フリーランスと言っても、働き方によって4タイプに分かれます。働き方の違いに加え、職種やスキルによってフリーランスの年収には幅があります。

フリーランスとはどのような働き方なのか、メリット・デメリットと平均年収から、フリーランスが収入を得るために大切なことを解説します。

フリーランスとは

フリーランスとは、会社や組織に所属せずに個人で仕事を請け負う働き方です。

企業や個人と契約して募集している案件の納品後に報酬を得ることができるので、クライアントが求めるコンテンツや技術を提供して初めて報酬が発生するということです。

正社員、アルバイト、派遣といった雇用形態の違いに関係なく、企業に雇用されていれば仕事の忙しさや業務量が時間や曜日によって違いがあっても、時給や月給として最低限の収入は保障されます。

一方フリーランスは、納品したコンテンツや提供した技術・サービスに対してのみ報酬が発生するため、完成までにかかる準備期間の収入は保障されません。

そして、企業に属していないフリーランスは労働基準法といった労働法規の適用外なので、労働時間に上限はありません

どれほど働いても残業代がないということは、報酬に見合う労働時間内にクライアントに納品することが大切になってくるので、作業効率をアップするための工夫やスケジュール管理が求められます。

ただし、フリーランスは仕事の進め方を自由に決められることから、仕事をする時間帯や休日を自身の都合に合わせて設定することで、自分にとって効率の良い働き方ができる可能性も秘めています。

フリーランスの分類

フリーランスは「副業でフリーランスとして働いている方」から「個人事業主として働いている方」までいることから、大手クラウドソーシングサイト「ランサーズ」を運営しているランサーズ株式会社では「副業系すきまワーカー」「複業系パラレルワーカー」「自由業系フリーワーカー」「自営業系独立オーナー」の4タイプに分類しました。

ランサーズ:フリーランスの年収と労働時間|日本初の実態調査から読み解く

それぞれの特徴と全労働者に対して占める割合をチェックしてみましょう。

副業系すきまワーカー

副業系すきまワーカーとは、メインの仕事では雇用されている方がフリーランスとして副業をしている労働者のことです。

収入アップ、本業以外にやりたいことの実現を目的に、本業が終わった後や休みの日の数時間を仕事に充てています。

ランサーズ株式会社が2018年2月13日~2月15日に直近1年間に仕事報酬のあった全国の20~69歳を対象にした調査「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」(株式会社マクロミルの登録モニターにオンライン調査を依頼)によると、フリーランスの41%が副業系すきまワーカーに該当し、最も割合が高いフリーランスです。

ランサーズ:2018年度版_フリーランス実態調査

複業系パラレルワーカー

複業系パラレルワーカーとは、雇用形態に関係なく、2社以上の企業と契約ベースで仕事をこなす労働者のことです。

副業と比較すると仕事にかける時間や労力、収入が大きくなるので、本業を複数持っているイメージに近いでしょう。

自分のスキルや特技を活かしながらプライベートを実現させるなど、柔軟性の高い働き方をしている方が多いです。

「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」によると、フリーランスの26%が該当します。

副業系すきまワーカーと比較すると該当者は少ないですが、2017年版の調査と比較すると伸び率が特に大きいです。

自由業系フリーワーカー

自由業系フリーワーカーとは、特定の勤務先はなく自分の得意な仕事を業務委託契約を結んでこなす労働者のことです。

フリーランスになる前に企業や組織に所属していた方が、出産や退職をきっかけに自分のやりたいことで仕事をするために独立した方が当てはまります。

「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」によると、フリーランスの5%が該当します。

このタイプにから完全に個人事業主としてのフリーランスとして認識され始めます。

自分の裁量で仕事を受ける・受けないなどコントロールを上手くする必要があります。

自営業系独立オーナー

自営業系独立オーナーとは、1人で経営している個人事業主・法人経営者のことです。

スキルや資格、顧客資産などを基に長期にわたり独立して生計を立て続けているプロフェッショナルで、フリーランスと聞いて想像する方が多いでしょう。

「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」によると、フリーランスの29%が該当します。

多くは自由業圭フリーワーカーのように個人事業主だった方が順調に売上を伸ばしていき、「誰かを雇用する必要が出てきた」「法人化をして信用度を高めたい」などのきっかけでこのタイプに該当する方が多いです。

