会議は、懇親の場ではなく仕事の場としなければならない。

会議の生産性をあげるには、事前に目的を明らかにしておかなければならない。

これはマネジメントの発明者、ピーター・ドラッカーの言葉です。

あなたの会社は毎日、どれくらい会議をしてますか?

会議の数に制限はありませんが、会議が多ければ多いほど、たくさんの人の時間を奪うことなります。こちらの記事に辿り着いた方は、既にそう感じていることと思います。

無駄な会議と必要な会議を取捨選択し、上手に会議を進めるためのコツを掴みましょう。

会議はなぜ多くなる?

そもそも会議はなぜ増えてしまうのか。会議の種類ごとにその理由をお伝えします。

会議は大きく分けて4種類

会議には4種類あり、それぞれ違った役割をもっています。

  • 決議会:参加者どうしで議論を行い、施策や方向性を決定する
  • 説明会:話し手と聞き手に分かれて、情報伝達を行う
  • 報告会:営業成績や海外視察の報告などの情報を共有する
  • ブレインストーミング:参加者どうしで自由にアイデアを出し、連鎖反応を起こして新たな発想を生む

下線を引いた部分が会議の目的になります。

しかし多くの無駄な会議は、目的と手段を履き違えて“会議自体が仕事化”してしまっているのです。

無駄な会議5選

1.結論がない

「決議会」の増える主な要因です。決定をするための決定、その決定をするための決定、と結論が出なければ同じテーマを延々と話し合うことになります。

生産性が無いのはもちろんのこと、時間だけがずるずると伸びて肝心の仕事が進みません。

2.資料を読み上げ、数字を報告するだけ

「説明会」や「報告会」の増える原因です。そのほとんどが、社内メールやチャットツールで済むような内容ばかりです。

資料を読み上げただけで意見交換も満足になく「各自反省するように!では解散」となっては時間を共有する必要がどこにもありません。筆者も同じ経験をしたことがあり、会議の途中で内職していたこともありました。

全員に情報を行き届かせる対策ともいえますが、些細な報告の度に開かれていては、スケジュールが会議だらけになってしまいます。

3.「何曜日の何時から」と決められた定例会議がある

定例会議は社員どうしの顔合わせを目的に開かれること多いですが、4種類のように「生産的な理由」がありません。顔を合わせておしゃべりするだけでは、いたずらに社員の時間を奪っていくことになります。

ブレインストーミングはその特性上、定例になりやすいものですが、この場合は内容が重要になります。

悪い例としては、会議の時間に個人のシンキングタイムを設けて「では今日はアイデアを持ち帰って、次回共有しましょう」となることです。時間を有効活用するためにも、人が集まらなければできないことを優先しなくてはなりません。

4.関係のない人が参加している 

自分が参加する必要性を感じなかった、という経験をした方もいるでしょう。本来会議は「必要なもの」でなければならないため、この場合は会議自体が不要なものか、自分に関係が無いかのどちらかになります。

前者はそもそもが問題ですが、後者では不要な参加者が積極的に意見を出せないため、結果的に会議の質を落とすことにつながります。

5.時間制限がない

これは会議の無駄というより、会議の時間が長引く原因になります。

おしゃべりに花が咲くと時間を忘れてしまうように、議論も白熱するとついつい長引き、気づけば数時間が経過していることもあり得ます。

これが議論であればまだ良いものの、数字の報告会の場合は眠気さえも誘うことになるでしょう。

また人間の集中力が持続するのは90分までといわれているため、長引けば長引くほど生産性が落ちていくことになります。

ドラッカーの意見

記事の冒頭にドラッカーの言葉を引用しましたが、ここでさらに掘り下げて「会議のあるべき姿」について考えてみましょう。

会議は、懇親の場ではなく仕事の場としなければならない。

会議の生産性をあげるには、事前に目的を明らかにしておかなければならない。

目的が違えば、準備も成果も違うはずである。

会議の多くは、事業の発展とはほとんど関係のないことに費やされている。

これはピーター・ドラッカーの名著、『経営者の条件』 から引用しました。

「顔を合わせる」という目的は単なる「懇親の場」に過ぎず、まさしく事業の発展とは関係のないカテゴリーに当てはまります。

会議をいかに有意義な時間できるかが、会社の発展へと直につながっていくのです。

また目的の設定以外に、会議の本質についても述べています。

そもそも会議の多い組織は、構造の間違った組織である。

あるいは、顧客が価値とするものが明らかでない自信のない組織である。

いちいち会議を開かないと心配でならない

ガツンと来る言葉が並んでいますが、どれも否定できないところがあります。

特に「いちいち会議を開かないと心配でならない」という言葉は、“会議自体が仕事”と考えてしまう本末転倒な事態を鋭く指摘しています。

やはり生産性の高い会議の実現には、目的が最も重要なのです。

5の対策と注意点

会議に必要なものと無駄なものがわかったところで、具体的な対策についてお話していきます。

対策1:Chatworkやslackを有効活用する

文字や資料で伝わる内容であれば、ChatworkやSlackなどのビジネスチャットツールを使って共有しましょう。

以前は社内メールが一般的で「見逃し」が起こりやすかったですが、チャットツールは通知機能や振り分け機能をうまく使うことで、格段にスムーズなコミュニケーションを実現できます。

