転職をするときは、ほとんどの企業で履歴書を提出することが一般的ですが、一緒に職務経歴書の提出を求められるケースもあります。

履歴書は転職時に限らず、学生のアルバイト先にも提出するものなので、作成した経験がある方もいることでしょう。しかし、職務経歴書は「職務」つまり職業に関係することを書くだろうと想像できても、自信を持って職務経歴書がどんな書類か説明できる方はどのくらいいるでしょうか。

そこで、職務経歴書がどんな書類なのか、履歴書とはどんな違いがあるのかも含めて解説していきますので一緒に見ていきましょう。

職務経歴書って何? 履歴書とどんな違いがあるのか

職務経歴書は履歴書を購入すると一緒に別紙で入っているタイプと、履歴書の一部に職歴として記載するタイプがあります。

ここでは履歴書と別紙で作成する職務経歴書について解説していきます。

まずは、職務経歴書がどんな書類なのか見ていきましょう。

職務経歴書は業務経験やスキルを確認するための書類のこと

職務経歴書は、これまでの業務経験やスキルを確認するための書類です。

応募者が、

  • どんな企業で働いてきたのか
  • どんな仕事に関わってきたのか
  • どんな経験をしてきたのか
  • これまでの経験を自社でどう活かせるか

を採用担当者に伝えるための書類です。

これまで働いてきた企業名や部署名を単純に記載すれば良いのではなく、応募する企業が求めているものに添うように作成することがポイントになります。

なぜ、応募する企業の求めるものに添うよう戦略的に作るのが良いかというと、職務経歴書から応募者の書類作成能力やプレゼンテーション能力も判断するからです。

職務経歴書は市販のものを使う方もいますが、パソコンを使って自分で作成する方が実務能力をアピールすることができます。採用担当者は、職務経歴書から多くの情報を得るため、職務経歴書を自分で作成するときには見出しやレイアウトも工夫するなど配慮して作成することが重要です。

使用する用紙や文字の大きさについて解説

自分で職務経歴書を作成するときは、使用する用紙のサイズや文字の大きさも大切なポイントです。

用紙はA4縦の白無地に横書きで、1~2枚、多くても3枚くらいまでにまとめるようにします。

手書きよりもパソコンで作成する方が、後から自分で編集・修正しやすいためおすすめです。

また、採用担当者としても手書きよりもパソコンで作成した方が読みやすいというメリットがあります。

文字の大きさは、本文を10.5~12ポイントに設定してフォントとスタイルをすべて統一し、表題や見出しは太字やフォントサイズを大きくして強調すると、メリハリがついて読みやすくなります。

なお、本文の周囲の余白はしっかり残すようにしましょう。

職務経歴書は採用担当者にとって大切な書類なので、後々ファイリングして保管することもあります。

その時のことを考えると、余白が十分にある方が採用担当者がファイリングしやすいので、あらかじめ余白を設定しておくことがおすすめします。

職務経歴書を作成するときの注意点

職務経歴書を作成するときは、用紙や文字の大きさのほかに注意したいことがあります。

職務経歴書には必ず入社や退職した日付を記載しますが、このときの年号は西暦・和暦をすべて揃えるようにしてください。

もしも、和暦を使用するなら職務経歴書内の年号はすべて和暦履歴書や封筒の日付も和暦に統一するようにしましょう。

また、応募先の企業名、その他資格の名称などは、正式名称で記載します。

略したものは使わずに、正式名称がわからない場合は調べてから記載するのが良いでしょう。

学歴では学校名・在学期間など事実のみを記載し、誤った内容を記載しないように注意してください。

実際に通っていた学校でも、5年、10年と経過するうちに在学期間を間違えることがあるので、しっかり確認した上で記載するようにしましょう。

加えて、業務経験の中には守秘義務がある内容もあると思いますが、その際にはできるだけ企業名や商品名は伏せるのがベターです。

守秘義務がある名称を職務経歴書で使用するのは、ビジネスモラル疑われることにつながります。良くない印象を与えてしまう可能性もあるので、できるだけ「大手○○メーカー」などのように補足説明を添えるようにしてください。