個人事業主から会社としての第一歩進んでいく段階です。

フリーランスのメリット・デメリット

フリーランスは働く時間も場所も自由という自由度の高さが最大のメリットですが、自分のやりたいことや特技を活かしながら収入アップも目指せる可能性があるのも特長です。

一方、仕事とプライベートの境目があいまいになる、スケジュール管理や事務作業も自分で責任をもってやらなくてはならないというデメリットもあります。

何より、収入が不安定なことに不安を抱く方が多いです。フリーランスのメリットとデメリットを見ていきましょう。

フリーランス4つのメリット

フリーランスは働き方を自分で決めることができるので、スキルアップや人脈を広げるための時間を確保しやすく、スキルアップや人脈が広がった結果、収入が増えることも期待できます。

働く時間も場所も自由に決められる

フリーランスは働く時間も場所も自由に決めることができるので、ワークライフバランスのとれた生活を実現しやすいです。

契約した案件の締め切りに間に合えば、仕事にかける時間やスケジュールを自分で管理できるので、家族との時間や自分のための時間を予め設けて仕事することが可能です。

仕事に必要な道具があればどこでも仕事できるので、外出中のすき間時間に仕事を進めることもできます。

パソコンがあれば仕事ができる環境にあるフリーランスの方の中には、長期間旅行をしながら仕事をする方もおり、自由度が高いのも魅力です。

スキルアップする機会が多い

仕事の時間を自分で管理できるフリーランスは自由な時間も多く、資格取得のための学習やセミナーに参加する時間を確保しやすいです。

趣味のための時間も確保しやすいので、興味関心のある様々なことを経験できるでしょう。多くのインプットや経験が、スキルアップにつながると期待できます。

人脈が広がる

セミナーに参加したり趣味の活動のために外出したりする機会が多ければ、人と出会う機会も多いでしょう。

フリーランスは案件ごとに企業や個人と契約していく必要があるので、新規案件を獲得する度に人脈が築かれます。

フリーランスが収入を途切れさせないためには常に仕事がある状態にすることが重要なので、信頼される仕事をしながら人脈を広げておくと、仕事につながりやすいでしょう。

収入アップの可能性がある

フリーランスは案件ごとに報酬が決められているので、案件をこなすほど報酬が増えます。スキルアップでできる仕事が増えれば、単価の高い案件を受注できる可能性が高くなります。

また、人脈が広いほど案件の依頼が来やすく、仕事を獲得できるチャンスが広がるでしょう。

さらに、長く契約を続けていたクライアントは受注者を高く信頼しているということなので、単価アップに応じてもらえたり、単価の高い別の案件を紹介してくれたりもします。

仕事以外の時間をスキルアップや人脈づくりに費やしやすいフリーランスであれば、単価の高い案件を多く受注できるようになり、収入アップの可能性が高いでしょう。

フリーランスの5つのデメリット

フリーランスは自由に仕事ができる分、スケジュールや体調管理も自分で責任を負わなくてはなりません。

収入が安定しない、仕事をいつまで発注してもらえるか分からず将来が不安といったことに悩まされるのが、フリーランス最大のデメリットと言えるでしょう。

収入が安定しない

仕事を受注するほど多くの報酬が発生するのがフリーランスの特長ですが、毎月コンスタントに案件を発注してもらえるとは限らないので、月収・年収の変動が大きいです。

ある程度コンスタントに発注してもらえる案件や報酬の占める割合の大きい案件の契約が終了し、同程度稼げる案件が見つからなければ、収入が一気に下がるリスクがあるのは、フリーランスのデメリットです。

