ITエンジニアとはどのような仕事でしょう? 何となくプログラムを組んでいる人というイメージではないでしょうか。

ITエンジニアというのは、ITに関わる様々なエンジニアの総称です。

今回はITエンジニアの職種の種類、平均年収、転職する際の注意点や勉強方法などを紹介します。

ITエンジニアに転職を考えている方は、参考にしてください。

ITエンジニアとは

エンジニアの中でもインターネット技術の発達で需要が高まっている『ITエンジニア』

ここではITエンジニアがどのような職種かを紹介します。まず「エンジニア」がそもそもどのような仕事かを見ていきましょう。

エンジニアとは

「エンジニア(engineer)」とは「エンジニアリング(engineering:工学)」に関連している言葉で、『三省堂 大辞林 第三版』によると「機械・電気・土木などの技術者。技師」とあります。

現在エンジニアは、機械・工学系エンジニア、医療系エンジニア、化学系エンジニア、環境・農業系エンジニア、そしてITエンジニアなど多岐に分かれています。

ITエンジニアは技術だけではなれない

ITエンジニアとは、『IT(Information Technology:情報技術)に関する技術者の総称です。

プログラミングなどコンピュータ関連のスキルが求められるだけでなく、コミュニケーション能力など幅広いスキルが必要です。

またITエンジニア自体が複数のエンジニアを表す総称になっており、システムエンジニア、インフラエンジニア、Webエンジニアなどが含まれます。

ITエンジニアの種類

ITエンジニアは、システムエンジニア、プログラマー、Webエンジニア、インフラエンジニアなど細分化されています。

ここでは代表的な10種類のエンジニアを紹介します。

システムエンジニア

英語の“System Engineer”の頭文字を取って『SE』と略されることが多く、システムの設計、製造、テストに携わる職種です。

ソフトウェア開発において指揮を執る立場にあり、クライアントの要望に沿って、システム全体の仕様書作りや基本設計、そして詳細設計などを行ないます。

実際にプログラムをすることもあるのですが、それ以上にコミュニケーションスキルが必要です。

クライアントがどれぐらいの期間と予算で、どのようなプログラムを欲しているのかを具体的にする必要があります。

またクライアントの要望すべてを満たせるケースは少ないため交渉スキルも重要です。

プログラマー

その名の通りプログラミングをするのがプログラマーです。

システムエンジニアが考えた設計に基づいてプログラムを組むため、計画書を正確に読み取る力や修正が必要な部分を見つけ的確に指摘する能力も求められます。

さらにデータベース処理やネットワークの接続についての知識も必要です。

システムエンジニアとプログラマーの違い

システムエンジニアとプログラマーの違いが分りにくいため改めて確認をします。

システムエンジニアはクライアントの要望に基づき設計書を作成します。

それに対しプログラマーは主に仕様書に沿ってプログラムを作る技術者のことです。

交渉と設計書の作成を主な仕事とするか、プログラミングを主な仕事とするかが、システムエンジニアとプログラマーの大きな違いと言えます。

制御・組み込み系エンジニア

産業用機器や家電製品の動作を制御するプログラム(ファームウェア)の設計・開発を行うのが制御・組み込み系エンジニアです。

炊飯器や電子レンジ、そして洗濯機などにもファームウェアが入っていることで、様々な便利な機能を組み込むことが可能になります。

重要ですが常に人材不足と言われる職種です。

インフラエンジニア

「インフラ」とは本来、電気、水道、ガス、交通などの産業基盤のことを指します。

それと同様にソフトウェア、データ、ネットワークが円滑に作用するための設備を「ITインフラ」と呼びます。

インフラエンジニアの仕事は、ITインフラの構築、保守、運用です。

データベースエンジニア

膨大なデータを効率よく管理するためにデータベースの設計、構築、保守、運用を行うのがデータベースエンジニアです。

データベースエンジニアの仕事は幅広く、担当する業務内容によって「データベースの開発・設計」「データベースの管理」、そして「データベースの運用」の3つの分野に分けることができます。

