事務職への転職を成功させる自己PRの書き方 効果的な書き方やNGポイントを徹底解説!

改めて自己PRについて考えてみる

改めて自己PRについて考えてみる事務職への転職を志望する方にとって悩ましいことのひとつが自己PRの書き方です。

営業職であれば、過去の営業実績をアピールすればよく、また、技術職であれば習得済の技能や過去の実績をアピールすればいいでしょう。しかし、縁の下の力持ちともいえる事務職では、パッと見、強くアピールできることがないようにも思えます。

事務系に必要な資格についても、資格取得者が多いものだと、つい「別にたいした資格ではないから……」と前面にアピールしない方もいます。

これは謙虚さを重んじる日本文化も背景にあるのでしょう。特に事務職では裏方的な意識を持つ方ほど自己アピールを控えてしまう傾向が見られ、形式的で無難な自己PRとなってしまいがちです。しかし、これでは雇う側も困ってしまいます。

何ができるか未知数の新入社員に関しては、ある程度、版で押したような自己PRになってしまうのも仕方のないところがありますが、中途採用で雇う場合は、その人に何ができて、ほかの入社希望者と比較してどこがどう違うのかということが分からなければ、雇うかどうか判断しようがありません。

それを踏まえた上で、自己PRとはそもそもどういうものか、ということから考えてみましょう。

自己PRとは?

PRとはパブリック・リレーションズ (Public Relations)の略称で、本来は公に広く知らせること、そして、公の声に耳を傾けることの両方を指しており、一般に「広報・広聴」と訳されます。

中途採用時の自己PRの対象は公ではなく雇ってもらおうとしている企業となり、企業に対して自分の存在を知らせ、そして、企業が求めている人材について耳を傾けることが基本となります。つまり、会社がどのような人材を求めているのかしっかり理解した上で、自分がそれにかなうのであれば、そのことをしっかり企業に伝えるということです。

そうした双方向のコミュニケーションこそが自己PRであり、決して自分をゴリ押しするように売り込むことではありません。

よい自己PRは企業も雇われる側もWin-Winとなる

米国ではデザインや写真にこだわった自己PRが珍しくありませんが、これは個性をゴリ押ししているのではなく、自身のスペックを効果的に分かりやすく伝えることを狙ったものであり、企業側が求めているスペックなど雇用方針をよく理解した上で、自分がいかにそれに見合った人材であるかを最大限にアピールするものといえるでしょう。

さすがに日本ではそこまでやると悪目立ちしてしまいますが、それはそれとして、自分を雇った場合にどのような活躍をしてくれそうか、企業側にしっかりイメージしてもらえる内容のほうがいいことには違いありません。それは自分自身のためばかりではなく、企業のためでもあります。

求人広告を出すとその分だけ広告費がかかるわけですから、企業側のニーズと雇われる側のスペックがきちっとマッチングして1度の広告出稿でベストな人材を確保できたほうが、双方ともWin-Winな採用となるはずです。

事務職の自己PRでのアピールポイント

事務職の自己PRでのアピールポイントでは、事務職の転職における自己PRでのアピールポイントはどういう点になるのでしょうか? スキル・能力面と資格面に分けて説明しましょう。

スキル・能力

正確さ・緻密さ

事務職は書類などを作成する機会が多いので、正確さや緻密さを重視する姿勢は重視されます。単なる自己評価ではなく、上司などから仕事の正確さや緻密さを評価された経験をアピールするといいでしょう。

PCスキル

ほとんどの事務職においてはPC(パソコン)を操作するため、PCスキルはアピールポイントにつながります。具体的なソフトウェアのほか自分ができる作業についても簡単に説明できるといいでしょう(Excelで関数やマクロを扱えるなど)。関連の資格があればよりアピールにつながるので、PRに盛り込みましょう。

オフィスワーク経験

データ入力や書類作成などの経験があると、入社後の姿をイメージしてもらいやすくなります。一般的な事務作業であっても、やったことがあるのとないのでは、入社後、仕事に慣れるまでの早さが大きく違ってくるので、オフィスワークの経験については一通り触れておいてもいいでしょう。

スケジュール管理能力

企業によって異なりますが、多くの場合、一般事務、営業事務、経理事務、人事事務などさまざまな種類の事務作業においてスケジュール管理能力が問われます。それは、仕事の進捗管理に直結するからです。

スケジュール管理能力をアピールするには、具体的な実例を挙げるといいでしょう。たとえば、適切なスケジュール管理により資格取得のための時間を捻出した経験があれば、それをアピールします。

