WEBデザイナーというと華やかなイメージがあるので非常に人気の職業です。
特定の業界で働くというわけではなく、WEB媒体に携わっている会社ならどこでも働くことができるので、スキルが身につけば転職や独立もしやすい職業と言えるでしょう。
このページではWEBデザイナーの仕事内容、平均年収、必要なスキルなどを紹介いたします。
目次
WEBデザイナーの仕事内容
まずはWEBデザイナーの仕事内容について簡単にまとめたいと思います。
クライアントの依頼にしたがって、WEBサイトのデザイン制作を行うWEBデザイナーの具体的な仕事の流れは以下の通りです。
①クライアントからヒアリングする。
この段階ではWEBデザイナーとクライアントの間にWEBディレクターが入り、WEBディレクターがヒアリングをする場合も多いです。
WEBサイトを作る目的やコンセプト、メインとなるターゲットをしっかりヒアリングすることで成果物とクライアントの要望のズレを少なくすることができます。
②要件整理を元にワイヤーフレームと呼ばれるサイトの骨組みを作る
基本的なUI設計(ユーザーインターフェースの設計・サイトを見た人が操作しやすいように設計をする)やUX設計(ユーザーエクスペリエンスの設計・サイトを元にユーザーが感じて体験してもらうための設計をする)がここで行われます。
UIが異なることでユーザーの動き方がかなり変わるため、ここでの設計は非常に重要な作業と言えるでしょう。
③WEBサイトのデザインを作成する
PhotoshopやIllustratorなどのグラフィックソフトを使い、サイトの配色やロゴ、アイコンの配置、写真・画像の加工や配置などを行い、実際に作成するWEBサイトと同じ見た目の見本を作ります。
このWEBサイトのデザイン(カンプと呼ばれる)を元に、クライアントとやり取りを行い、正式なデザインが決まり次第、次の段階に進む流れです。
④WEBサイトのコーディングを行う
HTMLやCSS、JavaScriptなどのWEBサイトを作成するためのプログラミング言語を用いて、作成したデザインの通りにWEBサイトを作成します。
ここでの作業はWEBデザイナーがそのまま行うパターンとコーディングを専門で行うコーダーの方に依頼をするパターンがありますが、WEBデザイナーの方もある程度コーディングの知識がないと依頼する時に齟齬が生まれてしまうので最低限の知識は必要です。
⑤WEBサイトの更新作業など運営サポートを行う
WEBサイトの所有者の要望に沿ってWEBサイトの更新作業を定期的に行ったり、依頼があった時に更新します。
この作業も社内にコンサルティングなどを専門に行う部署があればWEBデザイナーがする機会は少ないかもしれません。
ただ、更新作業をするにあたってUIやデザイン変更などが発生する場合はWEBデザイナーも同席した形で進めるということもあるでしょう。
WEBデザイナーの平均年収は411万円
日本人の平均年収は441万円のため、WEBデザイナーの平均年収は平均よりは低い結果になっています。
日本の平均年収を男女別で見てみると、男性が545万円となっているのに対して、女性は、293万円となっています。
この年収は男女とも46歳の時の年収ですが、男女で252万円の年収差になっているのも特徴です。
平均給与(千円) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | |
男 | 545万円 | 46.3 | 13.7 |
女 | 293万円 | 46.5 | 10.1 |
全体平均 | 440万円 | 46.4 | 12.2 |
参考:国税庁(2019)「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」
WEBデザイナーの将来性やキャリア
WEB業界の市場規模は今後も広がる
WEB業界の成長数値予測は、2015年から2020年で115%の成長をしてきました。
平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)によると、特に日本EC(電子商取引、Amazonの様なインターネット通販が代表的)市場は、2018年でB to Cが17兆7845億円(前年比8.96%増)、B to Bが344兆円(前年比8.1%増*3)と拡大傾向であり、ECのためのWEBサイトは特に増加傾向にあります。