ネットワークエンジニア

コンピュータネットワークを設計、構築、保守、運用を行うのがネットワークエンジニア。ネットワークを設計するには、サーバーやOS、そしてセキュリティなどの幅広い知識が必要です。

また構築作業では問題の改善やコスト削減のために、最新の製品や技術の動向などの知識も必須になります。

運用と保守作業では障害を素早く取り除いて復旧させるために、知識だけではなくネットワーク全体を見渡せる広い視野も必要です。

サーバーエンジニア

サーバーシステムを設計、構築、管理保守をするのがサーバーエンジニアです。

また、障害・セキュリティ対策、冗長構成、障害対応など、サーバーに関連する多くの業務を行ないます。

IT需要の高まりにより人員不足が続いていると言われる職種です。

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違い

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアは混同されがちですが、サーバーエンジニアがサーバーを動かすアプリケーションを担当しているのに対し、ネットワークエンジニアはネットワークとつなぐアプリケーションを担当しています。つまり担当しているアプリが異なるのです。

Webエンジニア

WebサービスやWebポータルサイト、そしてWebアプリなどインターネットで主に使われるシステムの設計、開発、保守、運用を専門とするのがWebエンジニアです。

マークアップエンジニア

マークアップエンジニアには統一された定義はなく、企業によって差があります。

多くの場合は主にHTMLやCSSを扱い、Webデザイナーが設計したデザインを基にレイアウトを考え、コーディングやダグ付け、画像の配置などをする職種と言えます。

また検索(主にGoogle)で上位に表示されるようにするためSEOにも配慮しなければなりません。

フロントエンドエンジニア

フロントエンジニアもマークアップエンジニア同様に明確な定義はありません。

概ね、HTML5やCSS3、JavaScript、そしてPHPといったプログラム言語などの高度なWeb制作スキルを使用し、Webサイトを構築する職種と言えます。

エンジニアの種類は細分化されている

ITエンジニアに含まれる10種類のエンジニアを紹介してきました。

システムエンジニアとプログラマーのように似た事をしているエンジニアやマークアップエンジニアのような明快な定義がなく、企業ごとに解釈の違うエンジニアなどもあります。

そのためシステムエンジニアとして就職してもプログラマーに配属されたり、マークアップエンジニアとして配属されたのに想定外の仕事があったりという事もありうるのです。

そのためITエンジニアは専門分野以外の知識もあると後々助かることがあります。

ITエンジニアの年収

ITエンジニアになるのに気になる事の1つが給与です。ITエンジニアはもうかる職種なのでしょうか。

会社の規模による平均年収

ITエンジニアの全体の平均年収と、10~99人、100~999人、1000人以上の企業の平均年収を比較します。

企業規模年間平均給与(万円)
全平均550.2
1000人以上608.5
100~999人532.6
10~99人489.5

参考サイト:H30年度の賃金構造基本統計調査

全体平均年収が550.2万円と業務内容を考えるとそれほど高いとは言えません。

また、企業規模が1000人以上だと608.5万円ですが、100人に満たないところだと489.5万円と100万円以上差があります。

職種別平均年収

職種別に、システムエンジニア・プログラマー、制御・組み込み系エンジニア、データベースエンジニア、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、Webエンジニアの6つの年収を比較します。

(システムエンジニアとプログラマーは1つの職種と考えます)

職種年間平均給与(万円)
システムエンジニア・プログラマー422
制御・組み込み系エンジニア435
データベースエンジニア414
ネットワークエンジニア457
サーバーエンジニア467
Webエンジニア429

