現在、営業職に就いている方の中で新しい業種へ転職したいと考えている人は少なくないでしょう。
もちろん、営業の仕事に興味があって、全くの未経験から始めてみたいというも多いはずです。
しかし、営業マンが他の業種に転職する場合は、どのようなアピールをすれば良いのか迷い、未経験者が営業に就く場合は、経験がなくても仕事が見つかるのか不安に感じるでしょう。
そこで今回は、30代営業マンが転職する際のメリット、成功のポイントなどを解説します。また、未経験者が営業職を目指す際の成功の秘訣についても伝えてくので、ぜひ参考にしてみてください。
30代営業マンが転職するメリット4つ
30代営業マンが転職するメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
- 勤務時間外の労働や休日の労働がなくなる
- ノルマに縛られる必要がなくなる
- 外回りがなくなるから体力的な負担が減る
- ビジネス全般のスキルがあるから転職に有利
メリット1.勤務時間外の労働や休日の労働がなくなる
1つ目のメリットは、勤務時間外の労働や休日の労働がなくなるという点です。
営業職というのは、比較的残業時間が長いとされる業種です。企業評価サイトの「働きがい研究所 by openwork」が実施した調査によると、法人向け営業職の残業時間は55.94時間となっています(*)。
また、取引先との接待によって、休日でも仕事をしなければならないケースも多いので、他の業種よりも時間外労働や休日出勤が増える傾向にあります。
その点、営業職から転職すれば、残業が減ったり休日出勤がなくなったりします。土日休みが当たり前の職種も多いので、バランスの取れた生活が送れるようになるでしょう。
*参考:働きがい研究所 by openwork「調査レポートVol.4 約6万8,000件の社員クチコミから分析した“残業時間”に関するレポート」最終確認日2020/6/9
メリット2.ノルマに縛られる必要がなくなる
2つ目のメリットは、ノルマに縛られる必要がなくなるという点です。
営業の最大の負担といえばノルマでしょう。ノルマを達成しなければならない状況が大きな負担になり、身体を壊す人までいるほどです。上司からの圧力もストレスに感じるでしょう。
その点ノルマがない業種に転職すれば、精神的な負担から解放されるので、心身共に健康的な日々を過ごせるようになります。
メリット3.外回りがなくなるから体力的な負担が減る
3つ目のメリットは、外回りがなくなるから体力的な負担が減るという点です。
営業職といえば、やはり外回りのイメージが強いこともあって、毎日歩き回るという方が多いのではないでしょうか。
実際、1日1万歩が目安とされる歩数において、営業職の方は1日2万歩以上というのが平均となっています。普通の人の倍にも及ぶ歩数を歩くので健康には良いものの、やはり毎日となる身体に大きな負担がかかるでしょう。
その点営業職から転職すれば、1日中歩き回るといった環境から解放されるので、身体への負担が軽くなるのです。また、デスクワークだったとしても通勤と帰宅時に歩いたり、その他に趣味で運動をしたりすれば、健康への不安も解消できます。
メリット4.ビジネス全般のスキルがあるから転職に有利
4つ目のメリットは、ビジネス全般のスキルがあるから転職に有利になるという点です。
営業職は、お客様の要望をヒヤリングして課題を見つけて、解決策を提案するといった仕事内容なので、ビジネス全般のスキルが身に付きます。
✔ コミュニケーション能力
✔ 課題発見力
✔ 問題解決能力
✔ 提案力
これらビジネス全般で必要な能力を網羅しているので、転職する際に有利となるのです。自分自身をアピールする能力も高いので、面接の際にも営業職で培った能力が活かせるでしょう。
30代の営業職は転職して年収を上げることはできるの?
