無理をしない休職中の過ごし方。多い悩みや復職の仕方について会社に勤めていると思わぬ病気やケガ、事故に遭うなど一時的に休養が必要になることがあります。

風邪などの一般的な病気で数日程度休むのとは異なり、長期的な休養を取らなければならないときは会社の休職制度を利用するケースも出てきます。

休職制度は会社ごとの定めがあり、労働基準法などの法律で決められていないものです。

もし今、休職を検討しているなら休職する方法、休職中はどうやって過ごすのが良いのか気になるところだと思います。

それでは、休職制度がどのようなものなのか、休職中の過ごし方や復職の仕方について解説していきます。

会社を長期間休む休職とはどんな状態なのか

会社を長期間休む休職とはどんな状態なのか

休職制度は風邪などで会社を数日休むこととは異なり、会社と雇用契約(労働契約)を維持したままの状態で労働を免除または停止(禁止)させる対応のことをいいます。

簡単に言えば、会社を辞めずに自分の都合で会社を長期的に休むことを意味します。

休職制度そのものは法律で整備されているわけではなく、会社単位の就業規則で定められていることがほとんどです。

休職制度が適用される理由はさまざまなものがあり、日常的によくある休職理由としては次のようなものが挙げられます。

<主な休職の種類>

  • 傷病休職(私的な病気やケガ)
  • 事故欠勤休職(私的な事故)
  • 自己都合休職(ボランティアなど)
  • 留学休職(海外への留学)
  • 公職就任休職(議員になるなど公職への就任)
  • 組合専従休職(労働組合の役員に専念する)
  • 起訴休職(起訴されたばあいに一定期間家で待機するなど)

参考:採用時の疑問 – 033.pdf(最終確認2020/09/07)

休職を検討しているなら事前に確認しておきたいこと

今、何らかの理由で休職を検討しているなら、休職できる期間給与支給の有無の2点については詳しく内容を確認しておくようにしましょう。

どちらも企業ごとに日数や金額が異なるので、休職の相談をする際に直属の上司や人事部に必ず確認を取ってください。

休職の期間は、数ヶ月程度から半年、長い場合ではそれ以上のところもあります。

業務の内容や心身の健康状態にもよりますが、半年~1年もの長期的な休職期間があれば、うつ病など治療が長期的になる精神疾患を患った際にも安心です。

給与支給の有無も会社により異なり、数ヶ月程度の休職期間なら満額を支給するが、6ヶ月以上の長期は50%カット、もしくは支給無しなど会社によりさまざまな設定となっています。

休職は雇用契約を維持した状態で休むため、社会保険料など給与から天引きになるものは支払わなければなりません。

例え休職中の給与が50%となり社会保険料をようやく支払える程度だったとしてももらえる方が安心して休むことができるでしょう。

また、休職中はずっと自由に過ごすのではなく、勤め先と定期的に連絡を取ることが一般的です。

特に、傷病休職や事故欠勤休職の場合は出勤しないで療養するため、精神的な孤独感の緩和や復職への相談のためにも定期的に連絡を取ることが多いです。

勤め先との連絡方法も事前に決めるか確認する方が良く、休職する理由や上司との関係性によって電話やメールなどでやり取りを行います。

もしも電話がかかってくるのが辛い、話すのが辛いという方は、メールでの連絡を希望すると良いでしょう。

休職中の過ごし方について

休職中の過ごし方について

休職することが決まったら、毎日の生活をどのように過ごせば良いでしょうか。

休職中の過ごし方について、私的な病気やケガ・事故による、傷病休職や事故欠勤休職の場合で解説していきます。

初期

休職したばかりのころは、病気やケガの状態が重いことがほとんどです。

この時期は心や体を休めることが第一なので、生活リズムにはあまりこだわらずにゆっくり休むことが大切です。

病気やケガの状態によっては、休職してからしばらくの間、食事やトイレなど生活に必要最低限のことで動く以外は、ほとんど横になっている状態でも問題ありません。

むしろ、栄養ある食事を摂り、質の良い睡眠を心がける方が良いです。ケガの内容によってはたんぱく質やカルシウムを多めに摂取するのも良いでしょう。

また、この時期は判断力や思考力が低下しやすいため、自分では気づかないうちに休職に対する罪悪感を抱いたり、本当にこれでよかったのか不安になったり、復職後のことがやたらと気になったりします。

