退職代行とは実際どんなサービスなのか。利用する際の注意点を解説退職代行サービス、というものをご存知でしょうか。

会社を辞めたくても、上司や同僚に打ち明けづらく、退職をどんどん引き延ばしにしている方もいらっしゃると思います。

そこで本人の代わりに、退職に関する面倒なあれこれを業者が請け負ってくれるサービスです。

ですが、赤の他人が自分の退職を代行すると言われても「どのように対応してくれるのか?」「費用はいくらくらいかかるのか?」など疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。

また、「退職代行なんて利用したら円満退社できないのでは?」「会社とトラブルにならないか」といった心配もあるでしょう。

そこで今回は、退職代行サービスについて詳細に解説します。

具体的な利用の流れやメリット・デメリットなどもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

退職代行とはどんなサービスなのか?

退職代行とはどんなサービスなのか?

退職代行とは、その名の通り労働者が退職したいときに、本人に代わって退職の処理をしてくれるサービスです。

もちろん、普通に退職届を提出すれば辞められる職場であれば代行サービスなんて必要ありません。

そのため、退職代行サービスを利用する人の多くは、退職の意思を伝えたのにも関わらず中々会社が退職を認めてくれないという悩みを抱えて利用する方が殆どになります。

また、上司が威圧的で退職したくても言い出せないという場合や仕事の引継ぎ、後任の育成が終わるまで辞められないという場合も退職代行サービスを利用する対象となっています。

ちなみに、退職代行サービスと聞くと最近になって始まったサービスのように感じますが、実はすでに創業14年を超える長い企業もあるのです。

開始当初はサービス内容の珍しさから、利用する人はあまり多くありませんでした。

しかし、2018年にNHKの番組内で紹介されたことによって知名度が一気にアップして、利用する方が急増したのです。

そんな退職代行サービスには、大きく分けて2つあります。

  1. 弁護士が行うもの
  2. 民間の一般事業者が行うもの

弁護士が対応するサービスでは、法的な交渉も可能となっています。

民間の一般事業者が行うサービスの場合は法的な交渉は難しいものの、気軽に利用しやすいこともあり、退職代行サービスと言えば一般事業者の方を指すケースが多くなっているのです。

そこで今回は、法的交渉ができない民間の事業者サービスの退職代行について解説します。

退職代行サービスのメリット・デメリット

退職代行サービスのメリット・デメリット

はじめに、退職代行サービスを利用するメリットとデメリットについて確認していきましょう。

メリットについて

まずは、退職代行サービスを利用する3つのメリットについて解説します。

メリット1.退職を伝える心理的なハードルが下がる

メリット1つ目は、退職を伝える心理的なハードルが下がるという点です。

そもそも、退職したいという意思を上司などに伝えるのは抵抗を感じるでしょう。ましてや、人間関係などのトラブルで辞めたい場合は、なかなか簡単には伝えられないものです。

しかし、退職代行サービスを利用して第三者に間に入ってもらうことで、あなた自身が上司などに退職の意思を伝える必要がなくなります。

退職する意思をどうしても職場の人に伝えられないなら、退職代行サービスの利用がおすすめです。

メリット2.辞めさせてもらえない状況を打開できる

メリット2つ目は、辞めさせてもらえない状況を打開できるという点です。

仕事を続けている理由が、会社への忠誠ではなく惰性だという方は意外に多いでしょう。

何となく辞められずにダラダラと続けているという方は、なかなか退職する意思を伝えるのが難しいことが実情です。

また、上司が威圧的だったり関係が良くなかったりすると、やはり退職したいと伝えられないでしょう。

しかし、退職代行サービスを利用すれば、自分で勇気を出して退職の意思を伝える必要がなくなる為、気軽に辞められるのです。

ただし、法的な対処などは民間の一般事業者だとできないので、会社に辞めたいと伝えても辞めさせてくれないなどのトラブルは、弁護士が間に入ってくれる退職代行サービスを利用した方が良いでしょう。

メリット3.上司に一切顔を合わせずに辞められる

退職代行サービスを利用するメリット3つ目は上司に一切顔を合わせずに辞められるという点です。

誰しもが上司と良好な関係を築いているとは限りません。

中には、毎日顔を合わせてもほとんど話をしなかったり、一緒にいるのも苦痛に感じたりするような関係性だってあるでしょう。

このような関係性だと、普通に話をすることも苦痛で、ましてや退職するなんて簡単に伝えられるはずがありません。

そのせいで余計にストレスを感じてしまい、さらに日々の生活が辛くなる可能性もあります。

しかし、退職代行サービスを利用すれば、苦手な上司と顔を合わせる必要なく退職の意思を会社に伝えられます。

退職代行は、早ければ即日で上司と会わずに済むようになるので、本当に苦手な上司がいる場合はピッタリのサービスです。

デメリットについて

続いては、退職代行サービスを利用する2つのデメリットについて解説します。

デメリット1.退職するのに費用がかかる

退職代行サービスを利用するデメリット1つ目は、退職するのに費用がかかるという点です。

通常であれば、退職するのに費用がかかることはありません。

しかし、退職代行サービスはボランティアではないため、利用する際に費用がかかります。

費用は業者によって様々で、相場的には大体3万円程度となっています。

そのため、簡単に退職ができる環境にいる方にとっては、利用価値が見いだせない可能性があるでしょう。

気軽に手を出せる金額ではないかもしれませんが、ストレス軽減の権利を買うと考えればどうでしょうか。

デメリット2.悪質な退職代行業者に出会うリスクがある

次に紹介する注意点としては、悪質な退職代行業者に出会うリスクがあるという点です。

殆どがしっかりとした業者ですが、退職代行サービスの中にはその需要につけ込み、労働法などを正確に把握していない業者がいます。

そのような業者に出会ってしまうと、かえって話をこじらせて大きなトラブルに発展する可能性があるのです。

ちなみに、弁護士資格がない業者が「退職届を代わりに提出する以外の法律事務」に該当する行為を行うと、懲役2年以下か罰金300万円以下が適用されます。(弁護士法77条)