30代の営業職が転職した場合、年収アップを実現することは可能です。
まずは、大手転職サイト「type」が実施したアンケート結果を確認してみましょう。
営業職からその他の職種に転職した際に年収が上がったのかというアンケート結果です。
- 年収が上がった:63%
- 年収が下がった:22%
- 変わらない:14%
このように、年収が上がったと回答した方が、実に63%にも上ります。もちろん、中には下がったという方もいるので、絶対に年収アップが狙えるわけではないものの、上がる可能性が高いと言えるでしょう。
どのぐらい上がったのかという内訳については以下の通りです。
【年収が上がった方】
上がった金額 | 割合 |
+100万円以上 | 21.3% |
+50~100万円 | 17.5% |
+50万円 | 13.8% |
+40万円 | 2.5% |
+30万円 | 5.0% |
+20万円 | 2.5% |
+10万円 | 5.0% |
【年収が下がった方】
下がった金額 | 割合 |
-100万円以上 | 6.3% |
-50~100万円 | 3.8% |
-50万円 | 1.3% |
-40万円 | 1.3% |
-30万円 | 1.3% |
-20万円 | 0.0% |
-10万円 | 1.3% |
年収が上がったと回答した方の中で、最も多かった回答は年収が100万円以上上がったというものでした。このデータを見る限りでは、営業職から転職すると年収が上がるようです。
もちろん、転職する業種によっては年収が変わらない、もしくは下がるというケースもあるので、どの業種や企業に転職するのかが、年収アップの鍵となります。あなた自身の市場価値をしっかりとアピールできれば、年収アップが狙えるでしょう。
ちなみに、「転職して良かったことは?」という質問では、給与が上がったという回答がトップの22.7%でした。やはり年収アップを目指して転職をする方が多いのが見て取れる結果です。
参考:type「転職で年収が上がった営業マンは63%!【#1データで見る営業の転職:営業の転職ノウハウ】」
30代営業マンが転職する際の注意点3つ
30代営業マンが転職する際は、以下の3つの注意点に気を付けましょう。
注意点3.本当に転職すべきなのか?
1つ目の注意点は、本当に転職すべきなのかという点です。
営業職はノルマが辛かったり、時間外労働が多かったりといった不満があるでしょう。その精神的な辛さから、後先考えずに転職を考える方が多いのが実情です。
しかし、一度転職をすれば、今までの生活を全て手放すことになります。転職先次第ではあなたにとってプラスだった能力も全て失う可能性があるのです。
一時の感情だけで転職を考えているなら、今一度培ったスキルや今の環境を手放すという点、新しい仕事を一から学ぶ必要があるという点についてしっかりと考えてください。そのうえでも転職を考えるのであれば、2つ目以降の注意点を読み進めましょう。
注意点2.未経験でも受け入れてくれる業種・業界かどうか?
2つ目の注意点は、未経験でも受け入れてくれる業種・業界かどうかという点です。
30代で転職する方は、その多くが初めての転職でしょう。そのため、今まで営業職しか経験がないケースが多いので、転職先を選ぶ際は未経験でも受け入れてくれる業種・業界なのかどうか確認してください。
例えば、AI業界やRPA業界などは、まだまだマーケットとして誕生したばかりなので、経験者数が少なく、未経験でも受け入れてくれる可能性が高くなっています。
反対にプログラミングなどの業種は、即戦力となる人材を探しているケースが多いため避けた方が良いでしょう。
もちろん、AI業界などでも未経験を受け入れていない場合もあれば、反対にプログラミングでも未経験を受け入れているケースはあるので、一つひとつの求人をしっかりと精査しましょう。求人を探す際は、「未経験歓迎」や「未経験可」と記載されているかチェックしてください。
注意点3.営業職で培ったスキルが活かせるかどうか?
