出版業界志望者必見!出版業界を目指すなら知っておいてほしいこと

出版業界は私たちの生活にも身近で志望する方も多い業界ですが、出版業界への就職は難しいと感じている方もいるかもしれません。

実際、出版業界は募集定員が少ないなどかなり狭き門になっており、他業界よりも倍率が高い業界といえます。

また、出版業界というと出版社のイメージが強いと思いますが、それ以外にも様々な仕事が存在しています。

そこで今回は、出版業界についての基本知識から、働く上で大切なことや活かせるスキルなどを紹介していきます。

出版業界について

出版業界について

まず出版社以外にはどんな職種があるのでしょうか。業界の事を知り、選択肢を広げることで新たに自身の目指す方向が見つかるかもしれません。

出版業界は大きく分けて「出版社」「編集プロダクション」「流通」「書店」

この4つに分類されます。以下で紹介していきたいと思います。

出版社

出版社と一概にいってもその中で様々な役割があります。

「編集」「技術」「経営、人事、経理」「ライツ、販売、広告」この4つに分けて紹介します。

編集

編集者の担うジャンルはコミック、文芸、教育、学術、ファッションなど多岐に渡ります。

コミックや文芸の場合は担当作家さんのマネジメント業務を行い、ファッション誌などでは実際に撮影現場に足を運ぶなどオフィス以外でも仕事をします。

また、編集者は激務というイメージがかなり強いと思いますが、現在はテレワークなど新しい働き方を取り入れる出版社も多く、コロナ禍以前よりも激務ではない印象が強いです。

技術

どの会社にもIT職など会社を支える技術職はいますが、出版社ならではの技術職は「校閲」です。

文字に誤りがない、ということは読者からの記事への信頼性を高めます。

また、多くの著作物を扱う出版社では商標にかかわる知財・法務部署も備えています。

経営企画・人事・経理

会社を運営していく上でのお金を管理する部署となっています。その会社にも資産に関する業務を行う部署は存在しますが、ここでは原稿料の支払いといった出版社特有の業務も含まれています。

経営企画では、今後の経営方針などを取り決める業務が行われています。

ライツ・販売・広告

ライツとは、漫画などをグッズ化する際などの権利関係業務を行う部署になります。

作品をアニメーション化する際の権利は作家と会社どちらのものになるかなど、複雑な権利業務を担っています。今は漫画を原作とした舞台も多く行われていますので、出版社にとって権利業務は必要不可欠な役割となっています。

また、国内のみならず漫画を海外に輸出するなど販売業務を幅広く行っており、海外と国内の橋渡しを担っている部署になっています。

編集プロダクション

平たく言うと、下請け会社となります。後の出版業界へのキャリアプランに関する項目でも出てきますが、編集プロダクションに勤務した後に大手出版社に転職する方もおり、豊富な経験を積むことができます。

流通

主に出版取次と呼ばれる仕事です。一言で言うならば、出版業界の卸売業者になります。

普段私たちが本屋で図書を手に取るまで、出版社との間に出版取次が橋渡しを行っており、

著者→出版社→出版取次→書店→顧客 といった流れになっています。

書店

大きく分類して、実店舗とネット通販の2つに分かれます。

コロナ禍を経て、多くの書店が時短営業を余儀なくされました。当然顧客は遠のき、経営難に陥る書店も見受けられました。

そのこともあり、図書のネット販売が急速に普及しました。

例えば、紀伊国屋書店は自宅への配送サービスを行うなど新たな生活様式に適応する工夫を凝らし、コロナ禍でも業績を保ちました。また、学術情報サービスの電子書籍プラットフォームである「KinoDen」を開始し、自宅で学ぶことも学習スタイルのうちの1つとなった今の時世に適応しています。

このように様々な書店が生き残るために創意工夫を凝らしているんですね。

出版業界では資格よりも重視されるものがある!

出版業界では資格よりも重視されるものがある!

業種によっては、転職において資格を得るために勉強する方もいると思います。

ただ、出版業界では特段資格は必要ありません。それよりも、熱量やアイデア力が重視される業界なのです。

業界全体を見渡してみると、何事もそつなくこなすことができる人よりも、何か1つに飛び抜けて優れている、一点特化型の人が多いように見えます。例えば、「この作家のことなら誰にも負けません」といった自信と比例したその分野における知識量などです。

言い換えれば、文学やサブカルチャーに関して旺盛な好奇心を持っている方には最適の業界といえます。

キャリアプランについて

キャリアプランについて

新卒の場合は膨大なESから選出される形式上、学歴がある程度考慮されます。しかし、三大出版である講談社・集英社・小学館の中の集英社は学歴不問を掲げています。実際、面接会場には出身校の話題を禁ずる旨の注意書きが貼ってあるそうです。

