違う保育園に転職する、他業種に転職する、結婚を機に退職するなどを理由に、現在働いている保育園を辞めるタイミングは誰にだってあると思います。
ただ辞めるのは何かと面倒なことも多いですよね。できればトラブルなく辞めたいと思うと、タイミングや辞め方など色々と気を使わなくてはなりません、
そこで今回は保育士の転職するタイミングや正しい辞め方について紹介していきます。
保育士の転職タイミング
極端なことを言えば、いつ辞めようがいつ転職しようが問題は特にありません。法律において退職は労働者側の申し出のみで可能であり、申し出から2週間後には使用者側がなんと言おうと関係はありません。
また求人募集も1年中行われていますから、転職しようと思えばいつだって転職可能です。
ただやはり保育士の転職には良いタイミングというものがあります。
理想は年度末
保育士が転職する場合、理想は年度末の3月。
卒園があったり、クラスが変わったりするタイミングですから子供や保護者年度の途中でいきなり先生が退職となると影響が大きく、年度末での転職が最も影響が少なくなります。
また年度末での転職は求人募集もかなり増えるので多くの選択肢から選ぶことができるというメリットもあります。
毎年1月から求人は増えていき、2月、3月でピークを迎えるので転職活動をする立場からとしても好都合である場合が多いです。
また保育士として年度一杯までしっかり働いたというのは、保育士としての評価という点でもプラスに働いてくれる場合があります。
大きなイベントが終わった時
理想は年度末とは言え、年に1回しか辞めるタイミングがないというのはちょっと少なすぎますよね。
もし年度末まではさすがに我慢できないという場合、次に転職するタイミングとしての候補となるのが運動会や発表会といった行事が終わったタイミング。
さすがにこれらの準備の途中でいきなり辞められてしまったら困りますが、終われば一応忙しい時期はすぎるので割と辞めやすいタイミングではありますね。
続けるのが無理ならいつ退職したって良い
理想は年度末、無理だとしても大きなイベントが終わった後。ただこれは絶対守らなくてはいけないことではありません。
どうしても今の職場で働くのは無理、もう限界と感じているなら、保育園の状況よりも自分のことを優先に考えるべきであり、いつ退職をしたっていいんです。
保育士といえども退職、転職することは労働者側の自由ですから、周りにとやかく言われても気にする必要はありません。
時には逃げることも必要です。
もちろんその場合は謝罪の気持ちを持って誠実に伝え、自分のできる範囲内で保育園側の提案を受け入れることも礼儀として必要。ただ一番守るべきは自分です。
万が一退職でトラブルが起きても、辞めてしまえばそれでおしまい。
必要以上にトラブルが起きることに恐れる必要はありません。
保育士が仕事を辞める正しい方法
では次に、保育士が仕事を辞めるとなった場合の正しい辞め方について紹介していきます。
2ヶ月くらい前には退職を伝え、退職届を提出する
一人の保育士が退職するとなった場合、保育園側としては急いで違う保育士を探すことになりますが、現在の保育士不足の環境では簡単には代わりの保育士が見つかりません。
その為、理想として2ヶ月くらい前には退職を伝えて保育園に自分の代わりを探してもらう時間を与えることが必要となってきます。
どの保育士も人材の余裕はない為、一人の保育士が減ってしまうと保育園だけではなく、そことで働いている保育士の方々にも大きな影響を与えることになるので注意しましょう。
ただ法律としてはあくまで2週間。周りに与える影響なんて考える余裕がないなら無理にでも辞めるという手段をとることも仕方がない場合もあります。
退職理由は仕方がないもの
退職理由は正直に伝える必要はありません。下手な理由を言ってしまえば相手に不快感を与える要因にもなってしまうので注意しましょう。
退職届に書く理由は「一身上の都合」だけで問題なし、聞かれた場合には「家庭の事情」や「健康上の理由」といったものや、「違う仕事にどうしても就きたいから」など、保育士として仕事を続けることができないと思わせる理由の方が何かと面倒なことはおきません。
他の園で保育士を続けるとわかると、引き留められる可能性が増えるし不快にも思われてしまいます。
また絶対にやってはいけないのがその職場への批判になるような発言。
方針が合わない、給料が低い、人間関係がうまくいっていないなど、職場の環境などはたとえ思っていても言わないようにしましょう。
引継ぎはしっかり行おう
子供のこと、保護者のことなど、保育士をやっているとあなただからこそわかっていることもあるはず。
そういったことはしっかり次の人に引き継ぎましょう。
できことならしっかり書面にして託すのがベストです。
自分は辞めるからもう関係ないと思うのではなく、次の人ができるだけスムーズに仕事を行うように気を使ってあげることは社会人として最低限のマナーです。
また引継ぎはできるだけ早めに行うようにしてください。退職が近づいてくると何かと忙しくなってきますから、十分に行えない可能性もでてきますから。
周囲に退職を伝える際には感謝の言葉も添える
いざ退職するとなると、園長などの上司だけではなく同僚や保護者などにも徐々に退職を伝えることになっていきます。
その際、一人ひとりに感謝の言葉も添えながら退職を伝えるようにしましょう。
中には嫌いだった人もいるでしょう。退職を伝えたら嫌味っぽいことを言ってくることもあるでしょう。
それでもそこはぐっと我慢です。
園長が辞めさせてくれない、そんな時は?