また、インターネット広告市場に関する調査を実施(2019年)インターネット広告市場は23年度には約2.8兆円と、18年度の約1.7兆円の1.5倍*4程となる予測があり、ここからもWEBデザインの需要は続くと考えられます。
WEBデザイナーのキャリアはマネージメント職だけでなく専門的な職も可能
WEBデザイナーの平均年収は、前述した通り411万円ですが、経済産業省の調査ではプロデューサーやディレクターは792万円、dodaの調査ではWEBプロデューサー、ディレクターは446万円、アートディレクターは465万円*5のため、仕事内容によってかなりの差はあるものの、一般的にはマネジメント職に進むことにより、給与を上げることができます。
キャリア形成の一つとして、マネジメント職ではなくてUIデザイナーやフロントエンジニアといった専門的な職に進むことも可能です。
WEBデザイナーになるためのスキルや資格
WEBデザイナーになるために必要な資格は特にないです。
WEBデザイナーが企画した案をもとに、実際にサイトに見られるようにするコーディングに関する実務経験があればより良いですが、全くの未経験でもWEBデザイナーにはなれます。
ただ、もし転職を検討しているのであれば、今の職場での経歴に+αで資格などがあると技術レベルを証明する手助けとなります。
また、これからWEBデザイナーになりたいと考えている人は下で紹介するような資格・技術が求められるということを頭に入れながら勉強などをすると効率的にスキルを身につけることができるでしょう。
WEBデザイナーの検定資格
WEBデザイナーに関する検定資格は下記の様なものがあります。
ウェブデザイン技能検定
厚生労働省が認定する国家検定資格で、ランクが1から3級となっています。
Webクリエイター能力認定試験
民間資格の一つでサーティファイという企業が主催している資格です。
HTML5プロフェッショナル認定資格
CSSやJava Script、HTML5の知識が必要な特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが認定している資格です。
Photoshop(R)クリエイター能力認定試験
Photoshopを使った実践的なスキルを見に付けられる資格です。
Illustrator(R)クリエイター能力認定試験
チラシやロゴを作成するIllustratorに特化した資格です。
アドビ認定エキスパート
15個のアドビ製品の中から選択して資格取得ができます。
必要なスキル
WEBデザイナーに必要なスキルは、下記の様に多岐にわたります。
デザイン力
必要とされているデザインをできる必要があり、テーマに沿ったデザインを作ることでWEBデザイナーとしてのスキルが評価されます。
コーディング力
最終的にクオリティーの高いWEBサイトを制作するためには、コーディング力も必要となります。
上記の必要なスキルに加えて、さらに次のようなスキルがあるとWEBデザイナーとしての評価が上がります。
コミュニケーション力
納得してもらえるWEBサイトになるよう、依頼者とヒアリングは欠かせません。
また依頼者も話がしやすい、理解力が高い相手であることは需要になります。
企画力
デザイン力などのスキル以外には、HTMLやCSSなどの知識、PhotoshopやIllustratorの知識が必要です。
まったくの未経験の方は、独学やスクールなどでスキルを見に付けたり、WEBデザイナーの検定資格を取ったり、アルバイトやアシスタントで良いので実務経験を積んだりすると、WEBデザイナーに転職しやすい。
WEBデザイナーに関しては、最初から好待遇を期待しなければ基本的なデザインスキルがあると転職しやすい職種と言えるでしょう。
WEBデザイナーへの転職で活かせるスキル
PhotoshopやIllustratorなどのデザイン系スキル
WEBテデザイナーへの転職ではPhotoshopやIllustratorのデザイン系のスキルが活かせます。
Photoshopは、独学でも勉強しやすいデザインのアプリケーションなので、WEBデザイナーになりたい方は一度は試しに利用してみると良いです。
最近では、インターネットでPhotoshopの操作方法について説明されているサイトも多いので参考にしてある程度マスターすることができるでしょう。
HTMLやCSSなどのコーディングスキル
