会社が倒産したら給料はどうなる? いざという時は未払賃金立替払制度を利用しよう

もしも自分の会社が倒産したら給料はどうなり、生活していけるのか考える方は多いですが、具体的にどうすれば良いのか知っている方は意外と少ないでしょう。

倒産した時にはじめにすべき手続きとして失業手当と、その他に支払賃金立替払制度があり、それぞれ申請する際の注意事項があります。

この記事では、自分が勤務している会社が倒産した場合の、未払賃金立替払制度と失業手当の申請の方法について解説します。

会社が倒産したら給料はどうなる?

会社が倒産したら給料はどうなる?

会社が倒産するというのは事業が成り立たなくなってしまったのがほとんど

多くの倒産する企業は、事業自体が成り立たなくなり倒産する会社がほとんどです。

倒産は販売などの不振によってすることが多く、販売不信で倒産した企業はお金がない関係で従業員にも給料が支払うことが困難になるケースもあります。

下の表は、2015年から2019年までの全国の企業の倒産件数になりますが、毎年8,000件以上の倒産があることがわかります。日本の中小企業などは、特に赤字になりやすい会社が相当あり、結果として年間8,000件以上の倒産になっています。

業界によっても倒産の割合が少ない業界と高い業界などがあるのも1つの特徴と言えます。年間8,000件と倒産件数が多いと身近な会社が倒産することもあり、ニュースなどでも倒産について報じられることがあります。

自分が勤務している会社は倒産しないだろうと考えることが難しいのが現状なので、業績不振になってきたら、失業手当、未払賃金立替払制度などのことを事前に把握しておくのも良いでしょう。

件数前年比(%)
20158,517-7.2
20168,164-4.1
20178,3762.6
20188,063-3.7
20198,3543.6

帝国データバンクの「全国企業倒産集計2019年報」(最終確認2020/07/27)

倒産をしたら会社は破産手続きなどを行い破産管財人がつきます。

会社は破産をした場合でも、全部の債務を放棄できるわけではなく、残っている資産から返済する必要があります。

従業員などは、自分の会社が倒産して破産をした場合は、次の会社へ転職をすることが可能ですが、会社経営者は会社の破産の手続きを行う際に同じタイミングで、自己破産の手続きをするのが一般的なケースでしょう。

実際の破産手続きでは、会社が裁判所に破産の申し立てを行うことで、裁判所によって破産管財人がつくことになります。

破産管財人は、会社の財産を売却したり、回収を行い集まったお金を法律に従い優先順位を決めて債権者に払う流れになっています。

この手続きが会社の倒産による破産手続きとなっていて、最終的に債権者にお金を支払うことで会社、事業を清算する仕組みになっています。

従業員の給料もその債権の中に含まれています。

倒産した会社で働いていた社員として気になるのが給料についてですが、裁判所が決めた破産管財人はその会社の債務を整理して、各方面へ手続きを行う時に従業員の給料もその債権の中に含まれます。

これを労働債権と言って、債権にも優先順位があるので低い優先順位の債権は泣き寝入りとなってしまいますが、労働債権は優先的に扱われます。

労働債権は、未払いの賃金や退職金、賞与などを含み労働者が得るべき権利を意味します。

従業員としては、別の会社へ転職するまでの間に生活費などが必要となるので、生活を維持する上でも労働債権は重要な法律で認められた権利です。

また、従業員によっては中小企業退職金制度などに加入している場合、退職金を積み立てている社外の機関に支払いを請求することで、退職金が社外の機関から支払われる制度もあるので知っておいた方が良いでしょう。

実態として本当に資産がない場合は、全く給料が支払われないケースも多い

会社が倒産した時は、基本的な労働者の権利である労働債権があっても、会社に資産がない場合は全く給料が支払われないこともあるので注意が必要です。

会社が倒産するケースでは、様々な会社の状況があり少しずつ給料が下がっていき結果的に倒産する場合と、急に業績の悪化に伴って倒産することもあります。

倒産する前から社員の方も倒産後のことを考える時間があれば良いですが、急に倒産した時は給料も含めて生活をどうしていくかが問題になるので、社内の経営状態は常に把握しておくことがおすすめです。