転職の場合は学歴はさほど重視されず、今までの経歴や即戦力になるかどうかがポイントとなってきます。

例としては編集プロダクションで結果を出し、ランク上の会社に応募するという形が多くみられます。

前述したとおり、出版業界では熱量やアイデア力がかなり重視される業界となっています。

もしあなたが好きな作家やジャンルがあるのであれば、その趣味をさらに極めることが次のステップに繋がるといえるでしょう。好きを極めることが結果として採用に繋がるといえます。

また、出版業界での転職は出版業界内の違う職種や他エンタメ系からの転職が多く、紹介してもらうといった形もあります。まったく違う業界からの転職はツテがないと厳しいといった意見もありますが、それを凌駕する知識量を持っているのであれば可能性は十分に見込めます。

まずは小規模の会社に入社するところから始めることが近道でしょう。

出版業界で活かせるスキル

出版業界で活かせるスキル

それでは、出版業界で期待されるスキルや活かすことのできる能力にはどのようなものがあるのでしょうか。

リサーチ能力

営業力や自身の足で調べる力は重要になってきます。

例えば、地方の本屋に自社の書籍を売り出したいとなった際、自らその土地に足を運び、地方書店ではどのような書籍が売れているのかを調査する必要があります。地域色をつかむことがその土地での売り上げに繋がっていきます。

また、出版社では入社時の研修で書店勤務を課されることがあります。最も多く顧客が本を手にするであろう本屋での本の流れや需要のあるジャンルについて知ることは、どこの部署に配属されることになっても重要となってくるでしょう。常にアンテナを張っておき最新の情報を取り入れる能力が期待されます。

発想力

コロナ禍で街の書店に限らず多くの店が休業や廃業に追い込まれました。

また、ネット市場が盛んな昨今では書籍は本屋で買うものである、という認識が薄れつつあります。

変わりゆく時世の中で、前述した紀伊国屋書店のように出版業界は生き残る力を持たなければなりません。

実店舗を構える本屋ではどのような魅力があれば顧客が来店するかを考える必要があります。ほかの店にはない、自身の店だけの特徴を押し出すことが店の存続に関わってくるといえるでしょう。

そこで、以下では、様々な創意工夫を凝らしている書店を紹介します。

神楽坂 かもめブックス

校正・校閲会社の鴎来堂が手掛けるイベントも行う本屋です。

ヨガイベントなど本屋の域を超えたイベントも開いています。

下北沢B&B

お酒を飲みながら本が読める画期的な本屋です。

著者を招きトークイベントやワークショップも開いています。

 

このように差別化を図る書店も存在し、発想力はかなり重要なポイントとなってくるでしょう。

コミュニケーション能力

書店営業や広告部署に就いた場合、担当者に自社の著書を売りこみ店頭に並べてもらうことが仕事です。商談がメインの仕事とも言え、窓口である担当者と良好な関係を保っていくことは自身の業績アップに直結していくでしょう。

編集者志望の場合は作家との信頼を構築することも仕事の一つです。次項にも繋がっていきますが、担当作家のマネージャーでありカウンセラー的立ち位置になる編集者には高いコミュニケーション能力が望まれます。

体力

編集者の場合は作家のメンタルケアも担わなければなりません。作家からの相談や原稿の受け取りなど、いつ連絡が来ても駆けつける姿勢も欠かすことのできない仕事です。

そのため校了日前などの繁忙期は、退勤時間や睡眠時間が不規則になることは覚悟しておかなければならないでしょう。

もちろん会社によっては、仕事が遅くまで続いた翌日に遅く出社することが許されている場合もありますが、イレギュラーな事態にも柔軟に対応できる体力は必要不可欠です。

また、先述したように出版業界は営業職の色味も強く、各地域に足を運び現場を肌で感じることが業績に繋がっていきます。このようなリサーチ能力を高める為にも体力が重要となってきます。

体力・気力ともに必要になってくるが、その分報われやすい

体力・気力ともに必要になってくるが、その分報われやすい

業界の性質上、体力がかなり必要になってくる業界です。

また目指すからには何か一つ極めることのできる気力も必要になってきます。

しかし、他業界に比べ学歴よりもその人が今まで築き上げてきた経験やスキルを見る業界なので努力が報われやすいといった見方もできるでしょう。思いついたら即行動など行動力が物をいう業界ともいえるので、好奇心旺盛な方にはかなり向いている業界ともいえます。

今現在、他業種に就いていて出版業界に興味を持っている方は、まずは小規模の編集プロダクションに応募してみるなど行動してみることが重要です。

熱量を持っている方は今からキャリアプランを練ってみるのはどうでしょうか。