではなく、総合的に判断することもできるようになり、企業とのマッチ度を高めることができるでしょう。

一部を除いて、ほとんどの転職エージェントは無料で利用することができるため、転職活動を始める前や停滞してしまった時には、プロの力を借りて、難しいといわれる役員からの転職もスムーズに乗り越えていきましょう。