3つ目の注意点は、営業職で培ったスキルが活かせるかどうかという点です。
前の項目でも記載した通り営業職では、課題を発見したり、問題解決をしたりする能力に優れています。そのため、転職をする場合でも、これらの能力が活かせる仕事なのかどうか考えて選ぶ必要があるのです。
例えば、コンサルティングファームでは、経営支援コンサルタントやメーカーの経営企画といった業務をこなします。これは問題点を発見して、最適なサービスや商品を提案するのが仕事なので、営業のノウハウを活かせるでしょう。
その他にも、金融業界における専門商社の経理なども、同様のスキルを必要とする仕事なので、営業食の転職先としては最適です。企画・マーケティングなども、自社の商品やサービスを通じて問題点を発見、解決策を考えるのが仕事なので、営業職で養った知識や考え方が活かせます。
このように、営業職で培ったスキルが活かせる仕事の方が、転職する際のアピールポイントになりますし、転職後の仕事を始めるうえでも、負担が軽くて済むでしょう。
30代営業マンが転職を成功させるポイント3つ
営業からその他の業種へ転職する際は、以下のポイントを押さえると成功させる可能性が飛躍的にアップします。
✔ 転職の理由を前向きな内容にする
✔ 営業職の実績は具体的な数字でアピールする
✔ 営業職で身に付けたアピールポイントを駆使する
成功のポイント1.転職の理由を前向きな内容にする
成功のポイント1つ目は、転職の理由を前向きな内容にするという点です。
転職の理由は必ずしも前向きなものばかりではないでしょう。しかし、転職の際には必ず理由を聞かれるので、その際にネガティブな内容を答えるのはNGです。
どんなにマイナスな理由による転職だったとしても、前向きな理由を考えて伝えるようにしてください。
例えば、経理に転職するなら、「営業として売上だけでなく必要経費にも注目するようになったのをきっかけに、経理という仕事の重要性とやりがいに興味を持ったので転職を考えました」といった形で前向きな内容を考えましょう。
転職を考えた理由に加えて、新しい仕事に興味を持った理由も伝えられると良いアピールができます。
成功のポイント2.営業職の実績は具体的な数字でアピールする
成功のポイント2つ目は、営業職の実績は具体的な数字でアピールするという点です。
転職をする際は、これまでの実績をアアピールすると効果的になります。そして、実績のアピール効果を飛躍的に高める方法というのが、具体的な数字を入れると点なのです。
例えば、「私は営業で高い売上を誇り、企業の売上アップにも貢献しました」と言われるよりも、「私は営業で毎月1,000万円の売上を上げていて、尚且つ顧客のニューズを基にサービスの改善を提案したことで、売上の30%アップを実現しました」といった形で、具体的な数字を入れた方が効果的になります。
特に営業職は具体的な数字が分かりやすい職種なので、必ず分かりやすい数字を入れてアピールしてください。
成功のポイント3.営業職で身に付けたアピールポイントを駆使する
成功のポイント3つ目は、営業職で身に付けたアピールポイントを駆使するという点です。
営業職で活用するスキルは、ビジネス全般で必要なスキルとイコールとなっている点が多々あるので、その点をしっかりとアピールしましょう。
具体的にアピールアピールポイントとして活かせる以下のような点です。
✔ ヒヤリング能力:顧客の話を深く聞き、潜在的なニーズを引き出す能力
✔ 情報収集能力:経済動向や顧客の行動傾向などを収集する能力
✔ スケジュール管理能力:多くの顧客の接点を持つので高いスケジュール管理ができる能力
✔ プレゼンテーション能力:サービスや商品の良さをアピールする能力
✔ 分析能力:顧客の抱える問題点を把握して解決策を提案する能力
これらの能力に長けていると考えられますので、以上の能力をしっかりとアピールして、転職活動を有利に進めましょう。
営業職は30代の未経験者でもなれる?
30代から営業職に転職したいと考える方もいるでしょう。中には、今までニートとして働いた経験がないけど、営業職を始めたいという方も存在しています。
では、営業職は未経験でも始められるのでしょうか。
その答えは“Yes”です。
というのも営業職は、仕事がキツイや時間外労働が多いイメージが強いため、新しい人材確保を狙う企業が多く存在しています。また、求められる気スキルもコミュニケーション能力が高いなど、プライベートで養われるものが多いため、人柄重視で採用されるケースが多くなっているのです。
もちろんニートの方であっても、物事を慎重に考えられる姿勢などをアピールすれば、十分に未経験からでも営業職を始められるでしょう。
未経験から営業を始められるか不安に感じている方は、次で解説する就活エージェントを活用してみてください。
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