転職に有利になるコーディングのスキルとして、HTMLコーダーの経験などがありますが、こちらは初めての方には抵抗がある場合もあるので、徐々に勉強して覚えることをおすすめします。
また、HTMLの教材は、本屋に行けば数多くあるので、自分にあった教材を選んで一歩一歩修得すると良いです。
コミュニケーション力
コミュニケーション能力は、WEBデザイナーでも重視されます。
営業などのコミュニケーション力を必要とする仕事の経験がある方は、WEBデザイナーでも様々な方と話す機会があるのでコミュニケーション力を発揮できます。
社内であっても会議を行って、WEBデザイナーとして自分の考えを発言する機会もあるだでなく、社外の顧客に対して打ち合わせなどで話しをする機会もあるので、WEBデザイナーでもコミュニケーション力は大切です。
ポートフォリオの作り方
なぜポートフォリオがあると良いのか
ポートフォリオは、WEBデザイナーとして転職活動をする際に使用する自分の作品のことですが、ポートフォリオがあることであなたの作品を実際に見ることができて、採用するかどうかの判断材料に使用されます。
自分の自信のあるポートフォリオを準備しておけば、いくつかのWEBデザイナーの求人のに応募した場合、良い結果がくることもあります。
ポートフォリオがなければ、採用担当者も判断する材料が乏しいと考えて不採用になってしまうこともあるでしょう。
未経験でもポートフォリオを作るべき理由
未経験者の場合でもWEBデザイナーに応募する際にポートフォリオは作成した方が良いでしょう。
ポートフォリオがあることで未経験であってもどのような将来性のある応募者なのかを採用担当者が判断する材料になります。
どのようなポートフォリオを作ると良いのか
ポートフォリオを作る時は、応募者がどのような人物であるか担当者に伝わるような物だと良いでしょう。
ポートフォリオでは、応募者のWEBデザイナーとしてのスキルのチェックもしますが、ポートフォリオ全体から伝わってくる人間性などもポイントとなるので、作成する時は意識的に自分らしさを表現できるポートフォリオをイメージすることが大切です。
WEBデザイナーが向いている方
WEBデザイナーはスキルを磨けば可能性が広がる職業ですが、向き不向きもあります。
主に3つの要素を満たしていると適正は高いと言えます。
何かを作ることが好き
基本的なこととしてWEBデザイナーにはWEBサイトを作る仕事であるので、何かを作ることが好きな方が向いています。
WEBサイトの内容を決める際に、顧客の意見を聞き取り実際のWEBサイトをイメージして構成していく仕事は、いわゆる物作りであるので何かを作ることが好きであることは重要なポイントです。
細かい部分まで気を配れる方
WEBデイザイナーに向いている方は、デザインやコーディングを細部までしっかりと行えて良いWEBサイトを制作できて、細かい部分まで気を配れる方です。
実際にWEBサイトを見る訪問者は、詳細な部分までコンテンツと画像などをチェックするので、細かな作業ができる方はWEBデザイナーに向いているでしょう。
新しいことを知るのが好き
他のWEBデザイナーに向いている方の特徴として、新しいことを知るのが好きで、知識の更新が早く、デザインのトレンドや最新のIT知識を知っている方が挙げられます。
逆に最新情報を吸収できない方は、WEBデザイナーとして仕事を継続することは難しいでしょう。
未経験でWEBデザイナーになるための近道とは?
WEB業界は全体的に年齢が若いということもあり、未経験でも求人を出している企業は多くあります。
まず現場でスキルを磨いていきたいと考えている方は未経験OKの会社に飛び込んで実践的なスキルをすぐに身につけるという方法が合っています。
対して、全くの未経験でWEBデザイナーとして活動するのが少し不安という方は、今いる会社でWEBデザインに近い業務を行ったり、自分でポートフォリオを一つ作成するなどをして何かしらの実績を作ると良いでしょう。
実務レベルの経験は少なくとも目に見える実績を確認できれば採用担当者はスキルを確認することができます。
その上で未経験OKの求人に申込みをしたら採用される可能性も高くなるでしょう。
WEB業界は今後も伸びしろが大きい業界ということもあり、WEBデザイナーの需要も一緒に増えていきます。
WEBデザイナーはキャリアを重ねるに連れてできることが増えていく職業なので、未経験だけどチャレンジしたいと悩んでいる人は若い年齢のうちに行動を起こすことをおすすめします。