未経験から証券会社へ転職することは可能? 成功率を上げるためにアピールすべきこと

証券会社へ転職したい! 未経験の場合はどうすべき?

証券会社へ転職したい! 未経験の場合はどうすべき?証券会社での仕事は、以下のように大きく分けて3つあります。

  1. 営業職
    主に、法人または個人に顧客のニーズに合わせて株式、投資信託、債券などの金融商品を提案、取引の発注をします。法人営業では、金融商品の提案だけではなく、M&AやIPO(新規株式公開)などの提案やアドバイスをする部署もあります。
  2. 事務職
    営業職のサポートとして、注文に誤りがないかや適正なコンプライアンスのもと提案されているかどうか管理します。ときには、顧客と営業職の通話記録や提案経過などを見て、不適切な部分があれば営業職に指摘、改善を求めることもあります。
  3. アナリスト職
    銘柄分析やマーケット分析を行い。営業職や顧客の投資判断に参考となる資料を提供します。

  4. ディーラー職
    会社の大きな資金を使って、先物取引や裁定取引を行います。自社の営業外損益を左右する大きな利益を追求します。

アナリスト職とディーラー職に資格は必要ではありませんが、転職であれば未経験では難しく、前職での実績が求められます。

一方、営業職と事務職は、未経験でも転職できます。

資格について

証券業務には最低限「証券外務員一種」と「証券外務員二種」、保険も取り扱うため「生保一般課程試験(生保募集人試験)」「専門課程」「変額保険販売資格」「外貨建保険販売資格」が必要になります。

就職後でも十分取得可能で、ほとんどの人が就職後に取得します。

就職後に取した方が、資格取得にかかる費用を会社が負担してくれ、自己負担がありません

また、証券外務員一種・二種は個人でも受験可能で生涯有効ですが、生保関係の資格は個人で受験することはできず、取得しても離職すると再取得が必要になることがあります。

  • 証券外務員一種・二種
    勉強期間は1~3ヶ月程度で、仕事をしながら十分資格取得が可能です。選択制で、試験会場のパソコンを使用して回答し、70%以上の得点で合格となります。ただし、不合格となると受験日から30日経過するまで再受験ができません。また、合格率も70%近くと高いため、不合格となると印象もよくありません。また、最低限証券外務員二種を保有していないと、金融商品に係る一切の勧誘・取引業務ができません。さらに、一種を取得すれば、信用取引、デリバティブ取引などの勧誘が可能になり、仕組債の提案もできるようになります。
  • 生保一般課程
    保険の勧誘を行う際に必要な資格になります。こちらも勉強期間は1ヶ月程度で、仕事をしながら十分取得可能な資格となっており、勉強は土日だけでも足ります。選択制の試験で、試験会場のパソコンで回答し、70%以上で合格となります。証券外務員の合格率70%に対して、合格率80%以上の資格であるため、きちんと勉強すれば落ちることはありません。受験前に会社で32時間程度の研修を受けてから、試験を受けます。
  • 専門課程
    上記一般課程があれば保険販売は可能ですが、通常証券会社では医療保険のような一般に保険として思い浮かべる保険は販売しておらず、資産運用目的で加入する運用によって受取り金額が変わる変額保険や外貨建てで運用する外貨建て保険を取り扱っています。このような商品の提案にはその商品の特性やリスクを説明できる「変額保険販売資格」「外貨建販売資格」が必要となります。そのような資格を取得する前に前提として、この専門課程を合格している必要があります。試験前に12時間以上の研修を受けている必要があります。試験は選択制の試験で、試験会場のパソコンで回答し、70%以上で合格となります。合格率70%と一般課程に比べるとちらほら落ちる人もいます。ただ、きちんと勉強していれば合格できる試験です。専門課程の試験回数は毎月行われていますが、次に紹介する変額保険と同時受験する人が多く、変額保険が年3回であるため一発で合格しておきたい試験です。
  • 変額保険販売資格
    専門課程に合格していないと合格できず、専門課程と同時受験することが多いので、専門課程と勉強期間は重なります。合格率70%と一般課程に比べるとちらほら落ちる人もいますが、受験できるのが年3回であるため一発で合格しておきたい試験です。
  • 外貨建保険販売資格
    これまでこの資格がなくても外貨建保険を販売可能でしたが、為替リスクを販売員が顧客に十分説明しないまま加入し苦情となるケースが目立ち、創設されました。2022年春以降においてこの資格がないと外貨建保険を販売することができません。試験は選択制の試験で、試験会場のパソコンで回答し、70%以上で合格となります。

上記のように、証券会社ではとにかく資格が必要となります。ただ、就職前にその資格を取得している必要もなく、保険に限っては就職前には取得できないルールとなっているため、未経験でも大丈夫です。

就職後は上記資格が最低限でも必要となるため、仕事をしながら勉強しなければならない覚悟は必要です。上記資格がないとそもそも販売ができないため、資格取得するまでは仕事の負担が大きくのしかかることもなく、就業時間も勉強のために定時に終了させてくれる職場が多いです。その代わり、必ず合格する必要はあります。

また、必須ではありませんが、FP資格や証券アナリストの資格の取得が推奨され、合格すると報奨金が受け取れます。さらに、課長等管理職や営業部門をチェックする事務職になるためには「内部管理責任者」の資格が必要になります。

このように、資格の勉強が常につきまといますが、どれもきちんと勉強すれば合格できる資格です。

転職を成功させるために必要なアピールポイントとは?