そのため、休職初期に重大な決断や先のことを考えるのは避けて、まずは体の回復のために休むことを優先させましょう。

回復期

病気やケガの状態が回復しはじめ、自分の中でも調子が良くなってきたと感じ始めるのが回復期です。

病気やケガの最も辛い症状が軽減されはじめ、まだ本調子ではなくとも少しずつ食欲が増し行動範囲が広くなっていきます。

回復期は、これまであまり重視してこなかった生活リズムを整えるように生活し、朝に起きて夜に眠るように調整していきます。また、もし可能ならリハビリを始めると良いでしょう。

20代や30代の若い世代でも、しばらくの間安静にする生活を送っていると体力が低下してしまいます。

そのため、体力の回復を目的とした散歩や、体に過度の負担とならない程度の軽めの運動を取り入れていきましょう。

できれば、1日の中で午前中に活動するのが望ましいですが、はじめのうちは体調に合わせて午後や夕方でも問題ありません。徐々に午前中に活動できるようになり、それが継続できるようなら、散歩をウォーキングやジョギングに変更したり、軽く負荷をかけたスポーツなどを取り入れることがおすすめです。

とはいえ、くれぐれも無理をしない範囲で行うのが基本です。軽くジョギングしたつもりが疲れてへとへとになるようなら、散歩の時間を少し長くしてみる方が良いでしょう。

復職準備期

日常生活に支障がない程度まで体力が回復してきたら、次は脳や心のリハビリを行います。

例え、1ヶ月でも職場の人たちと全く顔を合わせることなく過ごした場合、人と接することで疲れを感じることがあるためです。

まずは、図書館やカフェなどを利用して、外出することを意識してみましょう。

慣れてきたら午前中は自宅の外で過ごすよう心がけ、徐々に外で過ごす時間を長くしていきます。

はじめは週に2日程度からスタートして、徐々に日数を増やし最終的には週に5日は外出できるように工夫していきましょう。

ほぼ、週に5日の外出に慣れてきたら、通勤の練習に移行します。実際に通勤していたころと同じ時間に起床・就寝をして、可能であれば通勤していたときと同じ方法で会社周辺や会社の最寄り駅まで行ってみましょう。

そろそろ復職について考える時期に入り、復職可能かどうかの判断が必要になります。

勤務可能な状態に回復しているかどうかは個人差があるので、主治医や会社のカウンセラーとも連携を取りながら調整していくようにしましょう。

休職中に心掛けたいポイント

休職中に心掛けたいポイント

休職中は体調を優先して休むとともに、段階的に普段の生活に戻していくことが求められます。

ある程度は自分でコントロールが必要でも、主治医との連携や焦らずに体力の回復に努めることも大切です。

休職期間をより良い充電期間にするために、休職中によくやってしまうNG行為例や、復職に向けて心掛けたいポイントを紹介していきます。

休職したなら自己判断は禁物! 医師の指示通りに通院や服薬を続ける

休職する際には医師の診断書が必要となり、休職中は主治医の指示に従って治療を行うようになります。

休職する理由となった病気やケガは、ある程度の薬を飲み通院することで徐々に回復することが多く、辛い症状も次第に治まることがほとんどです。

休職する方の中にはこのタイミングで通院や服薬を辞めてしまう方もいて、特に病気の場合は辛い症状をぶり返したり悪化させてしまうことがあります。

休職中はある意味ドクターストップがかかている状態のため、少し体調が良くなったからといって通院や服薬を自己判断で辞めずに、主治医の指示に従って続けるようにしましょう。