参考サイト:平均年収ランキング 最新版【職種別】|doda

いずれのエンジニアも平均年収が400万円台と高いとは言いがたい状況です。

一番高いサーバーエンジニアが467万円、一番低いのがデータベースエンジニア414万円で差が53万円となります。

1割以上の差がありますが、それでもそこまで大きいとは言えず、ITエンジニアは平均で見る限り給料が高いとは言えません。

その一方でITエンジニアの多くの職種は慢性的な人材不足のため、給料を上げる企業も現われています。

自分のスキルに自信があるなら給与アップのために転職するのも1つの方法です。

ITエンジニアに転職する際の注意点

全体的に給与が高いとは言いがたいITエンジニアですが、人材不足のため賃金を上げて人材募集をしているところもあります。

転職をする際の2つの注意点

ITエンジニアに転職する場合、どのようなことに注意すれば良いのかについて確認しましょう。

注意点1. 年齢によるスキルと実績

20代であればプログラミングに関する知識がなくとも将来性や伸び代を考慮して採用してもらえる場合が多いですが、30代以上になるとスキルと合わせて実績などが必要となります。

注意点2. 勤務時間・勤務場所

BtoBの開発系など勤務先によっては納期などもあり、残業が多くなる職種もあるので注意が必要です。

またクライアント先で働くITエンジニアの場合は、勤務先がクライアントによって変わってきます。

(BtoBとは、“Business to Business”の略称で、企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデル)

ITエンジニアを目指すなら20代のうちが有利です。

30代以上の場合は実績が必要となるため、派遣などで実績を積んでから転職するなど長期計画が必要になります。

またITエンジニアになる以上、残業は避けられないと考えたほうが良いでしょう。面接ではどれぐらい残業があるのかを確認しておくのがおすすめです。

未経験の人がITエンジニアになるための学習方法

未経験でITエンジニアになるためには、必要な知識と技術をどこでどのようにして習得すればいいのでしょうか。

ITエンジニアになるための3つの方法

ITエンジニアになるためには、参考書による独学、オンライン学習、専門スクールなどの方法があります。

方法1. 参考書による独学

必要なのは参考書ぐらいのためコストは抑えられますし、空き時間など好きな時間に学習できます。

しかし、参考書を読んでも理解できない内容などが出てきた場合、独学だと質問できる相手がいないため、行きづまったり解決まで時間が掛かったりする恐れがあります。

また、独りで黙々と学習することとなりモチベーションの維持が難しいです。

方法2. オンライン学習

パソコンとインターネットが使える環境があればいつでも学習できます。

専門スクールが近くにない場合などに便利です。デメリットとしては、参考書による独学同様に答えてくれる相手が近くにいないことから、疑問や不明点の解決に時間が掛かってしまいます。

そしてモチベーションの維持が難しいのも一緒です。

方法3. 専門スクール

専門スクールに通えばプロのインストラクターに指導してもらえて、疑問や不明点が出ても解決しやすくなります。

さらに自分以外にもITエンジニアになるための学習をしている仲間がいるため、モチベーションは維持しやすいです。

デメリットは、通える場所にスクールがなければならず、あったとしてもコストが一番かかります。

それぞれの勉強法にはメリットとデメリットがある

一般的に参考書やオンライン講座などはコストがかからずに気軽に始めることができますが、疑問点やプログラムに関するミスに気が付きにくいというデメリットがあります。

また、独学となるのでモチベーションの維持が難しいです。一方、専門スクールは講師がつくので独学とは違い疑問の解決やミスの指摘をしてもらえますが、他の二つと比べるとだいぶコストがかかります。

それぞれのメリットとデメリットを比較して自分にあった学習方法を選びましょう。

ITエンジニアは売り手市場で常に人手不足

ITエンジニアの種類や年収、そしてなるための学習方法を紹介してきました。

現状だと給与面で魅力的とは言えないかもしれませんが、慢性的に人材不足の部署が多く、さらにITが加速的に進歩しているため今後は更に需要が増していく可能性は高いと言えます。

人材が少なければ企業の取り合いになるので、それを見すえて今のうちに知識と実績を身に付け、転職に備えるのも良い方法ではないでしょうか。

ITエンジニアに転職を考えているなら、早めのスタートがおすすめです。