転職を成功させるために必要なアピールポイントとは?営業職の場合、顧客と対面して金融商品の提案、相談を行います。そのため、相談しやすいと思ってもらえるような高いコミュニケーション能力や信頼を持ってもらえる人格があると良いでしょう。

証券会社というと、就職前に金融知識が必要なのではと考えるかもしれませんが、一切不要です。

就職して、毎日日経新聞を読み、経済ニュース番組を見て、1日相場やレポートを見て過ごしていれば嫌でも金融知識は身につきます。また、上述の通り資格も就職後取得すれば大丈夫です。

結局は、人と人の付き合いになるので、前職で営業で大きな実績を残していれば大きなアピールポイントとなります。その場合には、前職でどのような実績を上げたのかを具体的に業界外の人にも分かるようにアピールするのが良いでしょう。

応募する前に鍛えておくスキルや能力とは?

応募する前に鍛えておくスキルや能力とは?上述の通り、就職前に取得しておくべき資格はありませんが、就職前に時間があればFP資格の取得はおすすめです。

FP資格は証券業務で必須の資格ではありませんが、就職すれば推奨される資格であり、FPはファイナンシャルプランナーの略で、顧客の人生設計目標において、経済面での実現を応援する資格です。

具体的には、顧客の住宅取得や老後などの大きなライフイベントごとに必要な資金を確保するために、計画を立てる(ファイナンシャル・プラニング)ことです。FP資格には国家資格とFP協会による資格があります。

国家資格は、1~3級まであり一度取れば生涯有効な資格ですが、証券会社で必要とされる資格はFP協会による資格です。

FP協会による資格は、民間資格で取得後も生涯研修を受けなければならず、更新手続が必要です。

また、入会費用、年会費が必要になります。就職後は年会費を会社が負担してくれますが、就職前の場合には自分で支払う必要があります。証券会社で求められる資格はAFP資格で、国家資格のFP2級と同じ水準となります。その上位資格がCFPです。

  • AFP
    AFP認定研修終了後、「FP基礎」「金融資産運用設計」「不動産運用設計」「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」「リスクと保険」「タックスプランニング」「相続・事業承継設計」「提案書作成」に関する知識を問う試験を受験します。AFP認定研修もあることから、テキストのみの学習ではなく、通信教育による学習が必要となります。
  • CFP
    AFPの資格を保有しており、CFPの試験6課目「金融資産運用設計」「不動産運用設計」「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」「リスクと保険」「タックスプランニング」「相続・事業承継設計」に合格する必要があります。この6課目は1課目でも合格すれば引き継ぐことができます。合格後にCFPエントリー研修を受け、通算3年以上の実務経験を積めば晴れてCFP認定者となることができます。実務経験は、金融機関での業務以外でもみなし実務研修や協会実施の研修を受講することで認められることもできます。

証券会社就職後は、まず第一に外務員資格や保険関係の資格を優先的に取得する必要があるため、就職直後はAFP、CFPの勉強する時間はありません。

また、外務員資格や保険関係の資格を取得すれば仕事が本格的に始まるため、平日は中々勉強の時間をとることができなくなります。

AFPは土日に勉強するだけでも足りますが、CFPは年月をかければ別ですが短期間で合格するにはかなりの勉強時間が必要になります。

転職前に時間がある場合は取得しておくのも良いでしょう。ただし、就職前に取得する場合には以下のようなデメリットがあります。

就職前にFP資格を取得するメリット

  • 勉強時間を確保できる
  • 就職後アドバンテージをとれるまたは給与水準が上がる

就職前にFP資格を取得するデメリット

  • 就職後に取得すれば報奨金が受けれる場合、就職前に取得するとその報奨金が受け取れない
  • 就職前に自費で入会金や年会費を支払う必要がある
  • 会社が通信教育費用を負担してくれる場合、就職前だと全額自費になる
    ただし、前職で雇用保険に加入し退職後1年以内であれば、ハローワークに申請すれば教育訓練給付金といって上限10万として費用の20%が給付されます。
  • 就職後の場合金融知識が身についているので、就職前に比べて試験内容を理解しやすいですが、前職が金融関係ではないととっつきにくいところがあります。

 

未経験でも狙える!? 証券会社の職種について

未経験でも狙える!? 証券会社の職種について証券会社の営業職は未経験でも就職可能です。資格は就職後にとれば良いため、金融に関する資格がなくてもかまいません

証券会社の営業職は大量採用、大量離職である面があり、未経験でも就職はできますが続けることが難しいという側面があります。

そこは、やはり理由として顧客の大切な資産について提案する責任やミスが許されない、営業目標があるなどと考えられます。株式売買は顧客と電話しながらそのまま発注し、注文が成立してしまえば取消ができません。発注ミスが続くと処分や減給もあり得ます。

証券会社での営業は、心のタフさと顧客とのコミュニケーション能力、顧客と真摯に向き合う気持ちが大切で、就職前には特別な資格は必要ありません。

また、事務職においても特別な資格は必要ありません。証券会社の事務職は営業職のミスや不正などを指摘する立場になります。

そのため、正確な事務処理能力や営業の間違いや不適正な行動や言動に気づく力が必要になります。証券会社での事務職は、通常の事務職として想定されるエクセルやワードは使用せず、証券会社独自のシステムを使用して処理します。

一方、デイーラーやアナリストについては、前職でその分野について長けていた実績が必要となり、未経験で就職することは簡単ではないでしょう。