自分の勤務していた会社が倒産した時は、会社に資産が残っていないので未払いの給料をすぐに諦めてしまうのではなくて、労働債権で少しでも給料を取り戻すことや、国の救済制度などを利用して未払いの給料をもらうことができないか確認することが大切です。

国の救済制度などを利用するための条件などがいくつかあるので、自分の会社が倒産する可能性が出てきたら、国の救済制度を利用できるか早めにチェックした方が良いでしょう。

未払賃金立替払制度を利用する

未払賃金立替払制度を利用する

未払いの給料がある場合は国が実施している未払賃金立替払制度を使う方法もある

会社が倒産した時に未払いの給料がある場合は、国が実施している未払賃金立替払制度を利用する方法があります。

この制度は、全国にある労働基準監督署と独立行政法人労働者健康安全機構で実施されていて、企業の倒産によって賃金を支払ってもらわずに退職した方に対して、未払いの賃金の1部を立替払してくれる制度です。

未払賃金立替払制度は、労働者自身が倒産における裁判所への申立て等や労働基準監督署に認定申請がされた日の6カ月前の日から、2年間の間に退職した社員である必要があるので前もって把握しておいた方が良いでしょう。

また、労働者は未払賃金の額等に関して独立行政法人労働者健康安全機構に立替払の請求をしますが、請求は破産手続の開始の決定等が行われた日か、監督署長による認定された日から起算して2年以内にする必要があるので注意しましょう。

未払賃金立替払制度は、請求するための証拠をそろえる必要があるので手間と時間が掛かります。

厚生労働省の「未払賃金立替払制度の概要と実績」(最終確認2020/07/28)

未払賃金立替払制度の概要と請求方法や必要書類

未払賃金立替払制度は、企業が倒産した際に国が未払賃金の1部を立替する制度になり、立替を受けるには下記の条件を満たしている必要があります。

  1. 会社などの使用者が1年以上事業を行っていたことと、倒産した事実が必要です。倒産には、破産や民事再生などの法律上の倒産と、中小企業などにおいて事業活動が停止していて、再開する見込みがなく、賃金支払能力がない事実上の倒産が挙げられます。
  2. 労働者が、倒産について裁判所に申立てまたは労働基準監督署への認定申請を行った日の6カ月前の日から2年間の内に退職した者であること。

未払賃金立替払制度の請求方法は、立替払の要件や未払賃金の額等についての証明又は認定と確認をすることと、立替払の請求書の提出が必要です。

立替払等についての証明と確認は、破産等の場合と中小企業の事実上の倒産のケースとで請求手続きが異なるので気をつけましょう。

失業手当を申請する

失業手当を申請する

失業手当は会社都合か自己都合によって支給されるまでのスピードが違い、倒産は会社都合となるので申請手続きから1週間程度で失業状態とみなされる

失業手当を支給してもらうためには、会社都合による失業の場合は初めにハローワークに行って求職の申込みを行う必要があります。

失業手当は、失業の理由が会社都合か自己都合かによって違いがあり、会社都合の時は求職の申込みから7日後からもらえる制度になっています。

実際には会社都合であっても説明会や手続きなどで時間が必要なので、銀行口座に実際に入金されるのは約1カ月後からとなっています。

自己都合で退職した場合の失業手当は、離職日の翌日から7日間の待機期間があってそれから3カ月後からもらえるシステムになっています。

会社が倒産した際は、会社都合で失業となるので、申請手続きから1週間程度で失業状態とみなされます。

失業手当を申請する場合は、会社都合か自己都合の失業なのか明確にする必要があり、失業手当が支給されるスピードが異なってくることがあるので、失業した理由はとても重要なポイントです。