将来への不安がある

毎月決まった金額を得られない、契約が突然終了して収入がなくなるリスクがあるなど、収入の安定・継続性に欠けるので、フリーランスを続けられるか不安という方は多いです。

高報酬の案件には応募が殺到すること、フリーランスが増えている昨今のことを考えると、フリーランス同士の競争の激化が予想され、特別なスキルや得意な分野がないと仕事の受注が難しくなり、仕事の減少や仕事を獲得できないことに不安を抱く方が増えるでしょう。

スケジュール管理や事務作業も自分でやる必要がある

仕事とプライベートのバランスをとるだけではなく、複数の案件を抱えている場合、1つの案件にかかる時間と納期から逆算して取りかかる案件の順番を決めるといった細かいスケジュール調整の必要があります。

また、請求書の発行や確定申告といった手間のかかる事務作業もご自身でしなくてはなりません。

仕事が立て込んでいると事務作業が後回しになりがちですが、事務作業はたまるほど処理が大変になるので、事務作業の時間も考慮してスケジュール管理する必要があるでしょう。

体調不良で休めないことがある

フリーランスは代わりに仕事をしてくれる人がいないので、納期の調整が難しく、休むと納品が間に合わなそうな場合には、体調が優れなくても仕事をしなくてはならないことは珍しくありません。

自分ひとりで納品まで責任を持たなくてはならないフリーランスは、会社員以上に体調管理が重要となります。

仕事とプライベートの境目があいまいになる

自宅と仕事場を兼ねている場合、仕事とプライベート空間があいまいで仕事に集中しにくいというデメリットもあります。

仕事の時間とプライベートの時間の区別もつけにくくなるので、休憩時間を予定より多くとってしまう、プライベートの時間を削ってまで仕事をしてしまい、プライベートの時間を確保できなくなるなども懸念されます。

仕事をする空間にプライベートの物を持ち込まない、事前に決めた仕事の開始と終了時間を守り、終了時間になったら仕事を止めるなど、集中して効率的に仕事ができる工夫が求められます。

フリーランス年代別・職業別平均年収

「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」によると、フリーランス年収は平均186万円ということですが、「副業系すきまワーカー」平均74万円、「複業系パラレルワーカー」平均154万円、「自由業系フリーワーカー」平均157万円、「自営業系独立オーナー」平均356万円と働き方によって大きく異なります。

ランサーズ:2018年度版_フリーランス実態調査

フリーランス歴が長いほど単価の高い案件を多く受注しやすく、収入が上がると予想されることから、年代によって年収に違いがあると考えられます。また、職種で報酬が異なることは珍しくないため、メインにする職種によっても年収は変わるでしょう。

そこで、フリーランス平均年収を「年代別」「職種別」に分けてチェックしてみましょう。

【年代別】フリーランス平均年収

年代年収
20~30代200万円位以下
40~50代

300万円~400万円

平均

310万円~405万円

20~30代は副業系すきまワーカーが多く、フリーランスとしての収入が少ないので年収は200万円以下の方が多いです。

40~50代は企業で専門性の高い職種や役職に就いていた方が企業での経験を活かしてフリーランス専業で仕事をする方が増えるので、20~30代よりも年収が上がる傾向にあります。

【職種別】フリーランス平均年収

職種年収
ライター

300~500万円

グラフィックデザイナー

700~800万円

WEBデザイナー

300~400万円

エンジニア

700~1200万円

ライターはWebライターと紙媒体のライターに大きく分けられます。

Webライターは初心者にも書きやすい媒体も多いので、1案件あたりの報酬が安い分、年収も低い傾向にあります。

ただし、インタビュー記事や資格必須の記事など、スキルや専門的な知識の求められる記事は、Webライターの中でも報酬は高くなっています。

専門性の高い紙媒体は、Web媒体よりも報酬が高く設定されているので、Web媒体専業の方よりも年収は高いでしょう。

グラフィックデザイナーは会社員の平均年収が280万円~790万円なので、フリーランスになって年収が上がった方が多いと考えられます。

WEBデザイナーはフリーランスになる方が増えた影響でフリーランス同士の競争が激化し、報酬相場が下がってきているので、年収が飛び抜けて高い方も少なくなっています。

エンジニアはIT関連の資格がある、大手企業のプロジェクトに携わった経験があるなど、専門性の高いスキルや知識を有している方であれば、独立後に年収アップを期待できる職種の1つです。