これを非弁行為と呼び、民間の一般事業者では職届を出すのはOKでも、以下のような法律事務に該当する行為は禁止なので注意が必要です。

  • 法律相談:報酬をもらって法律的アドバイスを行うこと
  • 示談交渉:依頼人の代わりに退職金や残業代の請求交渉を行うこと
  • 有給関係:いつに取得するなどの時期調整
  • 退職時:損害賠償をするぞと言ってきた場合の対応など

悪質な業者に出会ってしまうと、かえって退職が難しくなるうえにトラブルとなって大変な思いをする恐れもあるので、民間の一般事業者が提供する退職代行サービスを利用する場合は、しっかりとした下調べをするなどの対策を講じてください。

退職代行サービスの主な利用の流れ

退職代行サービスの主な利用の流れ

退職代行サービスを利用するには、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。

ここでは、退職代行サービスの利用の流れについて解説します。

ステップ1.退職代行サービスに連絡・相談する

最初は、退職代行サービスの公式ホームページから、サービスを利用したい旨を伝える連絡をしたり、退職したいけど円滑に進められないといった悩みがあると相談をしてみてください。

気軽にLINEなどから相談ができる業者もあるので、まずは自分が気になった退職代行業者を見つけてみましょう。

ちなみに、退職代行として有名で評判も良い業者としては以下の3つが挙げられます。

相談だけなら無料で受けてくれる業者もあるので、「どうしても辞められない」とお悩みなら物は試しと割り切って相談してみてください。

ステップ2.費用や案内を確認後正式依頼

無料の相談などをした後は、費用の案内などをしてもらいます。

そして、説明に納得できたなら正式に依頼する流れとなっているのです。

そして、実際に退職を代行してもらうには、先に料金の支払いをする必要があります。

ちなみに、民間の一般事業者に退職代行サービスを利用する場合は、相場が3~5万円となっています。

ステップ3.費用の支払い

費用に関しては、正式契約の前に伝えられた料金以上になるケースはありません。

また、追加費用がないだけでなく、万が一円滑に退職ができなければ返金保証もあるので、安心して利用ができるのです。

ステップ4.退職日などの打ち合わせ

正式契約を結んで費用の支払いも完了すれば、いよいよ具体的な退職の話に入ります。

いつまでに退職をしたいのかなどを打ち合わせして話を進めます。

退職日時などが決まれば、あとは業者に任せておけばサービスを実行してくれるのです。

ちなみに、打ち合わせの際に有給休暇消化後の退職を希望したり、円満退職や即日退職を希望したりすることもできます。

どのような退職にしたいのかについて明確にしてから、相談に臨みましょう。

ステップ5.退職承認の報告を待つ

業者がサービスを実行している間は、あなたは特にすることはなく、退職承認の報告を待つだけです。

そして、円滑に退職が完了すれば以上でサービスは終了となります。

万が一、上手く話が進んでいない場合は、さらに業者に対処してもらったり、返金保証を受けたりといった流れに進むことになります。

退職代行サービス利用で気を付けるポイント

退職代行サービス利用で気を付けるポイント

民間の一般事業者は、費用が安く気軽に相談できる分、注意すべき点も多々あります。

中には、大きなトラブルに発展する可能性があるので注意事項はしっかりと確認してください。

例えば、民間事業者の退職代行サービスでは、非弁行為に注意が必要です。

未払い残業代の請求など金銭の交渉は弁護士でなければできないため、未払い賃金を請求する場合は弁護士への相談が必須になります。

また、退職代行サービスによる退職をすると、寮の利用や会社からの借金に加え、個人の性格上の問題でトラブルが起こる可能性があるでしょう。

退職代行サービスによる退職を快く思わない方もいるはずなので、退職後のトラブルを未然に防ぐために、事前に身の回りを整理したり、寮を利用している方は引っ越すなどの事前準備は必要です。

退職代行サービスはどんな人に向いているか?

退職代行サービスはどんな人に向いているか?

退職代行は、仕事を辞めたいと考える全ての人に向いているサービスとは言えません。利用する必要がない方や、利用しない方が良い方もいるのです。

では、どのような人に向いているサービスなのでしょうか。最後に、向いている人の特徴について確認していきましょう。

  • 退職理由が明確な方
    退職代行サービスでは、退職の意思をあなたに代わって伝えるため、明確な理由がないと代行業者も何と言って会社に退職の意思を伝えれば良いのか分からなくなってしまいます。そのため、退職の意思が明確で言語化して説明ができるのであれば、退職代行は使いやすいでしょう。
  • 退職と転職の準備が整っている方
    退職代行サービスでは、退職後の就職サポートまでしているところがあります。そのため、転職活動を同時に進めたい方は、退職の相談に加えて転職の相談もできるのです。同じ人が退職から転職までサポートしてくれた方がスムーズに次の仕事が見つかるでしょう。
  • 職場に退職の意向を自分で伝えられない方
    退職代行サービスの一番のメリットは、自分自身で退職の意思を伝えられない方でも、円滑に退職ができるという点です。あなたが上司と仲が悪くて退職が伝えられないという状況だったり、職場環境的に辞めづらい雰囲気が漂っていたりするなら退職代行はピッタリのサービスとなります。

このように、退職代行サービスには向き不向きがあるので、まずは自身がどのような理由から退職をしたいのか明確にしてください。

そのうえで、退職の弊害となる事柄がある場合は、退職代行サービスを利用してみましょう。