また、失業手当の所定給付日数は退職理由によって異なり、上限もあるので事前に把握しておいた方が良いです。

基本手当の受給期間は原則として、離職した翌日から1年間となっているので、早めに失業手当の手続きをした方が良いでしょう。

dodaの「失業手当の給付の手続きはどうすればいいですか?手当がもらえるのはいつから?」(最終確認2020/07/29)

もしも会社で給料の遅れ、未払いが発生したら倒産の予兆

もしも会社で給料の遅れ、未払いが発生したら倒産の予兆

会社の業務は通常だったとしても給料に遅れが出たり未払いが発生し始めたら赤信号

倒産の可能性を読み取るポイントとして、会社自体は業務が通常だったとしても給料の支払いに遅れが出た場合や、未払いの給料が発生したら企業の倒産の可能性が出てきます。

特に給料の未払いは、会社として本当に経営状態が悪化した場合になるケースなので、社員としては早めに倒産の予兆として理解した方が良いでしょう。

会社の業務が普段通りであっても、会社の財務状況がどうなっているかは、経営陣にしかわからない様になっていることもあるので、給料の未払いがあったら自分なりに社内の情報収集をして会社の経営状況をある程度把握して、もしも倒産しても焦らないように事前に準備することも大切です。

会社としては、順調であれば毎年社員に対しては物価の上昇や年齢なども考慮して、給料を上げるシステムになっている企業が多い中、1番大切な給料の遅れや未払いが発生することは、すでに倒産の危機にあるケースもあり得るので注意が必要です。

早急に転職の準備をしないと共倒れになる可能性がある

今勤めている企業で給料の遅れや未払いが発生した時は、早めに転職の準備をすることで会社と自分が共倒れになることを防ぐのが大切です。

特に未払いなどが続いている会社で長く仕事をしていれば、給料がもらえない状態で仕事をしていることもあり、将来無駄な時間であったと考える可能性があります。

こうならないために、会社の経営状態が悪化してきたと思ったら自分の将来のキャリアを考慮して早めに転職情報などを収集して、何が起きても大丈夫な様に準備するのが得策でしょう。

倒産などの理由で転職を希望する場合は、面接などでも退職理由として倒産であると伝えれば理解してくれる会社も多いので、勇気をもって転職活動に取組むことができます。

会社の倒産によって転職するケースで重要になるので、普段どのように仕事に取組み、どんなスキルや知識を身に付けてきたかでしょう。

会社の将来に不安のある方は、普段から資格取得の勉強をしたり、仕事で他の方よりもスキルを吸収できるようにしておくことで、転職活動でも落ち着いて面接などで自分をアピールできます。

会社が倒産したとしても生活費を確保する方法

会社が倒産したとしても生活費を確保する方法

会社がもしも倒産した場合でも、生活費を確保する方法はありますが、実際にその様な状況になるとどうして良いのかわからない方も多いでしょう。

会社が倒産した場合は、会社都合の退職であれば早いタイミングで失業手当を受けることも可能なだけでなく、未払いの給料などがあれば倒産した後に条件を満たすことで未払賃金立替払制度を利用することもできます。

会社の倒産の場合は、社員としては冷静に失業手当の手続きなど行うことで生活費をある程度は確保できるので、焦らず対応するのがポイントでしょう。

失業手当と未払賃金立替払制度は、それぞれ申請できる期間があるので、手続きをするタイミングを遅らせることなく、早めに対応するための情報を収集して手続きをすぐにできれば不安になることもないのです。

会社の経営状態が悪化してきて将来の生活費に不安のある方は、倒産前に自己都合退職するよりも倒産したことによる会社都合退職を選択する方が、失業保険が早めにもらえるだけでなく未払賃金立替払制度も利用できる場合があるので、倒産まで会社にいることを検討することもあり得ます。

倒産による退職であれば、会社都合退職となるので転職活動もやりやすくなって、金銭面だけでなく転職活動を含む将来の自分のためにもなるので、前向きに考えて倒産後の計画を考えるのがポイントです。