補足説明は、業界に特化した専門用語や、企業内のみで使う社内用語などわかりにくい用語をを記載する場合にも添えると、採用担当者にもわかりやすくなるでしょう。

履歴書と職務経歴書の違いはココ! チェックされるポイントが違う

履歴書と職務経歴書は転職の際にどちらも提出が求められる書類ですが、履歴書は略歴を決まったフォーマットに記入して伝える書類職務経歴書は応募者はどんなことができるのかを詳細に伝える書類で、内容が異なるものです。

採用者がチェックする履歴書の箇所

  • 通勤可能な居住地かどうか
  • 学歴や職務経歴は評価できるか
  • 応募企業への思い
  • 丁寧な字で書いてあるか

採用者がチェックする職務経歴書の箇所

  • 自社が求める実務能力があるか
  • 転職目的が納得できる内容か
  • 記載内容に信ぴょう性があるか
  • 仕事に意欲があるか

採用担当者はこれらのポイント以外にも、独自に細かくチェックしている可能性が高いです。

これ以上書く情報がない! というときは、志望動機では入社への思いや姿勢を、自己PRや趣味・特技の欄では自分自身の人柄をアピールするように工夫してみてください。

職務経歴書を作成するときのフォーマットと記入の仕方について

実際に職務経歴書を作成するときは、内容を記載する前にこれまでのキャリアを振り返ってみることがおすすめです。

前職の企業情報、入社や退社日、異動や配属などのキャリアに関する情報を整理してまとめておくと、記載している途中で具体的な日付が曖昧になったりわからなくなったりせずに、スムーズに記載できるようになります。

同時に具体的な仕事内容や実績も整理しておくことが望ましく、転職回数が多い方は業種別に分けて整理するのも良い方法です。

それでは、職務経歴書の作成方法のうちフォーマットから解説していきます。

基本の職務経歴書のフォーマット

職務経歴書のフォーマットを簡潔にまとめると、

  1. タイトル「職務経歴書」を中央寄せで記載、1行改行して日付と氏名は右寄せで記載する
  2. 見出し「経歴要約」を作り250文字程度の要約文を記載する
  3. 会社概要を記載
  4. その他、見出しやレイアウトで工夫する

といった流れになります。

はじめに記載する日付は、提出日か提出日の前日を記載し、このときの年号は西暦か和暦に統一します。

次の経歴要約では、応募企業で活かせる経験を強調した要約文を250文字程度でまとめます。

要約文の文字数はあくまで目安で、自分の言葉で簡潔に書く方が採用担当者にも理解されやすく、興味を持ってもらうきっかけにもなります。

見出しやレイアウトは、読みやすさを重視すると良いでしょう。

職務経歴書の書き方例

ここでは上記の基本のフォーマットを使った職務経歴書の具体的な書き方の例やポイントをご紹介します。

この書き方の例には、職務経歴だけでなく、資格やスキル・得意分野、自己PRの書き方のポイント・例まで記載されているので、幅広く有効活用することができます。

もちろん、この通りに書く必要はありませんが、具体例を見た方が実際に書くイメージが沸き、格段に書きやすくなります。

以下のPDFをぜひ参考にして有効活用してください。

職務経歴書

主な記入方法は3つ! 編年体形式・逆編年体形式・キャリア形式について

職務経歴書には応募企業ごとに記入方法が異なり、編年体形式、逆編年体形式、キャリア形式を使い分けることが大切です。

まず、編年体形式は、時系列に沿って当時の業務内容をまとめていく書き方で、入社した順に記載していく方法です。

どんな経過を経て技術を習得したか、過去から現在までの成長を効果的に伝えることができ、同封する履歴書の内容と照らし合わせて確認することができます。特に指定がないときは、編年体形式で記載するのが一般的です。

 

