女性の人の割合が非常に高い保育士の仕事では、結婚や出産を機に退職するという人がかなり多いです。
現在は6割の世帯が共働き、若い世帯に限ればもっと共働き世帯の割合は高くなっており、他の仕事であれば結婚しても変わらず仕事を続け、妊娠したら産休、育休をとって復帰するというのが一般的ですが、保育士はそれがあまり一般的ではありません。
ただ中には結婚や出産をしても働き続けたい、辞めたくないと考えているのに辞めざるをえなくなっている人がいるのも事実みたいです。
結婚や出産を機に保育士を辞める人がたくさんいる
東京都保育士実態調査の結果によると、保育士を辞めた理由は以下の通りになっています。
- 給料が安い・・・65.1%
- 仕事量が多い・・・52.2%
- 労働時間が長い・・・37.3%
- 他業種への興味・・・30.6%
- 職場の人間関係・・・24.9%
- 職業適性に対する不安・・・22.0%
- 健康上の理由・・・19.3%
- 保護者対応等の心労・・・17.9%
- 子育て・家事・・・17.4%
- 妊娠・出産・・・14.4%
- 結婚・・・13.2%
子育て、家事、妊娠、出産、結婚などを理由に退職を決意する人はかなり多いということがわかります。
もちろんそういった人の中には結婚して仕事をする必要がなくなったという人もいれば、子供は預けず自分で育てたいからという理由で退職する人もいます。
しかし中には辞めたくないのに辞めざるをえない状況に追い込まれたり、家事や育児との両立に不安を感じて辞めることを選ぶ人も少なくはありません。
結婚や出産を機に辞める理由
では保育士の方々はなぜ結婚や出産を機に退職することが多くなってしまうのでしょうか。
いくつかの理由が考えられます。
長時間労働や休みの少なさ
保育士の仕事はその他の仕事に比べて労働時間が長かったり、休みも少なかったり、それでいて勤務時間もシフト制でばらばら。
結婚しても一緒に過ごす時間が少なくなってしまったり、家事との両立ができないと考える人は多いようです。
せっかく結婚したのに全然一緒に過ごせないというのは家族にとって良いことだとは言えませんからね。
その為、正社員として働くのを辞めて勤務時間の短いパートタイマーとして働く人も少なくありません。
産休、育休の取りにくさ
産休や育休は法律で定められた労働者の権利であり、産休ならば産前6週間と産後8週間、育休なら最長で1年(特別な場合は1年6ヶ月)取得することが可能となります。
ただ実際は育休どころか産休すらもとりにくい雰囲気の保育所というのは少なくないようです。
もし取りたいと言ったら露骨に嫌がらせをされるなんて場合も実際の事例としてあります。
そういう職場では妊娠したらもう辞めるしか選択肢がないということになってしまいます。
給料の低さ
保育士の給料はかなり低いという話はよく言われていること。手取りで13万円も切るような人も少なくありません。
保育園にフルタイムで預ければ5万円以上なんて場合も少なくはなく、わざわざ子供を預けて働くメリットがないと感じている人も多いようです。
休みのとりにくさ
保育園に預けたとしても、風邪や体調不良で預けることができない日もあったり、保育園に迎えにいけなくなる日もあったりと、急きょ休みをとらなければいけない状況は多々起こりうること。
しかし保育園によってはただでさえ人材がぎりぎりで、そう簡単に休みはとれないなんて職場も少なくなく、そんな状況では子育てをしながら働くことに不安を感じるのも仕方がないことですよね。
結婚、出産しても保育士を続ける為には?
保育士という仕事をしながら家事、育児と両立していくのは中々難しいのは事実。
色々と大変な思いをするということも覚悟はしておかなくてはなりません。
ただそれ以上に、結婚や出産しても働きやすい保育園で働くということが一番大切なこと。
現在非常に保育士の人手不足が顕著となっている中で、妊娠や出産しても働きやすい環境が整っている施設も増えてきています。
多くの保育士の人が産休や育休ととっている実績がある、時短勤務をすることも可能になっている施設など、決して少なくはありません。
実際にそうなってからではなく、あらかじめそういう施設に転職して働くことが大切になってきます。
今後も長く保育士として働きたいと考えているのであれば、早めに行動をしていくようにしましょう。
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