フリーランスの働き方例

「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」から、「副業系すきまワーカー」と柔軟な働き方や自分の得意なこと・やりたいことで働く「複業系パラレルワーカー」「自由業系フリーワーカー」、個人事業主・経営者の「自営業系独立オーナー」で働く時間に違いがあることが分かります。

「副業系すきまワーカー」はフリーで働く時間は週平均6.4時間なので、本業が休みの日に1日6~7時間働く、または、毎日1時間ずつ案件を進めるといった働き方が考えられます。

「複業系パラレルワーカー」は週平均13.6時間、「自由業系フリーワーカー」は週平均15.4時間なので、週4日のみフリーランスの仕事に充てるとしても働く時間は1日3.5~4時間です。

複業系パラレルワーカーであれば空いた時間は企業で社員として働く、自由業系フリーワーカーであればスキルアップやプライベートの時間など自分のための時間を設けるというスケジュールを立てられます。

「自営業系独立オーナー」の働く時間は週平均33.3時間なので、週5日働くとすると1日7時間弱となります。

他のフリーランスのように別の仕事があるわけではなく、フリーランスの仕事のみで収入を得なくてはならないこと、業務委託の自由業系フリーワーカーとは違い仕事を自分で生み出すことが可能なことから、働く時間は長くなるのは当然と言えるでしょう。

フリーランスの年収はスキルや収入で大きく異なる

一概にフリーランスと言っても働き方も職種も様々なので、収入には大きな幅があります。

働き方の自由度は高いですが、収入が安定しないというデメリットがあるので、収入のない月が発生しないように仕事を受注する、万一収入がない時でも生活できるだけの貯金を確保しておくなど、スケジュールと自己管理が求められます。

フリーランスは高いスキルや専門知識のある方であれば会社員以上に稼ぐことも可能ですが、フリーランスになったばかりで仕事がない方や、専門的なスキル・特技のない方が家計をやりくりできるだけの収入を得ることは難しいでしょう。

他のフリーランスに勝てる強みがない場合、フリーランスになることはあまりおすすめできませんが、フリーランスとして働くのであれば、まずは毎月5万円程を貯金できる収入を目指しましょう。高単価の案件を増やす、ブログで広告収入を得るなどで収入を増やすことに加え、節約や固定費の削減、青色申告で確定申告して節税するなどで手元に残る金額を増やす工夫をしてみてください。

正社員とフリーランスどちらが良いか

働き方改革などの影響もあり、フリーランスの方は年々増えてきており、会社に縛られず自由に仕事ができるスタイルは誰しもが憧れを持つ働き方です。

しかし、自由と引き換えに自分で全ての業務をしなくてはいけなくなったり、保障関係が会社員よりも手薄になってしまうなどのデメリットがあるということは頭にいれなければいけません。

フリーランスになることが目的ではなく、フリーランスになってその先の活動が目的であれば、駆け出しの時の収入が少ない時期も乗り切れるかもしれませんが、前者の場合だと途中で心が折れてしまう可能性も0ではありません。

もしも今の会社に不満があるだけで「とにかく自由になりたい!」という気持ちだけならばフリーランスという自分を守ってくれるものが少ない立場になるのではなく、違う会社の転職も選択肢に入れると良いでしょう。

どうしてもフリーランスという働き方に興味があるという方は、まず副業などでフリーランスとして働くという感覚と手応えを実感してから動き出すと失敗する可能性を多少でも低くすることができます。

会社員もフリーランス、どちらも働き方のスタンスの違いだけなので優劣はありません。

自分に合っている働き方ができるスタイルを見つけることが大切です。