サービス業などの経験

事務職はサポート的な役割を果たすことも多く、必然的に社内でさまざまな立場の人と接する機会が出てきます。そのため、周囲に配慮できる気配りの姿勢が重視されるサービス業・接客業の経験が評価されることがあります。

一見、事務職とは無関係のように思えますが、サービス業・接客業の経験で心掛けていたことや学んだことを上手にアピールできると、事務職への転職においてもプラスに働くでしょう。

資格

語学

業種によっては、事務のほうでちょっとした英語の文書などの作成が求められることもあります。貿易に関係する事務作業などで外国語が必要になるのはその一例です。英語のほか、近年では中国語のニーズも高くなっています。

語学に関しては、「話せます」「読めます」という本人の自己申告だけではそのレベルを測りにくいため、公に認められた資格など客観的な指標が重視されます。

MOS

MOSとは「Microsoft Office specialist(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」の頭文字をとったもので、WordやExcelなどOfficeソフトのスキルを証明する資格です。MOSの科目にはWord、Excelのほか、PowerPoint、Access、Outlookがありますが、このうち事務職で求められるのはやはり文書作成ソフトのWordと表計算ソフトのExcelです。また、データベースの作成や管理を行うAccessの科目の取得は難易度が高いので、取得できたならアピール度も高くなります。

簿記

簿記の資格は、お金の出し入れの流れが分かるということを証明するものです。そこで、その資格があると、より重要な事務作業に関わらせてもらえる可能性があります。中途採用で人を雇うという場合、単純作業しかできない人よりも、簿記の資格を持ち、そのスキルを要させる仕事も任せられる人材を企業側も雇いたいものです。

その簿記の資格に関しては、商業簿記を扱う簿記3級だけでなく、できれば高度な商業簿記と工業簿記まで扱う簿記2級の取得まで目指しましょう。簿記2級を取得すると事務職だけでなく経理職への道も開けてきます。

秘書検定

秘書検定では、ビジネスマナーや一般的な経営知識、業務管理などの技能などが身に付いているかどうかを判断されます。つまり、社会人として必要なスキルを身に着けていることの証明となる資格であり、転職では相手へ好印象を与える効果があるでしょう。

秘書検定には1級、準1級、2級、3級の4段階がありますが、中でも面接試験のある1級と準1級に合格していると、かなりのアピールポイントとなるはずです。

自己PRの書き方は?

自己PRの書き方は?自己PRの具体的な書き方について順を追って説明していきましょう。まず、自己PRの書き方のポイントは次のようになります。

自己PRの書き方
1.アピールするテーマを決め、そのアピールポイントを明確に示す
2.アピールポイントの根拠となる経験・エピソードを盛り込む
3.そのスキルや能力をどのようにその会社で活かしたいかを説明する

言われてみれば「なるほど」と思えるポイントです。では、1つずつ、詳しく説明しましょう。

自己PRの書き方

1.アピールするテーマを決め、そのアピールポイントを明確に示す

アピールポイントが多すぎると散漫な印象となってしまい、伝えたいこともうまく伝わりません。そこで、自分が受ける企業において最も役に立ちそうなスキルや能力の中から1つに絞ったほうがいいでしょう。

そのほうが起承転結もしっかりした構成となり、相手に伝わりやすい自己PRとなります。どうしても複数のアピールポイントを盛り込みたいなら、メインのアピールポイントに付随する形で簡潔に触れるようにします。

2.アピールポイントの根拠となる経験・エピソードを盛り込む

自分のスキルや能力について単に「○○できます!」と書いてもそれだけでは説得力がありません。資格があるものについては、それを書くだけでもアピールとなりますが、そうでないものに関しては、前職での具体的な経験・エピソードを盛り込むといいでしょう。できれば客観的な指標があるのが望ましいといえます。

たとえば、「作業効率を考慮した手順に変えたところ、前任者が残業して対処していた作業において残業が必要なくなった」などが、その一例です。

3.そのスキルや能力をどのようにその会社で活かしたいかを説明する

そのスキルや能力を使ってどのようにその会社に貢献できるのかを、自己PRの中できちんと説明しておきましょう。企業側に「入社後にどう活躍してくれそうか」をイメージしてもらえる内容にすることが大切です。

ただし、何事にも加減はありますから、過大な期待を持たせるような内容にはしないことです。謙虚過ぎず、話を誇張し過ぎず、というバランス感覚を大切にしましょう。

自己PRでぜひ押さえたいポイント

自己PRでぜひ押さえたいポイント書き方の要点の後は、自己PRで押さえるべきポイントについて具体的に説明しましょう。まず、どんな人であっても必ず押さえるべきポイントは次の2点となります。

