ミドル転職の転職理由、みんなはどうなんだろう? と気になりませんか。
ミドル世代は、年齢のことを考慮して慎重に自分のキャリアプランを考える必要があるので、他のミドル世代の転職に対する考え方を知ることも貴重な情報となります。
この記事では、やりがいや給料などについてミドル世代である35歳から44歳くらいまでの方が感じている不満や転職への期待を解説します。
ミドル世代で転職する理由(実態)
エン・ジャパン株式会社の実態調査によるモドル世代の転職理由
エン・ジャパンの転職理由についての実態調査によると、2019年の1位が「会社の将来に不安がある」で36%となっています。
2位は会社の「考え・風土が合わない」、「給与に不満がある」となっていて、3位は「キャリアアップのため」という結果でした。
2018年と比べてみると、「会社の将来に不安がある」と「会社の考え・風土が合わない」がともに上位になっています。
転職理由の会社の将来に不安があるについては、多くの企業が経営が厳しい状況が続いていることも影響しているでしょう。
また、どんなに会社の将来に不安がなくても、会社の考え・風土に合わないということも転職理由となっていますが、会社によって考え方は色々なので、入社後に気が付くことも多く結果的に転職につながっているケースもあります。
会社の考えや風土に合わないことを我慢して継続して仕事を続けている方もいますが、普段過度のストレスを感じながら業務することになるので、長期的に見ても身体に良くないでしょう。
ミドル世代で転職する理由 | 2019年 | 2018年 |
会社の将来に不安がある | 36% | 28% |
会社の考え・風土が合わない | 34% | 32% |
給与に不満がある | 34% | 23% |
キャリアアップのため | 32% | 32% |
エン・ジャパンの「ミドル2000人に聞く転職理由実態調査」(最終確認2020/06/26)
年収別
年収別にミドル世代の転職理由を見てみると、年収1,000万円未満では「給与に不満」が37%となっていて、年収1,000万円以上では「キャリアアップ」が37%となっています。
年収1,000万円以上では、より高い目標のためにキャリアアップを目指す転職が多くミドル世代でも前向きな転職理由となっています。
年収1,000万円未満では、転職理由として給与に不満の方が多く、年収1,000万円以上とは違った転職理由となっていることがわかります。
給与に不満なケースの中には、極端に給与が安いケースも含まれていて家庭をもつミドル世代にとって大きな問題と言えます。
転職できる年齢層が高齢になった現状でも、ミドル世代を超えてから転職することは難しくなる傾向もあるので、ミドル世代の内に給与が安いなどの問題を解決できる転職が出来れば良いでしょう。
エン・ジャパンの「ミドル2000人に聞く転職理由実態調査」(最終確認2020/06/26)
転職で実現したいこと
ミドル世代の転職で実現したいこととして、下記の様に1位は「給与・待遇のアップ」で2位が「経験・能力が活かせるポジションへの転職」となっています。
転職で実現したいこととして給与のアップについては、一般的なことですが2位の経験や能力が活かせるポジションへの転職は、ミドル世代として将来を見据えての転職を考えているとも言えます。
ミドル世代はある程度の経験を積んでる方が多く、その上でさらに自分の経験を活かせるポジションへの転職を考えることは自然な流れだと言えます。
定年退職するまでの自分のキャリアをイメージして、他の会社でやりがいのある経験を活かせる仕事を実現しようとすることは、さらに充実した生活にもつながります。
第1位 「給与・待遇のアップ」(60%)
第2位 「経験・能力が活かせるポジションへの転職」(58%)
第3位 「やりたい仕事ができる環境での就業」(44%)
エン・ジャパンの「ミドル2000人に聞く転職理由実態調査」(最終確認2020/06/26)
自己都合による離職の理由
自己都合による離職をする方は多いですが、詳細に離職の理由を見てみるとその方によって微妙の違いはあります。
多くの場合、入社当初に考えていた会社のイメージと会社の現状が異なることが原因であることがあります。
下記は自己都合による離職の理由の順位になっています。
第1位 「 満足のいく仕事内容でなかったから」(30.3%)
第2位 「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」(24.2%)
第3位 「会社の将来に不安を感じたから」(23.9%)
ミドル世代の自己都合による離職の理由を考えてみると、1位が「満足にいく仕事内容でなかったから」となっています。
ミドル世代では、まだ転職するチャンスがあり、より満足のいく仕事を探す機会があるのも関係して1位になっています。
2位は、「労働条件がよくなかったから」という結果ですが、自分に合っていない労働条件のもとで長期にわたって仕事をすることが難しいことも背景にはあるでしょう。
3位は、「会社の将来に不安を感じたから」ですがミドル世代はある意味では、転職のチャンスが少なくなっていく世代なので、会社の将来に不安がある方は、離職して新しい職場で働くことを考えていることがわかります。
どの時点で転職を決意するのかは簡単ではない問題ですが、ミドル世代の内に真剣に転職を考えて、最後の転職の機会ととらえ転職の情報収集などの準備を徐々に進めるのも良いでしょう。
ミドルシニアマガジンの「40代向け」転職理由や、決めた理由!データから見る転職事情(最終確認2020/06/26)
次の転職先を選んだポイント
ミドル世代の次の転職先を選んだポイントは、下記の様な順位になっています。
第1位 「仕事の内容・職種に満足がいくから」(40.8%)
第2位 「自分の技能・能力が活かせるから」(39.2%)
第3位 「転勤が少ない、通勤が便利だから」(25.9%)
ミドル世代の転職先を選んだポイントを見てみると、長年キャリアを重ねてきたからこそ、自分のスキルを活かせる仕事ができるかどうかに重点をおいている方が多いです。