またメールほど堅苦しいマナーが無く、送り手・受け手両方の手間を省くことができます。

対策2:「この会議は本当に必要か?」を考える

定例会議や単なる顔合わせの会議を無くすには、やはり目的を明確にすることが重要です。

議論を重ねて施策の方向を決める、質疑応答をして不明点を解消するなど、ゴールを事前に定めておくことで、準備や参加者の選定もスムーズになります

同時に、実はチャットツールで事足りることであったりわざわざ会議の枠を設けなくても解決できたりと、そもそも必要がないことに気づく場合があります。

対策3:人数は必要最低限

ゴールが明確になれば、参加者も自ずと決まります。しかし不安だからといって、あの人もこの人もと増えていってしまうと、その場にいるのに議論に参加できず、意味のない時間を過ごす人が増えてしまいます。

もし1時間の会議に3名の不要なメンバーが参加していれば、計3時間の業務時間を無駄にすることになるのです。

対策4:時間制限を設ける

時間割や勤務時間のように、「終わり」を設けると自然と時間へ意識が向き、時間内でどう効率よく事を進めるか考えられるようになります。また議論が白熱したり行き詰ったりしたときも、時計が無駄への警告を出しくれます。

タイムキーパー大きな時計を置いて、意識を共有できるよう工夫すると効果的です。

対策5:最終決定者を決めておく

最終決定者がいないと結論がうまくまとまらず、最悪の場合は会議をもう一度やり直さなければならない事態も考えられます。

最終責任者が結論を明確にし、さらに参加者全員に認識の齟齬がないよう確認することで、会議の質を一層高めることができます。

ただし、削りすぎには注意

無駄な会議が多すぎるからといって削りすぎてしまうと、逆に不具合が生じてしまうので注意しましょう。

例えば、情報の伝達がうまくできなくなった、社員同士のコミュニケーションが減りギスギスし始めたなど、 会社の風土や社員のITリテラシーの具合によっては、マイナスの方が多くなってしまうこともあります。

どの程度まで削れるか、社内の状況を見てうまく判断する必要があります。

スマートな会議【Appleの例】

実際にシンプルな目的を掲げ、合理的な会議を行っている企業があります。

GAFAとして名高いAppleです。

そんなの一流企業だからできるんじゃないの?と思われる方もいるでしょうが、特別な能力が必要なわけではありません

先駆者の知恵に学ぶつもりで、彼らのやり方を参考にしてみましょう。

有意義な会議をするための3ルール

1.できるだけコンパクトに

意見が錯綜しすぎないよう、Appleの会議でもメンバーは最小限に絞られます。

かの有名なスティーブ・ジョブズは、会議の途中でさえも、無関係なメンバーを容赦なく退席させていたといいます。

2.「責任者」を指名しておく

対策の項目で述べた「最終決定者」と同じで、Apple社内ではDRI(Directly Responsible Individual:直の責任者)という役割をもつ人がいます。

会議の議事録には必ずDRIの名前を書き、会議の参加者以外でもDRIが一目でわかる工夫がされているのです。

3.PowerPoint禁止令

スティーブ・ジョブズは「プレゼンテーションツールは意見交換の邪魔になる」と指摘し、PowerPointの使用を嫌いました。

スライドを見つめているより、情熱的な理論を展開できるようにしたいと、この方法をとっていたようです。

時には視覚的な説明も必要になりますが、課題にどっぷりと浸かりたいジョブズにとっては余計なものだったのかもしれません。

参考:3 ways Steve Jobs made meetings insanely productive — and often terrifying

一流の会議をしよう

私たちの想像以上に、会議は少しの工夫でスマートなものに変えられます。

目的を明確にすること、無駄を削ること、これらを意識的に取り入れることで、会議の質はぐんと上げられるのです。

しかしどこまで削れるかは会社の状況によって異なるため、まずは「どこまで削るか?」を定める会議を開くのはいかがでしょうか。

一流の会議を取り入れて、あなたの会社に革命を起こしてみてください。