就活の「秋採用」で内定を獲得するためには、秋採用の特徴などをしっかりと理解しておく必要があります。しかし、秋採用について十分な知識がある就活生は少ないのではないでしょうか。

そこで、ここでは『そもそも「秋採用」とは一体何なのか』『内定を獲得するにはどうすればよいのか』『求人中の企業の傾向や対策のコツは?』など就活生なら押さえておきたい情報をまとめて紹介していきます。皆さんの就活の一助となれれば幸いです。

そもそも「秋採用」とは?

「秋採用」とは9月~11月末にかけて約3ヵ月程度実施される採用活動の通称です。

企業が秋採用を行うのには大きく分けて以下の3つの理由があります。

  1. 埋まらなかった採用枠を補完したいから
  2. 特定の資格・経験を持った人の採用を希望しているから
  3. 元々通年採用を行っているから

1については、近年就活生が沢山の企業を受け、複数内定を獲得することが当たり前になったため、企業が十分な数の学生を確保するのが難しくなってきている状況が背景となっています。

2020年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」で83.0%の企業が「内定辞退者がいた」と回答し、中でも「内定者の4割以上が内定辞退をした」と答える企業が20.9%と最も多いことからも伺えるように、現在、複数内定を得た学生に9月以降内定辞退をされることが中小、大手を問わず多発しています。

そのため企業は埋まらなかった採用予定枠を補完することを求めており、それが大手企業にも秋採用の求人がある理由となっています。

2020年現在、コロナウイルスによる不況で新卒採用枠が大幅に削減され就活生に多大な影響を与えています。しかし、1の理由で「秋採用」を行っている企業も多くありますので、現状を悲観して就活を諦めるのではなく粘り強く企業研究を続けていくことが重要です。

2や3については、厳密に言えば「秋採用」に該当するわけではありませんが、秋採用の時期と採用スケジュールが重なるケースも多くあるので併せて紹介します。

通年採用」とは、その名の通り年間を通して採用活動を実施している採用活動のことを指します。この採用活動は時期に関係なく人員を補充できるだけでなく、より自社に見合った人材を慎重に見極められるというメリットが企業にあります。

そのため、優秀な学生をとり逃さないためにも常に採用をオープンな状態にし、本当に優れた人材を確保しようと考える大手企業やベンチャー企業を中心に広がりを見せている採用方法です。

この「通年採用」は卒業が間近に迫ったタイミングでも内定が獲得できる可能性があるといえますが、企業は本当に優秀な人材を求めているので採用の基準が厳しいことは理解しておきましょう。

秋採用は今までの就活と何が違う?メリット、デメリットは?

秋採用が春・夏採用と大きく異なるのは、「募集を行っている企業数・採用予定者数」です。

近年、通年採用の企業も増えてきてはいますが、やはり春・夏までと比べると採用活動を行う企業数・採用予定者数は大幅に減少します。

さらに、その少ない枠を卒業時期のずれた海外留学組や就活のやり直しをはかる公務員試験組、体育会組も参入したレベルの高い集団の中で勝ち取ることが求められます。

そのため、倍率自体が非常に高くなることはもちろん、実質的に倍率以上の厳しい戦いになることは確実です。9月からの就活に勝ち抜くためには、その狭く厳しい戦いに挑む覚悟としっかりとした準備が不可欠だといえるでしょう。

メリット・デメリットは?

「秋採用」は厳しい戦いとなることは充分に理解して頂けたと思いますが、「秋採用」にはもちろんメリットもありますので、以下にメリット・デメリット両方を整理して紹介します。

メリット

  1. 春からの就活の経験を活かせる
  2. ライバルが少ない為アピールする時間を多くもらえる

1については、春採用の時期から就職活動をしている場合に限られた話ですが、自己分析や業界分析などの就活準備がより整えられているため、以前より効率良く活動できることが期待できるということです。

また、春採用ですでに複数社の面接を受けている学生は受け答えにも慣れてくるので、アガリ症で面接時になかなか実力が発揮できない、伝えたいことを正確に伝えられないといったミスも克服できるでしょう。