また、「仕事の内容・職種に満足がいくから」という理由で転職先を選んでいるのが1位となっているのは、ミドル世代であっても仕事の内容や職種によりこだわりがあるためと考えられます。
3位の「転勤が少ない・通勤が便利だから」という転職ポイントは、若い世代でも多くの方があげる転職のポイントですが、ミドル世代では家庭を持つ方が多いので、「転勤が少ない、通勤や便利だから」という転職のポイントは落ち着いて仕事をする上でも重要でしょう。
ミドルシニアマガジンの「40代向け」転職理由や、決めた理由!データから見る転職事情(最終確認2020/06/27)
企業が転職理由を聞く理由
入社した後に前職の退職理由と同じ理由で退職しないかを確認したい
企業側が転職理由を応募者に対して聞く理由は、入社した後に前の職場と同じ退職理由で退職してしまわないか確認したい側面があります。
企業側は、入社した後に社員がすぐに辞められてしまうと会社として経営上でもリスクが高くなるので、また前職と同じような理由で会社を辞めないかチェックしていることが多いです。
特に退職・転職した理由を他の方に押し付けていないかや、周りの環境のせいにしていないかという点は良くチェックされます。
転職の理由が他の方などのせいであると考えていると、新しく応募した企業の面接などで、同じような理由ですぐに退職してしまうのではと懸念されるので注意しましょう。
モチベーション・熱意を感じ取りたい
別の転職理由を企業が質問する理由として、応募者のモチベーション・熱意を感じ取りたいことがあります。
転職理由を聞くことで、会社側は応募者のメンタル面や人物像、会社の雰囲気に合うかや人柄などを確認しています。
会社を退職して転職することは、人生の分岐点でもあるので、この様な重要の局面で「どのようなことに重点を置く方なのか」ということが転職理由から知ることもできて、応募者の人柄・熱意を知る判断材料にしているケースも多いです。
転職理由は、企業側が採用するかどうかのポイントの1つとなるため、すべてを相手に伝えることよりもやる気などの前向きな姿勢が説明できる転職理由を伝えると良いでしょう。
転職理由の伝え方とポイント
伝え方
転職理由の伝え方として、はじめに退職理由を説明して、次に転職先への希望を説明できるとわかりやすいです。
退職理由の内容として、働く上で譲れないポイントがある場合は、ストレートでなくても伝えることで会社とのミスマッチを回避できて今後同じような理由で転職することを防げます。
転職先への希望は、応募している企業の求人内容と自分の転職理由を考えて、共通点を見つけ出し転職における希望を伝えることができれば、採用担当者も自分の会社を受けにきている理由がわかるので好印象でしょう。
ポイント
なるべくポジティブな理由で書くこと
転職理由の伝え方のポイントとして、たとえ本当の転職理由が人間関係がうまくいかない、給与面への不満等であってもストレートに伝えないことが重要です。
もしもネガティブな内容を記載してしまうと、転職する理由が他の方のせいであるという認識が強いと思われたり、入社後も周りの社員と馴染めないのではと、採用担当者に心配されてしまう可能性があります。
採用段階でこのようなネガティブな転職理由を伝えれば、それだけで他の応募者と比べられた時に、マイナスのイメージとなってしまうでしょう。
ポジティブな内容に転職理由を言い換える時は、「したい」という語尾を付けることで、今後自分がどうなっていきたいのかを表すことができるので、工夫して使ってみると良いでしょう。
「したい」を使って前向きな転職理由を記載する例として、残業が多いことに不満があった場合を想定すると「限られた時間で効率的に仕事でパフォーマンスを発揮したい」となります。
この様に残業なしで早く帰りたいという気持ちを、より効率的に仕事をしたいなどにして、ネガティブなキーワードをなるべくポジティブに言い換えると採用担当者にも好印象となります。
応募している企業に合う人物像であることをアピールする
企業は転職理由から応募者がその企業に合う人物像であるかチェックしている場合が多いので、その企業の求めている人物像に当てはまる転職理由にすると良いでしょう。
応募している会社が挑戦的な社風の場合は、「新規事業に果敢に挑戦したいと考えたから」などの転職理由にして、その社風に合うキーワードを入れると人物像や応募者の内面が伝わりやすくイメージアップになります。
キーワードの使用回数については、転職理由についてはそれほど多く使用しませんが、志望動機や自己PRでもその社風に合ったキーワードを効果的に使うことで、企業側は応募者と自分の会社との接点が多くあると感じ印象が良くなります。
また、キーワードは求人内容などでどのキーワードがポイントで頻繁に使用されているか確認することができるので、転職理由で使うキーワードの選定にはそれほど時間は掛からないでしょう。
キーワードの選び方として、単純に求人内容で使用されているキーワードを選択するのも良いですが、場合によっては使用されているキーワードから連想されるキーワードを自分で考えることでより採用担当者が納得するキーワードを選ぶことができます。
ミドル世代の転職を知って前向きに転職を考えよう!
ミドル世代では、会社の将来の不安や社風が合わないなどの理由で多くの方が転職を経験しています
以前の転職では、若い方が多いのが転職というイメージでしたが、ミドル世代の転職も一般的になっています。
このようなミドル世代の転職の実態を把握して、自分はどのようなことを転職で実現したいか考え実際に転職活動をするのも良いでしょう。
ミドル世代はまだ色々な可能性があり今まで培ってきた経験を活かせるチャンスがあります。
転職理由については、採用担当者がどのような人物を必要としているか求人内容などで理解して、ポイントを押さえて記載できれば印象の良い転職理由を記載することが可能です。
ミドル世代の方も若い転職希望者と同じように明るい将来をイメージして、前向きに仕事の環境を変える意味などでも転職を検討するのはおすすめです。