自己PRは、職務経験に基づく強みと転職後に何ができるのかをアピールすることがポイント。
あらゆるスキルを活かせる営業職は、経験者も未経験者も希望する方が多い業種です。
一方、営業職で身についた多くのスキルを活かして他業種への転職を希望する方もいます。
他の転職者と比べてた時にどのような書き方をすれば差がつくのか、自分のアピールポイントをどう伝えれば良いのかしっかり確認をして書類提出や面接に臨むと通過率がぐっと上がります。
このページではそれらのコツについて解説をいたします。
目次
自己PRを甘く見てはいけない
「自己PRは苦手だから、なんとなく書けば(答えれば)いいや」と考える方もいるかもしれませんが、自己PRが上手くできないと、本来スキルや経歴が問題ない方でも内定をなかなかもらえない状況に陥るかもしれません。
採用する側としてはアピールが上手い人の方が目立って見えますし、何よりも好印象を持ちます。
つまり自己PRのクオリティを高めないのは非常にもったいないことをしているのです。
営業職でアピールできるもの
お客様と信頼関係を築いて悩みを理解した上でお客様にニーズのある商品・サービスを提案することが得意な方は、営業職向きの方です。
数字で結果を出すことが求められる営業職は、数字で分かる実績があると自身の強みを明確に伝えやすくなるので、積極的に自己PRへ自分の関わった事業について記載するのがおすすめです。
コミュニケーション能力
営業職は色々な方と関わる機会が多いです。
相手によって悩みは異なるので、ニーズのある商品・サービスをお客様ごとに提案するには、一人ひとりと信頼関係を築き、悩んでいることを丁寧に聞きとって理解することが求められます。
信頼して話をしてもらう、提案した商品・サービスの特長を理解して納得してもらうことにコミュニケーション能力は役立ちます。
社外の人とのやりとりがなくても社内の人とは会議などで関わりがあるので、どの職種でも高いコミュニケーション能力があることはは大きなメリットです。
ヒアリング力
相手の悩みをくまなく聞きとる、あらゆる悩みを相談したいと思ってもらえるためには、ヒアリング力が役立ちます。
一方的に営業トークを話し続けても、不信感や嫌悪感が生まれていきますし、まずは課題を聞くことが大事。
過去に営業経験者の方であれが、どのようなコミュニケーションを取って課題を聞き出したのか、それ以外の職種のかたであっても、仕事を進める上で関係各所の課題解決を行った経験などは評価されやすいです。
業界の知識
同じ業界内での転職をするのであれば、その業界での知識などは即戦力として重宝される可能性が高いです。
業界によっては独特の風習や企業間での力関係もありますので、そのあたりの事情を把握している人は教育コストが大幅に減ります。
営業職は単純に話が上手いだけでは結果を残すのが難しいこともあるので、業界知識があるならどんどんアピールしましょう。
数字で表せる実績
営業としてやっていけそうかの判断は数字での実績が一番わかりやすいです。
社内の契約者数がトップだったとか、○○万円の売上を作ったなど、パッと見た時に「この人はポテンシャルがありそうだぞ」思わせる事がポイント。
どんなにコミュニケーション力があって営業職向けの正確だったとしても、会社に利益を出してくれない人はなかなか採用しにくいのが現実です。
特にこの項目は力を抜かないようにしましょう。
自己PRの書き方・ポイント
企業によって求められるスキルが異なればアピールすべきものも変わるので、効果的な自己PRをするためには、企業が求める人材に当てはまるスキルと経験をアピールをすることがコツです。
そして、そのスキルや経験を入社後にどのような形で貢献できるかを具体例を出しながら伝えましょう。
段階を踏んでステップごとのポイントを押さえる
自己PRは、下記の流れでチェックをしてみましょう。
- アピールするテーマを選ぶ
- スキルが身についた経験やエピソードを書く
- スキルを入社後にどのように活かしたいか
①アピールするテーマを選ぶ
多くのスキルがあると様々な仕事に対応できると判断されると考え、あらゆるスキルをアピールしたいと考える方はいるでしょう。
しかし、関連性のないスキルをいくつもアピールしても、1つあたりのスキルとエピソードの内容が薄くなり、応募者の特長が伝わりにくくなることが懸念されます。
また、自身の持っているスキル全てが志望企業で求められているとは限らないので、企業側は特にどのスキルを活かして活躍してくれるのかイメージすることが難しくなります。
企業に自身を採用するメリットを感じてもらうためには、企業が求める人材を把握し、必要としているスキルと一致する自身のスキルと裏付ける経験・エピソードに絞ることがポイントです。
②スキルが身についた経験やエピソードを書く
アピールするスキルを選んだら、スキルにつながった経験やエピソードも自己PRに取り入れましょう。
得意なことを書いてあるだけでは、企業側はスキルを身につけるためにしてきたことやスキルがあると言える理由が分からず、応募者がどのようなスキルを持っているか理解するのが難しいです。
そこで、スキルが身につくきっかけとなった経験やエピソードも紹介することで説得力が増し、どれほどのスキルがあるのか客観的な判断が可能となります。
③スキルを入社後にどのように活かせるか
自己PRは、自分の強みのアピールだけではなく、スキルを活かしてどのように活躍・貢献できるかをアピールすることも目的です。