主治医は状態を診て薬の処方や通院を指示しているので、主治医から許可が出るまでは指示に従わなければならないと解釈しても良いです。

病気やケガの回復を最優先にして自分のリラックス法を探す

休職中に比較的多くの方がやってしまうのが、休職中に新しいことを始めたり、旅行に行ったりすることです。場合によっては転職に向けて資格取得の勉強を始める方もいます。

会社を休んでいるうちに何かしようと思う気持ちは悪いわけではありませんが、休職中は体調の回復が最優先です。休職中は途中で体調が良くなってきても、主治医からの許可がない限りアクティブに過ごすことは控えるようにしましょう。

休職の理由がメンタル系疾患の場合は、自分の気持ちと向き合うことや整理する時間が必要です。

気持ちが楽になるよう過ごすとともに、無理をしないことが大切です。

また、自分自身の気持ちが今辛いのは、自分がリラックスする時間が少ないかなかったことも影響しています。

専門的に言えば、緊張が続いたために交感神経と副交感神経のバランスを崩してしまっているのです。

そのため、心身をリラックスさせる副交感神経を意識した生活習慣や、リラックス方法を自分なりに試したり探したりすることをおすすめします。

<代表的な副交感神経を刺激する習慣>

  • 深呼吸
  • 瞑想
  • 長めの入浴
  • アロマテラピー
  • ヨガ

生活リズムの調整と散歩など外に出る練習を怠らない

休職中の回復期から復職準備期にかけては、生活リズムを整えることが大切です。

復職を希望している方は特に、就業時の生活リズムを意識した取り組みを行い、食事や睡眠の時間は特に気を付けたい項目です。

また、体調が良いときときは、積極的に軽い運動を取り入れることがおすすめです。

例えば、散歩や家の掃除などをはじめ、徐々に外出することにも慣れておくと良いでしょう。

できれば、毎日決まった時間に同じ場所に行くことを日課とすると、復職した際の通勤も苦にならずに済みます。近隣に出かけるような店や場所がない場合は、電車で何駅か先にあるカフェや飲食店に毎日朝食を食べに行くのでもOKです。

出勤の疑似体験のようなイメージで、毎日決まった時間に決まった行動を取り入れていきましょう。

体調が回復したら休職に至った原因を分析してみる

体調が回復するにつれて、自分の中の意識や考えがクリアになってきて、徐々に休職に至った原因を客観的に考えられるようになります。

これまで、仕事が忙しくて毎日がいっぱいいっぱいだった方や、休む暇もなく働いていた方は、当時は気づかなかった問題点を考える良い機会です。

当時の自分を振り返ることで、復職後の仕事との向き合い方を変えるヒントが得られるでしょう。

また、自分が最もストレスを感じることや、負荷がかかっている自分の状態なども、見つめ直すことで今後の自分のストレス状態を把握できるようになります。

休職してすぐではなくある程度回復してきてから振り返ってみてください。

休職中に多い悩みと解決方法を解説

休職中に多い悩みと解決方法を解説

休職することは会社の就業規則に則って手続きを取り、医師の診断書で病気やケガの状態を証明され休みますが、自分だけ休んでいることや体調に対する悩みを抱く方も少なくありません。

<休職中に良くある悩み>

  • 休職したことへの罪悪感
  • 回復している実感がない
  • 復職への不安

自分が休職したことにより職場に迷惑がかかり、社会人として甘えているのではないかと感じる方がいます。

しかし、従業員が心身共に休職するほどの労働環境だったことは、一従業員が悩むことではありません。職場が組織単位で改善または調整すべきことです。

また、社会人として甘えているという思考を持つのではなく、自分が頑張りすぎたことを自覚するようにしましょう。自分が甘えているという考えは、のちに適応障害を引き起こす可能性があり放っておくと「適応障害→軽症うつ病→大うつ病」と症状が悪化する恐れがあります。

甘えているのではなく頑張りすぎたために今は休むときと理解するようにしましょう。

体調の回復が実感できないときは、1人のときに体調のことを考えるのは控えて、主治医の診察時にその都度確認することがおすすめです。1人のときに自己判断をしても素人の思い込みにすぎないこともよくあります。できるだけ専門医の言葉を聞くようにしましょう。

復職に対して不安がある場合は、無理に復職せずに退職や転職する選択肢も選べます。休職期間を終えても復職できないときは自然退職することもできるので、焦らずに療養に努めましょう。