次に、逆編年体形式は、最新の仕事情報から過去に遡って業務内容を記載していく方法です。

履歴書とは逆の順に書いていくことになりますが、応募した企業の仕事が直近の仕事内容と同じか近いときに使用します

また、直近の業務内容や実績を強調したいときにも有効な記入方法です。

最後に、キャリア形式は、これまでの業務経験や関わったプロジェクト単位で記入する方法です。

関わった時期に関係なく、自分がどんなキャリアを積んできたのか、どんな実績があるのかをアピールすることができます。

技術職や専門性の高い職種への転職転職回数が多くて長く同じ業務内容に携わってきた方に向いている書き方です。

職務経歴書はどんなところを見ているの? 採用担当者が見ているポイントをこっそり解説

職務経歴書は自分のキャリアを詳しく伝えるために作成しますが、それを読む採用担当者はどんなところを見ているのでしょうか。

職種にもよりますが、採用担当者にとって職務経歴書は履歴書よりも多くの情報を得られる書類のため、かなり重視しているケースもあります。

なぜ、そこまで重視する書類なのか、履歴書よりも重視する理由が気になるところです。

面接のたびにしっかりと作り込んだ職務経歴書を提出しても、上手くいかない方は必読です。

それでは、採用担当者が職務経歴書で重視するポイントを解説していきます。

1.自社で必要としている人材像と合致するかをチェックしている

応募者が自社で必要としている人材像と合うかどうかは、採用担当者にとって重要な項目です。

合わない人材を採用してしまった場合、職種によっては業務に支障が出たり、負担になったりするため、職務経歴書からどんな人材なのかを読み取っているのです。

これまでデスクワーク中心だった方が、体力的にきつい仕事に応募した場合、活躍に期待できるでしょうか。

採用担当者は自社が求める人材像に限りなく近い方を探すために、職務経歴書も厳しくチェックしているのです。

人材を募集するときは必ず募集要項があるので、それを読み込むことも応募企業に採用される職務経歴書づくりに役立つでしょう。

2.過去の職務経歴から実務能力を見ている

職務経歴書には過去のキャリアを詳しく記載するため、応募者がどんな業務に関わってきたのか業務に必要となる資格を取得しているかなどじっくり見ています。

内容によっては過去の実務経験と自社の仕事の共通点があるかなども見ているので、応募者の実務能力が活かせるかどうかの判断材料にもなるでしょう。

また、職務経歴書はパソコンで自分で作成すれば、レイアウトや見出しも応募者のオリジナルになるので書類作成能力を見る意味でもチェックされています

3.転職回数や在籍期間を確認している

職務経歴書では、記載する企業名が多いほど転職回数が多いということになり、転職回数と在籍期間はほとんどの応募者がチェックされている項目です。

転職回数が多いということは、人間関係を上手く構築できない・1ヶ所の企業で長く働くことが困難だと判断されやすくなります

例えば、まだ30代前半と若いのに転職回数が3回以上もあるとなれば、採用担当者のほとんどが気にする傾向があり、在籍期間も1社に3年未満で転職しているようでは良い印象を持ってもらうことはなかなか難しいです。

ただ、きちんとした転職の理由があれば良いケースもあるので、面接で転職理由を聞かれる可能性は高くなるでしょう。

もしも、理由を聞かれたときはできるだけポジティブな理由を回答するようにしましょう。

4.志望動機や自己PRなどから自社への意欲や熱意をチェックしている

職務経歴書の志望動機や自己PRは、応募者の気持ちや人柄を汲み取れる部分です。

採用担当者は志望動機では自社への意欲や熱意などを、自己PRでは人柄を見ていることが多く、この部分を適当にあっさり記載したために書類選考で落とされることもあります。

どの企業でも自社に興味があり、熱い思いを抱いて働いてくれる人材に惹かれるため、特に志望動機ではできる限り思いの丈をぶつけるように書くようにしましょう。

自己PRでは、自分の長所や短所を分析して書き、具体的にこんなときにはこんな対応ができる、得意だなどのように例を挙げるのも良いアピールになります。

職務経歴書は職種に合わせて作成するのがベスト! できる限り充実した内容にするのがおすすめ

職務経歴書は、履歴書のように決まった内容を記載するのではなく、職種によりまとめるポイントが異なる書類です。

自分のキャリアをアピールしたいとき、自分が同じ業界で積み上げた実績をアピールしたいときなど、アピールするポイントによっても書き方が違ってきます。

作成するときはあとから編集・修正がしやすいように、パソコンでの手作りがおすすめです。

レイアウトにも気を配って作成すれば、書類作成能力をアピールすることにもつながります。

また、事前に自分のキャリアを書きだして整理して、転職回数が3回以上あるときは業務内容で分けて記載するのもおすすめです。

職務経歴書は決まりきったことを書けば良いのではなく、応募企業や業務に対する意欲や熱意も伝えることができます。

手を抜きやすい志望動機や自己PRなども、充実した内容になるようしっかりと作り込んでおきましょう。