多くの保育園では保育士がぎりぎり。しかも社会全体が保育士不足で求人募集を出しても中々人が集まらない状態。
求人を出すのだってお金もかかりますから、経営的に余裕がない保育園としては当然退職しようとしている保育士を引き留めようと色々としてきます。
中には辞めたいと言ってくる保育士の話を一切受け付けず退職を何が何でも認めない延長もいるくらいです。
そんな中退職までこぎつけるのは大変。ただ保育園側のやってくることに負けてはいけません。
園長の発言に惑わされない
園長は退職を引き止めようと色々なことを言ってきます。
子供たちをほったらかしてなんとも思わないのか、園の信用が落ちる、他の先生たちに迷惑がかかる、今辞めたらあなたにとってもマイナスだ。
時に感情的、時に理屈っぽく、気持ちを変えさせようと本当に色々と言ってくることが予想されます。
ただ退職の意思がしっかりと決まっているならこれらの言葉に惑わされず、ぶれない気持ちを持つようにしましょう。
少しでも弱みを見せたらそこを付け込まれます。退職は正当な権利であり、何も間違ったことはしていないと自信を持ってください。
退職する強い意志を示す
退職するか決めかねている、少し迷っているなんていう態度をとることは、園長にしてみればどうぞ引き止めを行ってくださいと言っているようなもの。
引き止められるのは実は自分に原因がある場合もあるのです。
退職を伝える際にはもう退職することは確定事項であり、気持ちは一切揺るがないということをしっかり態度としてだすようにしてください。
退職しようかと思っていますではなく、はっきり〇月〇日退職しますと伝えてください。
最悪の場合は強制的に退職する
中にはどれだけこちらの退職の意思を伝えようとも、無視をされてしまうなんて場合もないわけではありません。
ただ退職するかどうかというのは労働者側の一存で決めることができるものであって、上司が拒否することができるものではありません。
辞められたら迷惑がかかるから損害賠償を請求するなんて言うのは愚の骨頂であり、認められるわけがないことです。
どうしても辞めさせてくれない場合にとる手順は以下の通り。
- 退職届を内容証明郵便で送る
- 退職届に書いた日付が来たら保育園には行かない(契約終了となる)
- 給料未払い、退職金未払い等があれば法律違反だと言うことを知らせる
- それでも支払いがなければ労働基準監督署に相談する
さすがに1番の時点で引き止めなどを行ってくることはなくなる場合がほとんど。ただ届いた日から退職日までは正直大変な日が続くかもしれません。
ですので退職届を郵送する日から退職日までは法律で最低限と定められた2週間にしておくのが良いと思います。また有給休暇を使ってできる限り出勤回数を減らすという手段もありです。
ただあくまでこれは最終手段。なんとか園長を説得して退職にこぎつけることができるのがベストだと思います。
まとめ
転職、退職は労働者の権利。保育士として働いている場合は色々としがらみがあるかもしれませんが、自分にとっての幸せは何なのかを考え、時には思い切った決断をすることも大切です。
現在保育士は非常に転職がしやすい状況。辛いと思いながら働き続けるのはいい加減やめ、より楽しく働くことができる環境を自分で見つけてみてください。