転職では仕事で身についたスキルを活かして即戦力となることも評価されるので、スキルがあることで入社後の活躍・貢献を期待させる内容を取り入れましょう。
エピソードにはストーリー性を入れる
スキルを裏付ける経験・エピソードは、事実を記載するだけではなく、大変だったことや解決に至るまでに取り組んだことなども説明することも必要。
何を努力できる人なのか、目標の達成にはどのような性格・考え方が役立っているのかといった内面も知ってもらえます。
下記のような起承転結のある文章を心がけましょう。
①最初は売上目標には程遠い成績でした。
②しかし、売上目標を達成して会社に貢献したいという強い思いから、お客様に商品の魅力を的確に伝えられるよう商品の特長を再確認する、分かりやすい説明で信頼できると感じてもらうために営業トークや商品資料の見直しといった努力を諦めずに続けました。
③結果、売上目標を達成してから3ヶ月後には月間売上1位となりました。
このような流れで書くことで採用担当者はアピール内容をイメージしやすくなります。
スキルや経験は具体的に記載する
スキルを裏付ける経験・エピソードにストーリー性を持たせるように、スキルもどのようなことまでできるのかなどを詳細に説明することが大切です。
スキルや経験の内容が具体性に欠けると、企業はどのような仕事までできるのか、求めるレベルを満たすスキルなのかなどを判断できません。
企業が想定するレベルをクリアした高いスキルがあること、任せたい仕事をこなすのに十分な経験があることなどをアピールするために、スキルや経験は具体的に書きましょう。
評価を数字で表現できるものはなるべく数字を使用する
数字で評価されることの多い営業職では、営業成績1位のように数字で分かる実績があると、高く評価されたことが分かりやすくなり、自己PRの説得力が増します。
「大きなプロジェクトを遂行しました」より「売上規模が○○万円のプロジェクトを遂行しました」の方が良いです。
全部の項目を数値で表現するのは難しいかもしれませんが、できる部分はなるべく数値化していくと伝わりやすくなります。
営業職未経験者の書き方・ポイント
現在は異業種で営業として転職を検討している方は営業としての経験はアピールできないので、方向性を変えてみましょう。
未経験営業を募集している会社はそもそも知識や経験よりポテンシャルを重視している傾向があります。
異業種に転職したい理由を明確に伝える
未経験の業種に転職したい方の中には、これまでの業種に不満があることがきっかけの方もいるでしょう。
しかし、ネガティブな理由で業種を変えたいことを伝えると、営業職も辛いことがあれば辞めてしまうのでは、前職が嫌なだけなら営業職にこだわらなくて良いのではなどと思われてしまいます。
企業に貢献したいことを伝えることが自己PRの目的なので、未経験の業種にチャレンジしたいポジティブにとらえられる理由を明確に伝えることで、熱意の高さを伝えることも可能です。
前職で活かせる経験について伝える
営業職は幅広いスキルが必要なので、前職で身についたスキルの中で営業職に活かせそうなものを自己PRで取り上げましょう。
強みをアピールする際、前職だからこそできた経験やエピソードの説明と異業種で身についたスキルを、今後はどのように営業職で活かして企業に貢献したいのかを伝えることがポイントです。
必要だと思われるスキルについて勉強中ということをアピール
営業自体には資格はありませんが、営業活動を円滑に進めるためや、自分の知識の向上のために資格を取得させる会社もあります。
そのような資格やスキルについての勉強を既にしていると伝えることで熱意が伝わりやすくなります。
営業職から異業種への転職の書き方・ポイント
営業職で身についたスキルは異業種でも必要とされるものが多いので、異業種ではどのように活かせるかをアピールすることがポイントです。
また、未経験から営業職への転職同様、異業種の志望動機を前向きにとらえられるような伝え方も大切です。
営業職で身についたスキルや能力と希望業種の共通点をアピールする
お客様のニーズをくみとる、ニーズを満たす提案をする、分かりやすい資料作成、クレーム処理も含めたお客様対応。
業務内容が多岐にわたる営業職であれば、異業種でも活かせる仕事をしてきたでしょう。
たとえば、お客様との調整や資料作成のためのPCスキルは事務職でも必要です。
コミュニケーション能力のように多くの業種で必要とされるスキルは異業種でも活かせる経験と共にアピールできます。
仕事での活かし方を伝えることで、営業職で身についたスキルや能力で他の業種・企業でも活躍できるイメージを抱いてもらうことを期待できます。
志望企業が求めているスキルを自己PRしよう
営業職では幅広いスキルが必要とされるので、営業経験の有無にかかわらずアピールできるスキルと経験はあるでしょう。
しかし、企業によって特に求めるスキルは異なるので、自己PRでは企業が求めているスキルや知識や経験を把握した上で、前職で身についたスキルなどをアピールすることがポイントです。
多様なスキルが身につく営業職経験者なら、異業種への転職もしやすい。
しかし、営業職以外の業種での自己PRでも、前職で身についたスキルや経験がなぜ志望業種・企業で活かせるのか、スキルを活かしてどのように活躍したいのかをアピールする必要があることは共通します。
前職の実績や身についたスキルと営業職や志望企業で必要とされるスキルをつなげ、自身を採用するメリットが伝わる自己PRを書きましょう。