2については、いくら留学組や公務員試験組などの参入があるといっても春採用に比べると圧倒的にライバルが少ないので、面接で自己アピールをできる時間が多いということです。

特に埋まらなかった採用予定枠の補完を目的に秋採用を行っている企業は、これ以上内定辞退者を出したくないので、春採用よりも一人一人の学生を慎重に見ている傾向が強いです。

デメリット

  1. 就活中の学生の母数の減少に伴い採用枠も減少しているため倍率が高く選考が難関になる
  2. 採用に関する情報を入手しづらい

1については「採用枠の減少」+「留学経験組などの強豪が参入する」なかでの戦いとなるため、かなり厳しいものになるということです。そのため、厳しい戦いを勝ち抜くという強い意志が必要不可欠であるといえるでしょう。

2については、春・夏採用に比べるとどうしても秋採用にかけられる予算が限られてしまうため、採用情報を就活サイトに掲載する企業が少なく、情報を入手することが難しいということです。

受け身の状態では有益な情報は得られませんので、自分から情報を積極的に取りに行く姿勢が重要です。

秋採用を行う会社の傾向は?

ここまで「秋採用」についての基本的な知識をおさえてきましたが、実際に秋採用を行う会社にはどんな傾向があるのか、会社の規模別にご紹介します。

中小企業BtoB企業

中小企業やBtoB企業は就活生からの知名度が低いので、春夏の採用では大企業に応募者を取られてしまいがちです。そのため埋まらなかった採用枠の補完を目的として、大手企業の選考や公務員試験に落ちた学生を狙って秋まで採用を行っていることが多いです。

知名度はなくても大手並みの待遇や福利厚生を備えた大手のグループ企業や、実は大手企業との取引で大きなシェアを持っていたり、長年安定した成長を続けていたりする優良なBtoB企業も多いので、このような会社の秋採用はねらい目といえるでしょう。

ベンチャー企業外資系の企業

ベンチャーや外資系の企業はどちらも通年採用を採用し、「通年で採用を受付つけている=秋以降も受け付ける」という形で採用活動をしているというケースが多数見受けられます。

このような会社は、実力主義の採用を行うことが狙いで、夏〜秋に海外の学校を卒業した学生などの幅広い人材を求める傾向にあります。特にベンチャー企業は、自社の成長に対して貪欲であるため、秋採用に限らず常に即戦力となる人材を求めています。

そのため「わが社にとって有益な、優秀な人材がいればいつでもほしい」という考えで、一般的な採用活動のシーズンにとらわれず、長期間エントリーを受け付けるという傾向があります。

大手企業

こちらも秋採用と区切らずに通年採用という形で秋にも採用を継続しているケースが多いです。通年採用は一年中採用できるので、「本当に優秀な人材しか取らない」という企業が多く、採用の基準が非常に厳しいため、枠を争う戦いは非常に熾烈なものになります。

また、確実に秋採用で内定が欲しいという就活生は大手企業だけに応募するのではなく、先に紹介したような「大手企業のグループ企業」や「優良ベンチャー企業」など幅広く応募することが大切です。

秋採用のスケジュールは?

秋採用は採用枠の補完に焦っている企業が多い為、基本的に春・夏採用よりも選考期間が短く、選考がスピーディーに進む傾向にあります。大体のスケジュールは以下の通りです。

  • 7月~8月頃:エントリー 
  • 9月以降:選考期間 
  • 9月~11月末:内定

しかし予定人数が確保できた時点で終了する企業もあるので、秋採用に挑戦することを決めたならばとにかくスピード感をもって、早く行動することが重要です。

秋採用で内定を獲得するためのポイントは?