自己PRで必ず押さえるべきポイント

誤字・脱字にはいつも以上に注意する

事務職では正確さ・緻密さが重視されることは言うまでもありません。そのため、履歴書や自己PRの段階でそうしたミスがあれば、かなりのマイナス評価につながると考えていいでしょう。表記ゆれ(前半で「Excel」と書いているのに後半で「エクセル」表記になるなど)も雑な印象を与えてしまうので注意します。

スキルや経験は具体的に記載する

たとえば、「〇〇業務全般を経験しました」といった記述だけでは、どのレベルでできるのか分かりません。やってもらいたい仕事ができるどうかという判断を企業側ができるように、冗長にならない程度に詳しく具体的な記述を心掛けましょう。

次に、事務職経験がある場合とない場合に分けて、自己PRのポイントを説明します。

事務職経験者の自己PRのポイント・書き方

〈企業側から見た経験者を雇うメリット・目的〉

即戦力を期待

経験やスキルがあるとそのまま即戦力となります。言うまでもなく、これは経験者を雇う一番のメリットといえるでしょう。

研修コストを抑えられる

すでに基本的なノウハウを知っている場合が多いので、その分、研修のコストを抑えやすくなります。

〈上記を踏まえた上での自己PRのポイント・書き方〉

  • 転職後に活かせそうな経験をアピールする

事務の経験をアピールするのはもちろんのこと、事務職では対人関係も重要なので、サービス業や接客業の経験もあれば、それにも簡単に触れておきましょう。仕事への対応力をイメージしてもらえるような自己PRが書れば上出来です。

  • 直接アピールできるPCスキルや専門知識を記載する

経験やスキルのレベルの高さを直接伝えることができるので、保有資格などがあればそのまま記載します。資格を持っていること自体がスキルや努力の証なので、端的に書いておくだけでもかなりのアピールポイントになります。

  • 事務職経験が長い方はその期間を記載する

事務職としての経験が長いなら、その期間も記載しておくと、それだけで即戦力と見なされます。また、長期間同じ仕事に従事してきたこと自体が、仕事への対応力としてアピールできます。

事務職未経験者の自己PRのポイント・書き方

〈企業側から見た未経験者を雇うメリット・目的〉

  • 一から育てられる

経験者は即戦力になる一方、以前のやり方に固執しやすく、かえって教育に時間がかかってしまうケースもあります。その点、事務職未経験であれば最初から教えられるので教育しやすいといえます。

  • 新しい風を取り入れられる

経験がないからこそ既存の考えや常識に固執しないで新たな発想や考えができる可能性があり、そうした社員を雇用することで「新しい風」を取り入れられます。新卒採用でもそれは同じですが、中途採用の場合、ほかの企業の社風や事務以外の仕事の経験といった意味での「新しい風」を取り入れることになります。

〈上記を踏まえた上での自己PRのポイント・書き方〉

  • なぜ異なる職種に転職したいのかという理由を明確に記載する

理由を記載するといっても、元の職種が合わなかった、成績を出せなかったといった理由だけでは消極的な印象しか与えられません。しかし、仕事の幅を広げたい、長く続けられる職種に変わりたい、子育てに積極的に関わるために残業の少ない職種に変わりたいといった希望があり、前の職場ではその希望が通らなかった……等の理由があれば、それを明確に記載することで、よい自己PRとなります。

  • 自分の経験やキャリアを転職後にどう活かせるか説明する

事務職では通常、体験したり身に付けるのが難しいスキルや経験があればそれに触れましょう。さらに、そのスキルや経験が転職後の事務の仕事と共通点があれば、それも併せて説明し、どう活かしていきたいのかというビジョンを提示します。

  • スキル不足の場合、それを身に付けることへの前向きさをアピール

転職後の事務の仕事において必要なスキルが不足しているなら、それを身に付けるつもりがあることをしっかりアピールします。資格取得が必要なことなら、それに向けた学習と資格受験までのロードマップを簡単でいいので示しましょう。

誠実な自己PRを心掛ける

誠実な自己PRを心掛ける繰り返しになりますが、自己PRは謙虚になり過ぎず、かといって誇張し過ぎずというのが大切です。過大な期待を持たせて就職できたとしても、企業側が期待しただけのことができないと、雇用した側もされた側も双方にストレスが溜まるばかりで不幸です。

自己PRは自分を大きく見せるのではなく、自分にできることをしっかりと企業側に伝えることにあります。そこがしっかりと伝わり、よいマッチングができると両者がWin-Winとなる転職が実現します。