実際に倍率が高く厳しい戦いが予想される秋採用で内定を獲得するにはどうしたら良いのでしょうか。

春・夏採用と同じように挑んでいては、なかなか内定が出ない可能性もあります。そこで、秋採用だからこそ意識したい重要なポイントをいくつかご紹介します。

今までの就活の仕方を見直し、一新する

春夏の就職活動で内定が貰えず秋採用に臨む方の場合は、一度きちんと今までの就職活動の見直しをしましょう。不採用だった原因を解明せずに秋採用に臨んでも、これまでと同じ失敗を繰り返す可能性が高いです。

自己分析や業界研究が不十分だったのか、面接対策ができていなかったのか、業種を絞りすぎていたのではないかなど、不採用の原因を明確に突き止め、改善し、今後の対策を練ることが大切です。

他の就活生との差別化を図る

秋採用は募集数が限られているため倍率が非常に高いです。その中で内定を勝ち取るには、他の就活生といかに差別化できるかを考えなければなりません。

志望する企業の業界研究や志望動機の作成を手を抜かずにやり切ることはもちろんですが、「なぜ春採用で弊社を志望しなかったのか。」「なぜ今も就活を続けているのか。」などの秋採用ならではの質問に対する答えも徹底的に考え抜く努力を重ねることが重要です。

とにかく自分と他の就活生の差別化を図り面接官に自分を最大限にアピールできるようにしましょう

選考後に振り返りを行う

秋採用を実施する企業の数は、就活のピーク時に比べると格段に減ります。そのため、1社1社の選考を慎重に受けることが大切です。

ここで大切なのが、どのような結果であっても選考のたびに必ず振り返りをすることです。就活はトライアンドエラーの繰り返しなので、ミスをして改善するという過程を繰り返しながら少しずつ成功に近づきます。ミスをした原因を究明し、次はどうすれば良いかということを筋道を立てて考えることを大切にしていきましょう。

また、秋採用は次があるかわからない極めてシビアな状況であるといえます。貴重なチャンスを無駄にしないためにも、選考ごとに反省を繰り返して「この会社で必ず内定を獲得する」という強い意志を持って挑みましょう。

ネガティブにならず、前向きに!

秋採用に臨む人の中には、春・夏採用で内定がもらえなかったことで自信を喪失し、「もう自分に就活での成功は望めないのではないか…」とネガティブになってしまっている人が多いです。

しかし、秋採用を成功させるためにはネガティブになり過ぎるのは禁物であり、前向きな気持ちで就活に取り組むことが大切です。あまりにも後ろ向きな気持ちのままでは、就活に臨む意欲もなくなってしまいますし、そのネガティブさが選考で出てしまうと面接官にマイナスの印象を与えてしまいかねません。

これまでの失敗を見つめ直して反省することは大切ですが、必要以上に深く受け止めすぎる必要は一切ありません。不合格になる理由は様々ですが、多くの場合は「企業との相性が悪かった」ということが挙げられます。どれだけ準備していても相性が悪いと落ちることもあるのです。

そのため、精一杯努力した結果、不採用だった企業は「私とは縁がなかったんだな。」というくらいの気持ちで受け止めて、次の企業へと気持ちを切り替えていきましょう。

また、落ち込むということは、それだけ真剣に就活ができているとも言えますので、その気持ちは大切にしましょう。「就活に真剣だから落ち込む」ということを意識した上で、気持ちを切り替えてさらに真剣に就活に取り組んでいくことが大切です。

秋採用は最後まで諦めずに努力し続けることが大切!

9月以降の就活はかなり厳しいものになると予想されますが、優良企業の求人はまだまだあるので諦める必要はありません。

春・夏採用で内定をもらった仲間に会うと、自分と比べて気分が落ち込むこともあるかもしれませんが、彼らが良い企業に就職を決めた勝ち組であるなんて思う必要は全くないのです。

焦る気持ちを捨てて、前向きに、秋採用に最後まで諦めずに取り組んだ先にはきっと素晴らしい結果がついてきます。 内定獲得までもうひと踏ん張り、頑張っていきましょう。

また、疲れを感じたらしっかり休むことも忘れないでください。頭の中が就活一色になってしまうと、選考でいいパフォーマンスを出せません。秋の味覚や芸術、スポーツなどで英気を養いながら、秋選考期間を充実させていきましょう。